プレスリリース
2021年5月31日
富士通Japan株式会社


診療所向け電子カルテシステムとWelby様のPHRプラットフォームを連携開始

「HOPE LifeMark-SX」により、慢性疾患治療や新型コロナワクチン接種に伴う診療など医師の業務を幅広く支援

当社注1は、慢性疾患の治療や新型コロナワクチン接種前後の患者の体調変化を踏まえた診療など、医師の業務を幅広く支援するため、診療所向け電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-SX(ホープ ライフマークエスエックス)」(以下、HOPE LifeMark-SX)と、PHR注2サービスのリーディングカンパニーである株式会社Welby注3(以下、Welby)様の、2万を超える医療機関で実績を持つPHRプラットフォーム「Welbyマイカルテ」注4との連携を2021年6月1日より開始します。

本連携により、医師は、「HOPE LifeMark-SX」から起動した「Welbyマイカルテ」にアクセスすることで、患者が「Welbyマイカルテ」上に入力し、本人同意のもと連携される日々の食事や運動記録、バイタル情報などを電子カルテの情報と合わせて参照しながら診察できます。これにより、例えば、糖尿病や高血圧などの慢性疾患の患者に対し食事や運動のアドバイスが可能になるなど、予防医療から診療まで幅広くかつきめ細かく患者をサポートできるようになります。

また、Welby様が2021年5月31日から「Welbyマイカルテ」へ新たに機能を追加した、新型コロナワクチン接種前後の体調を患者が入力する「新型コロナワクチン接種管理サービス」とも連携しており、新型コロナワクチン接種による患者の体調変化や副作用などの異変を医師がすぐに察知し、適切な診療を行うことが可能です。

当社は、今後も、Welby様との連携を通じて、あらゆる人々のウェルビーイング注5な暮らしをサポートする「Healthy Living」の取り組みを推進していきます。

診療所のかかりつけ医は、地域包括ケアシステムを実現するための中核的な役割を担っており、新型コロナウイルスの感染疑いがある患者の相談対応も行うなど、役割が広がり、重要さを増しています。そのため診療所のかかりつけ医には、新型コロナワクチン接種前後の体調管理を含め、患者の生活背景を把握しながら適切な診療や保健指導を行い、予防医療から診療まで幅広くかつきめ細かく患者をサポートすることが求められています。

これらのニーズに対応するため、当社は、かかりつけ医が患者の生活習慣やバイタル情報などを把握しながら適切な指導を行えるように、診療所向け電子カルテシステム「HOPE LifeMark-SX」と、Welby様のPHRプラットフォーム「Welbyマイカルテ」の連携を開始します。

「Welbyマイカルテ」との連携の特長

  1. 予防医療から診療まで患者をきめ細かくサポート
    医師は、「HOPE LifeMark-SX」から起動した「Welbyマイカルテ」にアクセスすることで、患者が「Welbyマイカルテ」上に入力し、本人同意のもと連携される食事や運動記録、血圧や体温などのバイタル情報を閲覧できます。これらの情報を診察や診断などに利活用することで患者一人ひとりに合ったきめ細かい診療が行えます。例えば、糖尿病や高血圧などの慢性疾患を持つ患者に対する食事や運動などの保健指導や、重症化予防に向けた検査や治療をはじめとする診療計画の策定がしやすくなります。さらに、患者にとっても「Welbyマイカルテ」に入力した情報を本人同意のもと医師に容易かつ正確に共有できるため、問診や診療時の説明負荷が軽減されるとともに、より質の高い医療を受けることが可能になります。

    「Welbyマイカルテ」患者側 画面イメージ「Welbyマイカルテ」患者側 画面イメージ
  2. 新型コロナワクチン接種前後の患者の体調を容易に共有することで、より早く、適切な診療が可能
    Welby様が「Welbyマイカルテ」に新たに機能を追加した「新型コロナワクチン接種管理サービス」と連携することで、医師は新型コロナワクチン接種の有無や接種日、接種薬剤名、接種会場、接種前後の体温、症状などを一目で確認できます。これにより、体調不良を訴えて来院した患者に対し、医師は、症状とワクチン接種との関連性を確認しながら適切な診療を行うことが可能です。また、慢性疾患などで通院している患者が新型コロナワクチンの接種を受けた際に、患者のバイタル情報の変化の有無などを確認し、異変をより早く察知し適切な診療を行えます。
  3. 診療業務の効率および質の向上と高いセキュリティを両立する仕組みを実現
    医療機関が導入する電子カルテシステムは、通信規格やセキュリティ保護の観点でインターネットサービスへのアクセスが制限されており、他の医療システムやサービスを併用する場合は、別の端末で運用する必要がありました。そのため、複数端末の参照や電子カルテシステムへの情報の転記に入力の手間がかり、他のシステムに蓄積された情報を診療行為に活かしきれないという問題がありました。
    この問題を解決するため、病院内の「HOPE LifeMark-SX」とクラウドセンター内の「Welbyマイカルテ」をつなぐセキュアなネットワークであるIP-Sec VPN注6を用い、セキュリティを確保した上でインターネットサービスに接続する仕組みを整備しました。これにより、電子カルテシステムと同じ端末から「Welbyマイカルテ」を参照可能となり、診療業務の効率が向上するとともに、より良質な診療を行うことができます。

今後について

当社は、これまで、「HOPE LifeMark-SX」において、スマートフォン上で診察予約や診察順確認を可能にする順番予約サービスや、遠隔地での診察に加えコロナ禍における非接触での診察も可能なオンライン診療サービスなど、よりよい医療サービスを医療機関へ提供し、患者が享受できる環境を提供してきました。

当社は、今後もWelby様と連携し、予防医療への貢献や患者へのサービス向上、スタッフ部門の負荷軽減などに寄与し、ウェルビーイングな暮らしをサポートする「Healthy Living」の取り組みを強力に推進します。

「HOPE LifeMark-SX」のシステム連携強化の概念「HOPE LifeMark-SX」のシステム連携強化の概念

商標について

記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

注釈

  • 注1
    当社:
    富士通Japan株式会社 本社 東京都港区、代表取締役社長 砂田 敬之。
  • 注2
    PHR:
    Personal Health Recordの略。個人が自身の医療情報をはじめ、健康に関する情報を集積し管理するもの。個人の意志で開示をコントロールできるものを指す。
  • 注3
    株式会社Welby:
    本社 東京都中央区、代表取締役 比木 武。
  • 注4
    Welbyマイカルテ:
    Welby様が提供するPHRサービスの一つ。糖尿病、高血圧などの生活習慣病患者さんを対象に、血糖値や血圧などの自己管理を支援するスマートフォン向けアプリ。
  • 注5
    ウェルビーイング:
    生活者に身体的、精神的、社会的に良好な状態をとどけること。
  • 注6
    IP-Sec VPN:
    IP-Sec方式のVPN。VPN (Virtual Private Network)は、インターネット網をまたがって、仮想的に閉域ネットワークを構築する技術。IP-Sec(Security Architecture for Internet Protocol)はデータを暗号化することで通信のセキュリティを確保する規格。

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