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Fujitsu

Japan

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注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2011-3月号 (VOL.62, NO.2)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2011-3

特集:「民需系ソリューションサービス」

本特集号では,富士通システムソリューションズ(Fsol)の豊富な業務ノウハウ,システム構築経験を生かした先進ソリューション・事例を中心に,富士通グループの民需系ソリューションへの取組みを紹介いたします。


株式会社富士通システムソリューションズ
代表取締役社長
杉本 隆治
株式会社富士通システムソリューションズ 代表取締役社長 杉本 隆治 写真

民需系ソリューションサービス特集に寄せて(PDF)

富士通システムソリューションズ(Fsol)は,富士通グループ最大規模のソリューションSI企業として,お客様のグローバル進出やクラウドへのニーズの高まりなど様々な環境変化にいち早く対応し,豊富な実績を誇るWebSERVE・AplSERVEによりお客様企業のビジネスイノベーションをご支援してまいります。

特集:民需系ソリューションサービス 目次〕

総括

  • お客様の企業価値創造を支援する富士通システムソリューションズの
    取組み

CS向上への取組み

  • お客様の声を活用したCS向上への取組み

業種/業務・先進ソリューションと導入事例

  • 民需ビジネスのグローバルオペレーションを支えるサービス強化への
    取組み
  • 変化を支える製造業ソリューションの取組み
  • 建設業界におけるICT施工の進展とバリューチェーン展開への取組み
  • 小売業の変化を先取りしたソリューションへの取組み
  • 運輸・倉庫業向け次世代ソリューション戦略
  • 食品業界における流通BMSの活用状況
  • 情報サービス業における統合ERPソリューション導入事例
  • リース業基幹業務パッケージの最新導入事例と今後に向けた取組み
  • 国際財務報告基準(IFRS)任意適用第1号顧客に対する
    ソリューション適用事例
  • 多様化する会計ビジネスへの取組み

SaaS・クラウドビジネスへの取組み

  • WebSERVEによるハイブリッドクラウドの実現
  • 統合ソリューションを実現するための取組み
    —SOA基盤の構築と業種データの標準化—
  • ワークフローソリューションのクラウドビジネスへの取組み
  • 製薬業向け業種ソリューションとSaaS・クラウドビジネスへの取組み
  • 情報サービス業ソリューションのSaaS化への取組み

上流工程・運用サービス・ITインフラサービス

  • ソリューション導入時の適合診断サービス:smart SCOPE
  • 共同ビジネス型BPOサービス事例
  • クラウド時代のインフラ基盤サービス

生産性・品質向上への取組み

  • 開発支援ツールINTARFRMによる開発生産性と品質向上の革新
  • 第三者検証とテスト支援によるプロセス・製品品質向上の取組み

特集:民需系ソリューションサービス


総括

富士通システムソリューションズ(Fsol)は,富士通グループにおけるソリューションサービスの中核会社として,首都圏および全国の製造業・流通業のお客様の長期的な成長を支えるトータルソリューションを提供している。近年急速に進展するグローバル化,クラウドコンピューティングへの対応など,お客様を取り巻く環境は刻一刻と変化しており,お客様もまた,市場から新たな価値の提供を求められている。Fsolは5000社ベースのお客様と2500名以上のSEによるサポート実績をもとに,新たな技術変革と高い品質向上へ挑戦し続けることで,お客様の企業価値創造を支援するソリューションサービスの創出に取り組んでいる。

