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Fujitsu

Japan

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注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2009-3月号 (VOL.60, NO.2)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2009-3

特集:「ITインフラ・サービス」

本特集では,ITインフラ・サービスについて,活動のけん引役である富士通エフサスの取組みを中心に,インフラインテグレーションサービス,運用サービス,メンテナンスサービス,および人材育成などを紹介しています。


取締役副社長
広西 光一
取締役副社長 広西 光一 写真

ITインフラ・サービス特集に寄せて(PDF)

富士通グループは,グループ各社やSE会社各社と連携し,新たな飛躍に向けて邁進しております。そして,卓越した技術力を基盤に,お客様とともに安心できるITインフラ環境の追求と,未来につながる価値の創造を通じて,豊かな社会の発展に貢献してまいります。

特集:ITインフラ・サービス 目次〕

総括論文

  • 「安心力」と「創造力」で「もっといい明日へ」
    その実現を目指して

インフラインテグレーションサービス

  • インフラSIサービスと分野別ソリューション
  • ITインフラデリバリーサービスを支えるテクノロジ
  • インフラ技術の標準化
    —ITIMAP,ITSMOPによる品質向上の取組み—

運用サービス

  • 運用・保守総合モデルによるITシステムの運用性向上
  • ITIL® (ITIL® is a Registered Trade Mark of AXELOS Limited)を基盤としたLCMサービス

メンテナンスサービス

  • 富士通メンテナンスサービスの変革と継承
    —すべてはお客様のために—
  • 保守技術の革新 —CE作業の変革—
  • サポートフォーメーションの変革
  • バックヤードの取組み
    —トラブル対応の迅速化と未然防止—
  • センターCEサービス
  • 社会インフラとしてのネットワークシステム
  • マルチベンダシステムの対応力強化
  • サポートをベースとしたお客様起点でのサービス提供

事業継続への取組み

  • 富士通の事業継続への取組みとBS25999認証取得
  • 事業継続力強化に向けた実践的アプローチ

富士通エフサスの人材育成への取組み

  • サービスエンジニア育成に向けた取組み

特集:ITインフラ・サービス


総括論文

富士通エフサスは,富士通グループにおけるITインフラ・サービスの中核会社として,お客様の抱えるIT課題を解決するために,ITインフラ領域に対してソリューション(解決策)を提供する。お客様システムの「安全を追求した設計・構築」と「安定稼働を維持する」ことで,お客様に安心していただけるIT環境を作るとともに,お客様がITを活用したビジネス戦略を強化できる価値あるサービスの創造に努めていく。その際のキーワードが「安心力」と「創造力」である。お客様の企業価値を高め,その競争力向上に貢献するために,ワンストップソリューションの仕組みを加速し,「インフラサービスの工業化」など富士通グループでの牽(けん)引役を担っていく。

株式会社富士通エフサス 代表取締役社長
播磨 崇

インフラインテグレーションサービス

富士通エフサスは1990年代後半にネットワークインフラの設計・構築サービスの提供を開始し,以降サーバおよびグループウェアなど製品に特化した設計・構築サービスを提供してきた。しかし,最近では企業の基幹系業務のオープン化により,システム全体の信頼性や性能を考慮した設計構築への対応の必要性が高まってきた。
このような背景のもと,2007年にインフラテクノロジーセンターを設立し,システム全体のインフラ設計・構築を行うインフラSIサービスと,インフラサービスの工業化を目的としたITインフラデリバリーサービスを開始し,従来の設計構築サービスを踏まえながらインフラインテグレーションサービスの変革を目指している。
本稿では,各サービスの紹介と今後の取組みについて述べる。

伊藤 晴夫, 中元 政英, 野口 英彦

富士通グループでは,品質の高いITインフラをスピーディに構築するITインフラデリバリーサービスを「インフラサービスの工業化」に基づいて提供している。ITインフラデリバリーサービスではインフラ構築につながる全プロセスの標準化・自動化に取り組み,スピード2倍,高品質,エコを追求してきた。本サービスは,お客様先トラブルの回避,システム構築期間の短縮化など,お客様ITシステムの迅速稼働と安定運用へ貢献すると同時に,梱包材の削減などエコにも寄与している。
これらを支えるのは,製造工場と直結したインフラ構築,運用・保守を考慮したインフラ設計技術,手配の効率化,製品開発へのフィードバックなどの改善活動であり,富士通グループの目指す製販一体化の取組みに結び付いている。

