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Fujitsu

Japan

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注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2005-9月号 (VOL.56, NO.5)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2005-9

特集: 「アウトソーシング」

本特集では,今なぜアウトソーシングなのかその背景や意義,単なる運用だけではない上流のコンサルティングへの取組み,ノウハウの最新状況,付加価値サービスとしてのネットワークの進化,ITライフサイクルマネジメントの実現,最先端技術の動向,実際のお客様への適用事例について,富士通および富士通研究所の取組みを紹介いたします。


経営執行役常務 サービスプロダクトビジネスグループ長
平田 宏通
経営執行役常務  サービスプロダクトビジネスグループ長 平田 宏通 写真

アウトソーシング特集に寄せて (PDF)

富士通は更なるサービスの進化に向け,不断の努力をお約束するとともに,変革の時代におけるお客様企業の課題解決と成長への貢献,ひいては次世代社会インフラ構築の一翼を担う想いで全社を挙げてまい進してまいります。

特集: アウトソーシング 目次〕

概要

  • アウトソーシング市場動向と富士通の取組み

サービス

  • 経営価値を高めるアウトソーシング
  • データセンタサービス技術体系
  • 富士通のネットワークサービスへの取組み
  • オンサイトアウトソーシングにおけるITライフサイクルマネジメント

技術

  • ユーティリティコンピューティングと運用変革
  • システム稼働状況の分析・可視化技術
  • アウトソーシングサービス価値の評価分析技術

事例

  • 共同執筆 塩野義製薬株式会社におけるITIL® (ITIL® is a Registered Trade Mark of AXELOS Limited)を礎としたIT運用成熟度向上への取組み
  • 共同執筆 北海道ガス株式会社におけるIT投資案件可視化への取組み
  • 南関東4競馬場様向けアウトソーシングサービス
  • 富士電機ホールディングス株式会社様におけるFENICSメールサービスの適用
  • ビットワレット株式会社様のビジネス成長を支えるオンサイトアウトソーシング
  • Sense and Respond on Global Scale
    (Sense and Respondのグローバル展開)

特集:アウトソーシング


概要

厳しく変化の激しい経営環境が続く中,企業は複雑かつ多様な課題に取り組む必要がある。アウトソーシングサービスの活用は,このような様々な課題を解決する戦略的手段としてますます重要性を増しつつある。
富士通グループは,お客様のあらゆるニーズにお応えするトータルアウトソーシングサービスを提供しており,さらに,「システムライフサイクル」「対象サイト」「サービス階層」といった視点でのサービスの拡大や,最先端技術を梃子としたサービス価値の向上,多面的な取組みによるサービス品質の向上を進め,常にサービスを進化させている。
本稿では,企業経営におけるアウトソーシングサービス活用の意義と,富士通のアウトソーシングサービスの特長と今後に向けた取組みについて述べる。

兵庫 康之

サービス

企業におけるIT(情報技術)の活用目的は,自動化・省力化から情報活用へ,そしてビジネス変革へと移行しつつある。これは,ITが経営に貢献する度合が以前とは比較にならないほど大きくなっていることを意味している。換言すれば,経営とITの整合性が戦略レベルと実務・実装レベルにおいて確保されることが一層重要となっている。
アウトソーシングはこの整合性を確保するための一つの手段として有効である。これを成功させるためには単なるTCO削減の発想から脱却し,ITを経営戦略実現のための一要素と考えた上で,IT以外の「業務プロセス」,「組織」,「人」という三大要素も視野に入れる必要がある。さらに,IT分野については,資産であるヒト・カネ・モノをITガバナンスの観点から考え,ITという経営資源の最適化を追求しなければならない。
本稿では,上記の観点から経営価値を高めるアウトソーシングのあり方について述べる。

徳丸 嘉彦

ITは今やお客様の事業に必要不可欠な存在であるという認識に基づき,お客様の日々の事業を支えるIT運用は,とりわけお客様の経営と密接な関係を持っていると考えている。現在の経営環境は,成長の鈍化と競争の激化,効率化と環境保護など,相反する要求の両立をこれまで以上に求めている。したがって,IT運用も,積極的なリスク管理能力と変化対応性を獲得して,継続的に経営の課題を解決できるように,新しい技術を導入していかなくてはならない。
本稿では,富士通のアウトソーシング事業の中核である「データセンタ」とそこで提供される「運用サービス」に焦点を当て,上記のIT運用が備えるべき技術を体系化することで,経営とIT運用の関係を議論していく土俵を提供し,併せて新たな技術の方向性を紹介する。

