お客様インタビュー

古河電気工業株式会社様が描く
「スマート工場」への変革プロセス

~ものづくりの進化を支えるフィールド・イノベーション~

現場の課題を可視化し、「人」「プロセス」「ICT」を一体で解決する富士通のフィールド・イノベーション。その取り組みは、激しいグローバル競争にさらされる製造業でも数多くの成果を上げている。フィールド・イノベーションが製造業にもたらす価値について、古河電気工業株式会社(以下、古河電工)のものづくり改革を担当する石田 禎則氏と、富士通のフィールド・イノベータ(以下、FIer)である吉田 泰春が語り合った。

IoTの導入・活用を図るには
まず業務を整流化することが重要

吉田:平素よりフィールド・イノベーションをご活用頂き、誠にありがとうございます。当社では2007年にこの活動を開始しましたが、古河電工様にはその直後から様々な分野でご利用を頂いております。さらに今回、三重事業所様の業務改善に取り組まれました。まずは、その狙いについて伺います。


富士通株式会社
フィールド・イノベーション本部 産業FI統括部長
富士通認定シニアフィールド・イノベータ
吉田 泰春

石田:当社では「NF(New Furukawa)生産方式」を軸とする現場改善に古くから取り組んでおり、その時代に応じて様々な施策を進めてきました。たとえば最近では、棚卸資産の改善にフォーカスするといった具合です。そこで見えてきたのが、現場の可視化をもっと進めていく必要があるということです。企業としての歴史が長く様々な製品を製造していることもあり、いろいろなことが明確に見えている現場もあれば、そうではない現場もある。今後はIoTの活用も急務となってきますので、デジタル分野のエキスパートである富士通さんの力を借りられればと思ったのがきっかけです。


古河電気工業株式会社
ものづくり改革本部
NF生産推進室 室長
石田 禎則 氏

吉田:客観的なデータに基づいた改善・改革の重要性に着目されたわけですね。

石田:課題を解決するには現場が正確に見えている必要がありますが、そのためのデータを表計算ソフトに手入力していたのでは限界があります。そこでIoTの活用を考えたわけですが、驚いたことにFIerの提案は少し視点が違った。これは意外でしたね。

吉田:古河電工様と当社は同じ古河グループの企業です。親近感と緊張感が混ざり合う中でのご支援になりました。今回の取り組みで最初に考えたのは、古河電工様が描くスマート工場への変革プロセスをどう歩んでいただくかということです。古河電工様が掲げる「つなげるものづくり」では、設備や材料などの状況を考慮した上で、自動的に最適な生産が行える環境を目指されています。しかし、ものづくりには数多くの部門が関わります。それぞれの現場の方が別々の方向を向いていたり、既存の業務プロセスに改善の余地が残っていたりすれば、せっかくIoTを導入したのに何も変わらなかったということになりかねません。そこで、まずは業務を正しく流れるように整理するところから始めるべきと考えたのです。

石田:確かにIoTありきで進めてしまうと、現場にとって最適ではないプロセスやシステムができあがってしまいます。吉田さんの言われる通り、まずは業務の見直しから進めなければなりません。当初は富士通のIoTソリューションの紹介をされるものと思っていたのですが、FIerさんの指摘を受けて我々の認識も随分改まりました。

メンバー全員による議論で課題認識を統一
デジタル技術による可視化も大きな力に

吉田:その一環として、一年近く掛けて三重事業所様の業務フローを可視化させて頂きました。現場の方々は毎日業務を行っているわけですが、自分の担当ではない部分についてはご存じでないことも多かった。業務の全容を把握することで改めるべき部分なども見えてきたので、一足飛びにシステム導入に走らなくて良かったという声も頂きました。

石田:これは非常にありがたかったですね。また、富士通独自の工場ライン成熟度診断サービスの結果を基に、「工場のありたい姿」を考えて欲しいと言ってもらったことも大きかった。現場の部課長も、いろいろな意見や考えを持っています。しかし、「ありたい姿」をみんなで議論することで、メンバーの意識や目指すべきベクトルが集約され、目標施策体系図としてまとめあげられました。これは組織にとって非常に大きな財産になりましたね。我々ユーザー企業とFIerが一緒になって考えるというのが、一般的なコンサルなどとの大きな違いだと感じました。

吉田:常々、フィールド・イノベーションは「活動」だとご説明していますが、その理由はまさに言われた点にあります。様々な改善手法やヒントもご提供しますが、FIerの役割はあくまでもお客様がやりたいことを実現するためのご支援にあります。地道に活動に取り組んで頂くことで、課題解決に向けた道筋も段々見えてきます。そういう意味では、本当の成果を出すにはお客様が改善・改革できる企業体質に変えるための時間が必要なのです。

石田:設備の運転時間や作業者の動きを可視化していただいたことで、データに基づいた改善にも弾みが付きました。

吉田:フィールド・イノベーションでは、製造業向けの可視化手法やツールをいろいろ取り揃えています。今回は製造設備の稼働情報を収集・分析したほか、作業者の方にビーコンを装着頂いて実際の動線をチェックしました。これ以外にも、カメラを用いた映像分析など、様々な方法で可視化を行っています。こうして得られたデータは、製造現場のスマート化を進める上で貴重な材料になります。

石田:デジタル技術による可視化は、ますます重要になってくることは間違いありません。ただし、こうした取り組みでは、とかく大規模なデータ収集・分析プラットフォームを導入する話になりがちです。しかし、それではお金も時間も掛かり過ぎます。その点今回の活動では、すぐに手を付けられるところから始めるアプローチを取れたのも良かった。“まずはこのラインから”と小さく始めれば結果も早く得られますし、新たな気付きやアイデアも生まれてきます。

ブレることなく改善・改革を推進
パートナーとして共に成長を

吉田:今回の活動では、三重事業所様のメンバーの軸がブレずに活動に邁進される姿に強く感銘を受けました。おそらく古河電工様の社風によるものとも思いますが、今後はどのような展望を描かれているのですか。

石田:三重事業所の活動で一定の成果が現れた時点でグローバル拠点も含めた全社的なモデルケースにしたいと考えています。事業所によって製造する製品は様々ですが、強固なベースさえ築ければ同じ考え方で改善が進められるはず。それによって、コストを掛けずに必要なデータを収集し、現場の負担を軽減してより創造的な仕事にシフトできると期待しています。あとは、人が変わっても活動が継続されることが重要ですので、改善・改革を担う人材の育成にも力を入れて参りたいと考えています。

吉田:確かにフィールド・イノベーション活動ではオーナーやリーダーが変わることで活動が停滞してしまうケースも見受けられます。これは大変残念ですし、お客様にとっても非常にもったいない。その点、古河電工様は長きにわたり活動を推進していただいており、感謝の想いで一杯です。これにお応えするためには、我々も新しい可視化の技法や改善・改革の手法を工夫するなど、初心に戻り緊張感をもってご支援してまいります。

石田:富士通さんには平塚事業所やタイ工場の改革も支援してもらいましたが、そこでフィールド・イノベーションの手法そのものが進化していることに気付きました。お互いに一緒に育ってきたという印象も受けましたので、今後も良きパートナーとして共に歩んでいきたいですね。

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