Skip to main content

Fujitsu

Japan

アーカイブ コンテンツ

注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2005-7月号 (VOL.56, NO.4)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2005-7

特集: 「研究開発最前線」

本特集号では,富士通研究所が取り組んでいる材料・デバイスからプロダクト,サービスまでの研究開発の中から,2007-2010年頃の普及に向けた研究開発への取組み状況の一端を紹介します。


株式会社富士通研究所 代表取締役社長
村野 和雄
株式会社富士通研究所  代表取締役社長 村野 和雄 写真

研究開発最前線特集に寄せて(PDF)

ユビキタス社会を支える情報システム・通信ネットワークの技術,および情報のセキュリティ技術や環境にやさしいIT活用技術などの研究開発の進展によって,より安心・安全な情報社会を実現することが期待されます。富士通および富士通研究所は,これらの技術革新の研究開発を追求して,お客様のバリュー・クリエーションに貢献して参ります。

特集: 研究開発最前線 目次〕

情報システムを支える技術

  • 65 nm世代LSI用低誘電率層間絶縁材料
  • SoC用混載メモリ
  • 垂直磁気記録による高記録密度化
  • FR-V用1チップマルチコアプロセッサ
  • 光ナノテクノロジ分野での解析を支援する光シミュレータ

ユビキタス社会のネットワークを支える技術

  • 次世代フォトニックIPネットワーク
  • ネットワークのヘルスケア技術
    -自律かつ高可用なネットワークの実現-
  • GaN-HEMTを使用したW-CDMA基地局用高出力増幅器
  • RFIDシステムにおける高速処理技術
  • 無線通信用RF-MEMSデバイス
  • 最新動画像符号化方式H.264/AVCへの取組み

安全・安心なセキュリティを実現する技術

  • 手のひら静脈認証技術の製品展開
  • 量子井戸型赤外線センサ
  • 量子情報通信を実現する単一光子発生器

人と環境に優しい技術

  • 同期コンテンツ作成支援技術とその実用化
  • ビジュアルテキストマイニング技術
    -特許検索・分析支援への適用-
  • IT活用を推進するソフトウェアモデリング技術
    -ビジネスプロセスの可視化と開発自動化-
  • 環境配慮製品を支える先進環境技術
  • 3次元視覚システム搭載の富士通サービスロボット

特集:研究開発最前線


情報システムを支える技術

65 nm世代のLSI適用に向けて,2.25の低い比誘電率と弾性率10 GPaの高い機械強度を持つポーラスLow-k材料,Nano Clustering Silica(NCS)を開発した。誘電率1の空孔を膜中に形成するポーラス化の手法は,低誘電率化に極めて有効な手法であるが,従来は空孔形成による膜強度の低下が大きな課題であった。NCSはナノクラスタという独自の材料設計により直径2.8 nm以下の微細な空孔を均一に分布させることに成功し,低誘電率化と高強度化の両立を達成した。またNCSは65 nm世代の微細加工に対応可能な高いプロセス適合性を有しており,富士通はNCSを用いて多層配線の試作を進め,世界に先駆けて,ポーラスLow-k材料を用いた多層配線の形成技術を確立した。Cu/NCS多層配線は,ワイヤボンディングや樹脂パッケージ工程においてもCu配線の破壊を生じない高い信頼性を示した。
本稿では,従来のポーラス材料の課題と,この課題を解決するNCSの特性を述べ,最後にNCSを用いたLSI多層配線の開発状況について述べる。

矢野 映,中田 義弘,杉浦 巌

画像や音声処理に使用するシステムLSI(SoC)では,機能増加に伴い,搭載されるメモリ容量が増している。現行のSRAMを使い続けると,チップ面積や消費電力の増大が問題となる。この問題を解決するために,搭載するメモリの特長を生かし,用途に合わせたSoC用混載メモリの開発を進めている。
本稿では,SoC用混載メモリのうち,大容量・低消費電力用途向けのDTM,低消費電力の不揮発性メモリであるFRAM,高速・大容量不揮発性メモリであるMRAMの開発状況について紹介する。