河嶋 英治

近年,ブロードバンドネットワークの普及や無線技術の進歩に伴って,様々な端末が高速化されたネットワークにアクセスし,映像や音楽などの様々なアプリケーションを利用できるようになった。このようなネットワーク環境の変化に伴って,お客様のビジネス環境においても,アプリケーションサービス,ユビキタス,セキュリティなどの分野に対して,ネットワークサービスが密接に関係するようになっている。また,このような環境の変化とともに,ITを活用した業務形態やビジネスモデルが急速に普及している。
富士通のネットワークサービスでは,お客様のビジネス環境やネットワーク環境の変化に対応した付加価値の高いサービスの提供を行っている。
本稿では,富士通のネットワークサービスについて,現状と新しい取組みとして,アプリケーションやプロダクトなどと連携したサービスの概要や特長を紹介する。

熊木 弘泰

お客様のオンサイト運用は,IT機器の多様性と激しい変化,高まるシステムリスク管理への要求に起因して,運用品質とコスト抑制が大きな課題となっている。
富士通では,このような課題を解決するオンサイトアウトソーシングとして,ITライフサイクルの観点からPC-LCM(Life Cycle Management)サービスに代表される各種LCMサービスを提供しており,ITインフラの企画設計から調達,導入,運用・保守,撤去・廃棄までトータルサービスを実現している。
オンサイトアウトソーシングでは,富士通のサービス機能として,サービスマネジメント,オンデマンド型リソース提供,LCMセンター機能,SystemDefenderBoxによるITリソース管理機能,環境リサイクル機能を特徴としている。
本稿では,これらの機能を駆使することにより実現する,システム運用の負荷軽減,コスト削減,IT運用品質向上について述べる。

菊田 志向,金子 裕次,江藤 浩

技術

最近,ITの能力を水道や電気のように必要になったら必要な量だけ供給する「ユーティリティコンピューティング」のコンセプトが提唱されている。このコンセプトの極端な形態は,企業側にはコンピュータを設置せず,外部事業者が高速回線を使ってIT能力を供給するものであり,アウトソーシングの究極の姿と考えることもできる。しかし,現在のITシステムがユーティリティ形態になるためには,多数の機器やミドルウェアの統合や運用管理の自律化などまだまだ課題も多い。
本稿では,ユーティリティコンピューティングを具体化する際に直面する運用管理上の具体的な課題をあげ,これを解決する手段について考察する。

土屋 哲,安達 基光

厳しい経営環境の中,様々な課題に対応しながら成長を続ける企業の業務を担うITシステムの稼働状況を常に把握することで,環境変化に的確に対応することが求められている。データセンタにおいても,稼働するシステムの状況を分析・可視化することができれば,環境変化時の問題の所在が明確になり,最適な業務処理を継続することができる。また,部分的な性能劣化などのシステムトラブルなども敏感に検知でき,最適なパフォーマンスを維持することで,業務効率の維持向上が期待できる。
本稿では,システム稼働状況を把握する技術として,業務プロセスの流れの把握管理の観点,およびトランザクション処理の観点や,IPネットワーク上のパケットフローの観点という3種の異なる機能層での分析・可視化を行う技術を紹介する。

武 理一郎,若本 雅晶,金井 剛

高品質のITアウトソーシングを実現するには,高い技術や十分な設備が必要である。しかし,技術的な説明では,高い技術や十分な設備の必要性は理解できても,経営の観点で投資すべきかどうかを判断するには距離がある。そこで,アウトソーサが提案するIT運用プランを,顧客企業の経営の視点で評価し選択できることが重要である。
本稿では,サービスメトリックスの技術を紹介する。サービスメトリックスでは,ITサービスの運用ログを分析し,顧客企業のビジネス活動とITサービスのワークロードの特徴の間に,定量的な関係を見出す。つぎに,発見された定量的関係を利用して,ITサービスに適したIT運用プランを決定する。

神田 陽治,矢崎 昌朋,宇山 政志

事例

塩野義製薬株式会社は,2000年に発表した第一次中期経営計画に基づく「全社情報化計画」のもと,IT投資の効果の極大化を図るために脱メインフレームを推進する一方で,脱メインフレーム後のシステム運用基盤を富士通へのアウトソーシングで実現した。すなわち,システム構成のアーキテクチャ,運用のアーキテクチャといった,情報システムを支える二本の重要な機軸の架替えを行ったことになる。
本稿では,情報システムのアーキテクチャが大きく変遷する中,システム運用基盤の最適化を目指し,塩野義製薬・富士通両社で切り開いた様々な品質向上施策の実施,さらにシステム運用の成熟度向上を図るためのITIL®(IT Infrastructure Library)を礎としたITSM(IT Service Management)適用の取組みについて紹介する。