笹川 信二

CS向上への取組み

富士通システムソリューションズ(Fsol)では「お客様起点」を経営方針に掲げ,発想と行動の原点をお客様と現場に置き,「CS(Customer Satisfaction:お客様満足)向上」を,企業活動の基盤としている。お客様にとってかけがえのないパートナとなることを目指し,社員一人一人がお客様起点で物事を考え,日々の業務の中でCS向上活動を実践している。
FsolのCS向上活動の基軸となるのは,お客様との様々なコミュニケーションを通じて寄せられる「お客様の声」である。2004年から導入した,自社構築システム「WebSERVE smart e-CRM(お客様の声・活用システム)」にお客様の声を30万件以上蓄積し,高品質で一貫したサポートを提供するための仕組みとして本システムを組織活動の中で活用している。
また「年次サポート計画書」により,年間の活動計画・サポート体制を提示し,お客様の経営課題の改善や要望の実現に向けた提案を定期的に実施している。
本稿では,e-CRM活用を中心に,お客様起点の行動を具体的かつ確実に実践するためのFsol独自のCS向上活動フレームワークと具体的な取組みについて紹介する。

浅野 陽子, 吉田 さつき, 蜂巣 悦子

業種/業務・先進ソリューションと導入事例

21世紀に入り民需ビジネスにおける経営環境が変貌する中,国内市場は成熟する一方,企業のグローバルな事業展開が拡大し続けている。とくに中国・ASEANへの拠点進出は加速度を増していくことが見込まれる。
本稿では,まずこのような状況下で,日本企業の海外拠点進出の状況とその目的の変化,グローバル経営の課題などを,統計データと今までの実践事例を通じて考察する。その上で,ITシステムの役割と求められる機能,ITベンダへの期待を検証し,お客様のグローバルオペレーションを支えるために必要なことは何か,サポート体制面を中心にその対応施策を論ずる。最後に,富士通システムソリューションズ(Fsol)が保有するソリューションのグローバル対応状況と昨今のトレンドであるクラウドコンピューティングを取り上げ,Fsolが今後,中国・ASEAN向けに推進していくソリューションサービスの形態を紹介する。

岡澤 明, 鈴木 久弥, 小林 夏子

昨今の国内製造業は,世界的な景気後退や国内市場の飽和感から,成長性が有望視されている海外マーケットへの進出が加速度的に行われており,ますますグローバル対応の情報システムの重要性が高まっている。その中で日本国内でもCO2削減や安心安全の観点で環境関連事業のような新規の付加価値ビジネスへの投資は継続して行われている。そのような背景から,ITソリューションには,国内新事業立上げに合わせた短期導入が可能で,事業拡大に合わせた国内外への拠点展開が行え,さらに既存進出拠点を含めたグループ企業全体のガバナンス強化のための製造業向けソリューションが求められている。
本稿では,製造業における「国内での新規事業の早期立上げ」と「グローバル化によるグループ企業全体の効率化・最適化」の大きな二つの動向を中心に,短期間でのシステム導入事例や製造業向けグローバルソリューションへの取組みについて述べる。

飯塚 広幸, 大角 直樹, 齋藤 聖高

富士通システムソリューションズ(Fsol)は,ICTの活用で建設現場のQCDSE(品質・コスト・納期・安全・環境)の向上を支援するシステム開発に取り組んできた。その背景には,国土交通省が打ち出している情報化施工推進戦略があり,建設業各社においても,その推進戦略に従った対策・対応が必要とされている。
ICT施工には,建設機械の自動化による作業効率・施工精度向上と,不確定要因が非常に多い建設現場での施工技術者の的確な判断支援の二つがある。Fsolでは,施工技術者の判断支援,いわゆる人的管理面でのICT活用に注力したシステム開発を手掛けている。
本稿では,情報化施工推進戦略による業界動向とともに,その戦略に向き合うFsolのICT活用事例と,建設生産プロセス全体のバリューチェーン展開に向けた取組みを紹介する。