田中 均

垂直磁気記録は,原理的に優れた記録方式にもかかわらず,これまでは記録再生特性や製造性の課題により実用に至っていなかった。富士通ではこれらの課題を解決する要素として,記録層の低ノイズ化による記録密度の向上のためのグラニュラー材料開発,磁気記録ヘッドと磁気的な相互作用により記録の一端を担う裏打ち層の磁区構造に起因するスパイクノイズを除去するための磁区制御技術,広域にわたり記録情報を消失するWATER現象を抑制するための裏打ち層の多層化技術を開発した。富士通ではこれらの技術を適用した垂直磁気記録媒体の性能として,スパイクノイズ,およびWATER現象に対して良好な結果を得るとともに,1,000 kBPIを超えた線記録密度で十分なエラーレートが得られることを確認している。
本稿では,垂直磁気記録の長所,課題と,課題を解決する要素技術および垂直磁気記録媒体の性能を紹介する。

渦巻 拓也

富士通研究所では,デジタルハイビジョンTV画像の復号化処理が可能な組込み用プロセッサを低消費電力・低価格で実現させるために,8並列同時実行可能なVLIWプロセッサコアを4個内蔵した本格的な1チップマルチコアプロセッサを開発した。
本プロセッサは,90 nm CMOS 9メタル層のプロセス,900ピンのフリップチップパッケージで開発し,プロセッサコア500 MHz,メモリインタフェースは250 MHz,システムバスは166 MHzで動作する。単一のコアの処理性能としては,MPEG-2 MP@MLの復号化処理を190 MHzで実現することができ,四つのコアを用いた処理では,MPEG-2 MP@HLの復号化をソフトウェアだけで実現することに成功した。本プロセッサの消費電力は,MPEG-2 MP@HL復号化時にわずか約3 Wを実現した。
本稿では,1チップマルチコアプロセッサについて,ハードウェア,ソフトウェア開発環境,ソフトウェア動作環境およびアプリケーション動作例を紹介する。

須賀 敦浩

光ナノテクノロジ分野での解析,設計などに使用する,FDTD法(Finite Difference Time Domain method)による光シミュレータを開発した。この開発では,電場増強のための表面プラズモン応用などの,光波長での金属が負の誘電率を持つモデルで,解が発散する課題は,ローレンツモデルやドルーデモデルなどの金属の自由電子モデルを用いることで解決した。また,FDTD法による計算精度の検証のために,負の誘電率を持つ金属モデルで,解析値など,ほかの計算結果と比較し,よく合うことを確認した。さらに,実験結果との比較も行い,これもよく一致することを確認した。これらの検証の結果,FDTD法による本シミュレータは,光ナノテクノロジなどの分野での高精度解析に適した,パワフルなツールであることが確認できた。本稿では,光シミュレータの開発において,FDTD法を光に適用するときの課題とその解決,計算精度の検証について述べる。

長谷川 信也,小田島 渉,並木 武文

ユビキタス社会のネットワークを支える技術

ADSLやFTTHの爆発的な普及とともに,インターネットを用いた音声,データ,画像コンテンツの様々な配信サービスが提供されるようになり,本格的なユビキタス社会が始まろうとしている。今後はユーザが要求する多様なサービスを効率良く収容し,かつ要求される品質条件で転送を行うネットワークが必要となる。これらの要求を満たすためにはフォトニックおよびIPネットワークの高性能光・電気スイッチング技術,コントロールレイヤを協調,融合した次世代フォトニックIPネットワーク技術が必須である。
本稿では,次世代フォトニックIPネットワークの実現に向けて,富士通研究所が取り組んでいる光ゲートウェイノード技術,およびこれらノードを制御し効率的にIPトラヒックを収容するためのマルチレイヤトラヒックエンジニアリングについて概説し,さらに,次世代フォトニックIPネットワークの実証を目的として,これら技術を融合させたプロトタイプシステムについて紹介する。

