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Fujitsu

Japan

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注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2003-1月号 (VOL.54, NO.1)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2003-1

年頭ご挨拶

特集: 「ブロードバンド時代の映像ソリューション」

本特集では、映像を広く活用できるアプリケーション・プロダクトと、これらを支える基本技術について映像ソリューションの観点から、その取組みを紹介いたします。


常務執行役 ネットワークサービス本部長
太田 幸一
常務執行役 ネットワークサービス本部長 太田 幸一 写真

ブロードバンド時代の映像ソリューション特集に寄せて(PDF)

特異な技術の世界であった映像が一般的なITの技術に取り込めるようになり、映像を豊富に活用したソリューションを容易に実現できる時代になりつつあると言えます。富士通は、サービス・ソリューションの提供とその基礎となる技術の研究開発を積極的に推進しています。

特集: ブロードバンド時代の映像ソリューション 目次〕

解説

  • 映像ソリューションを広げるMPEG技術

富士通の提供する映像アプリケーション

  • 防災分野における映像アプリケーション
  • リアルタイム映像配信技術と応用アプリケーション
  • MPEG over IP技術
  • ディジタルコンテンツ配信の適用技術
  • 双方向映像配信とブロードバンドへの適用

映像ソリューションを実現する技術・製品

  • IPネットワーク技術
  • 画像伝送装置:FEDISシリーズ/Nexteyeシリーズ
  • 画像符号化用LSI

映像ソリューションを支える基本技術

  • 動画像符号化方式
  • MPEG-7とそのコンテンツ管理への応用
  • 画像認識技術による映像ソリューション
  • IPv6による明示的マルチキャスト: XCAST6

一般

  • 総合行政ネットワーク(LGWAN)の最新動向と富士通の取組み

製品紹介

  • FMV-STYLISTIC
  • FMV-DESKPOWER Lシリーズ

特集:ブロードバンド時代の映像ソリューション


解説

伊藤 隆

富士通の提供する映像アプリケーション

日本は,地震,台風,豪雨,豪雪などの災害が発生しやすい国土であり,毎年多くの人命や財産が失われている。日本では,国土交通省などでこれら災害対策に向けた情報インフラの整備が進められており,なかでも映像情報の活用が重要な位置付けとなっている。
本稿では,国土管理における映像情報の活用として,従来型の映像監視システムと新しい広域ネットワーク型の映像監視について比較する。また,映像アプリケーションの具体的な活用例として,ゲートの遠隔監視制御と映像監視を遠隔の事務所から行う「河川管理施設の広域運用」の事例,映像蓄積と災害情報検知を連動した「土砂災害監視向けVODシステム活用」の事例,IPマルチキャストを使って多種多様な映像情報を提供する「関連機関,地域住民との連携」の事例の三つを紹介する。

山本 善久,新谷 洋人,森西 利匡

近年,様々な情報がディジタル化されインターネットに代表されるIPネットワークによって伝送可能となった。伝送速度についても光ファイバなどを利用した高速化も進みつつある。一方,動画像圧縮符号化技術の発展によって,ディジタルTV放送などのように,映像をディジタル化して扱うことも一般的になってきている。映像のディジタル化技術の発展と,それを伝える高速ディジタルネットワークの普及により両者の融合は必然と言えるであろう。
Nexteyeは1999年度から,IPネットワーク対応映像配信/収集システムとして開発,提供しており,すでに3回のメジャーバージョンアップと300システムを超える出荷を行っている。本稿ではNexteyeの機能とその応用システムについて述べる。

廣瀬 智功

近年,インターネットに代表されるIPネットワークが急激に進展し,大容量化,広域化が進められている。また,動画像圧縮技術も標準化が進み,パソコンでのマルチメディアデータを容易にハンドリングできるようになってきている。
この状況から数年前より映像をMPEG形式で圧縮し,IPネットワーク上を配信するシステム(MPEG over IP)が急速に実用化してきており,これに対応してリアルタイムに映像を配信/収集するシステムであるNexteyeなどの製品を開発した。IPによる映像配信は,国の基幹網や情報スーパーハイウェイ,地域イントラネットでの適用が急激に伸展しており,今後,ネットワークの進展とともに様々な業種での活用が期待される。
本稿では,映像をIP化してネットワークに配信する仕組みとそれに対応したNexteyeなどの富士通製品について紹介する。

