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雑誌FUJITSU

2008-5月号 (VOL.59, NO.3)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


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雑誌FUJITSU 2008-5

特集:「コンサルティング」

企業,行政には,成長を持続することが求められている一方,人々は,利便性が高く安心・安全な生活を過ごすことができる豊かな社会を求めています。このような大きな課題を克服していくためには,企業の経営や公共の行政面で継続的に革新を推し進め,着実に実行していくことが必要です。そのサポート役として「コンサルティング」が重要な存在になっています。

本特集では,富士通グループのコンサルティングの中核である富士通総研(FRI)で開発したコンサルティングの技法や,経営や業務プロセスを変革させた事例および,内部統制や事業継続のリスクマネジメント,業界や地域への貢献,グローバルなコンサルティングなど,事例を交えて具体的に紹介いたします。


株式会社富士通総研
代表取締役会長
高島 章
株式会社富士通総研 代表取締役会長 高島 章 写真

コンサルティング特集に寄せて(PDF)

富士通総研は,お客様のこれからの成長・発展に貢献していくことを最大のミッションとし,全知全能をかけてコンサルティング活動を進めてまいります。

特集:コンサルティング 目次〕

総括論文

  • 富士通グループのコンサルティングの中核 富士通総研(FRI)

技法

  • 富士通グループのコンサルティング活動を支えるメソドロジー
    —富士通コンサルティング知識体系:CONPAM/BT—

ビジネス・トランスフォーメーション

  • 仕入・発注改革の実践を通じた継続的改善を続ける
    風土つくりへの取組み
  • 営業店を事務からセールスの場へ
    —経営と現場が一体となった次世代営業店展開の取組み—
  • 次世代バンキングシステムの企画フェーズコンサルティング
  • 保守起点での企業価値向上への取組み
    —企業の司令塔を目指したコールセンターの構築—
  • 地方自治体における行政経営改革の実践
  • バーゼルIIにおけるリスク管理の先進的な手法の
    構築・検証支援コンサルティング
  • サービス・イノベーションの実践
    —システム運用サービスへの適用—
  • 数理モデルを活用した環境負荷低減と
    物流コスト削減のための輸送経路改善
  • XBRL適用コンサルティングサービス
  • IT部門のマネジメント改革は気づきから始まる
    —ITマネジメント診断の実践—

ERM(エンタープライズ・リスク・マネジメント)

  • 製造業における事業継続マネジメント
  • ITサービス継続性強化に向けた新たなアプローチ
  • グローバル企業の内部統制プロジェクトを成功に導くアプローチ
  • 全社規模でのプロセス整理の実現と新しい可能性
    —中部電力様における内部統制への取組み事例—

業界・地域に貢献するコンサルティング

  • 交通を起点とした秋葉原のまちづくり
  • 標準化は流通業界変革の起爆剤となるか
  • 多様化するヘルスケア
    —ライフステージで生じる課題解決の窓口としての保健—

グローバルなコンサルティング活動

  • 富士通サービスのコンサルティング活動
  • 富士通コンサルティングの活動

経済研究所

  • 経済研究所の目指すもの

フィールド・イノベーション

  • フィールド・イノベーション

特集:コンサルティング


総括論文

日本経済は,グローバル競争の中で,厳しい環境下に置かれている。したがって,企業,行政には,成長を持続することが求められている。一方,人々は,利便性が高く安心・安全な生活を過ごすことができる豊かな社会を求めている。このような大きな課題を克服していくためには,企業の経営や公共の行政面で継続的に革新を推し進め,着実に実行していくことが必要である。そのサポート役として「コンサルティング」が重要な存在になっている。富士通は,このコンサルティングを強化するために,富士通総研(FRI)にコンサルティング機能を集約するとともに,従来からの経済研究所,研究開発機能との連携を強化している。さらに富士通が新しく提言している「フィールド・イノベーション」においては,お客様への提案や,フィールドイノベータの育成などの中核的な役割を担っている。本稿では,新生FRIの全体を鳥瞰(かん)して,その特徴と機能,および主なコンサルティングサービス内容などについて紹介する。

