厳しいハードルに奮い立つ
コンピュータのエネルギー消費は、やがて地球レベルで大きな問題になる。CPUに求められた性能は前機種の3倍以上、消費電力は2分の1以下。
“世界一の計算速度”という言葉に自分達を奮い立たせた挑戦のプロジェクトだった。遥かな目標があったから成し得たものだ。 【CPU開発担当】
世界に誇る純国産スパコンを
大規模なスーパーコンピュータのソフトウェアには、高性能でありながら、メモリ消費を抑えるという厳しい課題が求められています。
開発メンバーには、若い開発者が多く、とにかく活気がある。エネルギッシュな彼らと共に、純国産スーパーコンピュータのソフトウェアの最終形に向けて、さらに開発を推し進めていきたい。 【ソフトウェア開発担当】
ゼロからの出発
プロジェクトに関わり始めたのは、2008年。メンバーには、若い開発者が多かった。そこへ我々のような経験者が加わり、彼らと熱い議論を交わしながら設計を進めてきた。世界一という共通の目標があるからこそ、ひとつになれた。 【ミドルウェア開発担当】
限りない性能向上を
新しいCPU設計にコンパイラ技術者として参加し、SPARC64™ VIIIfx が完成した。優れた設計思想を活かすも殺すもコンパイラ次第。性能向上への絶え間ない取り組みに、やりがいを感じている。経験したことのない多忙な日々の連続だが、納得のいく製品そして性能に仕上げたい。 【コンパイラソフト開発担当】
検証チームとの協力
数万個ものCPUを効果的に接続するためにインターコネクトを専用設計。過去に例のない規模であるため、社内に蓄積された開発ノウハウを活かせる部分は多くない。しかし、検証チームとの緊密な協調によって、要求された高性能で高信頼、低消費電力な設計を実現できた。 【インターコネクト開発担当】
ライバルからの応援の言葉
アメリカのスーパーコンピュータ展示会で技術紹介をしていたら、競合メーカーの人達から激励の言葉をもらった。あらためてプロジェクトの重要性や富士通の技術力を認識した。プロジェクトを通して高い目標へ挑戦できたことに心から感謝したい。ライバルからの声援を胸に、システム構築に向けて私達は走り続けていく。 【CPU開発担当】
価値ある経験
インターコネクトの仕様書を社内外の関係者に説明した時、「分からない」、「難しい」と言われ、ショックを受けた。その時、この分野の第一人者の先生をはじめ、多くの方々から貴重なアドバイスをもらった。説明資料を改善していく中で、伝わるように説明することの大切さと難しさを学んだ。 【インターコネクト開発担当】
誰も経験したことのないシステムを
メンバー全員で知恵を絞り、研鑽しながら、開発に取り組んできた。富士通はスーパーコンピュータをソフトまで自社で開発できる世界でも数少ない企業。開発陣の一翼を担い、世界での富士通のプレゼンスを高めると共に、日本の科学技術発展とより豊かな社会の実現に貢献していきたい。 【ファイルシステムソフトウェア開発担当】
将来の社会インフラを支えたい
世界的にも例を見ない大規模な構成。各部の故障の検出と障害からの復旧を行う技術の搭載。将来、データベースや社会インフラを支える高信頼システムに応用可能な技術だ。他の分野へ貢献していけることを夢に、これからも日々開発に力を注いでいく。 【OS開発担当】
夢を叶えるために富士通へ
世界トップクラスの計算機を作りたいと願い、富士通に入社。今、まさにスーパーコンピュータ「京」開発プロジェクトに携わることができ、大変感激している。研究者にはスーパーコンピュータ「京」を思う存分に使ってもらい、多くの人々が幸せになれるような革新的な物を作り出してほしい。【システム開発担当】
注 : 「京」は、理化学研究所の登録商標です。