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Fujitsu

Japan

アーカイブ コンテンツ

注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2002-11月号 (VOL.53, NO.6)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2006-05

特集: 「サーバ」

サーバ特集に寄せて(PDF)

特集: サーバ 目次〕

富士通の提案する新コンセプト

  • 新プラットフォームコンセプト:TRIOLE

サーバ新製品を中心とした,TRIOLEに基づく製品

  • UNIXサーバ:PRIMEPOWER
  • ハイパフォーマンスコンピュータ:PRIMEPOWER HPC
  • UNIXサーバ用プロセッサ:SPARC64 V
  • UNIXサーバソフトウェア:PRIMECLUSTER
  • IAサーバ:PRIMERGY
  • グローバルサーバ:GS21
  • ストレージシステム:ETERNUS
  • システムフロントを支えるIPCOM

オープンインテグレーション最前線と先進事例

  • オープンな文化の最前線:PRIMEPOWER CENTER
  • 第一製薬様におけるSAP on PRIMEPOWER導入事例
  • 富士通館林システムセンタを支えるPRIMEPOWER
  • IAサーバPRIMERGY先進ユーザ事例

一般

  • 3.5インチMOディスク:GIGAMO 2.3GB
  • MOを使った原本管理システム

特集:サーバ


富士通の提案する新コンセプト

ビジネスがグローバル化する中,企業内部にとどまらず,M&Aやアライアンスなどによる企業間の業務の統廃合やサービスの相互乗り入れ,基幹業務同士の連携といった様々な動きが活発化しており,情報システムは企業活動の中枢を占めるようになってきている。
このような環境の変化のため,企業の情報システムには,経営環境の変化に対する柔軟かつ速やかな対応,サービスを継続できるシステムトータルな信頼性と拡張性,システム構築・運用にかけるコストを最低限にするTCO削減などが求められている。富士通は,これらの要件に対し,新プラットフォームコンセプト"TRIOLE"を提案する。
本稿では,新プラットフォームコンセプト"TRIOLE"と「自律」,「仮想」,「統合」の各コア技術要素,プラットフォーム製品群の展開の考え方,システムトータルな検証を行うプラットフォームインテグレーションについて述べる。

小川 清一郎,泉水 澄,秋葉 治

サーバ新製品を中心とした,TRIOLEに基づく製品

富士通では,SPARCアーキテクチャとSolarisオペレーティング環境を採用し最大128CPUのスケーラビリティを持つPRIMEPOWERを提供している。今回,性能と信頼性を強化したCPUであるSPARC64 Vの採用と,最新のテクノロジ採用により性能,信頼性,柔軟性を飛躍的に向上させたPRIMEPOWER900(16CPU)/1500(32CPU)/2500(128CPU)の3モデルを開発した。この3モデルのPRIMEPOWERは,高速システムクロック,CPU・メモリの集中実装によるメモリレイテンシの大幅短縮を実現し,徹底した高速化を図っている。また,企業の基幹業務を支えるサーバとして,コンポーネントの冗長化と活性交換機能,およびリソース分割のためのパーティショニング機能をそれぞれ大幅にエンハンスし,高可用性を実現している。
本稿ではPRIMEPOWERのコンセプトとPRIMEPOWER900/1500/2500で採用した高速化技術,高信頼性技術,高可用性技術,柔軟性向上技術,スケーラビリティについて述べる。

是方 研二

PRIMEPOWER HPCは,ハイパフォーマンスコンピュータVPPシリーズのベクトルパラレル技術と,UNIXサーバPRIMEPOWERのSMP技術を融合した,新しいHPCサーバである。5.2 GFLOPSの高速スカラCPUを128個接続してSMPノードを構成し,さらに高速光インタコネクト装置を用いて128台のノードをクロスバ結合し,最大構成時には論理性能85.2 TFLOPS,メインメモリ64 Tバイトの大規模並列マルチノードシステムを構築できる。PRIMEPOWER HPCは,高速CPUの採用,133 Gバイト/秒の高速スヌープ性能,バリア同期機構などの高速化の機能に加えて,ノード内クロスバスイッチの冗長構成,パーティショニング機能など,高信頼性・高可用性のための機能も持つ。
本稿では,このPRIMEPOWER HPCについて,並列処理方式の概要とハードウェアの特徴を紹介する。

草野 義博,新庄 直樹

SPARC64 Vは,メインフレームの高性能と高信頼の技術に基づいて,PRIMEPOWERのプロセッサとして開発された。SPARC V9に準拠し,UNIXサーバにおけるデファクトスタンダードOSであるSolaris Operating Environmentが走行する。実環境での性能に着目した設計となっており,高スループットの2階層キャッシュを搭載し,4命令同時発行,6演算同時投入のスーパースカラ方式で,演算実行からメモリリクエストまで拡張されたフルレンジのアウトオブオーダ実行機能を備える。そして,消費電力は小さく,システムに搭載される実環境で最高の性能を発揮する。また,RAMの1ビットエラーの全救済やデータパスの保護などメインフレームに匹敵する最先端のRAS機能を装備し,ミッションクリティカルな用途に適応する。
本稿では,SPARC64 VマイクロアーキテクチャおよびRAS機能について概説する。

