「For Growth」「For Stability」
による価値創造

Key Focus Areas(重点注力分野)担当役員からの
メッセージ

7つのKey Focus Areas(重点注力分野)
においてより良い世界に貢献する
社会価値を創出することで、
新たな市場と成長機会を獲得し、
お客様と共に持続的な成長を実現します。

執行役員専務
グローバルソリューション部門長
島津 めぐみ

「社会課題を起点とした成長」の意味

2030年の世界は、現在から大きな変化を遂げていると考えられます。国連の推計では、世界の人口は2019年の77億人から2030年には約85億人に増加*1します。最新の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告では、世界の平均気温が従来の想定より早く上昇すると予想されています*2。一方で、デジタル技術の進化が、現在の不可能を可能に変えていることもまた、間違いありません。そして、2030年は国連の持続可能な開発目標(SDGs)の「2030アジェンダ」が掲げる17目標と169ターゲットの時間枠でもあります。

現在から2030年への変化の過程において、富士通グループは、お客様に、そしてその先に存在する社会と一人ひとりの個人に対して、どのような価値を提供するのか。当社グループの成長戦略を考えることは、より良い未来の世界を想像し、その実現に向けて当社が果たすべき役割を考えることと不可分です。また、より良い変化を求めるお客様・社会のニーズや期待は、新たな市場と成長機会をもたらします。こうした考えに基づき、私たちは今般、社会課題を起点とした成長を期し、Fujitsu Uvanceという新ブランドの下に「For Growth」の成長を牽引する7つのKey Focus Areas(重点注力分野)を打ち出しました。

  • *1
    出所:UN, World Population Prospects: The 2019 Revision
  • *2
    出所:IPCC, Climate Change 2021: The Physical Science Basis

7つのKey Focus Areas(重点注力分野):
Horizontal AreasとVertical Areas

7つのKey Focus Areas(重点注力分野)は、多様なサービス提供を支える基盤であるHorizontal Areasと、社会課題を解決するサービス群であるVertical Areasの2つに区分されます。

このうちHorizontal Areasを構成するのが、データドリブンな意思決定やオペレーションと働き方改革を支えるDigital Shifts、クラウドインテグレーションとアプリケーションを提供するBusiness Applications、お客様の基幹システムのクラウド化とセキュリティサービスを提供するHybrid ITの3つの分野です。Horizontal Areasの3分野において、当社グループはこれまで築いてきた開発力と技術力を駆使し、デジタル技術を価値に転換していきます。

一方Vertical Areasは、環境と人に配慮した循環型でトレーサブルなものづくりを実現するSustainable Manufacturing、生活者に多様な体験を届ける決済・小売・流通を可能にするConsumer Experience、あらゆる人々のウェルビーイングな暮らしをサポートするHealthy Living、そして、安心・安全でレジリエントな社会づくりに貢献するTrusted Societyの4つの分野からなります。

当社が提供する価値とそれを支える技術

Trusted Societyを例に、私たちが提供する価値およびそれを支える技術をご紹介します。

世界各地で深刻化する自然災害と、現在進行形で私たちが直面するパンデミック。当社グループは、デジタル技術が可能にする予測を通じて、こうした災害やパンデミックが及ぼす影響の軽減・極小化に貢献します。リスクの予測に活用するのは、様々な設備や機器などに設置されたセンサーから送られるリアルタイム・データを超高速・大容量のコンピューティング・インフラで処理する技術、また、社会全体の動態をデジタルツインとして可視化する技術などです。このように、コンピューティングをはじめとする当社独自の様々な技術を組み合わせ、「多様な価値を信頼でつなぎ、変化に適応するしなやかさをもたらす」ことで、成長を目指します。

Key Focus Areas(重点注力分野)をベースに変革を加速

Vertical Areasの4分野について、Sustainable、Trustedなど、ある意味で取り組みを限定する名称をつけたのは、第1にお客様に対して私たちが提供する価値を提示するためですが、もう1つ、提供価値を明確に規定し、そこに合致するサービスやソリューションを厳選するという意図もあります。変化を続ける市場において当社グループが持続的な競争力を発揮し、お客様と共に成長を実現するには、「外装が変わっただけで、中身は従来の富士通グループのサービスがあれもこれもすべて継続している」という結果になってしまっては意味がないからです。

「For Growth」の成長の牽引役としての存在感をできるだけ早期に発揮すべく、現在、私たちはKey Focus Areas(重点注力分野)ごとに整理・体系化した具体的なサービスとソリューション、サービス提供体制の整備を、急ピッチで進めています。Key Focus Areas(重点注力分野)と組織・人材をより一層連携させるため、グループ内の組織体制の見直しも検討しています。「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスの実現に向け、社会課題と向き合うことで、お客様、社会と人々にとっての真の価値提供を追求し、成長機会を獲得していきます。

富士通グループ
統合レポート 2021

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