沖縄電力株式会社 様

事実を直視し現場と一体で取り組む働き方改革
現場のプロセス変革とRPAが生産性向上を加速

沖縄電力様ではフィールド・イノベーションを働き方改革に活用しました。
フィールド・イノベータが可視化した現場の業務を、本店と支店が一体となって見直し最適化することで全社働き方の重要テーマであるRPA導入に活かしています。

課題
効果
課題全社働き方改革の一環で配電部門の生産性向上を図る
効果業務量調査のデータを基に業務を見直し大幅な効率化と時間短縮に成功
課題配電部門を皮切りにRPA導入でさらなる効率化を目指す
効果可視化/改善された業務プロセスを活かすことで円滑なRPA導入が可能に

背景

配電部門の繁忙状態を解消すべく業務改革に着手

沖縄県のライフラインを担う電気事業者として、県内全域への電力供給を行っている沖縄電力。同社では、全社の働き方改革の一環として配電部門の業務改革に着手した。送配電本部 配電部 次長 阿波根 直也氏は、その狙いを「観光産業の活況などを背景に、沖縄県内では建設が盛んで電力需要が増えています。その一方で、配電部門の人員は従来と変わらないため、業務負担や時間外勤務が増える傾向にありました。働き方改革によって、こうした状態を解消しなければと考えたのです」と語る。

元々同部門では、経営方針に沿ってゼロベースでの業務見直しに取り組んできた。しかし、業務の量や全体像を正確に把握しきれず思うような成果が得られなかった。そこで富士通のフィールド・イノベーションを活用することに。阿波根氏は「生産性向上に必要なポイントを確実に押さえる上で、富士通が持つ業務可視化ノウハウや分析手法は非常に有効です。また、社員に成功体験を積ませることで、人材育成や意識改革につなげたいとの思いもありました」と続ける。

沖縄電力株式会社 送配電本部 配電部 次長 阿波根 直也 氏 沖縄電力株式会社 送配電本部
配電部 次長 阿波根 直也 氏
沖縄電力株式会社 送配電本部 配電部 配電グループ 係長 安形 陽一郎 氏 沖縄電力株式会社 送配電本部
配電部 配電グループ
係長 安形 陽一郎 氏

経緯

うるま支店を舞台に抜本的に業務を見直し

今回の活動の舞台には、業務エリアに市街地と郊外がバランス良く含まれるうるま支店を選定。うるま支店 配電サービスグループリーダー 玉城 良和氏は「支店内だけの活動では改善できる範囲が限られますが、本店と一緒に活動すると大きな改革ができます。最近は、外注していた業務を社内に戻して社内に技術を蓄積するようにしています。既存業務の効率化が図れれば技術の蓄積により多くの時間を充てられます」と語る。

沖縄電力株式会社 うるま支店 配電サービスグループリーダー 玉城 良和 氏 沖縄電力株式会社 うるま支店
配電サービスグループ
リーダー 玉城 良和 氏
沖縄電力株式会社 うるま支店 配電サービスグループ 係長 新里 稔 氏 沖縄電力株式会社 うるま支店
配電サービスグループ
係長 新里 稔 氏

活動の第一ステップでは、まずフィールド・イノベータ(以下、FIer)による業務量調査を実施。最新の業務量調査ツールなどを駆使して、配電サービスグループの業務実態を詳細に可視化した。うるま支店 配電サービスグループ 係長 新里 稔氏は「どの業務に、どのくらいの時間が掛かっているのかが一目で分かるようになりました。また、業務量を客観的な数値で示すことで、本支店のメンバー全員が共通認識を持てるようになりました」と語る。また、玉城氏も「業務量調査のデータを見ただけでも、ここは改善できるというポイントがすぐに浮かび上がってきました。長年にわたり受け継がれてきた業務の中には、現状に即していないものも存在します。そうした業務にメスを入れるきっかけになりました」と語る。

続いて第二ステップでは、施策立案に向けたワークショップを実施。本支店のメンバーが設計・保守・配電・運営の4つの係に分かれ、課題解決に向けた施策を探っていった。「一人が意見を出すとまた別の意見が出てくるといった具合に、どんどん議論が盛り上がっていきましたね。担当者も、現場を良くしたいという思いを抱えていたのだと思います」と新里氏。こうした議論を通して、4係で15件の施策を立案。各施策のリーダーと体制を決めると共に、施策実施計画書も作成して改善に取り組むこととなった。

ワークショップで課題を整理 - 施策立案に向けたワークショップでは、4係に分かれて議論を展開。それぞれに課題を抱えていたこともあり、各メンバーからは積極的な発言が相次いだ。

