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雑誌FUJITSU

2013-7月号 (Vol.64, No.4)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


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雑誌FUJITSU 2013-7

特集:「ソリューションを支えるフロントテクノロジー製品」

本特集号では,金融,流通,公共の業種ごとに最適化された富士通フロンテックの製品に関する開発コンセプト,技術の特徴,関連サービス,品質保証,製造体制やSCMシステムについて紹介します。


富士通フロンテック株式会社
取締役会長
海老原 光博
富士通フロンテック株式会社
取締役会長 海老原 光博 写真

ソリューションを支えるフロントテクノロジー製品特集に寄せて(PDF)

富士通フロンテックの製品は,富士通が提供するミッションクリティカルな金融機関や公営競技のセンターシステムや流通業の本部系システムとの親和性を保ちながら,お客様における最良・最適なソリューションの実現に貢献しております。

関連情報富士通フロンテック

特集:ソリューションを支えるフロントテクノロジー製品 目次〕

総括

  • お客様とICTを結ぶフロントテクノロジー製品を提供する富士通フロンテックの取組み

金融ビジネス

  • 次世代紙幣ユニットを搭載した最先端ATM:FACT-V X200
  • 次世代金融機関端末:UBT-First
  • 金融機関向け営業店イメージソリューション
  • グローバル対応スロットタイプ紙幣リサイクルユニット:G610
  • グローバル対応ポケットタイプ紙幣リサイクルユニット:G750
  • グローバル対応コンパクト紙幣リサイクルユニット:G60
  • 多彩なグローバルマーケットニーズに柔軟に対応するBDUシリーズ
  • 世界最小・最薄の静脈認証センサ

流通ビジネス

  • 新型グローバルPOS:TeamPoS7000
  • 店舗運営の利便性を追求したストアソリューションPKG:TeamStoreシリーズ
  • 低価格・小型化を追求したセルフチェックアウトシステム:TeamPoS/SR
  • 様々な運用シーンに対応可能な業務用モバイルハンディ
  • 幅広い業種や業務に適応可能なRFIDソリューション

公共ビジネス

  • お客様の利便性向上と効率的な窓口運用を追求したトータリゼータ端末
  • 多様なニーズに対応する公共向け表示システム
  • サーバから専用端末・ソリューションをワンストップで提供する中古車オークションシステム

サービスビジネス

  • Web-ATMによる店舗向けトータルATMサービス
  • 金融機関向けATMアウトソーシングサービス
  • 量販店向けPOSシステムサービス:TeamCloud/M

品質向上

  • DVT,品質評価,システム評価の三つの評価徹底による品質向上への取組み
  • ソリューション品質マネジメントによる品質向上への取組み

ものづくり・生産性向上

  • ものづくり革新活動への取組み
  • グローバルプロダクトの量産工場への展開
  • 精密切削加工/金型「現代の名工」

グローバルSCM

  • グローバルSCMシステムの構築

特集:ソリューションを支えるフロントテクノロジー製品


総括

富士通フロンテック(FTEC)は,先端技術で人とICTをつなげる企業集団として,フロントテクノロジー製品の開発・製造・販売・サービスにおいて,品質・価格・納期・安心・安全の全ての面で,お客様にとって高いレベルの価値と満足をグローバルに提供することを使命とし,グループ一丸となって事業を展開しています。今,主要マーケットである金融,流通,公共などのフロントが生活者との接点で大きく変わりつつあります。FTECでは,このマーケットの潮流を的確に捉え,「B to B to Front」の領域を担う企業として,今後,更なる成長を続けてまいります。
本特集では,現在推進中の「国内プロダクトビジネスの強化」「グローバルビジネスの戦略的な拡大」「サービスビジネスの着実な推進」をテーマに,グローバル企業としての地位の確立および新たな企業価値の創造を目指すべく,会社として日頃取り組んでいる内容について紹介させていただきます。