井上 愛一郎

ブロードバンド時代の到来,サービスの24時間化,そしてビジネスのグローバル化により,企業あるいは社会にとって重要な情報システムの領域が急速に拡大している。万が一,これらの重要な情報システムに異常が発生し,長時間停止した場合,ビジネスチャンスを逸するだけでなく,社会問題に発展することもあり,情報システムの連続稼働を阻害する要因への対策が重要な課題になっている。
PRIMECLUSTER は,情報システムを構成するサーバ,ストレージ,ネットワークおよびミドルウェアの可用性を向上し,業務稼働時間を最大化する高信頼基盤ソフトウェアであり,富士通のミドルウェア,PRIMEPOWER,ETERNUS GRシリーズとの組合せにおいては,優れた業務継続性とシステム拡張性を実現している。
本稿では,PRIMECLUSTERの開発コンセプト,高可用テクノロジおよびシステム全体の高信頼化への取組みについて紹介する。

阿部 敏浩

PRIMERGYは富士通のサーバ製品の中で最もコストパフォーマンスに優れたサーバである。Intelアーキテクチャを採用しWindows ServerファミリーとLinuxが動作するように設計されている。最先端技術の導入により高性能・高信頼を実現し,幅広い市場要求に応えている。
近年,ブロードバンドネットワークの普及により,負荷の急激な変化に柔軟に対応できるIntelアーキテクチャサーバが求められるようになった。富士通はこのため,ブレードサーバBX300を開発しブロードバンド時代のプラットフォームを完成させた。BX300は複数のサーバを導入する上で省スペース,省電力,24時間運転,および運用管理の効率化に貢献する,新時代のサーバである。
本稿では,BX300を含むPRIMERGYの全ラインナップを解説する。

本城 康正,浜田 王才,武居 正善

ブロードバンドインターネット時代の企業の情報システムを支える高性能・高信頼性グローバルサーバGSシリーズの最上位機種として「GS21 600モデルグループ」を開発した。
GS21用に新開発したCPUは,0.13 μm銅配線の最先端CMOSテクノロジを用いたギガヘルツプロセッサである。セカンドキャッシュのCPUチップ内蔵化によってメモリ性能を強化した。メモリ系制御回路では,キーキャッシュを設けることでキーアクセス性能を改善した。16プロセッサのシングルクラスタ単体で3,000 MIPSの性能を発揮する。また,装置間インタフェースのデータバスのECC化,活性保守・増設の機能などにより高い信頼性と可用性を実現した。
本稿では,GSシリーズの特徴とGS21 600モデルグループのハードウェアについて紹介する。

江川 博之,青木 直純,渡邉 輝

ブロードバンドインターネット時代のストレージシステムは,業務サーバから分離・独立し,複数サーバからネットワークで共用するネットワークストレージに移行する。富士通の提案するネットワークストレージでは,データ管理を自律的に行い,業務サーバが同一ストレージに対しSANとNASのいずれからでもデータの蓄積,活用が可能で,要求するデータを欲しいときに欲しい場所で利用可能となる。
このようなソリューションを実現するために,富士通はネットワークストレージサーバ,ディスクアレイ,ネットワークディスクアレイ,テープライブラリなどから成る,ストレージシステム製品群"ETERNUS"(エターナス)を提供する。このうち,ネットワークストレージサーバは,次世代ネットワークストレージの統合ソリューションの中核となる。
本稿では,ETERNUSの開発コンセプトとそれを実現する製品群について説明する。

高橋 陽一,平尾 哲宏

ブロードバンドインターネットに代表されるように,ネットワークは高速化かつ広帯域化し,ALL-IP化に向け急速に発展している。企業システムは,ブロードバンドネットワークをインフラとした新たな業務や企業間,企業内の連携によるシステム再構築のニーズが拡大してきており,大規模かつ複雑になっている。
このような環境の中での企業システムは,24時間365日の無停止連続運転,大規模負荷変動対応,複雑化する運用への負担増大の課題を抱えている。富士通は,これらの課題に対応するため,プラットフォームコンセプト"TRIOLE"に基づき,「自律」と「仮想化」を取り込んだ新製品"IPCOM"の提供を開始した。"IPCOM"を介して,サーバ/ストレージをネットワークに接続することで,データや処理を場所や時間から解放し,企業システムの自由なインテグレーションを実現する。
本稿では,"IPCOM"の技術および機能について,適用事例を交えて紹介する。