齋藤 昌司, 中山 健

起こりうる未来を予見し潜在化しているニーズをソリューションサービスに取り込み,お客様を少しでも先回りすることが小売業から信頼され魅力的なビジネスパートナとして選ばれる条件である。本稿では,まずこの先回りの取組みとして二つの事例を紹介する。一つ目は消費者行動情報のログ(ライフログ)を活用し消費行動を解析しひも解き,ストレスのない快適な消費環境を創造することを目的とするサービスビジネスへの取組み,二つ目は消費者動向に適合し柔軟にビジネススキームを変化させる専門店向け「自動化マーチャンダイジングソリューション」への取組みである。そして最後に絶え間なく社会的要請に応え続け,その高い品質基準による信頼性・安定性においてお客様を待ち受けるPOSシステムへの取組み事例を紹介する。

大久保 龍一, 藤中 正樹, 松沢 康隆, 長岡 憲司

富士通システムソリューションズ(Fsol)では,現在までに200社以上の運輸・倉庫業のお客様をサポートしてきた。そのノウハウを生かし,2002年度より物流統合ソリューションを提供している。運輸・倉庫業は原油高の影響や省エネ法などの法規制の中,厳しいビジネス環境にあり,ITに求めるニーズは従来からの「事務の効率化」や「決算の早期化」などから,「環境対策」,「安全・安心」,「収益管理のリアルタイム化」など多様に変化している。
本稿では,このお客様のニーズの変化やソリューションの統合開発基盤を活用した開発手法の変化とクラウド化,グローバル対応などFsolの次世代物流ソリューション戦略を紹介する。

東 智義, 安藤 暢英

食品業界において,長きにわたりサプライチェーンの共通基盤として支えてきた通信手順に変革の時期が訪れた。従来のJCA手順に代わり,27年振りに通信手順「流通BMS(Business Message Standard)」が策定されたことである。標準化はEOSの範疇(ちゅう)を越えて,企業間連携に必要な業務プロセスまで及び,つぎなるサプライチェーンの共通基盤になることは間違いないであろう。この共通基盤が普及することにより,製造・卸売・小売いずれの企業においても更なるコスト削減や業務効率化が得られてくる。
本稿では,富士通が参画し流通BMSを自社構築型で適用した企業の活用事例を紹介するとともに,富士通が取り組む流通BMS基盤サービスの先に見えてくる企業間連携の今後のあり方について検討する。

近野 健一郎, 難波 大庫郎

情報サービス産業を巡る経営環境は大きく変わろうとしている。内外の厳しい環境のもとで,経営環境においては,体質強化と変革を図ることが求められている。とくに,経営情報の見える化,トラブルプロジェクトの早期発見,月次業務期間の短縮,マスタの一元管理,内部統制強化は,どの企業も取り上げる課題である。しかし何がベストの解決策なのかを模索している状況ではないだろうか。富士通システムソリューションズ(Fsol)では,これらの課題を解決すべく,統合ERPソリューション(WebSERVE smart 情報サービス業ソリューション,GLOVIA smartシリーズポータル,会計,人事・給与)の提供を開始し,数々のお客様企業に導入いただいている。
本稿では,本ソリューションの導入によって,どのように業務改善が行われたかを事例を挙げて紹介する。

松本 幸弘

日本経済の発展や,企業経営に欠かすことのできない存在となっている「リース」。このリース業界で豊富な導入実績を有し,今なお進化し続けているのが,リース業向け基幹業務パッケージ「LEASING-1Neo(リーシングワン ネオ)」である。LEASING-1Neoは,引合・見積から満了・処分・再リースまで,リース業務の一連の流れを標準システム機能として実装しており,様々な周辺オプションシステムとの組合せにより,リース会社の業務拡大に柔軟に対応できるものとなっている。
本稿では,はじめに刻々と変化を続けるリース業界で基幹業務パッケージに求められるポイントをLEASING-1Neoの特長を交えながら述べる。つぎにその特長を生かしたパッケージ導入事例として,東京ガスリース株式会社様でのシステム再構築プロジェクトを通しての導入効果を述べる。最後にリース業界の今後の動向について考察し,基幹業務パッケージとして今後の目指すべきところについて述べる。