下島 文明

金融ビジネス

「FACT-V X200」は次世代の紙幣ユニットを搭載した,最先端のフル機能ATM(Automated Teller Machine)である。FACT-V X200用に新たに開発した紙幣ユニットは,従来のノウハウや技術を継承しつつ,更にATM運用のアウトソーシングなど,ATMの運用環境の変化に対応すべく,三つの紙幣運用モードを選択できるようになっており,運用性の向上や運用コストの削減を主眼として設計されている。また紙幣の搬送路に新しいテクノロジーを採用し,従来よりも機能を強化することで,安定した紙幣運用を実現した。加えて,FACT-V X200では,利用者・運用者双方の操作性を向上させることにより,ATMの運用を効率的に行えるだけではなく,ATMを利用する全ての方へ心地良さと使いやすさを提供している。また,国内トップクラスの低消費電力での動作や,環境負荷の低減など,エコロジーにも積極的に取り組んでいる。
本稿では,この最先端ATMの新機能について紹介するとともに,機能を実現している技術について述べる。

廣瀬 慎吾, 山本 英彦, 向川 聡

金融ビジネスの環境変化に伴い,これからの金融機関の窓口業務は,事務手続きからサービス提供の場へと変化していく。そこで,金融機関営業店を従来の事務の場から,サービス向上を目指した「おもてなし」の空間へと変化させることを目的に,富士通フロンテックは長年培ってきた金融機関端末の開発におけるノウハウと金融ビジネスの環境変化による新たなニーズを融合させた次世代金融機関端末「UBT-First」を開発した。UBT-Firstは,窓口業務におけるフィールドイノベーションを実現するため,三つのコンセプト「感動」「快適」「安心」を掲げて開発を行った。
本稿では,三つのコンセプトについての具体的な施策と,本コンセプトを実現するUBT-Firstの特徴について紹介する。

奥山 浩司, 稲岡 秀行, 田中 博之, 関 輝生

富士通フロンテックでは,最新技術を用いた帳票認識処理,画像処理,ワークフロー,および印鑑照合支援技術などを適用した金融製品を開発・提供しており,多数の金融機関で採用いただいている。本稿で紹介する金融機関向け営業店イメージソリューションは,上記の最新技術を用い,金融機関が扱う帳票をイメージ化(電子データ化)することで,窓口業務および事務集中センター業務の効率化・省力化を実現するソリューションである。本イメージソリューションでは,帳票をスキャナでイメージ化し,文字認識を自動で行う技術の適用により,文字入力の省力化を図っている。また,帳票イメージを使用したイメージワークフローを実現することで,オペレータ離席率の低減,および入力業務の事務集中センターへの集中化を可能とした。更に,印鑑イメージを使用した印鑑照合を実現することで,オペレータ作業負荷の軽減や事務集中センターへの印鑑票搬送コストの低減を可能とし,銀行業務・運用の効率化・省力化に貢献している。
本稿では,金融機関の事務効率化・省力化を実現する営業店イメージソリューションについて述べる。

佐藤 啓三, 長谷川 将平, 清水 貴弘

グローバル対応のスロットタイプ紙幣リサイクルユニット「G610」は,2005年に富士通フロンテック(FTEC)が開発し,現在は約50か国で35 000台以上が稼働中である。海外ATMは日本と同様のロビー設置タイプのほか,海外特有の屋外壁面設置タイプなどがある。また構造に関するセキュリティにおいても日本とは異なった要求があり,UL規格やCEN規格に合致した堅ろうな金庫へのユニット搭載が要件となる場合が多い。G610はFTECが長年培ってきた紙幣ハンドリング技術に加え,こうした海外ATMに対する要件を満たすための技術を盛り込んで開発した。
本稿では,紙幣リサイクルユニットをATMに搭載する場合の海外諸国の規定や要件,ならびに使用環境や文化,紙幣の特徴など運用上考慮する内容について述べるとともに,海外対応するために開発したG610の主要技術である「海外ATM搭載技術」「海外紙幣ハンドリング技術」「海外紙幣鑑別技術」について紹介する。

