利尻島国民健康保険病院組合 利尻島国保中央病院 様
クラウド型電子カルテシステム「HOPE Cloud Chart」導入による離島医療の向上
北海道利尻島で島民の医療を一手に担う利尻島国保中央病院では、富士通エフ・アイ・ピーの提案した、クラウド型電子カルテシステム「HOPE Cloud Chart」を導入。離島というロケーションのなか、院内の情報共有の強化と、災害に強い電子カルテシステム構築を実現した。
- 課題医師の業務引き継ぎや病院スタッフの情報共有が容易に行える事
- 効果電子カルテシステム導入により運用を標準化。情報共有の強化、業務効率化も実現
- 課題万一の災害時にも耐えうる院内システムの構築
- 効果情報は富士通のデータセンターに保管され、有事の際にも安心
- 課題離島の病院のため、迅速なシステムメンテナンスの対応が課題であり、緊急時にもサポートを受けられる体制が必要
- 効果クラウドシステムのため遠隔操作のメンテナンスが可能。定期的な訪問やテレビ会議の対応などサポートも充実
背景と課題
医師の引き継ぎや情報共有を強化するために
電子カルテシステムの導入を検討
北海道北部の日本海上に浮かぶ利尻島は、人口約5千人で、有名な利尻昆布やエゾバフンウニなどの豊かな海産物に恵まれ、利尻礼文サロベツ国立公園などを擁する自然豊かな漁業と観光の町だ。
利尻島国民健康保険病院組合 利尻島国保中央病院(以下、利尻島国保中央病院)は、1985年、利尻町沓形字緑町に急性期病院として開院。診療科目は内科・外科、眼科、産婦人科、整形外科で、42床の病床を有する。「当院は島で唯一の有床病院で、島民の皆様の健康保持、増進とともに、地域医療教育関連病院として次代を担う医療従事者の育成にもつとめています」と話すのは、利尻島国保中央病院 副院長の淺井 悌氏だ。
同院では2018年、富士通エフ・アイ・ピー(以下 富士通FIP)の支援のもと、クラウド型の電子カルテシステムを導入した。
従来、同院は紙のカルテとデータベースソフトを活用して患者情報を管理していた。しかし、持続可能な運用に心配があったという。「電子カルテを導入することで運用を標準化し、業務の引き継ぎや情報共有を容易かつ迅速に対応したいという想いがありました」と淺井氏は話す。同院は地域医療教育関連病院のため、毎年のように医師や研修医の異動がある。医師や研修医が入れ替わるたびに働き方が変わっては、看護師など病院スタッフにも負担が大きい。そうした課題も解消したかったと淺井氏は電子カルテ導入の目的を語る。
利尻島国保中央病院 事務部 総務課 主事の岡田 一孝氏は、業務継続の点でも電子カルテシステムの導入が必要だったと話す。「近年大型の地震が多発しており、島の中央にある利尻山も活火山であり、いつ大災害があるとも分かりません。そのため病院のデータを安全に保管し、災害時でも医療を継続できるようにすることも必要でした」と岡田氏。
導入のポイント
離島医療のニーズに合う
クラウド型電子カルテシステムを採用
電子カルテシステムの導入を検討する上では、離島ならではのポイントがあったという。「冬場に限らず、島への移動手段がなくなる場合もあり、ベンダーに頻繁に来てもらうのは難しい立地です。導入後のサポートが得られないのでは困りますので、その解決策を第一に求めていました」と淺井氏。
いくつかのベンダーに声を掛け、提案を検討した結果、富士通FIPの提案するクラウド型電子カルテシステム「HOPE Cloud Chart」を採用することとなった。採用の理由を淺井氏は「総合的に検討した結果」と話す。導入実績や操作性、信頼性、セキュリティ、コスト、遠隔でのメンテナンスを含めたサポート体制などを検討し、HOPE Cloud Chartの導入を決定した。
電子カルテは個人情報の塊といえるため、とくに厳重なセキュリティが必要となる。クラウド型の電子カルテであることについて岡田氏は、「病院の外にカルテのデータを保管することになりますが、富士通の堅牢なデータセンターで保管するのであれば、病院のサーバ室よりも安全です」と語る。
