勤怠管理システムの選び方「働き方改革関連法に対応した3つの選定ポイント」後編

2021年3月22日更新

前回のコラムでは、「労働時間を適正に把握するように、企業に義務付け」、「1人1年あたり5日間の年次有給休暇の取得を企業に義務付け」、「残業時間の上限を規制」について詳しく解説しました。今回は、勤怠管理システムの選び方「3つのポイント」について解説します。

勤怠管理システムを選ぶときに失敗しない3つのポイント

それでは、「労働時間を適正に把握するように、企業に義務付け」、「1人1年あたり5日間の年次有給休暇の取得を企業に義務付け」、「残業時間の上限を規制」の確実な実施に対応するため、勤怠管理システムをどのように選定すればよいでしょうか?その選定の3つにポイントをご紹介します。

なお、前回コラム同様に、本コラムでも、「タイムカード、ICカード等の客観的な記録と申告された始業時刻、就業時刻との乖離」のことを「入場乖離」や「退場乖離」と呼称します。

ポイント1:複数の業種・様々な働き方に対応した始業終業時刻の管理ができるシステムを選ぶ

労働時間の状況を客観的に把握するには、自社の従業員の様々な働き方に対応できる勤怠管理システムを選定しなければなりません。例えば、店舗で働く方と工場で働く方は、始業終業時間の申告の仕方も異なりますし、「入場乖離」や「退場乖離」の確認の仕方も異なります。

そのため、複数の業種や様々な働き方に対して、労働時間の状況を客観的に把握できる勤怠管理システムを選ぶことが重要です。

例えば、「入場乖離」や「退場乖離」の確認も、オフィスワーカーならこうやって確認する、工場のエンジニアならこうやって確認する、店舗の接客スタッフならこうやって確認するといった具合に、柔軟に確認できる仕組みを持つ勤怠管理システムであることが重要です。テレワークでは、始業終業時刻の申請とパソコンの電源ON/OFF時刻の乖離を確認し、申請されない残業を防止することも重要です。

ポイント2:人事部門が抵触しそうな従業員を発見し個別の対処ができるシステムを選ぶ

図1:有給取得のアラート機能図1:有給取得のアラート機能

使用者が全体を俯瞰して把握し、個々に適切に対処することが望ましいですが、従業員数が多くなると現実的ではありません。そのため、対応を各部門の管理職にゆだねることになりますが、関連法令、労働条件等の知識に乏しい現場管理職が残業削減、有休取得の対策を適切に行えるとは限りません。

だからこそ、法に触れるような就業状況を未然に防ぐ意味合いでも、長時間残業が続いている、休暇を十分にとれていない等の異変や異常があれば、すぐにアラートで知らせる機能があるシステムで現場管理職すなわち直属の上司に対しアラートを発し、人事部門は対処されていることを管理することが求められます。特にテレワークでは直接働く姿を確認することが難しいのでシステムに頼ることも必要です。

当然、アラートで知らせるといっても、「ポイント1」との連動も重要です。

ポイント1では、「複数の業種・様々な働き方に対応した始業終業時刻の管理ができるシステムを選ぶこと」とご紹介しましたが、そのようなシステムだからこそ、適正な労働時間を算出することができます。適正な労働時間を算出しているからこそ、アラートに正確性が生まれます。

つまり、勤怠管理システムに「アラートの機能があれば良い」ではなく、労働時間の状況を客観的に把握した上で、アラートで通知されなければなりません。

ポイント3:勤怠管理と人事給与の連携が容易なシステムを選ぶ

ポイント2でご紹介したアラートですが、「長時間残業が続いている、休暇を十分にとれていない」などの異変や異常を発見したら、当人だけでなく、その上司にも「自動的」にアラートが通知されることが重要です。なぜなら「自動的」に通知されることで、改善策を上司や本人が検討できるきっかけを定期的に作れるようになるからです。

では、自動的に上司に通知するにはどうすればよいでしょうか?それは、「人事給与システムとの連携が容易な勤怠管理システム」を選ぶことで解決します。

人事給与システムには、従業員の所属と役職、誰が直属の上司なのか?などの人事情報が登録されています。

勤怠管理システムは異変や異常を発見することはできますが、人事給与システムと連動していなければ、勤怠管理システム側で上司は誰なのか?を把握・確認することはできません。そうなると、上司に自動的にアラートを通知することもできなくなります。

だからこそ、人事給与システムと連携できる勤怠管理システムが重要であり、連携できるシステムを選ぶことで、自動的に上司にもアラートを通知することができるようになるのです。

まとめ

「働き方改革法案」、「テレワークといったニューノーマル時代の働き方」に関連した、勤怠管理システムの選び方について解説しました。重要なポイントは下記の3つです。

  1. 複数の業種・様々な働き方に対応した始業終業時刻の管理ができるシステムを選ぶ
  2. 人事部門が抵触しそうな従業員を発見し個別の対処ができるシステムを選ぶ
  3. 勤怠管理と人事給与の連携が容易なシステムを選ぶ

クラウドだからいい、値段が安いからいいといった選び方ではなく、法令遵守をベースに、上記3つを重要視して選定されることが必要です。

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著者プロフィール

富士通Japan株式会社
商品戦略推進本部 ソリューションビジネス推進統括部 ソリューションコンダクターセンター
相澤 好信

経済産業省推進資格ITコーディネータを取得
総務省よりテレワークマネージャーを委嘱
人事部門向けの課題調査、解決策の提示などの支援を3年で約300社実施

※本コラム中に記載の部署名、役職は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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