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Fujitsu

Japan

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注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2003-9月号 (VOL.54, NO.5)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2003-9

特集: 「アウトソーシングビジネス」

本特集では,サービス,メソドロジと人材,サービスインフラと技術開発という三つの観点から,富士通が提供しているアウトソーシングサービスを実際のお客様の事例を交え紹介いたします。


経営執行役常務 ソフト・サービスビジネスグループ インフラ・運用サービス担当
太田 幸一
経営執行役常務 ソフト・サービスビジネスグループ インフラ・運用サービス担当 太田 幸一 写真

アウトソーシングビジネス特集に寄せて(PDF)

富士通は,サーバやファイル,そしてネットワークの先端技術や,長年の情報システム開発のノウハウをベースにアウトソーシングサービスをご提供しております。
さらに,お客様の業務展開や改革に対する提案までも行える企業への進化を目指し,変革の時代におけるお客様企業の課題解決と成長への貢献に全社を挙げ邁進してまいります。

特集: アウトソーシングビジネス 目次〕

概要

  • アウトソーシング市場動向と富士通の取組み

サービス

  • アウトソーシングサービス体系
  • ネットワークアウトソーシングサービス

メソドロジと人材

  • サービスマネジメントのメソドロジ
  • アウトソーシング分野の人材育成

サービスインフラと技術開発

  • アウトソーシングセンタ
  • プロアクティブな運用管理を実現するセンタ/ネットワークの統合管理技術

事例

  • 三井化学株式会社様におけるIT運用アウトソーシング
  • ネットワークサービス活用事例
  • 保険APMセンタによる保守サービス
  • Business Transformation at UK Post Office®(英国Post Office®社の業務変革)
  • 事例 富士通人事・総務サービスセンター

特集:アウトソーシングビジネス


概要

厳しい経営環境が続く中,企業はコストダウンとITを活用した顧客満足度向上や企業活動の革新という二つの課題に取り組む必要がある。アウトソーシングサービスの活用は,これらの課題を解決する戦略的手段としてますます重要性を増しつつある。
富士通グループは,お客様のあらゆるニーズにお応えするトータルアウトソーシングサービスを提供している。これらは,全国に展開したデータセンタやネットワーク,最新のシステム運用技術やサービス品質管理のメソドロジとツール,それらを活用するスキルを持った人材によって支えられている。さらに,キャパシティオンデマンドやアプリケーションポートフォリオマネジメントなどの新しい領域にもサービス範囲を拡大中である。
本稿では,企業経営におけるアウトソーシングサービス活用の意義と,富士通のアウトソーシングサービスの特長・取組み・今後の展開について述べる。

須田 智紀

サービス

ブロードバンドネットワークやユーティリティコンピューティングなどの技術革新や,昨今のゼロ成長をベースとした経済環境により企業の期待するアウトソーシングサービスが多種多様化している。また,アウトソーシングサービスは長期間にわたる契約を締結する意味で,お客様との信頼関係の構築が重要である。
富士通では,お客様のニーズに合わせ,APM(Application Portfolio Management)やCOD(Capacity on Demand)などの新たなアウトソーシングサービスを拡充するとともに,お客様との長期的な信頼関係を構築することを目的としたサービス品質の維持・改善についても,ITIL(IT Infrastructure Library)の考え方をベースに最適なサービスマネジメントを実施している。
本稿では,お客様ニーズに視点を置いたサービスメニューや,サービス品質の維持・改善の観点からアウトソーシングサービス体系について述べる。

有馬 啓修

近年,ネットワーク技術の革新は急速になり,また,つぎつぎと新しい通信サービスが登場してきている。このような状況下で,企業の情報システム部門では最新ネットワーク技術を習得した専門要員が不足し,自社ネットワーク運用管理業務の負荷が増大している。また,経営戦略に基づいた情報システムのインフラ企画やセキュリティなどのリスク管理が求められている。
富士通では,このような背景とお客様の要求に応えるために,3,500社を超える企業に利用いただいているFENICSネットワークサービスの豊富な運用実績をもとに,企業ネットワークシステムのライフサイクルマネジメントに対応したワンストップソリューション「ネットワークアウトソーシングサービス」の提供を2002年9月に開始した。
本稿では,ネットワークアウトソーシングサービスの概要を紹介する。