加藤 雄二, 北野 和人, 中尾 光重, 後藤 泰, 玉橋 知之, 田野 真吾

富士通はこれまで40年にわたり,金融機関向けの自動機を開発し,市場に提供してきた。日本における金融システムの自動化の歩みは,富士通の自動機技術の歩みそのものである。日本国内の金融機関向け自動機,その中でもATM(Automated Teller Machine)やCD(Cash Dispenser)において長年にわたり独自に継承してきた高い技術を持ち,業界を牽引してきた。ATMに搭載される紙幣リサイクルユニット(BRU:Bill Recycle Unit)は高度な紙幣搬送技術と鑑別技術が必要であり重要なメカモジュールである。このBRUには入金方式の違いにより,ポケットタイプとスロットタイプがあり,日本国内ではポケットタイプが主流となっている。このポケットタイプBRUをグローバル対応として開発したものがG750である。グローバル市場の中で,中国を中心とするアジア地域では入金枚数が多いことから,日本と同様にポケットタイプBRUの需要が高まっている。
本稿では,中国を中心としたポケットタイプBRUの市場に対応するために富士通フロンテックが開発したG750について,市場環境に対する戦略や特徴,技術について述べる。

南新 勇人, 石井 信彦, 西田 光孝, 小高 哲也

交通機関の発券機やスーパーのセルフチェックアウトシステム(SCO:Self Check Out system)など,紙幣ハンドリングの自動化市場は右肩上がりで拡大している。更に本市場では,現金の運用効率を高くするため,紙幣リサイクルユニット(BRU:Bill Recycle Unit)の需要が高まっている。しかし,限られたスペースへの実装が必須であり,市場が求めているBRUのニーズはコンパクト化である。そこで,富士通フロンテックは,新市場への拡販のため,コンパクトで高性能なBRUである「G60」を開発した。
本稿では,G60で採用した紙幣繰出技術,紙幣入出金部であるリサイクルスタッカの機構,紙幣鑑別ユニットの概要や,キャッシュボックスの大容量化などの特徴について紹介する。更に,G60を開発する上で培った新しい要素技術である,紙幣振分けゲートの新技術について紹介する。

麻田 務, 鹿児島 和宏, 細山 浩一

紙幣出金ユニット(BDU:Bill Dispenser Unit)は各国の紙幣を出金するユニットであり,投入される市場や搭載される装置によってユニットサイズ・紙幣容量・計数速度・付加機能などに対する様々なニーズがある。
本稿では,各国の金融・流通・交通などの市場から求められるニーズに柔軟に応える形でラインナップされていったBDUシリーズの中から象徴的な2機種を紹介する。まず,お客様の要望に応え,ユニットと装置の紙幣受渡し部分の形や大きさはもちろん,受渡し位置をユニットの上側または下側へのカスタマイズ,更には紙幣受渡し部の分離など多彩なバリエーションを取りそろえ,流通市場を中心に世界中でご利用いただいている小型BDUのベストセラー機「F53」を紹介する。次に,近年,紙幣流通量が増加しATM設置台数が伸び続けている中国金融市場向けに,従来機種「F510」のエンハンス機としての位置付けで運用性,保守性の向上を目的に開発された大型BDU「G510」について,ソリューション提案内容や開発時の工夫について紹介する。