中後 明,河合 正昭,尾中 寛

インターネットは社会基盤としての位置付けが明確になり,高い可用性が求められている。さらに,近年は,生活に密着したインターネットの利用が広がるにつれ,わずかの性能低下でもその影響が甚大になりつつある。例えば,電子ショッピングサイトの応答時間の増加は,即座にサイトの売上減少につながる。このような性能障害への対応の重要性が増しているが,従来の性能管理や障害管理では,サービス個々の性能低下をきめ細かく解析診断するまでには至っていない。とくに,オープン環境では,多様な機器,多様な事業者のネットワークでエンド-エンドサービスが構成されるため,技術的にも解明は難しい。そこで,富士通では,これらの問題を解決し,次世代ネットワークで求められる要件を満たすための技術開発を行っている。
本稿では次世代ネットワークに向けた研究開発状況を紹介する。現状の問題への対策としてネットワークの障害解析技術とネットワーク評価技術を紹介し,そして,これらの技術の発展としてネットワーク運用管理の自律化へ展開する技術について紹介する。

野島 聡,福山 訓行

第3世代基地局はまもなく高速伝送レート化され,2010年以降には第4世代システムの商用化が始まると予想されている。今後の大容量基地局では,基地局装置のうち,とくに送信電力増幅器の低消費電力化と小型化が求められている。富士通は,この課題を解決するため,高電圧動作可能な第3世代基地局向け窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(GaN-HEMT)を開発した。そしてGaN-HEMTを使用した高出力増幅器とひずみ補償回路と組み合わせることにより第3世代通信規格仕様を満たし,かつ高電力効率動作することに成功した。また,GaN-HEMTの量産に向けて,大口径基板上のデバイス試作のほか,低コスト化を念頭に安価な導電性基板を使用した試作も行い,基地局用途として十分な特性を得ることに成功した。さらに初期信頼度についての評価を行いGaN増幅器が実用レベルに近いことを確認した。本稿では,これらの開発状況について述べる。

吉川 俊英,常信 和清,久保 徳郎

近年,RFIDは,ユビキタス社会を実現するキーテクノロジとして,様々な分野に活用され始めた。とくに,食品の安全性確保や,医療過誤の防止などを目的とするトレーサビリティの分野や,サプライチェーンなど物流管理にRFIDの活用が期待されている。富士通では,RFIDタグLSIからリーダ・ライタ,ソリューションに至るまで,システム全体を手掛けており,お客様のニーズに基づいた最先端のRFIDの技術開発を行っている。トレーサビリティといったRFIDシステムの主要適用分野では,処理が行われた履歴を随時追記できるタグが必要であり,また,同時に多くのタグの履歴情報を処理するために高速処理技術が重要となる。
本稿では,富士通におけるRFIDの技術開発の取組み,情報の高速追記が可能なFRAM搭載RFIDタグLSI,およびRFIDシステムにおける高速処理技術について述べる。

桝井 昇一,田中 良紀

携帯電話や無線LANに代表される無線通信分野では,ブロードバンド化や高周波化,グローバル化が進み,これまで以上の高周波領域で使用可能なRFデバイスが求められている。富士通ではこのような要求に応えるべく,高性能なRF-MEMSデバイスを開発した。本稿では,とくにFBARフィルタ,RF-MEMSスイッチやMEMS可変キャパシタを紹介する。携帯電話などのRF部には,フィルタの適用が不可欠である。高Qが得られ,高周波化に適したFBAR技術に着目し,独自構造および材料技術を確立させた。この技術により高性能なFBARフィルタを開発し,2~5 GHz帯のアプリケーション実用化にめどを得た。また,RF部のシステム切替え用スイッチとして,低損失で高アイソレーションのRF-MEMSスイッチを開発し,素子単体で損失0.3 dB以下,アイソレーション30 dB以上(2 GHz)を確認した。インピーダンス可変回路用のMEMS可変キャパシタに関しては,4 pFの容量変化を確認し,その有効性を確認した。

