株式会社西日本新聞福岡販売 様

新聞販売店のイノベーションを目指して
新規ビジネス創出に向けた時間的余裕の捻出

西日本新聞福岡販売様では、新聞の購読数が減少する中、新規事業の創出に注力するため、販売店の事務効率化にFIを活用。その可視化結果を用いてRPAで事務作業を効率化。さらに新聞社本社との営業方針転換の調整にも可視化結果を用いwin-winの関係を築いています。

課題
効果
課題事務センターに集約すべき顧客管理業務が販売店毎に残っており、時間がかかっていた
効果配達指示業務の標準化とRPAによる自動化で事務センターへの集約を可能とし、各販売店の事務処理を大幅削減
課題各販売店の戸別訪問による営業活動は、時間がかかるが契約増加には繋がっていなかった
効果優良顧客にフォーカスする営業方針の転換で訪問営業を見直し、事業収益を改善

背景

新規事業創出のパワーをいかに捻出するか

西日本新聞社グループの一員として、新聞販売、牛乳宅配、ソフトウェア開発などの事業を展開する西日本新聞福岡販売。同社では、新規事業創出が経営上の重要課題となっていた。「近年は、新聞販売店の二大収益源である新聞販売/折込広告収入が伸び悩んでいます。企業の成長のために新たな収益源の確保が急務でした」と社長の若狭 俊哉氏は語る。

本業の新聞販売業務はおろそかにはできない。社内の人的リソースには限りがあり、新規事業創出に充てるパワーをどう捻出するか頭を悩ませていた。そんな時、西日本新聞社本社から提案されたのが、富士通のフィールド・イノベーションであった。「業務改革には、経営トップの強い意志と現場主導の改善活動がうまく噛み合うことが重要です。富士通からフィールド・イノベーションの紹介を受け最初は半信半疑でしたが、福岡販売の課題を解決できるのではと考えました」と西日本新聞社の塩崎 真治氏は説明する。

株式会社西日本新聞福岡販売 代表取締役社長 若狭 俊哉 氏 株式会社西日本新聞福岡販売
代表取締役社長 若狭 俊哉 氏
株式会社西日本新聞福岡販売 社長室 グループ経営委員会 委員長 塩崎 真治 氏 株式会社西日本新聞福岡販売
社長室 グループ経営委員会
委員長 塩崎 真治 氏

経緯

販売店で改善すべき2つの課題を発見

同社では、事務センターを設置し、各販売店が個別に行っていた電話対応や事務処理の集約を進めていた。しかし、事務センター設置後もその効果が十分に発揮されていなかった。

フィールド・イノベータ(以下、FIer)はその答えを明らかにすべく、3つの販売店を対象に事実を可視化。その結果、事務センターに移管すべき顧客/営業管理業務に、約20%の時間を費やしていることが判明した。さらに、「手板」と呼ばれる配達指示書の作成方法が販売店毎に異なっていることも明らかになった。契約/解約や留守止めなどで生じる配達先の変更情報は手板で管理されており、朝夕刊の配達前に毎日必ず準備しておく必要がある。現場の負担が重い業務だが、各販売店でやり方やフォーマットが異なることから事務センターへの集約が進まなかったのだ。また、FIerが可視化を進めて行く中で、戸別訪問やテレマーケティングによる販促活動も契約増加に直結せず、効率の良い営業活動が行えていない実態も見えてきた。

「どこに課題があるのかがデータとして示されたことで、改めて改善の方向性が腹落ちしました。現場への負荷が気がかりでしたがスタッフも調査に非常に協力的で、現状を改善したいという強い意気込みが伝わってきました」と渡辺 康太郎氏は語る。同社では、これらの可視化結果を踏まえ「1.事務センターへの事務集約化」「2.営業活動の効率化」の2つのワーキンググループを立ち上げ、具体的な施策立案に取り掛かった。

株式会社西日本新聞福岡販売 取締役営業本部長 兼 第二管理グループ長 渡辺 康太郎 氏 株式会社西日本新聞福岡販売
取締役営業本部長 兼 第二管理グループ長 渡辺 康太郎 氏
株式会社西日本新聞福岡販売 営業本部 次長 益田 和行 氏 株式会社西日本新聞福岡販売
営業本部 次長 益田 和行 氏
株式会社西日本新聞福岡販売 営業本部 第一管理グループ長 兼 統括店長 集中管理グループ長 宇都宮 安範 氏 株式会社西日本新聞福岡販売
営業本部 第一管理グループ長 兼 統括店長
集中管理グループ長 宇都宮 安範 氏

ポイント

RPAで大幅な業務時間短縮と、可視化による収益改善に成功

まず、「1.事務センターへの事務集約化」については、RPAを用いた業務自動化に着目。「増員せずに新たな挑戦に取り組むには、ICTの活用しかありません。FIerの可視化結果から相当な時間削減が見込めるというシミュレーション結果に基づき、RPAの導入に踏み切りました」と若狭氏は語る。