麻田 務, 鹿児島 和宏, 江崎 勇, 柳田 洋志

最も身近で簡便に実現可能なID/パスワード認証は,パスワード自体の複雑化,煩雑なパスワード変更管理など,利用者と情報システム管理者の負担を増大させながら,その安全性を維持してきた。そうした中で,安全性の確保と利用者負担の軽減を両立させるアプローチとして,身体的な特徴を利用する生体認証(バイオメトリクス)技術の導入が進んでいる。世界で初めて富士通が開発した高セキュリティを実現する手のひら静脈認証技術は,その高い認証性能が認められ,大手金融機関の現金自動預払機(ATM:Automated Teller Machine)の本人認証への採用を皮切りに,情報システムのログインやセキュリティゾーンの入退室管理などに利用され,活用の場が広範囲かつグローバルになってきている。様々な利用シーンの中でも,PCログイン分野の需要は急速に増加している。
本稿では,富士通フロンテックが取り組んでいる,高い認証精度で安全性と適用性に優れる「手のひら静脈認証」技術をベースとして,世界最小・最薄のサイズと様々な手のかざし方への追従性を追求した,PCログイン市場向けの新たな手のひら静脈認証センサの技術と機能について紹介する。

岩崎 真也, 東浦 康之, 古村 一博, 中村 昭博, 鈴木 智晴, 岩口 功

流通ビジネス

1995年に発売したTeamPoSシリーズは,2012年1月に全世界で同時発売したTeamPoS7000が4世代目となる。従来機のTeamPoS3000の発売から5年以上が経過し,使用部品の生産終了や技術・デザインの陳腐化に伴い,新機種の投入が求められていた。このような背景の中,TeamPoS7000の開発においては,マーケティグ要望をグローバルレベル(北米,欧州,アジア,日本)で集約し,デザイン性を重視するだけでなく,低価格・高信頼性を追求し,環境負荷低減にも配慮した。TeamPoS7000は,オールインワン型の「Aシリーズ」,モジュラ型の「Mシリーズ」と「Fシリーズ(北米向け)」から成り,海外,国内の量販店・専門店だけでなく,ファンレスモデルもラインナップし,外食産業にも販売領域を広げた。
本稿では,新しい取組みも含めたTeamPoS7000開発の概要および製品仕様について述べる。

舞田 光毅, 山本 一郎, 小林 淳, Larry Fandel

小売業は個人消費意欲の減退で,より一層の効率化を進める一方,購買情報などを基にした戦略的・積極的な経営を推進し,利益向上を図っていかなければならない。このような状況の中,富士通フロンテックは,最適な店舗オペレーションを実現させるために,各業種の様々なニーズに対応し,「量販店」「専門店」「百貨店」のそれぞれに向けて開発したPOS(Point Of Sale)パッケージ「TeamStore/M」「TeamStore/S」「TeamStore/D」をそれぞれ提供している。
本稿では,POSシステムとしての使いやすさはもちろんのこと,「環境への配慮」「食の安心・安全への寄与」「売上・集客力アップへの貢献」「運用効率化・分析機能」などの,より良い店舗運営のための付加価値をプラスした製品開発への取組みを紹介する。また,チェックアウト時の効率性をより重視した,富士通フロンテック独自の新たなチェックアウトソリューション製品の開発,および多様化する顧客ニーズに対応する今後の製品開発への取組みについて紹介する。

山本 孝明, 木村 健二, 吉澤 俊幸, 笠原 央光

富士通フロンテックのセルフチェックアウトシステム(SCO:Self Check Out system):TeamPoS/SRは,近年の日本の小売業にとっての課題である,「レジ待ち時間の削減(顧客満足度の向上)」「効率化(人件費の削減)」「パート・アルバイト不足への対応」を解決する製品である。これまで,富士通フロンテックは他社に先駆けて2005年に欧米で実績のあるSCOをベースとした国内向け製品を商品化し,以降,量販店を中心に導入を拡大してきた。富士通フロンテックのSCOの強みは,セキュリティの高さとアテンダント作業効率の高さである。
本稿では,北米で浸透したSCOの国内マーケット拡大に向けて,製品の低価格化(従来製品比40%減)と設置スペース削減(従来製品比30%減)を実現した富士通フロンテックの取組み,および今後のSCOのエンハンス計画について述べる。