横山 耕三

この数年,ブロードバンドの急速な進展による高速化,および携帯電話でのインターネットアクセスの普及による端末の多様化により,ディジタルコンテンツ配信のサービスを本格的に行うネットワーク環境が整いつつある。
回線の高速化は,ディジタルコンテンツ配信サービスの中でも,とくに,ストリーミング技術による映像配信サービスの普及を加速すると期待される。ビジネス的には,放送事業を包含するコンテンツ配信事業に発展する可能性を秘めている。
本稿では,ストリーミング技術の中でディジタルコンテンツ配信サービスを構築する上で必要となる技術や関連する技術と,富士通のストリーミング製品MillionStreamの取組みを紹介する。

内田 正之,金子 伸生

インターネット技術の成熟,モバイル&ワイヤレスによるアクセスの多様化,およびブロードバンドネットワークの伸展により,マルチメディア通信市場は新たなビジネスチャンスの創生期と言える。こうしたブロードバンドマルチメディア市場における代表的なアプリケーションサービスがTV会議である。TV会議システムの基盤である双方向多地点接続システムはISDNを通信インフラとしたものが多く存在するが,インターネットやモバイル&ワイヤレスを指向したものはまだ数少なく,先進的な位置付けにある。
本稿では,インターネットやモバイル&ワイヤレスを指向した双方向多地点接続システムを紹介する。本システムは,MPEG-4を採用することで誤り耐性を高め,さらにエンド-エンド間における圧縮符号化回数を削減することで伝送遅延を抑止することをねらいとしている。

高橋 英一郎,大津 和之,小松 悟

映像ソリューションを実現する技術・製品

IP(Internet Protocol)によるネットワークの高速化・広帯域化に伴い,社会インフラとして,音声,映像などのリアルタイムデータの配信可能な,高品質,低コストのネットワーク構築が求められている。
本稿では,IPネットワークにおいて課題とされる遅延や揺らぎを解決し,高品質な映像配信サービスを提供するための優れたQoS(Quality of Service)を実現する技術,耐障害性・高信頼性を持つネットワークを実現する技術,マルチキャストストリームを効率良く配信する技術について述べる。また,これらのIPネットワークを構築可能な製品群として,RPR(Resilient Packet Ring)方式を業界で初めて搭載した,FLASHWAVE2700シリーズを紹介する。

金子 伸之,高尾 真二,田井 恭

近年,通信市場の規制緩和やインターネットの爆発的な普及などを背景にネットワーク環境は大きく変化した。このような環境の変化に対応して画像符号化方式も発展をとげてきた。
本稿では,富士通の画像符号化技術を使った製品として,画像伝送装置「FEDISシリーズ/Nexteyeシリーズ」を紹介する。ネットワーク環境の変化と画像符号化方式の発展に伴い,どのようなコンセプトに基づいて画像伝送装置が開発されてきたのかについて,その特徴と利用分野を挙げて説明する。また,ネットワーク環境の発展と画像伝送ビジネスの進むべき方向について説明し,今後の画像伝送装置の開発方針を紹介する。

藤山 武彦,梅崎 靖,安井 哲也

ネットワークの高速化や蓄積メディアの大容量化に加え, ディジタル信号処理技術の進歩によって,従来は業務用途が主流であったディジタル映像を用いたアプリケーションがコンシューマ分野にも急速に普及しつつある。とくにディジタル放送やDVDなどで採用されたMPEGシリーズの国際標準化方式は, 放送,通信, 情報処理の枠を越えあらゆる分野で適用が進んでいる。富士通では,通信装置向けのチップセット開発から徐々に画像符号化コア部のLSI化を進め, DVD市場の急速な立ち上がりを期にオーディオやシステムレイヤ処理,さらには周辺回路を含むMPEG対応のシステムLSI化を加速してきた。本稿では, MPEGシリーズの国際標準に準拠したデバイスの開発状況とこれらを適用したディジタル画像の応用システムの動向について述べる。