楠 佳奈子, 前田 倫子

富士通グループでは,システムの設計・開発・運用・保守に至るライフサイクルの中で,ITインフラ領域の「設計・構築」,「運用・保守」において「インフラ工業化」の旗印のもと標準化,簡易化,自動化による改善活動を推し進めている。富士通の標準プロセス体系「SDEM」をベースに,多数のシステムインテグレーションを成功させてきた実績やノウハウを集約し,現場・現物・現実の三現主義のもとインフラテクノロジーセンターで作成したものが,SDEM実践標準「システム基盤編(ITIMAP)」,「運用・保守編(ITSMOP)」である。
本稿では,この二つの実践標準を整備するに至った経緯,基本となる作業プロセス構造,普及展開活動と継続的な改善サイクルを回していく取組みについて紹介する。

粟津 正輝, 鬼沢 悦弘, 水上 伸行

運用サービス

富士通では運用・保守にかかわる実践標準としてITSMOPを用意している。さらなるITシステムの運用性向上のために,お客様を含めたITシステム運用にかかわる関係者間で運用・保守業務の全体理解と認識の共有化を図ることが必要と考え,運用・保守総合モデルを整備した。運用・保守総合モデルは,ITシステム運用において課題認識が明確であり運用・保守業務をフルカスタムで精緻(ち)に設計したいお客様向けとなっている。また,ITIL®の考え方と,富士通標準プロセスや社内ノウハウ,およびサービス商品の要素を取り入れ,より現場に近い形で作業項目を統一している。運用・保守総合モデルは,お客様とITシステムの運用・保守業務について語るためのツールであり,お客様のITシステム運用の品質向上に役立つものである。
本稿では,ITシステムの運用性向上に向けた取組みの一つである運用・保守総合モデルの概要を紹介する。

水沼 光秋

ITシステムの適用範囲拡大,複雑化,高機能化に伴い,各企業ではITインフラを維持管理するIT管理者の業務が増大しているため,安全で高品質かつ安定した運用アウトソーシングへのニーズがますます増加している。
富士通グループはITインフラのライフサイクル全体の課題をトータルに支援するLCMサービスを提供しており,LCMサービス実施の中核を担う全国8箇所の「富士通LCMサービスセンター」を運営している。各センターでは環境に優しく,セキュリティを確保した上で,高い品質でサービスを提供するためにISO(ITIL®を含む)をはじめとした各種認定を取得し,日々サービス品質維持向上と継続的なサービスの改善に取り組んでいる。
本稿では,ITIL®を基盤としたLCMサービス改善への取組みと,実際にITIL®を活用してお客様のIT運用の改善を支援したサービスの事例について述べる。

酒井 康司, 渡辺 兼造

メンテナンスサービス

富士通エフサスの起源はメンテナンスサービス会社である。現在も,富士通のメンテナンスサービスを設計し現場で統括するとともに,メンテナンスサービス実務を担っている。
コンピュータシステムに対する社会的要請・お客様のシステム環境の変遷・お客様ニーズの変化に伴い,メンテナンスの役割,サービス提供プロセス,CEの作業内容も変革を迫られており,メンテナンスは大きく変わりつつある。一方,富士通のメンテナンス部門は,お客様とともに,お客様システム安定稼働に長年取り組んできた経験から,部門独自の特性を持つ。これらの中には,いかにメンテナンスを取り巻く環境が変わろうとも保持・継承し続けなければならないものがある。
本稿では,富士通のメンテナンス部門が,お客様システムの安定稼働を図り,お客様に更に満足していただくためのこれまでの取組みを通して,変革しつつあるもの,継承すべきものを総括する。

