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富士通グループ初となる地中熱採熱システム導入への挑戦

Highlight 富士通グループ初となる地中熱採熱システム導入への挑戦

[2012年7月 掲載]

地球温暖化の防止とエネルギーの安定供給を目指し、富士通グループでは積極的に再生可能エネルギーの導入を進めています。

新たな再生可能エネルギーとして注目される地中熱を利用

再生可能エネルギーの導入は、CO2排出量の削減のみならず、エネルギー供給リスクの低減という観点からも関心が高まっています。富士通グループにおいても、第6期環境行動計画の目標の一つとして再生可能エネルギーの利用拡大を推進しています。その一環として富士通の長野工場では、グループ初の試みとして新たに地中熱採熱システムの導入と性能評価に取り組んでいます。

地中熱とは、地下深部にあり発電などに用いられる高温の地熱とは異なり、比較的浅い地層部分にある低温度の熱を意味します。その特徴として、土壌の断熱機能によって年間を通してほぼ一定の温度を得ることができます。そのため地中熱は、古くから食品や氷の保存などに活用されてきました。降水量が多い日本では、土壌に浸透した雨水が地下水となって豊富に蓄えられているため、熱伝導率が高い地下水を媒介に地中熱を採熱しやすいという好条件も揃っています。また採熱設備は比較的簡易であることから、他の再生可能エネルギーと比べてコスト性にも優れ、今後の普及拡大に向けて大きな可能性を秘めています。

長野工場では、この地中熱に注目し、24時間稼働するクリーンルームの空調用温水設備への利用を目指しました。

検証を繰り返し、効果的な運用を実現

長野工場の地層には、地下3~10メートルと18~23メートルの2ヵ所に帯水層が存在し、地中熱を採熱しやすい環境が整っていました。そこで、波付同軸二重管方式の採熱管を31本埋設し、管内に通水することで地中熱を採りヒートポンプで温水を製造する仕組みを採用しました。これは地下水を一切汲み上げない方式であり、熱のみを取り出すので地下水枯渇の心配はありません。

2011年10月より、地中熱採熱管埋設のための掘削作業を開始し、2012年1月上旬より稼働を開始しました。稼働当初は、計画していた採熱量を得ることができませんでしたが、様々な角度から検証した結果、採熱のための循環水の流速が原因であることを突き止め、循環用ポンプの増設により採熱量の飛躍的な向上に成功しました。今では採熱管1m当たり155Wの採熱量を見込んでおり、クリーンルームで使用する空調負荷の90%を賄える予定です。

本システムの導入・検証を行っている富士通ファシリティーズ株式会社では、こうしたノウハウを獲得・蓄積し、地中熱の利用技術の確立を目指していきます。

地中熱採熱システムの仕組みの概要図

地中熱利用の拡大に向けて

地中熱採熱システム導入プロジェクトのメンバー

試算では本システムの導入により従来のガスボイラー設備と比較して、年間で燃料使用量を原油換算で約47Kl、CO2排出量を約120トン削減できると見込んでいます。地中熱の利用は、導入が進みつつある公共施設や病院などの冷暖房利用のほか、24時間の温度管理が求められる農業用ビニールハウスの熱源としても大きな効果が期待されています。

今後、長野工場でのさらなる導入拡大や、富士通グループ拠点への展開を積極的に推進していきます。

社員の声

富士通ファシリティーズ株式会社 施設・環境サービス統括部 プロジェクトリーダー 矢澤 靖史

富士通ファシリティーズ株式会社 施設・環境サービス統括部 プロジェクトリーダー 矢澤 靖史の写真

地中熱は季節や日間変動があまりないことから、安定性とコストに優れているほか、地中熱採熱管を埋設してしまうためにデッドスペースが生じないというメリットもあります。

地中熱利用はグループ初の試みだったこともあり、システム導入当初は、採熱量を高めることに苦心しました。効率良く採熱するための運用ノウハウの確立し、社内へ本システムを横展開する際に活用していきます。