プレスリリース
2006年7月18日
富士通エフ・アイ・ピー株式会社
~マルチプラットフォーム対応の利点をそのまま、次世代の暗号技術にも対応~
富士通エフ・アイ・ピー株式会社(社長:太田幸一、本社:東京都江東区 レインボータウン)は、マルチプラットフォーム対応 ファイル暗号化ツール「COMPLOCK」に、電子政府推奨暗号(注1)のひとつであるAES(注2)アルゴリズムを追加し2007年1月にリリースいたします。
COMPLOCKは株式会社シーアイシーシステムズとの共同開発によるファイル暗号化ツールで、OS、メーカを問わないマルチベンダプラットフォーム・マルチベンダ対応(注3)の優れた機能を有しており、金融業界を中心に約400社に販売実績があります。このたびのAESアルゴリズム追加により、これまでの独自暗号(注4)に加え、AESも利用可能になり、COMPLOCKユーザは、汎用機からPCまでOSもメーカも意識することなく、お互いに暗号化されたファイルを受け渡しできるという現状のCOMPLOCKの利点を生かしたまま、より強度な次世代の暗号技術にも対応することが可能となります。
近年、社会・経済情報化の進展に伴い、官民を問わず、ネットワークを通じて大量の個人情報や秘密情報が受け渡されるようになってきました。これに伴いネットワーク上を流れる情報の保護が重要な課題となっており、より強度な暗号化が求められてきております。米国ではDES(注5)に代わる連邦政府標準暗号としてAESが採用され、欧州の暗号規格NESSIEや日本の暗号規格CRYPTREC でも採用されております。
こうした状況を勘案し、当社では、種々ある次世代暗号アルゴリズムの中から、大量データの暗号化・復号処理に適し、信頼性が高いAESアルゴリズムを追加することとしました。COMPLOCKは圧縮・暗号化したファイルを異機種間で直接受け渡すことができる利便性が認められ、金融業界、中でも銀行(注6)につきましては7割強にご採用いただいております。また、金融以外の業界においても資金移動や決済業務など銀行とのデータ交換に際して、銀行ごとに異なる暗号化ツールを用意する必要がないため、広くご採用いただいております。このたびのAESアルゴリズム追加により、既存のユーザはマルチプラットフォーム対応による利便性を生かしたまま、次世代の暗号技術を利用できるため、新しい情報化社会への対応をスムーズに進めることができます。また、新規に導入するユーザも、既に導入いただいている企業・機関とデータ交換を行う際に、プラットフォームの違いを意識することなくセキュアにデータ交換が可能となります。
今後当社では、暗号化ツール COMPLOCK はもとより 、既存のセキュリティ関連サービスもさらに拡充し、情報技術をより安心・安全にビジネスに活用していただける社会の実現に貢献してまいります。
注1 電子政府推奨暗号:
総務省および経済産業省が共同推進する暗号技術評価プロジェクト「CRYPTREC」において、電子政府にて利用することが推奨されているアルゴリズムです。
なお国際的には、ISO/IEC において暗号アルゴリズムの標準化の動きがあります。
注2 AES( Advanced Encryption Standard ):
米国政府の次世代標準暗号化方式です。 2003年 12月、日本の電子政府推奨暗号としても認定されました。
注3 マルチベンダプラットフォーム・マルチベンダ対応:
1. COMPLOCK は以下の機種・ OS に対応しています。
OS | |
---|---|
メインフレーム版 | 【富士通】 MSP, MSP-EX, XSP |
【IBM】 MVS, OS390, zOS,AS400 | |
【日立】 VOS3 | |
【日本電気】 ACOS-4 | |
【 UNISYS 】 2200 系 , NX シリーズ | |
UNIX 版 | 日本語 Solaris 2.6/7/8/9/10 CPU:SPARC |
HP-UX 11.0/11iv1,v2
CPU:PA-RISC,Intel Itanium |
|
AIX 5L V5.1/V5.2 CPU:PowerPC,Power3,4 | |
Linux 版 | RedHat Enterprise Linux ES/AS(v.2.1/v.3)
CPU:Intel x86 |
Windows 版 | Windows NT /2000/2003/XP |
Windows Server 2003,standard x64 edition[Intel EM64T] |
2. COMPLOCKとCICロック(株式会社シーアイシーシステムズ製)はシステム互換があり、相互に圧縮・暗号化したファイルを復号・復元できます。
注4 独自暗号:
COMPLOCK には次の3件の特許を当社で取得し、使用しています。
注5 DES( Data Encryption Standard ):
1960年代後半に IBM 社によって開発された秘密鍵暗号化アルゴリズムです。1977年に米国の連邦情報処理基準に採用されました。
注6 銀行:
都銀:6行、地銀:64行、第二地銀:47行、その他:11行 計:128行
【製品&サービス】 |
ご不明な点は、「当社へのお問い合わせ」よりお問い合わせください。
以上
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