「導入にあたっては、設計から構築、検証に至るまで富士通FIPの支援を受け安心でした。エンジニアの方が要所で来院して密にミーティングを行い、課題点を洗い出してくれました。現場との認識合わせなどにも協力してもらい、スケジュール通りに稼働させることができました。富士通FIPでなければ間に合わなかったと思います」と岡田氏は振り返る。作業着手から、医師や病院スタッフへの教育、リハーサルなどを経て、約4か月でHOPE Cloud Chartは無事稼働を迎えた。
導入効果
電子カルテシステムによる業務の標準化で
院内業務の効率化が進む
HOPE Cloud Chartは、稼働後も大きなトラブルなく安定して稼働している。無線LANを利用して、病室などの移動先でもノートパソコンで電子カルテを使えるようになり、点滴や注射、採血などの際に患者、看護師、医薬品を機械的に認証する三点認証などにも活用が始まっている。
淺井氏は電子カルテの導入効果について、「医師の引き継ぎが容易になったということに加えて、業務の標準化により、看護師をはじめとした病院スタッフの方が働きやすくなりました」と語る。従来は手書きで作成していた帳票作成の手間が省けるなど、業務の効率化も進んでいるという。
紙カルテから電子カルテに変わったことによる紙コストの低減も効果として表れているが、それに加えて「電子カルテになったことで、帳票の書き間違い、読み間違いが大幅に減りました。これも大きなメリットです」と淺井氏は付け加える。
岡田氏は、「クラウドということで、機器のメンテナンスや保守の必要もなく、データも安全に保管ができており、安心して運用できています。万一の災害時にも復旧が可能で、医療を継続できるシステムになりました」と評価する。
「さらに、これまでに大きなトラブルは発生していませんが、サポートについても安心しています。定期訪問の際に案件に対応いただいていますし、急ぎのときはテレビ会議も利用できます。心強いサポート体制を構築してもらっています」と岡田氏。淺井氏も、「導入して終わりではなく、導入後についても手厚いサポートをいただき感謝しています。現場で電子カルテを利用している病院スタッフからもサポートに対する評価は高いです」と語った。
今後の展望
島内や道内の医療機関、施設との連携も視野に、
さらなる医療の質向上を目指す
利尻島国保中央病院では今回、電子カルテ・オーダリングの基本システムに加え、医事会計システムもHOPE Cloud Chartへ移行した。岡田氏は、「使い勝手も変わらずに業務を行っています。また、今回の導入にあたり、各部門システムを連携しましたが、問題なく運用できています。引き続き他部門のシステム連携を強化してHOPE Cloud Chartを活用していきます」と語る。
淺井氏は今後の展望として「院内での電子化を機に、島内や道内の他の医療機関、施設との連携を強化し、ICTによる情報共有で島内医療のさらなる質の向上を目指していきたいと思います」と力強く語る。
富士通FIPでは今後もICTを活用し、利尻島国保中央病院の電子カルテシステムをはじめとした医療基盤の充実を積極的に支援していく。
お客様プロフィール
利尻島国保中央病院 様
所在地 | 北海道利尻郡利尻町沓形字緑町11番地 |
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開設 | 1985年10月 |
職員数 | 計76名 |
病床数 | 一般病床42床(透析外来4床) |
ホームページ | http://www.town.rishiri.hokkaido.jp/KOKUHO/ |
概要 | 北海道の北部、日本海上に位置する利尻島の病院。基本理念は「温かい心のかよう医療の提供につとめます」。島内唯一の有床病院として質の高い医療を提供していく。 |
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は2019年11月のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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