株式会社富士通総研 代表取締役社長
長谷川 展久

技法

経営革新を効果的に推進していくためには,構想を明確にして,社内コンセンサスを得て,全社・関係部門の協力体制を確立することが重要となる。お客様の経営革新遂行を強力に支援するために,富士通グループでは,コンサルティング実施に必要な一連の知識を体系化し,コンサルティング品質の安定化と効率化,そして高付加価値化の実現に取り組んでいる。本稿では,富士通グループが実施するコンサルティング活動を長年支えてきた独自のコンサルティング技法に,数多くの実践ノウハウを取り込み,拡充・発展させた「富士通コンサルティング知識体系CONPAM/BT(The FUJITSU CONsulting knowledge,Procedure And Methodology/Business Transformation)」について,歴史的経緯やお客様にとっての意義などを含めて紹介する。
※ CONPAMは,富士通グループのコンサルティング知識体系の名称である。

金子 勝

ビジネス・トランスフォーメーション

株式会社ジェイアール東海高島屋様は,名古屋駅直上に店舗を構え,年間約4000万人のお客様がご来店になる本格派の百貨店である。同社は,お客様の支持を積み重ね,毎年着実な売上伸長を続ける一方で,さらなる成長に向けて様々な取組みを進めている。中でも自らの意思で仕入発注を行うことにより最適な品揃(ぞろ)えを実現するフィールド・イノベーションの取組みは,最重点施策として位置付けられている。
この取組みは,お取引先に品揃えをお任せし,売れ筋商品をも把握できていなかった営業現場の実態を可視化することにより,人の意識を変革し,最適品揃え実現に向け業務プロセスを改革したものである。
本稿は,株式会社ジェイアール東海高島屋様の全社を挙げた仕入・発注改革の取組みをテーマとし,コンサルタントの改革の取組み視点とその実践を論じていく。

今村 健, 安藤 美紀, 麻生 陽一郎

サービス営業業務改革 コンサルティング

関連情報SPC(サービス・プロフィット・チェーン)

りそな銀行様では,2003年の合併による誕生以降,営業店運営コストの削減と営業力強化を目的に様々な活動に取り組んでいる。2004年11月には,試行として,銀行営業店の象徴とも言えるハイカウンターを撤去し,代わってクイックナビと呼ばれる新たな仕組みを導入した。その後,この従来と全く異なる新たな事務処理方式を実現する次世代営業店を全国に展開した。さらに現在も引き続き次世代機能を強化・拡大中である。
富士通総研では,定量・定性の両面からの実態把握・施策検討・効果予測・シミュレーション・効果検証などを継続して支援してきた。その立場から,本稿では,りそな銀行様におけるマネジメントプロセスの変革とも言うべき営業店改革について,フィールド・イノベーションの取組み事例として紹介する。

平岩 淳子

大手金融機関を中心に,次世代バンキングシステムの検討が始まりつつある。富士通総研(FRI)では,次世代システムの企画フェーズにおけるコンサルティングサービスを提供しており,すでに大手地方銀行において採用実績もある。FRIでは,次世代システムを「銀行経営におけるITが果たす役割を抜本的に見直し,銀行のビジネスモデル変革の実現を支援することを目的とする」システムであると位置付け,単なるシステム更改とは明確に区別してとらえている。
このような経営戦略との整合性が求められる次世代システムの企画を行うに当たり,FRIでは経営・業務・ITという三つの視点からのアプローチを行う。銀行の経営,業務およびITの全分野を理解するコンサルタントが関与することにより,金融機関のビジネスモデル変革を担う次世代システムの企画が可能となった。

岡 宏

現在,日本の製造業を中心に企業としての顧客リレーション強化を保守サービスから実現するといった考え方の変革が起こっている。その背景には,保守サービスの高付加価値化による製品差別化,保守サービス有償化による収益改善への期待が存在する。保守サービスには,製品問合せ対応,修理受付,サービスマンの訪問修理・メンテナンスなど様々なものが存在するが,お客様に付加価値を提供し,お客様満足の向上を図るためには企業内においてそれらの業務連携が必須と認識する企業も多い。
そこで,本稿では「保守サービス業務の連携を強化して,顧客リレーションの司令塔的役割を担うコールセンター」を構築したコニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社様の事例を通じ,プロジェクトにおける背景・問題意識・ねらい・効果,そしてプロジェクトを支援した富士通グループの様々な業務プロセスと連携するコールセンター構築ノウハウを活用したコンサルティングへの取組みを紹介する。

