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Fujitsu

Japan

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注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2002-5月号 (VOL.53, NO.3)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2002-05

特集: 「XML」

XML特集に寄せて(PDF)

特集: XML 目次〕

特集

  • XML/Webサービスがもたらす新しい世界
  • XMLビジネス最前線 -事例分析によるビジネス活用の局面-
  • XMLを基盤とするビジネスプロトコルの動向
  • XMLシステム構築ツール
  • 富士通のXMLミドルウェア製品群
  • 社内システムへのXML適用 -RosettaNetの実践と営業支援システム-
  • 電子政府におけるXML適用
  • XMLの金融分野への適用
  • 貿易業務を電子化する貿易金融EDI -これまでの状況と今後の展望-
  • 新聞社向け素材管理システム
  • XMLの位置情報サービスへの適用
  • XMLの新しい潮流 -パーソナライゼーション技術-

一般

  • Java/CORBAをベースとした金融機関向け営業店システム

特集:XML


特集

ブロードバンドによるネットワークインフラの低価格化と,XML/Web サービスの出現によるビジネスプロセス連携の容易化によって,企業間連携のパラダイムが大きく変化している。それぞれの企業においては,これまで以上にコアコンピタンスへのリソースの集中と戦略的パートナシップの追求が求められるようになってきた。
本稿では,Webサービスの概念を簡単におさらいした後,このパラダイムシフトを理解する上でかぎとなる,富士通の「機能市場化」の概念と移行プロセスについて説明する。さらにこの機能市場化が,企業のシステム構築手法や企業経営戦略に対してどのようなインパクトをもたらすかを考察するとともに,XML/Webサービスの課題と展望について述べる。

森下 哲次,浦野 昇,弘末 清悟

XML は,テキスト情報をタグによって意味付けした単純な構造であるが,企業間のデータ交換から携帯電話によるコンテンツ利用など,広い分野での適用が始まっている。
XML は,主に文書管理手段として登場したが,現在ではデータ交換手段としても利用されてきており,実際のビジネス局面において適用効果が出てきている。
本稿では,XMLが企業において,現在どのような分野に,どのような形で適用されているか,XMLを利用することによってどのようなメリットが生まれるか,さらに今後,どのような方向に向かいつつあるかを事例を交えて述べる。

三笠 敬一郎,近藤 光彦

企業間のビジネスプロセスを,簡単にかつ動的に統合するための仕組みとして,ebXMLやWebサービスといったXML を基盤とするプロトコル群の標準化が急ピッチで行われている。ebXMLは,UN/CEFACT(EDIFACTを開発してきた国連の組織)とOASIS(XMLツールベンダの組織)の合同プロジェクトであり,企業間連携システムのアーキテクチャと各要素技術の標準化を行っている。一方Webサービスは,W3C(World Wide Web Consortium)を中心に,インターネット上での分散オブジェクト基盤の標準化を行っている。両者は,その生い立ちは異なるが,メッセージングシステム,企業レジストリ,インタフェース定義など,ほぼ同等の技術要素の標準化を目指しており,本来は一体となって標準化活動を行うべきものである。本稿では,両者の発展の経緯,各技術要素およびセキュリティについての動向を紹介する。

松下 嘉哉,小野 越夫

XMLの拡張容易性に注目し,XMLをデータとして採用するビジネスアプリケーションが増えつつある。とくに,電子商取引,Webサービス,ユーザインタフェースを中心とするアプリケーションの3分野が代表的な例である。XMLシステムは,システム外部との送受信を行う外部インタフェース部と,XMLを受け取りデータチェックやデータ保存を行うシステム内部の業務処理部とで,開発支援ツールの要件が異なる。外部インタフェース部の開発にはシステムの用途別に異なる開発支援ツールが必要となる。電子商取引では複数企業間で合意した取引プロトコルの実装が,Webサービスではビジネス上価値あるサービス機能を提供するインタフェースの公開が主目的となる。内部の業務処理部の開発には,構造や処理のパターン化や開発支援ツールによる開発効率化が必要である。
本稿ではXMLシステム構築を支援するための富士通の主要なツールを解説する。

宮下 善寿,山本 里枝子,原 裕貴,鈴木 利光

本稿では,富士通のミドルウェア製品の中核であるINTERSTAGE(高性能・高信頼なコミュニケーションミドルウェア)とSymfoWARE(高性能・高信頼なリレーショナルデータベース)について,そのXMLへの取組みを概観する。XMLは企業間でデータ交換を行うための最も基本的なデータ形式である。
INTERSTAGEでは,単にebXMLやRosettaNetといったXML標準をサポートするだけでなく,EDIなどの従来形式とXMLとのフォーマット変換をサポートすることで,スムーズな企業間プロセス統合を実現している。
SymfoWAREでは,XMLデータを管理・検索するXMLストア機能(XMLアダプタ)を提供することで,基幹システムと外部システムの容易なデータ交換を可能としている。SQLを利用しており,データ保全やリカバリといったリレーショナルデータベースの運用性を維持したままXMLデータを管理することができる。

牧本 治男,仲沢 孝之

富士通グループは,XMLについて,IT業界のリーダとして早くからテクノロジ,プラットフォーム,サービスの全事業分野で最先端の技術開発に取り組み,先進的な各種システムにおいてXML適用を手がけ,また,積極的に社内実践を進め成果を上げてきている。
本稿では,いくつかの社内実践の中から調達を行う購買部門および営業活動を行う販売部門におけるRosettaNetの実践と,営業部門およびパートナ様が富士通商品の見積・手配を行う際に利用するシステムである「システム・コンフィグ」へのXML適用について述べる。