ここで注目されるのが、開発に先立って手板フォーマットの統一に取り組んだ点だ。「各販売店のプロセスがバラバラなままでは事務センターに事務集約できないので、手板フォーマットを最初に標準化しようと考えました。業務を変えるには抵抗も生じますが、今回は活動の目的や改善後の効果が現場にも伝わっていたため、全員で協力して取り組みました」と宇都宮 安範氏は語る。

その結果、手板作成作業は劇的に改善。宇都宮氏は「以前は顧客管理システムからの入れ止め情報抽出、手板への転記といった処理を個々の販売店で手作業で行っていました。現在は、これらの更新処理を事務センターで自動実行できます。その結果、ピーク時における作業工数を従来の約1/40に削減するなど、大幅に短縮できました」と語る。

また、「2.営業活動の効率化」についても、可視化結果に基づき営業方針を大きく転換。益田 和行氏は「従来の営業活動では、新規顧客獲得に比重を置き、営業にかける時間やコストの視点が欠けていました。FIerの分析によれば、当社利益の8割が長期購読のお客様によるものであり、新規訪問営業の継続率は低く、読者自身による申込の継続率は高いという結果でした。そこで、損失につながる活動の割合を下げ、利益を生む優良読者を増やすことを重視した営業方針を採ることにしました」と語る。

その手始めとして、累積損失の見直し、訪問・テレマーケティング営業のスタイル見直しなどの施策を実施。「これにより、収益改善や営業活動のコスト・時間削減など様々な成果が得られました。手持ちの顧客データを分析することで、新たな打ち手が見えてくることが実感できました」と益田氏は続ける。

手板更新作業をRPAで自動化
図1従来は個々の販売店が手作業で行っていた手板更新作業を改善。
フォーマットの全社統一やRPAによる自動化で、生産性を最大約40倍向上。

今後の展望

ビジネス変革に向けた取り組みを全力で推進

これらの施策を通して、同社では販売店における顧客/営業管理業務比率を半減。また、利益重視の営業方針について新聞社本社から理解を得た。渡辺氏は「本社もビジネスモデル変革の必要性に気づいているものの、新規顧客獲得重視の方針を変更することには慎重であり、ただ利益重視の方針にしたいと言っても簡単には受け入れてくれません。しかし、可視化結果に基づいて説明することで、新聞社の理解を得られました」と語る。また塩崎氏も「新聞社と販売店がWin-Winの関係を築ければ、グループ全体の発展にもつながります。我々としても今回の成果を高く評価していますので、今後は本社や他のグループ会社へも取り組みを拡げていきたい」と語る。

利益重視の営業方針を本社も理解
図2

「プロジェクトのオーナーにとっては、改革に向けた理念や戦略・戦術をどれだけ現場に浸透させられるかが非常に重要です。その支援を提供してくれたFIerには本当に感謝しています」と語る若狭氏。今後はさらなるビジネスイノベーションを目指し、本来の目的である新規事業創出に全力で取り組む。「宅配・集金機能と優良な顧客資産を有していることが当社の強み。これを最大限に活かし、今までは考えられなかった分野にもどんどん事業を拡げていきたい」と若狭氏は抱負を語った。

  • ※RPA
    Robotic Process Automation

FIer

西日本新聞福岡販売様では、新聞業界における紙文化からデジタル化への流れ、それに伴う経営環境が大きく変化する中で、新聞販売の拠点を維持するために、自らの強み(地域に密着したラストワンマイルでの配達・集金機能)を活かして、新聞以外での領域における新たなビジネスチャンスを模索しております。
FIerはその経営構想に惹かれ、改革活動のお手伝いをさせていただきました。
「事務所内の業務効率化」では、現場の皆様のご協力のもと、2つのワーキンググループで改革施策の検討、実行に時間をかけて実施したことで、大きな成果に繋がりました。
手板自動化については、すでにお客様主導で個人販売店への展開も検討されており、改革が定着した状態になっております。

最初はトップの経営構想で始まった活動ですが、日々現場の皆様と接する中で、改革に対する意識の変化を感じ取ることができました。
経営構想実現に向けて今後も改革活動が続きますが、経営トップの想いと現場の皆様の協力があれば、新しい明日を創ることができると確信しております。

左から、鈴木 豊、篠田 雅敏

株式会社西日本新聞社 様

本社 福岡県福岡市中央区天神1-4-1
創刊 1877年
資本金 3億6000万円
ホームページ http://c.nishinippon.co.jp/

株式会社西日本新聞福岡販売 様

本店 福岡県福岡市中央区今泉1-9-14
設立 2003年4月10日
資本金 5000万円
ホームページ http://www.fukuokahanbai.co.jp/

西日本新聞福岡販売 様

[2019年7月掲載]

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