竹本 将和

地方自治体では,来るべき地方分権社会で,自立した行政経営を展開するため,行政経営改革の取組みが活発化している。国および地方の長期債務残高が2007年度末見込みで約773兆円と膨れ続け,多くの地方自治体で人口減少や低成長により今後の歳入増加が見込まれない中で,歳出および職員数の削減が重要なテーマに位置付けられている。しかし,地方自治体の現状をみると,増大する行政需要への対応が迫られる一方で,多様なステークホルダ間の利害調整の難しさや公共サービスの非競争的環境,行政活動や財政状況に対する住民の無関心などにより,抜本的な改革が進まない状況にある。
本稿では,資源の最適配分に向けた施策・事業の見直し,および行政活動におけるガバナンス強化の観点から,富士通総研が支援する地方自治体の行政改革の事例を用いて,自立した行政経営に向けた抜本的な改革のポイントについて論じる。

関谷 美由紀, 佐々木 央

バーゼル銀行委員会が1988年に策定した「自己資本の測定と基準に関する国際的統一化」(バーゼルI)が長年の役割を終え,「新しい自己資本比率規制」(バーゼルII)が2007年3月末から国内で施行されている。バーゼルIIのもとでは,リスク計測手法として「先進的な手法」を用いると,標準的な手法よりリスクを精緻(ち)に把握でき資本効率も高まるため,金融機関としては先進的な手法を採用するほうが有利である。しかし,そのためには,確率統計理論を駆使して手法を構築し,実データを用いて妥当性を監督当局に示す必要があり,一部の金融機関を除き内部のリソースで対応することは難しい。
富士通総研では,お客様の要望に沿った手法の構築から,監督当局への説明に必要な検証まで支援するサービスを提供している。本稿では,事例を交えてその内容について紹介する。

佐々木 正信, 中林 歩, 神尾 健一

近年,全産業の過半数を占めるサービス業の生産性を高めることが急務となっている。そのためには,製造業で過去に実践されてきた手法を援用し,サービスの顧客価値を定量的に把握し,サービスの提供プロセスを改善していくことが必要となる。
本稿では,富士通総研がこれまでコンサルティングを行った事例に基づき,システム運用サービスの品質を各種のデータから統計的に予測する手法と,サービスの評価手法として標準的と言えるSERVQUALに基づいた顧客価値の把握手法を組み合わせ,お客様のニーズに合わせた適正な品質のサービスを提供し,収益性を含めたシステム運用サービスのパフォーマンスを高める方法論について述べる。

中林 歩, 田嶋 耕治, 広瀬 淳一

京都議定書の発効などにより,近年,企業の環境問題への積極的対応は不可欠である。さらに,改正省エネ法の施行により,運輸部門においてもCO2排出量の削減が必要となった。その対応策の一つとしては,輸送経路の改善が考えられるが,コストを無視することはできず,環境負荷低減と物流コストの双方の観点から輸送経路の改善を図る必要がある。
本稿では,住金物産株式会社様と共同で取り組んだアパレルグリーン物流プロジェクトである,海外(中国)拠点から国内の納品先店舗までの国際輸送経路の改善事例と,数理モデルを活用した効率的な国際輸送経路を算出できるシステムについて紹介する。

太田 崇, 山根 審治

XBRL(eXtensible Business Reporting Language)は,資本市場における企業情報開示の透明性・信頼性・即時性確保のための新しいコンピュータ言語としてグローバルに公的機関での採用が進んでおり,一般企業でも近年注目を集めている。XBRL適用の成否は,個々の法令・実務に即した質の高い「タクソノミ(XBRLベースの業務語彙(い)辞書)」の開発がかぎとなる。富士通総研では,国内外での数々のタクソノミ開発実績を基に,タクソノミ開発のための方法論・手法を整備している。
本稿では,東京証券取引所様における適時開示システム(TDnet)のタクソノミ開発事例を基にタクソノミ開発方法論・手法の概要を述べるとともに,XBRLの一般企業への適用についても展望する。

小泉 誠

今日,好業績を上げている企業の多くは,継続的に業務プロセスを見直す過程で,強みとなるコア領域についてはその独自性を高め,ノンコア領域は徹底的な標準化を推進している。この改革の中で経営者が停滞する業績状況を打破しようと,大きく舵(かじ)を切るとき,IT部門の役割は重要である。多くのIT部門長は「IT部門が改革の推進者となるために必要なことは何か?」といった問題意識を持っており,自組織の能力や課題を整理し,早急にマネジメントレベルを改善する必要があると認識している。富士通総研は,このような背景をもとにIT部門のマネジメントレベルを向上させるための気づきとなる「ITマネジメント診断」を実施している。
本稿では,製造・流通業の中堅,準大手企業のIT部門で実践してきた診断について紹介し,マネジメント改革の必要性について述べる。