上田 政則,上田 知史

MPEGシリーズの最新の動画像符号化方式として,2003年にH.264/AVCがITU-TとISOにおいて国際標準化された。H.264/AVCは,圧縮率において既存方式の2倍を超える性能を達成しており,次世代DVDや携帯端末向け放送サービスへの採用が既に決定している。しかし,圧縮過程のあらゆる段階で細かな最適化や符号化モードの細分化による性能向上を追求した結果,複雑度が増大するとともに様々な映像に対して安定した映像品質を保つためには高度な技術が必要となっている。そこで富士通では,処理演算量を抑えた上で,安定した画質を実現するための独自のH.264/AVC制御アルゴリズム,および携帯端末向け放送サービス用にPCベースのH.264/AVC対応試作エンコーダシステムを開発した。
本稿では,H.264/AVCの概要,H.264/AVC制御アルゴリズム,およびH.264/AVC対応試作エンコーダシステムについて紹介する。

酒井 潔

安全・安心なセキュリティを実現する技術

本稿では,個人識別情報として体の中にあって他人に盗まれにくい静脈の血管パターンを用いた完全非接触型手のひら静脈認証技術とその製品展開について述べる。手のひら静脈認証技術は,富士通グループ社員70,000人140,000手のデータを用いた検証の結果,本人を本人と正しく認識する本人受入率99.99%のとき,他人を本人と誤って認識する他人受入率0.00008%以下という高い認証精度を確認した。この手のひら静脈認証技術は,利用者の抵抗感が少ないバイオメトリクス認証技術として,すでに,2004年7月よりスルガ銀行様,2004年10月より東京三菱銀行様,2005年4月より広島銀行様,2005年6月より池田銀行様の本人確認に利用されている。また,2005年4月の「個人情報保護法」の施行を受けて,南都銀行様をはじめとした金融機関にも運用が広がっている。さらに,ドアセキュリティ用途の手のひら静脈認証入退装置,電子情報アクセス管理用途の手のひら静脈認証ログイン装置などの応用製品の展開も開始し,小型化,高速化による適用拡大も予定している。

佐々木 繁,川合 裕昭,若林 晃

離れた所から物体の温度分布をパッシブにとらえ,夜間でも物体の動きを画像化できる高感度な赤外線センサは,安心・安全な社会の追求のなかでセキュリティ監視に用いるセンサネットワークのキーデバイスとして今後ますます重要になる。富士通はこのようなニーズに応え,GaAsに代表されるIII-V族半導体を用い,バンドギャップの異なる半導体の積層構造によってできる量子井戸内の量子化レベル間で赤外線を吸収する量子井戸型赤外線センサ(QWIP)を開発した。本センサの開発では,QWIPとSi信号読出回路をインジウムのバンプでハイブリッド化した大規模2次元アレイ(QWIP-FPA)を実現した。
本稿では,QWIPの素子構造および2次元アレイ化のための楕円パターンを基本とした光結合構造と,開発したQWIP素子,QWIP-FPAとしての特性を紹介する。

西野 弘師,梶原 信之,藤井 俊夫

単一光子発生器は,光子が1個に制限された光パルスを生成する量子光源である。人工光源として広く使われているレーザは誘導放出と呼ばれる量子力学的な原理で光を生成するため,その技術は量子エレクトロニクス(または量子光学)とも呼ばれるが,レーザ光自身は無線通信で利用している電波と同様,古典的な波としての性質を強く持っている。一方,単一光子発生器の場合は,生成プロセスだけでなく出力される光パルスも極めて量子的な特性を持つ。したがって,安全性の高い量子暗号や量子情報処理のキーデバイスとして期待されているが,実際に利用できる単一光子発生器はいまだ存在しない。富士通研究所は東京大学と共同で,単一光子発生器実現に向け,光ファイバ伝送に適した波長帯において単一光子パルスの発生と伝送に世界で初めて成功した。
本稿では,単一光子発生器技術および通信波長帯単一光子発生器の開発について紹介する。