ポイント

取引先企業とのルールを見直し大幅な時間短縮に成功

第三ステップで実施された改善活動では、それぞれのメンバーが創意工夫を凝らしつつ活動を展開。進捗確認会でお互いの状況を共有しながら、着実に取り組みを前進させていった。

その一例が、配電係が実施した共架業務の見直しだ。共架とは、通信会社の光ケーブルなどを既存の電柱(共架柱)に架線することで、従来はその申請・承認業務に多くの工数を要していた。「大手業者では年間約6,000件もの共架申請があります。従来はその書類に対して、手作業で承認印の押印などを行う必要があり、時間が掛かる要因になっていました」と新里氏は説明する。そこで、通信会社と協議し、書類への押印を省略することを決定。新里氏は「こうした企業間のやりとりに関わる変更に踏み切れたのも、本店と一体で活動できたからこそ」と続ける。

3つのステップで改善活動を推進 - 業務量調査で支店の業務実態を正確に把握。そのデータを基に、施策の立案、実施と進めた。その成果は、全社働き方改革の切り札となるRPA導入に活かされている。

また、保守係では、電気工事会社との連絡方法を改善。従来は工事の都度、電話連絡を受けシステムを操作していたため、一日中頻繁に電話が掛かってきていた。そこで、決まった時間帯にまとめて連絡を受ける形に変更。電話に煩わされることなく集中して業務に取り組めるようにした。実は、この都度対応は配電線工事の安全確保と停電の早期復旧を両立するためには避けられないものと考えていたが、今回の活動をきっかけに過去数年間のデータを分析した結果、システム操作をまとめて行っても影響がないことが分かったため、社内の合意が得られ実現した施策だ。加えて設計係でも、設計業務に用いる管理台帳の運用を変更し、業務のルール化・標準化を推進。こうした取り組みの結果、設計係の管理台帳関連業務で約38%、保守係の工事連絡業務で約50%、配電係の共架の押印業務で約46%、そして、実施した15件の施策に関する業務全体では約55%と、大幅な時間削減を達成できた。

効果と今後の展望

最適化された業務プロセスをRPA導入に活かす

沖縄電力では、全社働き方改革の重要テーマとして進めているRPA(※)導入にも、今回の活動成果を活かせると考えている。送配電本部 配電部 配電グループ 係長 安形 陽一郎氏は「定型業務をRPAで自動化すれば、業務をより効率化でき社員の負担を減らせます。その効果を最大限に発揮するには、まず業務プロセス自体を最適な形に見直さなくてはなりません。その点、うるま支店では、今回の活動で業務の可視化や見直しを実施済みです。そこで全社展開の先駆けとして、RPA導入に挑戦してもらおうと考えたのです」と語る。

現在はFIerの支援を受け、ロボットの作成や実業務への試行を開始した段階。安形氏は「うるま支店の経験を他部門にも拡げれば、RPAの導入効果を数倍に高められます。全社働き方改革の実現にしっかりと取り組みたい」と語る。

また、阿波根氏も、今後の展望を「取り組んだメンバーが自主的、積極的に改善に取り組むようになり一廻り成長できたと感じています。生産性向上と人材育成の両面で、非常に大きな意義がありました。この成果を他の支店にも波及させて、改善・改革のトップランナーとして今後も活動を継続していきたい」と述べた。

  • ※RPA
    Robotic Process Automation

FIer

沖縄電力株式会社様では、これまでも業務の生産性向上に向けた取り組みを推進されてきており、特に「ゼロベースでの見直し」が年度方針に表記されるほど、抜本的な見直しを目指されておりました。今回のFI活動は、ご担当者様のご協力のもと、業務実態の見える化を目的とした業務量調査から入りましたが、この調査結果が「ゼロベース」を支える土台になったのではないかと思います。課題抽出、施策立案の元になったのはもちろん、施策実施後の効果検証、RPA実装のための対象特定や作業プロセスの把握等、各フェーズでの拠り所となり、更には改善意欲の醸成にも繋がっていったものと思います。
今後も事実を起点とした取り組みを続けていただくことにより、一層の効率化が図られることを期待しております。

左から、名取 裕明、川島 幸雄、篠田 雅敏

沖縄電力株式会社 様

本店 沖縄県浦添市牧港5-2-1
創立 1972年5月15日
資本金 75億8600万円
ホームページ https://www.okiden.co.jp/

沖縄電力株式会社 様

[2019年5月掲載]

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