大原 宏之

ERM(エンタープライズ・リスク・マネジメント)

不測の事態に直面した際にも重要事業を継続するための経営管理手法である事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)は,昨今の相次ぐ地震や災害,事故によりますます注目を集めている。BCMへの取組みが企業間の取引条件として求められつつある中,2009年初頭にはISO化も予定されている。グローバルにビジネス展開を行う製造業においては,自社のみならずサプライチェーンを含めた事業継続性強化に向けた取組みが新たな課題となっている。
富士通総研では,富士通社内における事業継続計画策定および運用の実践と,製造業をはじめとする様々な業種におけるBCP策定コンサルティング経験から,BCMの策定運用手法を標準化している。本稿では製造業に主眼をおいて,BCP(Business Continuity Plan)策定から運用までの実践的な手法,サプライチェーンの継続性強化,経営課題としてのBCMの推進について紹介する。

浅野 裕美, 吉田 哲也, 奥田 智瑞

昨今高まりつつある地震やテロなどのリスク環境を背景に,事業継続マネジメント(BCM: Business Continuity Management)を導入することにより,不測の事態における企業の対応力強化をプロアクティブに進める企業が増えている。情報システム部門は,経営層や事業部門から業務遂行を支える情報システムが利用不可能になる事態に対しての対応力強化を強く求められている。
本稿では,ITサービスの継続性強化を巡る動向およびITサービスの継続性強化を実現するコンサルティングのアプローチ方法を,富士通総研独自の「見える化」手法により明らかにされるIT依存度や中断リスクの可視化を中心に紹介し,最後に継続性を高めつつインフラ最適化を行う手法について述べる。

古本 勉, 辻井 飛馬

近年,多くの国で会計・監査制度,コンプライアンス,リスクマネジメントにかかわる法制化が進んでいる。本稿では,内部統制に取り組むことの本質的な意義,グローバルプロジェクト特有の課題を整理した上で,米国SOX法の対応を推進された三井物産株式会社様の事例を通じ,グローバルな内部統制プロジェクトにおける成功要因とは何かを明らかにする。また,2005年度からプロジェクトを支援した富士通グループにおいて,このプロジェクトの成功に寄与するために,内部統制という専門性の高い分野のコンサルティングを,どのようなアプローチでグローバル展開したのかを述べた上で,この実績から生まれ体系化された内部統制ナレッジや,富士通グループ海外拠点(米,欧,豪)との連携のあり方についても論じる。本事例による示唆は,今後いわゆるJ-SOX法対応を推進する企業にとって重要な意味合いを持つと思われる。

根本 高広, Bonnie Miller

サービス内部統制・リスク管理

2008年4月から順次,全上場企業に内部統制制度が適用される。中部電力株式会社様では,この制度対応の取組みに当たり,まず複雑に連関した全社規模の業務を財務報告に果たす役割という尺度で整理し,統制の対象範囲を明確化した。さらに,全社で同一のルールにより業務可視化を進めた。
本稿ではこのような全社規模での取組みの具体的内容と,プロジェクト実施において顕在化した内部統制構築に当たっての課題や,富士通総研が提供した様々なノウハウなどを紹介する。また,全社共通ルールにより可視化された成果物の活用の可能性について,中部電力株式会社様の評価も併せて提示する。

藤本 健, 菊池 貴文

業界・地域に貢献するコンサルティング

2003年~2005年に東京・秋葉原電気街において国土交通省「秋葉原電気街地区TDM実証実験」が行われた。この実験は,多くの関係者を交え物流効率化や来街者の交通の安全や効率化について検討を行うもので,七つの実証実験を行った。この取組みのうち,駐車場問題に関して,地元行政機関である千代田区が中心となり,駐車場の効率利用による路上駐停車削減などの具体的な検討を開始した。2005年にはこれまでの検討結果の実現を図るため,「駐車場情報高度化実証実験(千代田区秋葉原地区)」として駐車場案内システムの構築を行った。富士通総研では,これらの受託調査機関として現状把握から課題解決方法である駐車場案内方策の検討を行い,さらには検討された計画の実現まで関係者間の調整役となりながら支援を行った。これらは秋葉原地区のまちづくりについて交通というアプローチで支援を行ったものであり,本稿ではこれら一連の取組みについて述べる。