福士 秀樹, 杉浦 伸和

富士通フロンテックは,他社に先駆けて1998年に業務で使用する携帯端末としてWindows Embedded CEを搭載した業務用モバイルハンディを商品化した。以降,各業務に合わせたタイプの端末(スキャナ一体型やプリンタ一体型ほか)を提供し,現在までに様々な企業で使用いただいている。富士通フロンテックの業務用モバイルハンディの強みは,PCやスマートフォンと同様にオープンなプラットフォームをベースとしながら各業務に最適なバーコードスキャナやプリンタなどの専用端末機能を提供している点と,屋外の過酷な業務環境での使用に耐え得る堅牢(ろう)性を確保している点にある。近年,タブレットやスマートフォンのようなコンシューマデバイスが急速に普及してきており,業務用端末市場においてもコンシューマデバイスとの競合が現実化してきている。業種・業務別に業務用モバイルハンディとスマートデバイスとの使い分けを明確にし,双方の技術をどのように融合して,より最適な業務用端末を提供できるかが今後の大きな課題となっている。
本稿では,これらの業務用モバイルハンディの特徴やモバイルハンディの強みを生かした今後の課題解決に向けた取組みについて紹介する。

藤澤 典子, 柴﨑 朋紀, 長谷川 奨, 眞庭 達成

富士通フロンテックは,現場の生産性向上,セキュリティ向上,顧客サービス向上などのキーデバイスとして世界的に導入が進んでいるUHF帯RFID(Radio Frequency IDentification)のエキスパートとして,関連製品の開発はもとより,お客様の現場へUHF帯RFID導入を支援するサービスを進めている。これらの製品・サービスを使って,富士通グループではRFIDを適用した各分野のソリューションを提供しており,その品揃えも充実してきた。
本稿では,富士通グループがUHF帯RFIDの製品開発に取り組んだ背景とオンリーワン製品化を進めるため,お客様の業務,用途に最適化してきたアプローチ,および代表的な運用事例を紹介する。

吉田 正, 橋本 繁, 落合 孝直

公共ビジネス

トータリゼータシステムとは,公営競技(中央競馬,地方競馬,競輪,競艇,オートレース)における投票券の発売と払戻に関する業務全体をコンピュータで処理するものである。そしてこのトータリゼータシステムにおいて,ファンに対し投票券の発売および払戻を行う端末がトータリゼータ端末である。富士通フロンテックが開発したトータリゼータ端末は,公営競技各業種向けに全国の公営競技場,場外発売所で約2万台が稼働している。公営競技の運用では,多数のファンを短時間で捌(さば)くため,多数の窓口を一斉に稼働させる必要があることや,公営競技の特性上,レースごとに投票を締切り,票数を確定させる必要があるなどの固有のニーズが発生する。
本稿では,公営競技の投票所業務における固有のニーズに対し,富士通フロンテックが取り組んだトータリゼータ端末の運用効率化のためのノンストップ運用,トラブル発生時の即時対応,操作性向上について述べる。

門谷 康司, 小野 亨

富士通フロンテックは表示装置の開発・製造に長年の歴史と実績があり,特に公共分野における日本の主要施設の情報表示システムを多く手掛けてきた。近年では野球場向けスコアボードシステムや空港向けFIDS(Flight Information Display System),および医療向け診察案内システムが代表的な情報表示システムである。野球場向けスコアボードシステムでは,主力製品である磁気反転式スコアボードのほか,そのノウハウを生かし専用に開発したフルカラーLED式スコアボードが実績を伸ばしている。FIDSでは専用のカラー液晶ユニットを開発して,運航情報を一目で認識することが可能な表示器を実現した。本システムは,高い視認性から国内だけでなく中国や韓国の主要空港でも採用されている。医療向け診察案内システムでは汎用の液晶モニタを採用し,外来案内業務の効率化と外来患者へのサービス向上を実現している。いずれの装置も豊富な実績と蓄積した技術ノウハウを生かすことで,使用環境や市場の要求に応じた機能や利便性など多様なニーズに対応している。
本稿では,これらの概要と特長について述べる。