藤田 大介, 鈴木 和貴

水晶デバイスの製造・販売大手の日本電波工業株式会社様は,2010年3月期決算において,国内企業として国際財務報告基準(IFRS)の任意適用第1号となる決算情報開示を行った。国内金融市場におけるIFRS任意適用の初年度は,IFRSと日本基準双方による決算情報の同時作成が必要であり,同社では,IFRS対応機能を搭載した富士通の連結決算ソリューション“GLOVIA/SUPERCOMPACT Pathfinder”を導入し,両基準による並行開示に伴う業務負荷の軽減と連結決算の効率化・早期作成を実現した。また,早ければ2015年3月期に迫った強制適用に向け,大手・準大手の企業を中心に本格的な対応策の検討が開始されている。富士通システムソリューションズ(Fsol)としても製造・流通・公共・医療など,幅広い業種の顧客をサポートしており,顧客からの要求にいち早く対応できるように,IFRSの影響度の研究を開始している。本稿では,この活動内容を紹介する。

増田 亮介, 山田 隆也, 深沢 信哉

本稿では,会計ビジネスへの取組みを紹介する。まず,会計ソリューションが進んできた歴史を振り返りながら,現在の主要な論点である業容が大きく拡大している経理業務(業種別会計ソリューション),より深い経営分析ニーズ(経営会計ソリューション),グローバル化(SAP会計ソリューション)に対する取組みを紹介する。つぎに大規模会計システムが必要とされる背景と,「大規模会計ソリューション」の進むべき方向性について論ずる。大規模会計システム構築において潜在している問題を解決する手段としては,業種別会計ソリューションが有効であることを提起し,その必要性と方向性を明らかにする。さらに経営を分析する取組みとして,経営会計ソリューションを紹介する。経営管理に必要な事業軸の整理と経営に必要な現場源泉情報の収集ルールの見直しをすると同時に,経営層や現場層のそれぞれの視線をつなぐ仕組みを,会計業務システム構築と併せて実現する。最後にグローバル化,国際財務報告基準への対応をSAPをベースに進めており,その取組みを紹介する。とくに富士通版の会計テンプレートを作成し短納期,低価格を実現する。

大槻 敬久, 中古 英治, 平石 純也

SaaS・クラウドビジネスへの取組み

時代はクラウドへと大きく動いている。クラウドには圧倒的なコストメリットをはじめとする大きな魅力があるが,企業システムに利用するにはリスクもある。リスクを抑えてメリットを最大限に享受する手段に,システムをクラウドとオンプレミス(自社運用)に振り分けて有機的に連携させるハイブリッドクラウドがある。富士通システムソリューションズ(Fsol)は,統合ERPソリューション群であるWebSERVEの共通基盤をクラウドに対応することでハイブリッドクラウドを実現した。この基盤を使うことでシステムはクラウドとオンプレミスのどちらにも配置できるようになる。また,クラウドとオンプレミスに分散したシステムを一つのログイン認証・メニュー画面で統合し,SOAで連携させることができる。これにより,Fsolの豊富な業務アプリケーションを早期にクラウド化することができ,顧客はクラウドのメリットを享受しながらこれらを利用できるようになる。

千喜良 祐一, 五十嵐 一郎

近年,激しいビジネス環境の変化に企業のシステムを迅速かつ柔軟に対応させることが求められている。その手段として,サービス指向アーキテクチャ(SOA)が数年前より注目を集めている。しかしSOAの実践には多くの現実的な課題が存在し,SOAを適用した効果的な事例はいまだに出てきていない状況である。
富士通システムソリューションズ(Fsol)では,幅広い業種業務にわたるソリューションにSOAの概念を取り入れて統合化した「WebSERVE smart ERPソリューション」を整備・提供している。統合ソリューションを実現するに当たっては,SOAの課題であるサービス化や標準化について,既存のソリューションや業務ノウハウをもとに,横断的に組織を挙げて解決していった。本稿では,その取組みについて述べる。

