環境課題の解決に向けた革新的技術の開発
富士通グループのアプローチ
富士通グループの研究開発の中心組織である富士通研究所は、環境貢献を最重要事項の1つとして捉え、持続可能な社会の実現に貢献する研究開発を進めています。その分野は、先端材料、次世代素子、コンピュータ、ネットワーク、ICTシステムの研究開発から次世代のソリューション・サービス・ビジネスモデルの創出まで、多岐にわたります。
これらの革新的技術開発を基に、「社会・環境課題の解決に貢献する技術の開発」をスローガンに掲げ、省エネルギーや作業効率向上によるCO2排出削減、省資源化、自然災害対応、生物多様性保全、温暖化対策など、様々な環境活動を推進しています。
2018年度の実績・成果
第8期環境行動計画 目標項目 |
最終年度
(2018年度実績) |
環境課題の解決に向けた革新的技術を開発する。 |
84件の重点グリーン技術(注)の外部発表(マスコミ発表:25件、学会発表+展示会発表:59件) |
(注)重点グリーン技術:電力・エネルギー削減、工数効率化、省資源、社会課題に関する技術
開発技術の外部発信を強化
第8期環境行動計画では、開発したグリーン重点技術に関して外部へのさらなる発信力強化を目指しています。2018年度は、マスコミ発表・学会発表・展示会発表を通じてICTの環境価値を社外にアピールしました。
2018年度に外部発表した技術は、SDGsの観点で主に「すべての人を健康に(目標3)」、「強靭なインフラ構築(目標9)」、「持続可能なレジリエントでサステナブルな都市実現に貢献(目標11)」、「気候変動軽減(目標13)」、「生物多様性の損失を防止(目標15)」に貢献しています。
2018年度の開発実績(マスコミ発表案件)
- 旭酒造と富士通、予測AIを活用した日本酒醸造の実証実験を開始
- 富士通・SMU・A*STAR、シンガポール海事港湾庁と海上交通マネジメント技術を活用した実証実験を開始
- 新薬候補を効果的に創出する分子シミュレーション技術を開発
- AIを活用した磁性体形状の設計技術を開発
- 高効率ルーター式基板分割機「PBS-SH14A」を販売開始 (新光電気工業株式会社)
- 「IoTデバイスへのサイバー攻撃の影響を最小化するネットワーク制御技術を開発」
- Interop Tokyo 2018に出展します
- ブロックチェーンを活用し、異業種間共創を促進するデータ流通・利活用サービス「Virtuora DX」を販売開始
- 東京大学先端科学技術研究センター、富士通、興和がIT創薬により、従来のがん治療薬に抵抗性を示すがんにも効果が期待できる新規低分子化合物の創出に成功
- 大規模AIクラウド計算システム「ABCI」がスパコンランキングTOP500で世界5位、Green500で世界8位を獲得
- 実証試験用システムによる世界最高効率の水素製造に成功
- 従来比3倍となる窒化ガリウムトランジスタの高出力化に成功
- 中分子創薬へ適用可能な組合せ最適化問題を解く技術を開発
- 富士通研究所と早稲田大学、「デジタルアニーラ」に関する包括的連携活動協定を締結
- 業種業界を超えたデータ流通の信頼性を向上する技術を開発
- 世界初!既存機器を活用し光伝送を超大容量に拡大する技術を開発
- ヒマラヤ様のECサイトで、AIによる心理分析に基づく満足度の高い顧客体験を提供する実証を開始
- 九州大学、琉球大学と環境関連技術の知財ライセンス契約を締結
- ものづくりデジタルプレイス「COLMINA」の新バージョンを販売
- 国際体操連盟、富士通の採点支援システムの採用を決定
- 世界初!5Gの同時複数通信を1枚のアンテナパネルで実現
- 無線LANアダプター内蔵AIエアコン「ノクリア®」Xシリーズ発売
- 「IoT機器の設計を低コスト化する「アンテナ自動設計ツール」を提供開始
- 電力の需要家間取引システムをブロックチェーン上で実現
- Fujitsu Detects 13 Types of Potential Risks of Enterprise Blockchain System
2018年度の主な開発事例
電力の需要家間取引システムをブロックチェーン上で実現
工場や店舗など、電力の需要家間での不足・余剰電力の取引を実現するシステムを開発しました。近年、電力会社と需要家が協力して電力の使用量を調整するデマンドレスポンス(DR)が注目される一方で、制御が上手くできず成功率が低いという課題がありました。今回、ブロックチェーン技術を応用することで、需要家間で効率よく融通する仕組みを開発し、DR成功率が約4割向上することを確認しました。
