プレスリリース
2004年6月7日
富士通エフ・アイ・ピー株式会社
富士通エフ・アイ・ピー株式会社(社長:大島博、本社:東京都江東区青海:レインボータウン)は、このたび、道路交通状況データ(車線数、信号データ、交通量等)を入力するだけで、渋滞の距離、時間などを算出し、交通の流れをリアルに再現する道路交通シミュレータ「PLAMROAD」(プラムロード)の販売を開始いたします。
「PLAMROAD」は、道路の描画、交差点改良などの交通対策に関するデータ入力、シミュレーション計算、その結果の出力やアニメーション表示などの全ての機能をパッケージ化にした初の道路交通シミュレータです。交通対策の立案から対策実施後の影響評価までを短時間で行うことができるため、いくつものパターンを容易に作成、比較できる画期的なシステムです。
今日、都市部への人口集中や郊外型大型店舗の進出に伴い、道路は「効率的に運用する」時代にシフトしています。自治体やその依頼を受ける建設コンサルタント等では、既存の道路を効率的に運用するために、右左折レーンの変更や信号のタイミング設定、交通規制の変更や新規の店舗出店に伴う駐車場ゲートの位置、誘導路、右折進入の可否など様々な対策を検討評価し、周辺住民などの関係者の合意を得ることが必要になっています。
従来は、交差点の設計時に用いる「飽和度」や「混雑度」といった、1時間あたりの平均交通量を基準として静的な指標を算出して評価を行う手法が広く採用されていました。しかし、これだけでは時々刻々と変化する交通状況によって引き起こされる渋滞や滞留等の現象はうまく再現できないことが指摘されており、また、周辺住民などに対して、評価の結果を解りやすく伝えることが非常に困難だという問題がありました。
道路交通シミユレータ「PLAMROAD」は、車両一台一台の動きを最小0.1秒単位で計算することができるため、個別の車両の動きをリアルに再現でき、また、交差点の変更や信号調整などによる渋滞の発生・解消などの影響を時々刻々と表現することができます。条件設定のインターフェースに富士通エフ・アイ・ピーが建築CADシステム等で長年培ってきた独自のGUI技術(注)を用いることで、マウス操作を中心とした簡便な操作で道路の描画やレーン長、交通規制、信号現示の設定・変更を行うことができます。
さらに、シミュレーション結果を数値やグラフに加えアニメーション化する機能ももっているため、交通量や道路幅などの条件を変更した場合でも、すぐに変更後の状況を見ることができます。これにより、数値やグラフのみでは説明が難しかった関係者に対する対策効果についても、説得力をもって、解りやすく説明することができます。自治体では、大型店舗の出店に伴う住民等への説明に際し、シミュレーションを用いた説明を推奨する動きもあり、「PLAMROAD」は、合意形成を得るための有効なツールとして活用できます。
富士通エフ・アイ・ピーでは、「PLAMROAD」を各都道府県や市の道路運用担当部署ならびに建設コンサルタント企業などに販売いたします。また、渋滞対策や大規模小売店舗立地法対応のシミュレーションサービス(混雑評価・駐車場計画等)なども行ってまいります。
今後は、シミュレーションの範囲を拡大してカーナビ等の渋滞予測情報サービスや地域レベルでの環境影響評価にも利用できるシミュレータの開発を行ってまいります。
注 GUI (Graphical User Interface) :
ユーザに対する情報の表示にグラフィックを多用し、大半の基礎的な操作をマウスなどのポインティングデバイスによって行うことができるユーザインターフェース。
ご不明な点は、「当社へのお問い合わせ」よりお問い合わせください。
以上
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