西脇 孝博,木村 健

メソドロジと人材

アウトソーシングを取り巻くビジネスモデルがより複雑化し,対象となるサービス範囲が広範囲化してくるにつれて,アウトソーサの提供するサービス品質がお客様のビジネスパフォーマンスに影響を与える状況になってきている。
アウトソーサは提供するサービス品質を適正化し,パフォーマンス実績を可視化・報告し,改善策を提言・実践できる総合的なITサービスマネジメント能力が求められている。
本稿では,お客様のIT戦略実践のために富士通のアウトソーシングサービスを活用していただくに当たり,体系化を進めているアウトソーシング運営にかかわるメソドロジ(方法論)の,ITサービスマネジメントベストプラクティス,アウトソーシング評価メトリクス,リスクマネジメントについて,それぞれの分野における富士通の取組みを紹介する。

井上 正和

富士通は,事業展開の基本スタンスの一つとして「サービス主導型のビジネスモデルへの転換」を挙げている。すなわち,従来のシステムインテグレーション主体からパッケージやサービス商品,サービスインフラの充実によりお客様のIT活用の利便性を高め,品質の高いサービスによるトータルなソリューションを継続的に提供していくことである。ソフトサービス部門でも,こうしたビジネスの大きな変革に対応できる新たな人材の育成が望まれ,2002年よりサービスビジネスを推進する人材像を検討してきた。
本稿では,とくに今後のアウトソーシングビジネス拡大を担う人材育成について紹介する。

小松原 拓,松方 俊秀,田中 順子

サービスインフラと技術開発

富士通では,館林・明石・東京の三つのシステムセンタを中核拠点として,アウトソーシングサービスを提供している。従来のメインフレームを中心としたSDC(システムデータセンタ)に加え,インターネット接続環境を用意して,IDC(インターネットデータセンタ)を運営し,お客様のシステム構築・運用を支援している。
お客様のシステムを預かり,運用するアウトソーシングサービスでは,お客様の円滑な業務遂行をサポートするため,確実かつ迅速な対応による高い運用品質,高いセキュリティ,効率的な運用を提供することが求められる。
本稿では富士通の中核である三つのシステムセンタの概要,確実な運用を提供するためのファシリティ,運用技術,共通ネットワーク環境の構築・運用,お客様システムの運用に関する情報の管理などへの取組みについて紹介する。

松井 昭男,原口 英男,近藤 均

アウトソーシングの要となるデータセンタやネットワークでは,とりわけ,高い可用性,信頼性が求められる。経済性や新サービス提供の土台となるオープンシステムや高速化・広域化は,データセンタなどの管理の問題を難しくしている面もある。このような状況の中で,これらの要求に応えるには,場合により潜在化している問題事象をささい些細な段階で検知し,その原因探索をスピーディに行える技術が重要である。システム全体をマクロに把握して異常を敏感に捉える予兆検知技術などが開発されている。また,これを受けて,システム構成を変更して,問題回避を自律的に行う制御技術も重要であり,オンデマンドサービスを実現する中核技術として開発が進んでいる。これらの技術の実現により,潜在化している問題を事前に予防するデータセンタやネットワークの統合管理(プロアクティブな統合管理)が実現できる。さらに将来には,提供するサービスの利用価値を分析・評価する技術も加わり,高稼働・高信頼のみならず,アウトソーシングサービスをビジネス効果の点から最適化する管理技術へと進化していくものと期待される。