川勝 智夫, 福井 孝, 来住野 太, 榎本 敏

富士通フロンテックが開発した中古車オークションシステムは,競り業務のシステム化から始まり,現在では業務システム,映像システム,会員Webシステムなど,オークション会場業務に必要となる全ての機能がシステム化されている。中古車オークションシステムは公正・公平な中古車の流通を支えるとともに,会員向けの充実したサービスを提供できるように柔軟に機能追加できるシステム構造としている。特に競り時に会員が操作する端末については不公平感のない操作性とレスポンスを実現している。また,端末故障時の容易な装置交換を可能とするとともに耐久性と保守性を実現している。更に,運営側の競り進行者が操作する端末などは,各種出品情報と操作機能の集約を行いながらも装置の小型化や信頼性を確保し,省スペースで高度な競りを実現している。
本稿では,専用設計のハードウェアおよびシステムPKG(パッケージ)をベースとして,ワンストップで提供する中古車オークションシステムについて紹介する。

青木 謙次, 石田 賢義

サービスビジネス

金融機関向けATM(Automated Teller Machine)は旧来よりハードウェアとソフトウェアをセットにしたオールインワン端末としての機器販売が主流であった。富士通グループでは2002年からATM機器と運用を合わせたトータルアウトソーシングサービスビジネスを開始し,ビジネス規模を拡大してきた。富士通グループとしては,コンビニATM市場への参入が遅れたが,富士通フロンテックとして従来から保有しているATMの装置開発・システム開発の技術を生かし,「店舗向けATMサービス」として2004年にコンビニATM市場への参入を果たした。店舗向けATMサービスを提供するに当たり,流通店舗に販売・設置するための低運用コスト・省スペースという要件を満たすために従来のATMシステムに代わる,新アーキテクチャのWeb-ATMシステムを開発した。ATM本体もアウトソーシングサービス向けに信頼性とメンテナンス性を向上させた専用機を投入し,2013年3月末時点で5金融機関において約4400台が稼働している。アウトソーシングサービス向けであるWeb-ATMシステムには,ATM監視システム・警送支援システム・ATM運用システムなどのATMのアウトソーシングサービスに必要なサブシステムを包含しており,更に,実際に富士通フロンテックでATMを運用することで得た業務ノウハウを日々システムにフィードバックすることで改善を進めている。
本稿では,富士通フロンテックがATM本体および関連システムの開発と監視・警送・運用サービス業務の双方をワンストップで実施している強みを生かすトータルソリューションとして,アウトソーシングサービスの新たな流れを築いた店舗向けATMサービスについて述べる。

土田 敬之, 阿久津 和弘, 山本 耕司, 高木 晋作, 川端 正吾, 幾見 典計

金融機関向けATM(Automated Teller Machine)アウトソーシングサービスは,金融機関の店舗内・店舗外に設置しているATMの稼働状況の監視,お客様からの操作の問合せなどの対応,カード・通帳などの紛失・盗難にあった際の停止処理を行う事故受付,更にATMの現金補充や回収を計画的に管理する警送などの運用業務をトータルにアウトソーシングするサービスである。本サービスによって,金融機関のATM運用業務の負担を軽減し,業務効率化を図ることができる。
本稿では,ATMアウトソーシングサービスの概要とその特長,およびサービス品質向上への取組みについて述べる。

吉永 伸一

富士通フロンテックの流通サービス部門では,流通業のお客様におけるICTを活用した運用のライフサイクルマネジメント化を推進し,お客様と価値基準を共有化したビジネスパートナとしてアウトソーシングサービスを提供している。POS(Point Of Sale)端末などの製品開発・製造を行う部門と強固に連携し,豊富な経験と実績に基づく万全なサポートにより,お客様へ安心・安全を提供する。また,流通業の各業態に合わせた様々なユーザニーズに対応するべく,お客様の店舗システムの導入・運用・保守のライフサイクルを支援するライフサイクルマネジメントサービスを提供するとともに,店舗システムの導入・運用に精通した専門技術スタッフが,お客様の悩みを,安価で効率的な質の高いサービスで解決する。
本稿では,流通サービス部門の業務紹介と,2012年2月より提供を開始したハード・ソフト・導入展開から稼働監視・システム運用・保守までの全てをお任せいただく,業界初のクラウドPOSサービスである量販店向けPOSシステムサービス:TeamCloud/Mについて紹介する。