田熊 知幸, 五十嵐 一郎

ワークフローシステムは,業務効率化とスピード向上を図ることを主目的に利用されてきたが,近年では承認決裁過程の証拠保全などの役割も加わり,その必要性は年々高まっている。また,国内外の様々なICT市場では,低コストかつ柔軟にシステムを利用可能なクラウドが数年前から注目されてきている。これらの背景をもとに,富士通システムソリューションズ(Fsol)は,ワークフローソリューションである「WebSERVE smart ワークフロー」のビジネス拡大に向けた課題を分析・整理した。
本稿では,Fsolが分析・整理した課題を解決するために実践したクラウド(Windows Azure)対応への取組み内容と,その結果どのような成果をあげたか,また,今後の展望について論述する。

横山 宣徳, 泉 正樹, 中野 一馬

昨今,製薬業を取り巻く環境は,国内市場のグローバル化,規制緩和に伴う異業種参入,政府の医療費抑制施策や主力新薬の特許切れ問題などの影響を受けて厳しい状況にある。このため,各製薬会社は強い経営基盤の整備構築の一環として,とくに研究開発の効率化,販売力の強化を進めている。このような状況の中,富士通グループは,製薬業の研究開発から製造販売に至るまでの業務をクラウド環境で行えるサービス“tsPharma(trusted service for Pharmaceutical)”を提供している。
本稿では,このサービスのうち,臨床業務に特化したtsClinicalと営業支援系システムであるSalesForce.com 製薬SFAテンプレートについて述べる。また,富士通グループがtsPharmaを拡充整備・拡大発展させて,お客様の更なる期待に応えていく「製薬ビジネスセンター」構想について紹介する。

塩原 立也, 正好 裕之

企業のIT化への投資は近年必須となりつつある。これまでIT化の必要のなかった企業も様々な理由からそれを求めるようになっており,ITメーカはそのニーズを満たすために様々なソリューションを提供している。しかし,IT化への投資とIT化後の業務運用は企業にとって大きな負担になりやすい。そのため,SaaS形態のソリューションへの注目が高まっている。富士通システムソリューションズ(Fsol)ではセールスフォース・ドットコム社の提供するForce.comやマイクロソフト社の提供するWindows Azure Platform(以下,Azure)などを利用したSaaS形態ソリューションの開発や個別システムの構築を行っている。
本稿では,SaaS形態ソリューションの一例としてFsolの情報サービス業ソリューションのAzure対応の概要について,Azureの特長,Azure対応の効果,今後の展望などを踏まえて述べる。

松本 幸弘, 中村 謙一, 田島 英佑

プレスリリース株式会社jig.jp 様の基幹システムをWebSERVE smart によるハイブリッドクラウド型統合ERP で受注

上流工程・運用サービス・ITインフラサービス

近年,基幹業務のシステム化をERP(Enterprise Resource Planning)パッケージや業務ソリューションで実現することが一般化してきている。富士通システムソリューションズ(Fsol)の売上構成比においても,パッケージ,ソリューション関連の売上が約20%を超えるまでになった。しかし一方で,パッケージ導入決定後,カスタマイズ,アドオン開発要件が膨らみ,当初の予算・期間では実現できないことが発覚するケースも発生している。これは,お客様がこれから導入しようとしているパッケージの機能を深く理解できないまま導入を決定してしまったり,SE側もお客様の業務や業務課題を深く理解しないまま見積を実施してしまったりすることが主な原因である。
“smart SCOPE”は,導入時の課題を解決するため,短時間でお客様がパッケージの機能を理解し,SEもパッケージを用いたお客様業務の実現度を把握できるよう,これまでのノウハウを体系化した適合診断サービスである。本稿では,smart SCOPEについて,導入時の課題解決のポイント,適合診断サービスの実施方法,および効果を紹介する。

