——— 富士通に入社される前はどのような仕事をされていたのでしょうか?
福元: 大手総合電機メーカーで自動車部品の機械系のエンジニアとして約4年間働いていました。車には「P(パーキング)」や「D(ドライブ)」など、走行モードを切り替えるシフトレバーという部品があります。それを電子的に制御する部品を開発していました。その後異動し、モバイルデバイスの商品企画・マーケティングの仕事に2年半弱携わります。ここではマーケティング業務を通じて常に「数字」と向き合っていました。
これまでのキャリアを通して私がずっと感じていたのは、もっとユーザーと向き合う時間を増やしたいということ。さらに言えば、「指示されたものを創り出す」仕事ではなく、より本質的な課題を発見してアプローチするような仕事がしたかったんです。
自動車部品のエンジニアとして働いていたときの仕事は、基本的にはクライアントの求めるものを開発するという内容です。また、マーケティングに携わっていたときも、ある程度決められた課題に沿ってマーケティング施策を回していくような仕事をしていました。これらも確かに重要な仕事ですが、もっと業務を行う理由や意味を重視し、「問題を見つけ出す」ことに注力したいと考えていました。
——— 富士通で働くことを魅力に感じた理由を教えてください。
福元: 2020年8月頃の記事で、富士通が子会社の富士通デザインを吸収し、新たにデザインセンターを設立したことを知りました。デザインの力を駆使して全社のDXを進めていく富士通の取り組みや、魅力的なサービスを生み出すために、デザイナーだけでなくグループ全体でデザイン思考を取り入れるという内容でした。
そのニュースをきっかけに、「デザイン思考」への興味が高まり、調べるうちに自分がやりたいことに繋がっていることがわかり、富士通という企業に魅力を感じました。
——— 入社前に抱いていた印象と、実際に入社しての印象の違いはどうでしたか?
福元: ただ、全社へのデザイン思考浸透を進めているニュースが出ていたとはいえ、 実際にビジネス検討の段階からデザインセンターがプロジェクトに入ったり、他部門にデザイン思考浸透を促すような業務が積極的に行われているかは、正直半信半疑でした。
しかし、入社してみると富士通がデザインの力に期待し、従業員のマインド変革に本気で取り組んでいることを肌で感じ、より仕事へのモチベーションが高まりました。
また、入社前には「デザイナーはこだわりが強いのでは」というイメージがあり、ノンデザイナーである自分の考えに耳を傾けてもらえるか不安でした。しかし実際に一緒に働いてみると、彼らは変化を恐れず新しい学びにも前向きで、積極的に私の意見に耳を傾けてくれる人たちだとわかったんです。これは自分も勉強しないと置いていかれるなと感じ、「頑張らなければ!」と日々刺激を受けています。