近藤 卓雅, 河添 直樹, 森 誠司, 山本 一樹, 米山 淳一

品質向上

富士通フロンテックが金融,流通,公共などに向けて提供している端末機器は,現金自動預払機(ATM:Automated Teller Machine)や,セルフチェックアウトシステム(SCO:Self Check Out system)に代表される専用機器が大半を占め,エンドユーザが直接操作するものが多い。そのため,操作性や,機能,性能,品質,安全性などを十分考慮して,開発~評価を行う必要がある。その品質保証の要が,DVT(Design Verification Test),品証評価,システム評価である。DVTでは,製品の基本コンポーネントそれぞれのマージンも含めた機能,性能などを確認し,各コンポーネントを積み上げて製品を作り上げる。品証評価では,フィールドでの使用条件を想定した評価や各種の負荷試験など,徹底的な評価を繰り返し実施する。システム評価では,実運用と同じ環境を作り,異常時のリカバリなどを含めたシステム全体の評価を行っている。これらの評価を経ることにより,富士通ブランドを冠する高品質の製品を世の中に送り出すことができるのである。
本稿では,この「三つの評価」について紹介する。

豊泉 定夫, 沢栗 一広, 置地 均, 風間 剛, 砂畑 政雪

富士通フロンテックの品質保証部門は,主要製品である金融,流通,公共分野のプロダクトや顧客システムの品質保証を主務としてきた。これら分野向け専用製品に搭載するソフトウェアの開発やシステム構築などのソリューションにおいてもビジネスが拡大し,それに伴い品質リスクも増大している。また,金融機関向けATMアウトソーシングなどの先駆的なサービスを展開し,サービス運用のライフサイクルにわたる品質マネジメントの整備が急務となってきた。これらの対応として,品質保証部門内に「ソリューション品質マネジメント推進室」が新設され,ソリューション・サービス部門の「品質マネジメントシステムの整備」「第三者監査」「富士通と連携した品質規格の導入,情報共有」を推進している。第三者監査では,各部門のプロセスと品質リスクの特性に応じて監査対象を選定し,ソリューション部門向けに「プロジェクト計画監査」「APQI監査」,サービス部門向けに「プロジェクト計画監査」「サービス運用・保守監査」「システムリスク監査」を行っている。
本稿では,第三者監査を中心にソリューション品質マネジメント推進室の取組みを紹介する。

櫻井 正彦, 中川 健, 黒巣 明男, 小池 宏幸

ものづくり・生産性向上

富士通フロンテックのハードウェア製品は,金融系,流通系,トータリゼータ系に大別される。全体としては多品種少量生産で,最近ではユニットや部品の共通化などの取組みで仕様も減ってはいるが,2011年度の実績でも58種,2800仕様がものづくりの対象となっている。また,構成部品の多さも特徴の一つで,特にメカユニットを内蔵したATM(Automated Teller Machine)は,1万点を超える部品(プリント板実装部品を除く)で構成されている。これらの製品は,様々な紙,紙幣・コインや多様な入出力を扱い,多種多様な機能を有するものが多いが,最近ではモジュール系に近い製品は海外への製造シフトが進んでいる。これまで,摺(すり)合せ型として国内製造していた一部メカユニットなどは,トヨタ生産方式(TPS:Toyota Production System)などの手法を取り入れつつ,国内で最適化する取組みを進めていた。しかし,コスト改善などの要求はますます厳しくなっており,これらの製品群についても急速に海外シフトしつつあり,更に国内相当のものづくりのレベルアップが求められる状況にある。
本稿では,富士通フロンテックのものづくりの変遷と,TPSを導入した最近のものづくりについて述べる。