藤井 和人, 白井 光治

「共同ビジネス型BPOサービス」は,富士通システムソリューションズ(Fsol)のシステム企画・構築・運用サポートで培った高度な業務ノウハウと情報技術を活用した戦略的アウトソーシングサービス「AplSERVE(アプリサーブ)」の一つであり,お客様とFsolが投資リスクを双方で負うビジネスモデルである。共同ビジネスの成果を「IT投資へのお客様価値」とし,利益を分配することにより,お客様とFsolがWin-Winの関係を築くことが可能になる。
本稿で紹介する“e Genome Order”は,栄研化学株式会社様とFsolの共同投資により,お客様の初期投資,固定費の50%削減,共同ビジネスとして売上連動型の利益分配を行う戦略的BPOを実現した事例である。

諏訪 晴秀, 渋井 孝司, 赤井 絵美

昨今の仮想化技術,ネットワーク環境の発展に伴い日本国内でもクラウドコンピューティングの本格的な検討・導入が始まっている。このクラウド時代においてインフラ基盤サービスも劇的な変化が起こっている。これまでの業務システムごとに部分最適化されたインフラ基盤を設計・構築する形態から,クラウド基盤上で複数の業務システムを稼働させる全体最適を考慮したインフラ基盤を設計・構築する形態が主体になっていくことが予想される。
本稿では,クラウド時代におけるインフラ基盤の新たなサービスとして,お客様内にクラウド実行環境を構築する「プライベートクラウド基盤構築」,クラウド環境の運用を自動化・効率化する「大規模クラウド運用環境構築」,セキュリティ面を強化するための企業内の情報共通機能を提供する「情報セキュリティクラウド」の各サービスについて紹介する。

林 誠司, 出口 雅一, 蜂谷 剛司, 筒井 元浩

生産性・品質向上への取組み

システムの利用形態の変化とともに,システム開発に必要とされる技術も目覚ましい変化を遂げてきた。システム開発現場では,技術革新に対してシステム開発者のスキルだけで対応することは難しく,システム形態の変更やベースアーキテクチャの変更においては,品質・生産性を確保するために,多大なコストや期間が必要であった。この問題の解決策として,富士通システムソリューションズ(Fsol)では設計品質・製造品質を飛躍的に向上させる仕組み,「開発支援ツールINTARFRM」によるシステム開発の改革に取り組んできた。INTARFRMを原則としてすべての開発プロジェクトに適用し,徹底した標準化・共通化を推進してきた結果,INTARFRMを適用しない場合の生産性と比較して5~6倍生産性が向上するという実績が出ている。また,2009年度,Fsolの売上げに対するINTARFRMの適用率は40%を超えており,様々なプロジェクトで実績を上げている。さらには,日本国内だけではなく,中国でのオフショア開発でも適用され,海外においてもINTARFRMの有効性が実証されている。

大杉 基之, 島田 智宇

大多数のソフトウェア開発組織では既にQMS(Quality Management System)を適用し,組織的な品質活動を規定している。富士通システムソリューションズ(Fsol)ではCMMI,PMBOKなどの世界的標準を取り入れて,QMSの改善を進めている。とくに本部組織内のPDCA,品質保証,品質管理などの体系整備にその腐心を重ねてきた。昨今は新たなプロセス改善策としての「第三者検証」「テスト支援」に取り組んでいる。これは本部,現場のプロジェクトの品質保証,品質管理について側面から支援,強化するものである。完全にプロジェクトから独立したFsol内の第三者組織がこの活動に当たり,プロジェクトのライフサイクルを通じてプロセスの検証,成果物の妥当性確認を行う。またこの組織は特に「ツールによるソースコード診断」,「テスト実施」を支援することで,製造工程,テスト工程の品質管理を強化し,Fsol全体の製品品質向上に寄与するべく活動している。

鈴木 在久, 鈴木 哲二郎, 森永 哲実


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