多賀 健二,澁谷 太郎

北海道ガス株式会社では,お客さまがより便利に,より安全にガスを継続的にお使いいただけるように既存サービスの見直しや新サービスの追加に取り組んでいる。このため,情報システムに対して年間数百件の保守案件が発生し,その精査には大変な労力と時間がかかっていた。そこで北海道ガスの業務高度化推進部では,ポートフォリオ手法を取り入れたよりスピーディなIT投資案件の精査を行った。この手法の採用により,企画部門・利用部門・経営層との合意形成がスムーズになった。また,IT投資決定プロセスおよび評価基準が明確化され,より一層スピーディな案件精査と案件の早期着手が可能となった。
本稿では,富士通のアウトソーシングサービスであるAPM(Application Portfolio Management)サービスの適用事例として,北海道ガスでのIT投資案件の可視化におけるIT投資ポートフォリオ手法を採用した案件精査の取組み事例について紹介する。

鹿嶋 真司,前田 嗣晴,丸井 智浩,佐藤 正

南関東4競馬場様では,既存の電話投票・在宅投票の機能エンハンスとしてインターネット投票および携帯電話投票のシステム導入を検討され,その結果,富士通のアウトソーシングサービスをご利用いただいている。本システムに関して,富士通は,確実性,サービス継続性,安全性において,一般のシステム以上に高いシステムと判断しており,トータリゼータシステムの経験豊富な公営競技SEによるシステム構築と,富士通のアウトソーシングサービス(Fmobileサービス含む)を組み合わせて,お客様に納得していただけるサービスを提供している。また,SLA(Service Level Agreement)によるサービスの目標設定・評価・改善を実施していくことで,サービス品質の維持,向上を図っている。
本稿では,南関東4競馬場様向けアウトソーシングサービスでの,これらの事例を紹介する。

野村 一雄,三沢 正伸,平田 裕基

現代の企業にとって,電子メールは日常業務を遂行するための通信手段として不可欠な存在であり,電子メールの停止が企業に与える影響は計り知れない。
一方,電子メール環境の運用に目を向けると,増加の一途をたどるウイルスやSPAMメールに対する対応,企業内部から電子メールによって個人情報や機密情報が漏えいすることを取り締まる法制度への対応など,サービス継続維持の対応作業が増大し続けている。そのため,サービス運用を委託するアウトソーシング形態が主流になりつつある。
本稿では,富士通の電子メールアウトソーシングサービスである「FENICSメールサービス」を導入された富士電機ホールディングス株式会社様の事例を紹介する。

田澤 和彦,門間 仁,池田 和幸

ビットワレット株式会社様の運営・推進するプリペイド型電子マネーサービス「Edy(エディ)」は,2001年11月のサービス開始以来,急速に普及し続けている。一方,ビジネスを支えるIT基盤とその運用管理の社会的重要性はますます増加している。
富士通では,稼働当初から運用業務を担っており,さらに成長を続けるお客様のビジネスを支えるために,「ダウンしない」「業務影響を出さない」堅ろうなシステム運用管理の実現を期待されている。とくにビジネスの成長とともに数多く発生するシステム変更作業について,ユーザサービスを止めずに運営するための取組みを実施してきた。
本稿では,富士通が提供するオンサイトアウトソーシングを紹介するとともに,システム本稼働以来追求してきた,システム運用品質改善・コスト削減への取組みと,「止めない」システム変更・リリース管理の実現方式について解説する。

竹崎 伸一

Sense and Respondは富士通グループのアウトソーシングのお客様を組織の中核に位置させるユニークな展開手法を持った,新たな管理体系である。それはリーダーシップと分析を基本としたお客様知識によって活動が決定される文化を醸成する。
Sense and Respondはシステム的思考,無駄のないサービスへの志向,変革へのリーダーシップといった規律を利用する。これらの規律は結合され,第一線スタッフが最初から最後まで事に当たる,強力で新たな技法を生み出す。
Sense and Respondは世界中18箇国の富士通グループで展開され,プロダクトやサービスそのものではなく,そこから創造する価値の観点からビジネスを定義する。それは顧客からの変革要件に応じて継続的に進化するための組織をデザイン・構築・運用するシンプルで新たな方策である。

グウェンダ コネル,ニール ストーナー,原田 訓


---> English (Abstracts of Papers)