臼杵 達哉

人と環境に優しい技術

ユビキタス・ブロードバンド時代を迎え,いつでも,どこでも学習できるeラーニングが普及してきており,VODのように単なる講演ビデオ(動画)を流すだけでなく,動画とスライドが同期した学習コンテンツが重要となっている。しかし,このような学習コンテンツの作成は,オーサリングツールを用いた手作業に頼っているのが現状であり,大変なコストがかかる。
本稿では,この問題の解決手段として,パターン認識技術(文字認識・画像認識)によって講演ビデオの各フレームとスライドの各ページをオフラインで自動的に同期付ける技術(同期抽出技術)を,また,作成したコンテンツを効率良く一元管理できるコンテンツ仮想編集技術を紹介する。最後に,同期抽出技術の実用化として,富士通の大学向けeラーニングソリューションであるCampusmate/CourseNavigのオプション製品を紹介する。

直井 聡,役 誠雄,森松 映史

近年,ビジネス資産としての特許の価値が重要視されるようになってきている。特許を企業経営の中で戦略的に活用し,収入の増加や競争力の強化へと結び付けていくためには,自社保有特許の位置付けや他社の技術戦略などを正確に把握することが不可欠であるが,そのための検索・分析作業に多大なコストと時間がかかるという問題があった。
そこで,富士通研究所は,このような問題を解決するため,特許検索・分析作業を効率化するためのナレッジマネジメントツールとして,ビジュアルテキストマイニング技術を適用した特許マイニングツールを開発し,社内利用を推進するとともに,製品化を進めている。
本稿では,特許マイニングツールの概要を説明するとともに,具体的な利用シーンに沿って機能を紹介する。

渡部 勇

企業のビジネス環境の変化やITシステムの複雑化に伴い,企業の経営・業務とITシステムを結び付ける技術としてUMLなどを利用したモデリング技術の重要性が大きくなってきている。富士通研究所は,IT活用を推進するためのソフトウェアモデリングに関する研究開発に取り組んでいる。業務モデリングではUMLをベースとして業務を記述するための記法の拡張を行ったビジネスプロセスモデリングツールを開発し,業務プロセスの設計において25%以上の工数削減を実現した。また既存システムの業務プロセスの可視化については既存システムに大きな変更を加えることなくイベントデータを収集し,業務を可視化,監視,分析するビジネスプロセス可視化技術を開発した。さらに,アプリケーションの開発ではUMLで記述された画面遷移モデルからJavaプログラムを自動生成する開発自動化技術を開発し,Webアプリケーションの75%を自動生成することを可能とした。
本稿では,モデリング技術の動向とこれらの技術について述べる。

原 裕貴,山本 晃治,松塚 貴英

環境対応は,21世紀の人類共通の課題であり,現在,地球規模の取組みが行われている。富士通研究所は,設立当初から循環型社会を構築するため,環境保全に関する研究開発に取り組んでおり,最近では,環境に配慮した製品(グリーン製品,スーパーグリーン製品)や環境に貢献するソフト・サービスを支える先進環境技術の研究開発を,富士通グループにおける研究開発部門の重要な役割の一つとしてとらえ,促進している。
本稿では,これまでに開発を進めてきた先進環境技術の中で,とうもろこしを原料とした植物性樹脂のPC筐体への応用技術,新しい光触媒材料(チタンアパタイト)を活用した浄化技術,高性能マイクロ燃料電池技術,さらに富士通グループの製品や各種ソリューションの環境負荷量や環境貢献度を定量的に評価するための環境負荷評価技術など,最近の開発事例について紹介する。

朽網 道徳,栗原 和明,西井 耕太,武井 文雄

近年,ロボットは,産業用ロボット以外にも,パーソナルな用途への展開が進んでおり,エンタテインメント系のロボットをはじめ,コミュニケーション系ロボット,留守番機能を持つロボットなどが開発,販売されている。今後,ロボットは,様々なサービス業務を人と分担することが求められ,不特定多数の人に希望のサービスを提供することが必要とされている。富士通は,これらのニーズに応えるため,オフィス,商業施設など人がいる環境で,案内,搬送,巡回・見回りなどの作業支援と情報提供を行う自律移動型のサービスロボットを開発した。
本稿では,本サービスロボットのコンセプト,システム構成,本サービスロボットの特徴である3次元視覚システムのアーキテクチャと機能,視覚システムを用いて実現した自律ナビゲーション機能を紹介する。

神田 真司,沢崎 直之,麻田 務


---> English (Abstracts of Papers)