見目 久美子, 高原 弘子

複雑化するお客様システムの安心・安全・安定は,お客様の重要な経営課題の一つである。中でも,トラブルの未然防止の取組みと,万一のトラブル時にも早く正確に対応する技術力は,お客様がITサービスベンダを選択する際の最重要ポイントである。富士通グループの中で,ITインフラ・サービスの中核を担う富士通エフサスでは,お客様システムの安定稼働を実現するために保守技術革新に関する様々な取組みを推進している。具体的には,保守方式の改革による保守品質向上の活動で,お客様システムを構成するハードウェア,ソフトウェアやネットワークなどへ保守方式を作り込む活動を推進している。また,現場の保守技術者を巻き込んだ保守改善活動で保守プロセス自体とそれを支援するサポートインフラの改善活動を推進している。
本稿では,CE作業の変革に向けた保守技術革新の具体的な取組み状況や成果について紹介する。

中村 隆文, 中村 純郎, 北須賀 千晶

メインフレームからオープンシステムへの変化とともに,お客様システムは多様化し,それを背景としてメンテナンスサービスに対するお客様のニーズも変化している。それに対応できる,富士通グループのサービス体制を構築するため,富士通および富士通CEパートナーが一体となった変革が求められている。
富士通エフサスは,地域に密着したメンテンスサービス体制を展開することを目的に,CEパートナーとともにフィールドCE要員やサービス拠点の最適配置を推進し,富士通グループのメンテナンスサービスの充実と効率化を目指している。
本稿では,このような「サポートフォーメーションの変革」の取組みを紹介する。

田中 公浩

富士通では,お客様ビジネスに欠かせないITシステムの安定稼働を支援するため,保守・運用支援サービス"SupportDesk"を提供している。システムを構成する多様なオープン系製品を富士通サポートセンターOSC(One-stop Solution Center)が一括対応し,専門エンジニアが,お客様から受け付けたトラブルを迅速かつ的確な判断で解決している。
SupportDeskではトラブルを迅速に解決するためバックヤード部門が「切分け/調査の自動解析」,「緊急トラブル時の現地支援」,「トラブル未然防止のための多発監視」,「専門エンジニア育成」など複数の視点で取組みを実施している。またSupportDeskのオプションの一つであるHA(High Availability)サービスにおいては,お客様専任エンジニアTAM(Technical Account Manager)を設置し,きめ細かい万全なサポートを実施している。
本稿では,これらお客様システム安定稼働のための取組みについて紹介する。

廣瀬 芳栄, 小川 大助, 横田 剛

富士通では,大規模または全国広域に展開されているお客様のITシステムに最適な保守ソリューションとして,「センターCEサービス」を提供している。本サービスはお客様ごとに専任の窓口となるCE(以下,センターCE)を配置して,富士通エフサスの全国保守ネットワークと保守インフラシステムを基盤にワンストップでお客様システムの安定稼働を支えている。センターCEは,お客様ホストシステムの保守はもとよりフィールドCEと連携してお客様の全国各拠点のシステムを統合管理する。また,お客様システムを熟知したセンターCEは,全国規模や広域の機器導入・構築・展開に,安全で確実な作業を実現する。
本稿では,センターCEサービスを紹介するとともに,お客様に密着した日常的な保守サポート活動から,各種ITインフラ・サービスと連携したセンターCEの取組みについて述べる。

高橋 豊

ITシステムが複雑化し,お客様から保守サービスに関する様々な要望・期待が寄せられている。富士通エフサスでは,サーバやストレージから構成される情報システムに加えて,ITのバックボーンであるキャリアシステム,従来のPBX技術からIP化の著しいテレフォニーシステム,ライフラインに直結した公共複合システムなどの様々なお客様システムにおいても安定稼働を実現するために,お客様の特徴に合わせた体制を構築し柔軟な保守サービスを提供している。また,お客様の強い要望であるマルチベンダのハードウェア製品保守について応えるべく,富士通製品で培った保守ノウハウを生かしたサービスを提供している。
本稿では,当社CEによる直接保守サービスの提供状況や,今後ますます多様化する社会インフラとしてのネットワークシステムに対するサポート活動について紹介する。