酒井 潔,栗田 昌徳,江口 勝博

映像ソリューションを支える基本技術

動画像符号化技術を導入することで成り立っているサービスには,衛星ディジタル放送,DVD,第3世代移動通信システムでのテレビ電話,インターネットでのAVコンテンツ配信など,いくつも挙げることができる。
いずれも比較的新しいものであるが,符号化技術の主要部分は,テレビ会議を主な適用対象として1990年に国際標準化されたITU-T(当時CCITT)のH.261で導入された「動き補償予測」と「離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)」から成っている。これらに,用途の特性に合わせた技術,あるいは全用途共通に性能向上効果のある技術が追加されて今日に至っている。
本稿では,標準化を検討している専門家グループに提案し,国際標準に採用されることを目指して開発したものを中心に,いくつかの技術の考え方や効果を述べる。

伊藤 隆

高速アクセスや常時接続といった特徴を持つブロードバンドネットワークの普及により,従来企業向けビジネス領域で発展してきたXMLに代表されるデータ系の情報処理技術と,主にコンシューマ向けのビジネス領域で発展してきた映像や音声といったメディア処理技術とを高度に連携させるシステムアーキテクチャが重要な役割を果たすことが予想される。
本稿では,まず,XML形式を用いてマルチメディアコンテンツの検索や管理を効率化するための属性情報記述の国際標準であるMPEG-7についてその概要を説明するとともに,その複合型コンテンツ管理システムへの適用例を,ライブ系映像モニタリング向けの実験システムを含めて紹介する。

森松 映史

映像情報を使って顧客が抱えている問題を解決する映像ソリューションにおいて,映像の伝送技術による映像の配信や蓄積という映像素材そのものを顧客に呈示するだけでなく,映像の内容に関わる顧客の多様なニーズに応える必要がある。これらのニーズに応える一つの技術が,画像認識技術である。本稿では,画像認識技術を使って顧客の問題を解決するために明確にすべき技術ポイントを述べるとともに,画像認識による映像ソリューションの実例を紹介する。

塩原 守人

XCAST6(eXplicit Multicast on IPv6)は,次世代インターネットのキラーアプリケーションの一つと期待されている,多地点ビジュアルコミュニケーションを支える新しいマルチキャスト方式である。
グループアドレス方式マルチキャストの研究から,数々の有用なアプリケーションが開発され,実証実験も行われてきたが,展開の困難さからいまだ広く利用されるに至っていない。
XCAST6は,複数のあて先を明示的にIPv6の拡張経路ヘッダに格納するため,途中のルータはユニキャスト経路情報だけでパケットの多地点配送が可能になる。さらに,半透過的カプセル技法により,XCAST6非対応ネットワークであっても,特別なトンネルの設定をしなくてもパケットの到達性が確保できる。これまでに,この性質を活用した多地点ビデオ会議実験を,日本,北米,韓国の国際学術IPv6網上で行っており,実験網上の要所に分岐ルータを置くだけで,実用品質の会議を簡単に構築できることを実証している。

今井 祐二,岸本 光弘

一般

総合行政ネットワーク(LGWAN)は,2001年3月に発表された「e-JAPAN重点計画」の重要な柱の一つであり,現在,国家プロジェクトとして,2003年度までの導入が自治体で着々と進んでいる。導入が完了すれば,全府省と,全国約3,300の自治体がコンピュータネットワークで結ばれ,電子メールサービスや電子文書交換サービス,掲示板サービスなどの電子的なやりとりが可能となる。最終的には,2005年のIT国家設立の中で,LGWANはASP(Application Service Provider)により拡張され,行政の効率化を支援する,共通のアプリケーション基盤としての重要な役割を持つことになる。本稿では,LGWANに係る最新の動向,富士通の取組みについて紹介する。

小永 吉信,志村 緑朗

製品紹介


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