須藤 敦志, 三柴 昭裕, 長野 宏信

1990年代後半から,金融機関の破綻や大手金融機関同士の合併・統合が相次いで進み,富士通フロンテックの主力製品である現金自動預払機(ATM:Automated Teller Machine)は,競争の激化によって価格が下落し,今後も更に厳しい状況が続くと予想されることから,2002年1月からフィリピンにある関連子会社Fujitsu Die-Tech corporation of the Philippines(FDTP)で金融メカモジュールの製造を開始した。最初は国内ATM原価に占める割合の高い紙幣リサイクルユニット(BRU:Bill Recycle Unit)をFDTPから調達することにより国内ATMの大幅な原価改善を図り,以降,金融メカモジュールの海外製造を拡大していった。金融メカモジュールの本格的な海外展開に当たっては,フィリピンの特徴を十分理解した上で,様々な課題に対して施策検討を行い,日本と同じ品質・納期をFDTPで実現化してきた。近年,海外顧客の受注が急激に増えたことから,展開機種の拡大やFDTPからの直出荷などビジネス形態の変化に適宜対応している。また,継続するプライスエロージョン(価格下落)の中,海外製造コストの早期獲得や投資費用の抑制,海外の仕向け先増加に伴う多仕様/変動生産に対応するものづくり体制確立など,売上・損益に直結する重要な海外工場としてFDTPは成長を続けている。
本稿では,約10年間のFDTP展開の歩みについて述べる。

神田 正, 関山 慎二, 水野 政行

富士通フロンテックのシステム製造部門では,マシニングセンターなどの切削加工設備を使って精密切削加工や金型の製造を行い,半導体製造装置や医療関連の会社に加工部品の販売,自動車関連会社に金型の販売を行っている。特に切削加工部品は加工時の固定方法や加工中の応力開放による材料歪などの課題を解決しながら精度を出す必要があり,加工や材料に対する知識や経験が重要である。システム製造部門には「金属工作機械工」と「金属加工・金属製品検査工」の2名の「現代の名工」が在籍し,加工時の課題を解決している。「現代の名工」とは,卓越した技能者表彰制度に基づき,厚生労働大臣によって表彰された卓越技能者の通称である。本表彰制度は,技能者の地位と技能水準向上のために1967年度に設けられ,金属加工,機械器具組立・修理,衣服の仕立て,大工などの職業を分類した全20部門の技能者から毎年約150名が表彰されている。
本稿では,2名が表彰された経緯と地域社会に対する貢献,技術伝承について述べる。

佐藤 雅美

グローバルSCM

ものづくりのグローバル化においては,生産活動のスピードアップや業務効率化を推進し,生産変動への即応力を高めるため,海外の拠点が単独で生産や販売の役割を担うのではなく,お互いに連携していくことでより競争力を高め,グローバル全体で統合された生産活動のマネジメントを行う必要がある。そこで,富士通フロンテックではグローバルSCM(Supply Chain Management)構築に向け,第1ステージでは国内での受注~出荷までの生産プロセスの全体最適化に加え,サプライヤとのB2B(Business to Business)機能を付加した国内初の社内外のリアルタイム処理を追求したトータルSCMシステムを構築し,2008年8月より稼働を開始した。次に第2ステージでは,国内のトータルSCMシステムをベースに国内外業務の統一と情報連携のリアルタイム化を行い,更に海外拠点に合ったオペレーションの容易化や海外サプライヤとのB2Bの導入など,グローバルな生産プロセスの全体最適化を狙ったSCMシステム「G-iTOS(Global-internet Total Operation System)」を構築し,2012年4月より稼働を開始した。これにより,国内外生産情報の共有化で各業務のスピードアップと効率化を実現し,今後,グローバルな要望に応えていくことで,更なるシステムの進化が大いに期待できる。
本稿では,グローバルSCMシステムの構築と構成および主な機能概要と特徴について述べる。

南里 恒裕


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