渡辺 徹, 中山 季男, 笹谷 幸雄

オープン化が進む中でITシステムは様々なベンダ製品で構築され複雑化している。そのためベンダ製品についても,お客様から保守サービスに関する様々な要望・期待が寄せられている。富士通エフサスでは,マルチベンダのハードウェア製品保守に対する強い要望に応えるべく,富士通製品で培った保守ノウハウを生かし,サービスを提供している。
本稿では,従来提供してきたマルチベンダシステムへの取組みをその具体的な活動内容を含めて説明する。併せて,富士通グループとしてのマルチベンダシステムのサポート拡大の今後の取組みについて紹介する。

熊倉 好一

富士通サポート部門の最大のミッションは,ハードウェアのメンテナンスのみならず,お客様に対して高品質・広範囲なサポートを実施することで,お客様との間に培われた信頼関係を維持し,お客様システムの安定稼働を実現することである。そのためには,ハードウェアの導入から,定期的な点検作業を着実に実施し,トラブル発生時には早期復旧を目指す活動に加え,お客様起点で様々なサービスを提供する必要がある。
本稿では,システムの安定稼働と高可用性実現に向けた活動の一つであるコンティンジェンシープランに関する取組みの中から,お客様のニーズを的確にとらえ,問題解決型のサービスを提案し,実践している付加価値サービスを紹介する。

田辺 博司

事業継続への取組み

近年,短期的な災害対策だけでなく,災害時にも重要業務をいかに早く再開・継続させるかという事業継続計画(BCP)が,重要な経営課題として注目を浴びている。富士通においてもグループを挙げてBCP策定に取り組んでおり,とくに災害時にお客様ITシステムの復旧支援に当たる保守サービス事業においては,自身の事業継続能力を確保しておくことが重要であると認識し,対応力強化に取り組んできた。事業継続能力の維持・強化に当たっては,BCPを策定するだけにとどまらず,継続して対策実施,教育・訓練,評価改善を繰り返していく事業継続マネジメントシステム(BCMS)を構築することが重要である。富士通の保守サービス事業部門では,富士通エフサスと共同でBCMSを構築し,実質的な国際標準である英国規格協会のBS25999の認証を国内で初めて取得した。
本稿では,富士通の事業継続(BC)への取組みとBS25999認証について紹介する。

倉田 典昭, 荒木 幸浩

自然災害,感染症など様々な災害による事業活動の中断は,自社だけでなく,取引企業の事業活動にも大きな影響を及ぼす可能性がある。近年では,事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)が企業間の取引条件となる例も少なくない。そこで,BCPを策定し,事業継続力を高める経営管理手法として,事業継続マネジメントシステム(BCMS:Business Continuity Management System)を導入する企業が増えている。
富士通エフサスでは,お客様システムの数多くの災害復旧経験や,インフラ構築・運用実績に基づき,事業継続マネジメントプロセスのすべてのフェーズにおいて,支援できる仕組み,体制を構築している。
本稿では,実践的なBCP策定や事業継続力強化策を通じて,総合的に事業継続力を向上させる富士通エフサスの取組みについて紹介する。

吉池 豊, 縄稚 明弘, 佐藤 浩司

富士通エフサスの人材育成への取組み

富士通エフサスは,お客様のニーズに即した最適なLCMサービスを提供するため,企画・提案・設計~運用・保守までのフェーズに対応できるサービスエンジニアの育成を重要課題に掲げ推進している。具体的には,育成方針・計画策定から育成の実施・評価・ビジネスでの人材活用までのプロセスに全社的な人材育成体制を設けて取り組んでいる。人材育成方針や育成計画に則(のっと)った育成は,階層別研修や社内スキル認定制度であるテクニカルライセンスをベースにして推進している。
本稿では,人材育成の考え方や体制を説明するとともに,人材育成体系(テクニカルライセンス制度)を中心に説明する。さらに,特徴的な取組みとして新入社員の育成と,ヒューマンスキル,マネジメントスキル関連研修について紹介する。

隈部 壽明, 山口 剛寛


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