岩本 祐幸,中野 眞二,吉田 弘幸

「e-Japan重点計画」の五つの重点施策分野の一つである「行政・公共分野の情報化(いわゆる電子政府の構築)」において,XMLはB2G,C2G,G2Gにおけるデータ形式として位置付けられようとしている。電子政府におけるXMLの適用シーンは多種多様であり,すでに電子申請・届出システムでは適用され,様々な効果がもたらされようとしている。
本稿では,まず電子政府におけるXMLの適用例とその効果を述べる。つぎに電子政府が発展するためには,「総合的文書管理システム」およびそのシステムが既存の業務システムと連携することがいかに重要かを示唆し,そのためのXML適用の方向性について記述する。さらに,XMLを基礎とした富士通の提供するソリューションが,電子政府実現のためにどのように役立っていくかについて考察する。

小林 俊範,田中 義孝

金融業界では,規制緩和やグローバリゼーションといった経営環境の劇的な変化を受けて,ビジネスモデルの変革が進展しつつある。一方でインターネットの普及は,顧客との関係の変化や企業の枠を超えたコラボレーションの広がりというインパクトを金融ビジネスに与えている。
XMLの登場は,情報システムの枠組みを大きく変革するものであり,金融システムにおいてもキーテクノロジとして活用が期待されている。
本稿では,金融分野におけるXMLの動向とXMLを活用することにより期待されるメリットについて説明するとともに,富士通の取組みと金融ビジネスへの適用例についても紹介する。

若林 毅

貿易取引が成立するためには,輸出者,輸入者といった取引当事者以外に銀行や保険会社,運輸業者などの関与,コラボレーションが欠かせない。これまで紙を中心とした取引書類(貿易文書)の交換,流通により成立していた貿易実務について,貿易文書を電子データ化(XML文書化)し,オープンネットワークでのデータ交換,流通により,法的スキームも視野に入れて貿易取引を成立させる共通インフラの構築プロジェクトとして貿易金融EDIプロジェクトが始まった。
富士通はこの貿易金融EDIプロジェクトにおいて,貿易実務に携わる30余りの企業参加によるコンソーシアムのメインコンストラクタを務め,また基盤システムの開発においても核となるアプリケーション開発,基盤製品の提供を行っている。本稿では,このプロジェクトの特徴や内容について説明する。

小林 文則

インターネットなどの基盤技術の進展に伴い,出版物は紙媒体に限らず電子出版も普及しつつある。紙媒体による従来型の出版と,ディジタルネットワークを利用した電子出版を,同一のソース(素材)からマルチ(多重)に実現する形態はワンソースマルチユースと呼ばれ,印刷関連業界における大きな課題となっている。
ワンソースマルチユースを実現するには,既存の出版物制作システムを根本的に見直しデータベースを中核とした新たなシステムを構築する必要がある。出版物(コンテンツ)を構成する文章や写真あるいは図表などの素材を格納し,必要に応じて編集処理を施すためのシステムは,Digital Asset Management System(DAM)と呼ばれている。富士通では他社に先駆け,新聞業界向けにXMLベースのDAMを開発し実用化した。本稿ではDAMを開発した技術的な背景,導入の効果,およびシステムの概要と実現方式を紹介する。

笠井 英史,上田 明彦

携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などのモバイル端末の普及や,GPS (Global Positioning System)や基地局情報を利用した測位技術の発達に伴い,位置に関係する情報サービスが本格的に始まりつつある。このような位置情報サービスにおいても,XMLが利用されており,ここでは,その一例としてNVML(NaVigation Markup Language) を紹介する。NVMLは富士通が提案している位置や経路の情報を記述するためのXML仕様である。本稿では,まず,位置情報サービスの概要と関連仕様,およびNVMLの概念について説明し,さらに,NVMLを利用したシステムや応用例について紹介する。

高山 訓治,前田 芳晴,内藤 宏久

現状のインターネットサービスは,ユーザがコンテンツを直接アクセスする形態か,もしくはマシン同士の定型処理の自動化の流れで進んでいるが,今後はユーザとマシンがより密接にインタラクションできる枠組みに発展させる必要がある。ユーザ,コンテンツ,サービスをXML技術でメタデータとして統合して,これらをダイナミックに複合してアプリケーションを構築できる仕組みをミドルウェアとして確立することが重要である。
本稿では,この仕組みを実現させる技術として期待されているWebサービスとSemantic Webについて概説する。また,関連技術の標準化動向の紹介とともに,富士通研究所での先行開発技術や将来の発展方向についても述べる。

飯田 一朗

一般

金融自由化以降,金融機関システムには業務の多様化やデリバリチャネルの拡大,経営効率化のためのTCO(Total Cost of Ownership)削減が求められている。富士通ではこれらに対するソリューションとして,他社に先駆けJava/CORBAをベースとした金融機関向け営業店新基盤ソフトウェアFBC(Financial Business Components)を提供した。
FBCは,Java/CORBA技術やWeb技術などの取込みによって多様化する要求に対応するとともに,金融機関向け営業店システム固有の要件である専用入出力装置(金融IO)の制御やレスポンス性の確保,高信頼化を併せて実現した。
本稿では,FBCの開発における課題への取組みとFBCの特徴について紹介する。

木下 広喜,川島 哉,高野 博文


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