柴田 直宏,粕川 雅之

オープンインテグレーション最前線と先進事例

UNIXやWindows,Linuxをはじめとするオープンシステムの採用は,インターネット時代のビジネスを展開する上で必要不可欠になっている。しかし,インテグレータやユーザにとって,マルチベンダ環境でのシステム構築を行うには事前の検証作業が必要になり,大きな負担となっている。富士通では,こうした課題を解決するため"PRIMEPOWER CENTER"を開設した。
"PRIMEPOWER CENTER"は,"PRIMEPOWER"を核としたお客様システムのコンサルティングから実証・検証までを総合的にサポートする。また,パートナ企業の協力により,ソフトウェア製品,ハードウェア製品の用意,およびマルチベンダ環境でのオープンシステムの検証をサポートする。
本稿では,"PRIMEPOWER CENTER"の概要,特長,活動について紹介する。

香取 雅之,筒井 通之

医薬品メーカ大手の「第一製薬株式会社様」では,2002年4月より,PRIMEPOWERをプラットフォームとするSAP R/3システムの本番運用を開始した。
このプロジェクトにおいて富士通は,「BASIS(ベーシス)」と呼ばれるインフラストラクチャの設計・構築・運用を担当し,社会性の高い新基幹業務システムの安定稼働を実現する高性能・高信頼なサーバ/ストレージ/ミドルウェア製品や,「生産実行システム(PP-MES)」と呼ばれるSAP R/3新機能の世界初導入を成功させた高品質なサービスを提供した。
本稿では,第一製薬様におけるSAP R/3の導入経緯やプラットフォームの選択経緯・特長などについて紹介する。

堀之内 裕二,酒井 章

インターネットビジネスやインターネットを活用した業務改革は,今や経営戦略になくてはならない。富士通では,インターネットデータセンタ(IDC)を開設し,企画から構築,運用に至るまで総合的なサポートを開始した。館林と明石の東西メインセンタに加え,2001年秋からはブロードバンドに特化した東京システムセンタも開設し,マルチセンタ体制を確立している。
顧客企業のシステムを預かるセンタの運営には,信頼性や安全性が求められる。館林システムセンタでは先端技術を備えたUNIXサーバPRIMEPOWERにより,顧客企業の信頼に応えている。
本稿では,館林システムセンタにおいて提供しているIDCサービスおよびPRIMEPOWERによるサービス事例を紹介する。

北中 猛詞,佐藤 功

IAサーバは情報系システムだけでなく,基幹業務にまで導入されており,市場でのIAサーバに対する高信頼性と運用性,拡張性がますます重要視されてきている。このように,高性能・高可用性が求められる大規模基幹システムについても,IAサーバベースのシステム構築ニーズが高まっている。富士通はこれらのニーズに対応して,IAサーバ"PRIMERGY"と高いインテグレーション力によって先進的な大規模システム構築を実現している。
本稿では明治生命保険相互会社様に導入されたIAサーバ"PRIMERGY"による大規模データベースシステムを紹介する。

新谷 智康,跡部 逸郎

一般

パーソナルユースにおけるデータファイルの大容量化が進む中で,データを信頼性高く保存したり,データを迅速に交換したりするためのリムーバブルメディアの重要性が増大している。リムーバブルメディアとして各種のディスクが製品化されているが,高速性と信頼性の点で光磁気(MO)ディスクに勝るものはない。著者らは1998年に磁気超解像技術を利用して1.3 Gバイト容量の3.5インチMOディスクであるGIGAMOを製品化したが,今回更にランド/グルーブ併用記録と組合せることによって2.3 Gバイト容量を達成した。ランド/グルーブ併用記録のために新たなアドレス方式も考案した。
本稿では2.3 Gバイト容量を達成するためのディスク技術とGIGAMO仕様について述べ,また同時に開発した2.3 Gバイト容量対応ドライブによる実用性評価結果についても述べる。最後に信頼性評価の結果から,繰り返し記録・再生に対する耐久性や媒体寿命が従来のMOディスクと同様に優れていることを示す。

守部 峰生,庄野 敬二,前田 巳代三

3.5インチMOディスクは,データの保存寿命が50年以上であること,外部磁場や水に強いことなどの優れた特性のために「高信頼性のMO」として市場の支持を受けている。またリムーバブルディスクであるため,本質的にサイバーアタックに対して安全性が高い。
企業内あるいはSOHOでの文書の電子化が進んでいる。その中で経理書類などのように法律で長期保存が義務付けられている文書がある。また顧客資料などのように高度に機密性を確保しなくてはならない文書もある。「原本管理システム」はこれらの重要な文書をMOディスク内に安全に保存するシステムである。このシステムを使えばMOディスク内の文書に対する悪意による改ざんを防止し検出できる。またMOディスクに対するアクセス制御・暗号化・操作履歴保存ができるので,MOディスク内の文書の機密が守られる。
本稿では原本管理システムのコンセプト,構成・使い方,セキュリティ技術について紹介する。

内海 研一


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