池田 佳代子, 櫻田 和子

流通業界では,27年振りとなる流通システム標準の大改訂が注目を集めている。業種・業態の枠組みを越えて企業間の情報共有のあり方を検討し,共通基盤を構築する取組みである。流通業界では多様化する消費者ニーズを充足するため企業間連携が求められており,連携を加速させる共通基盤の普及による効果は企業のコスト低減にとどまらず,流通業界全体が次なる姿へ変貌(ぼう)するきっかけとなる可能性を秘めている。
本稿では,流通システム標準化をサポートしている富士通総研の取組みを紹介するとともに,標準化の先に見えてくる今後の流通業界の変革の方向性について検討する。

野村 昌弘, 久万田 敦, 古平 梢

医療費・介護費用の抑制が命題である自治体では,保健機能の強化による適正運用を進めている。一方,保健には人のライフステージ上で発生する身体・精神・社会面からの複合化した課題全般の解決窓口としての機能も期待されるなど,近年その対象とする範囲は拡大しており,クライアントである自治体からの保健に関するコンサルティングニーズも,より多方面からのアプローチを求められるものが増えている。現在,富士通総研がコンサルティングを実施する某自治体の案件では,保健センター整備による保健機能の強化と,それを契機とする既存施設や事業の再編成を行っている。そこでは医療~保健~福祉のシームレスな体制構築だけではなく,保健によって障がいやドメスティックバイオレンス,社会参加などの課題を解決し,市民の生活の質全体のバリューアップを図ろうとしている。
本稿では,そうした多様化するヘルスケアの現状に対するコンサルティングを紹介する。

名取 直美

グローバルなコンサルティング活動

富士通総研(FRI)は,2007年4月の富士通のコンサルティング事業本部との統合による新生FRIの発足を機に,グローバル対応の一環として,海外のグループ会社とのコンサルティング分野での連携を強化している。その中で,ロンドンに拠点を置く富士通サービス(FS)は,富士通の100%子会社であり,富士通グループのグローバル活動の重要なプレーヤである。富士通サービスは,近年,目覚しい実績をあげており,そのコンサルティング活動も成功の一因と考えている。
本稿では,欧州のIT市場動向,富士通サービスの提供するコンサルティングサービスの概要,さらに,お客様での事例を中心に富士通サービスのコンサルティング活動を紹介する。

Robert Devlen, David Stark

富士通コンサルティング(FC:前身はDMRコンサルティング)は,北米を中心に活動している富士通のグループ会社であり,近年,戦略的M&Aにより,サービス提供能力を拡大してきている。FCと富士通総研(FRI)は,日系企業の米国SOX法対応などにおいて,すでに具体的な協調を図っており,大きな成果をあげている。
本稿では,北米のITサービス動向,FCの提供サービス,顧客事例,さらに近年の戦略的M&Aによる能力増強などを中心にその活動を紹介する。

Ron Mitchell

経済研究所

富士通総研がほかのコンサルティング会社と異なる点の一つは,シンクタンク機能としての経済研究所を持つということである。社会経済のボーダレス化に伴いお客様の経営課題は多様化・複雑化しており,日本のみならず世界の社会・経済・産業の動向分析に基づいた政策や経営戦略の立案が必要になっている。経済研究所では,経済のマクロ分析はもとより,IT投資の経済分析,中国をはじめとしたグローバル経済の動向調査,さらには日本社会の構造問題・規制緩和への提言など,お客様が経営革新を行う上で必要となる分野の研究を実施している。そして,これらの研究成果を基にコンサルティング部門と連携し,顧客価値を一層高める質の高いトータルソリューションの提供を支援している。経済研究所は常に先端的な分野の研究を続け,研究成果を適宜発表しており,これらをご覧いただければ幸いである。

根津 利三郎

フィールド・イノベーション

ITへの依存度が高まるにつれてITのブラックボックス化が進んでいる。ここに来てITありきの発想から人を中心にした発想が必要になってきている。また,ITが不可欠な存在であると同時にその性能・機能が高度化する中でITの価値を最大化させることがより難しくなっていることも事実である。一方,経営環境変化は一層激しくなり,企業はその場しのぎの業務改革では追い着かず,企業自体の革新体質の確立が求められている。このような状況への打開策を机上の空論ではなく,多様な経験から導き出した。それは,「現場で発生している事実に気付いた人は革新への意識が高まり,新たな発想で実現可能性の高いプロセスを生み出すことができる。そこに適切なITを活用することによって,人とプロセスとITが一体化し,企業革新を継続できる体質を確立できる」という考え方である。
本稿では「フィールド・イノベーション」と呼ぶこの考え方について,出現背景や進め方などについて概説する。

徳丸 嘉彦


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