勝山 恒男,野島 聡,有山 隆史

事例

三井化学株式会社様では,システム部門を戦略性を持ったIT企画機能へ集中するために,IT運用業務を富士通にアウトソーシングし順次その適用範囲を拡大している。
富士通のアウトソーシングサービスは,メインフレーム,セキュリティ,ネットワーク,パソコン・サーバなどの情報システム基盤の運転・維持業務をワンストップで提供する。そのために,サービス分野ごとに高品質なサービスを提供するサービスマネージャとサービスダイレクタの導入,SLA(Service Level Agreement)によるサービスの目標設定・評価・改善を行っている。また,CTS(Call Tracking System)の活用や,お客様の全国主要拠点をサポートするためのオンサイトサポート拠点を確立した。
本稿では,三井化学株式会社様向けのアウトソーシングサービスでの,これらの事例を紹介する。

斎藤 浩二

インターネットの急速な発展に伴う通信技術の進歩により,ブロードバンドネットワークが低コストで提供されるようになった。暗号化を利用したセキュアな通信を行う手法も確立され,様々なネットワークサービスが提供されている。
こうした状況の中でネットワークサービスを活用した,本業を支援する仕組みが一層求められており,ツールとしてのネットワークサービスの位置付けは非常に大きくなっている。
本稿では,富士通のネットワークサービス(FENICS)を活用し業務の効率化や顧客満足度の向上に取り組まれているお客様について,Webによるリモートアクセスの実現,モバイルによる業務のリアルタイム化,IP電話によるコミュニケーションの環境の整備,ネットワークマネジメントのアウトソーシングによる高信頼化の四つの事例をネットワークサービストレンドとともに紹介する。

鈴木 茂之,生方 武志

アプリケーションのライフサイクルを考えると新規に作成する場合にかけた投資よりその後の保守にかける投資が多いことが分かる。しかし保守フェーズに入るとアプリケーションが属人的な管理であったり,使用されないまま放置されていたりする場合もあり,一体何に投資しているのか分からなくなっている現状も見られる。
このような背景のもと,富士通ではお客様の膨大なアプリケーション資産のメンテナンスを効率良く行うAPM(Application Portfolio Management)サービスを提供している。
本稿では,保険業種で保守作業の効率化と最適な保守投資を可能とする「保険APMセンタ」のサービス内容について紹介する。また,保険APMセンタを支えるAPMコンピテンシーセンタの機能とツールや,保険APMセンタを使用した場合の効果と将来の展望について述べる。

鴨志田 雅彦,細野 祐一

Post Office®社は約17,000の支局を有し,ヨーロッパで最大規模の最も利用しやすいリテールネットワークを提供している。そのため,同社は,行政情報やバンキングサービスを含む幅広い付加価値サービスを地域社会に供給するというユニークな立場にあり,それを業務の目的としてきた。
この目的を達成し,さらに将来のプロダクツ展開への道を開くために,Post Office社には,新たなネットワーク化された窓口システムが必要であった。この安全な窓口システムによって,同社は,主要顧客へのサービスを向上させ,競争力を高め,新たなビジネス領域を開拓することを目指したのである。
このPost Office社の業務変革事業は,ヨーロッパで史上最大規模の民生IT契約プロジェクトであり,Fujitsu Servicesがこれを請け負った。

Graham Halliday,Chrissie Kennedy

2000年2月に設立した「人事・総務サービスセンター」は,コールセンターシステムを備え全社の人事・総務サービスを集中化したセンターである。対面や電話で行っていた問合せや相談対応などの業務も含め,ITの活用により集中化を実現したものである。社内40拠点の人事・総務部門だけでなくグループ企業の業務集約を推進し,グループとしての効率化による競争力の強化を目指す。
1996年,他社に先駆けて導入したワークフローシステム「マイオフィス」は,富士通のInterstageをミドルウェアとした大規模Webシステムである。多くのグループ企業が人事・総務の基幹システムとともにこのワークフローシステムをASP形式で利用しており,約10万人の利用者を擁す。
本稿では,シェアードサービスとそのインフラの事例としてのこの取組みを紹介する。

清水 裕子,後藤 公平,堀 正雄


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