専修大学 様

創立140周年に向けて図書館業務を改革
全職員一丸で利用者サービスの向上を目指す

専修大学では全学改革の一環として、フィールド・イノベーションを活用して図書館業務の改革に取り組みました。職員に改革意識が生まれ、SNSを活用した情報発信などで貸出冊数が2倍強に増加、貸出手続きの簡略化で手続き時間が大幅に短縮するなど成果をあげています。

課題
効果
課題全学改革の一環として図書館業務の改革を行うこと
効果職員が自ら施策に取り組み、自律的・継続的な改革意識を醸成
課題図書館の活動を利用者に周知し、サービス向上や業務効率化を図ること
効果SNSによる情報発信や貸出手続きの簡略化を実現

背景

教育研究の根幹を支える図書館業務を改革

21世紀ビジョン「社会知性の開発」の下、次世代を担う人材の育成に取り組む専修大学。2020年に創立140周年を迎える同大学は、これからの時代にふさわしい大学環境を目指している。専務理事の松木 健一氏は「神田キャンパスに新校舎の建設を進めているほか、国際系新学部の設置や各学部の学科再編、附属高校との連携強化など、全学的な改革を推進中です」と説明する。

その一つが、図書館業務の改革である。「図書館は研究教育活動の根幹を担う重要な施設。その利用促進は、大学の価値向上に非常に重要です。さらに近年では、電子媒体の活用といったニーズも高まっていますので、全学改革の一環として図書館業務の改革に取り組もうと考えたのです」と松木氏は語る。

学校法人専修大学 専務理事 松木 健一 氏 学校法人専修大学
専務理事 松木 健一 氏
専修大学 図書部 部長 齋藤 雅彦 氏 専修大学
図書部 部長 齋藤 雅彦 氏
専修大学 図書部 図書課 課長補佐 鈴木 覚 氏 専修大学
図書部 図書課 課長補佐 鈴木 覚 氏

経緯

全職員で図書館のサービス向上を考える

ここで導入されたのが、富士通のフィールド・イノベーションだ。松木氏はその理由を「外部の第三者の客観的な視点で業務を可視化し、自ら改善を進めていくという点が魅力的でした。大学ではなかなかそうした機会が得られないので、これは良いチャンスだと感じましたね」と語る。

図書部 部長の齋藤 雅彦氏も「以前から、部内で業務改善に取り組んでいましたが、議論の整理や具体的な施策の進め方などがうまくいきませんでした。第三者が入ることは不安や懸念もありましたが、職員の意識を変えたいと思い、導入に踏み切りました」と続ける。

プロジェクトを担当したフィールド・イノベータ(以下、FIer)は、早速インタビューや課題整理のためのワークショップを実施。そこから「予算」「サービス」「移転」「組織」の4カテゴリーで8つの問題仮説を設定し、現場観察や学生アンケート、教職員インタビューなどによる事実可視化を進めていった。

図書課 課長補佐の鈴木 覚氏は「職員も、利用者にはこんな要望やニーズがあるのではという思いを以前から抱いていましたが、可視化でそれが裏付けられました。そこで、全ての業務や職員が関わる『サービス』を対象に施策検討を進めることにしました」と語る。

ポイント

両キャンパスの職員全員参加で施策を検討

施策立案では、「従来の運営ルールを見直す」「把握できているニーズを具現化する」の2点をテーマとするワークショップを実施。様々な立場から多様な意見が出るよう、生田、神田の両キャンパス図書館から係を超えたメンバーで議論した。

「FIerが誰でも気軽に話せる雰囲気を作ってくれたおかげで、若手職員からも活発な発言やアイデアがどんどん出てきました。議論のまとめ方なども非常に巧みで、今後の自分の仕事にも参考にしたいと感じました」と鈴木氏。齋藤氏も「率直な意見を出し合うことで、お互いに気付きも多かった。組織の活性化にも大変良い場になったと思います」と語る。

こうしたワークショップでの議論を通して、8カテゴリー・39施策を導き出した。さらに各施策の難易度や効果を見極め、「1. 作業効率(督促)」「2. 規定見直し」「3. 情報発信」の3つを優先的に取り組むことにした。

図書館職員全員で施策を導出 - 8つのカテゴリーで39の施策を導出。その中から「作業効率(督促)」「規定見直し」「情報発信」の
3つを優先的に取り組んだ。

まず1.では、図書返却期限の事前通知サービスを新たに提供。返却期限が近づいていることを学内のポータルサイトやメールで通知することで、督促作業の効率化や延滞者数の減少を図るのが狙いだ。「この施策に関しては神田キャンパスが先行で実施しました。職員の問題意識も高かったようで、大変意欲的に取り組んでくれました」と齋藤氏。その努力の甲斐があり、延滞件数は減少傾向にある。

2.では、卒業論文等特別貸出手続きを簡略化。卒論執筆などを控えた4年生は、貸出冊数の増加や期間延長を認めているが、従来は貸出の度に申請書を記入する必要があり、利用者とカウンター職員両方の負担になっていた。そこで、申請書を事前にデータ登録しておくことで、その都度記入する手間を省くように変更。これにより手続き時間を大幅に短縮できたほか、貸出冊数も約1,700冊から約4,500冊へと2倍強に増加している。「この取り組みはシステム係などと協力して実施しましたが、係の枠を超えて課題解決を目指せたのも非常に良かったですね」と鈴木氏は語る。

最後の3.では、SNSを活用した情報発信を始めた。ここでは、学生や受験生に対して発信力が高いSNSを活用し、図書館の活動を積極的にアピールしていく。「SNSは我々も知っていましたが、内部だけでは業務に活用するところにまで辿り着かない。その壁を越えられたことも大きかったと感じています」と齋藤氏は語る。

ワークショップ風景 - 施策立案は、生田、神田両キャンパス図書館の職員が参加。若手職員からの積極的な発言も相次ぎ、改革に向けた機運を盛り上げた。

効果と今後の展望

改革意識を醸成。今後も継続的な活動を推進

こうした取り組みを通して、職場内の雰囲気や職員の意識にも大きな変化が生まれた。松木氏は「業務改革には、職員一人ひとりの意識改革が不可欠です。最近では、新しい企画を立てたい、こういう施策を実行したいという姿勢が表に現れてくるようになりました。これは非常に嬉しい変化ですね」と満足気に語る。

また、齋藤氏も「3つの施策だけでなく、残りの施策も鋭意具体化を進めていきたい。また、現在学生ボランティアにも図書館運営に参加してもらっていますが、ここでもフィールド・イノベーションで学んだ手法を活用中です。既にいくつか具体的なアイデアも出ており、施策として進めているところです」と語る。

全学改革を推進する上でも、今回の活動の意義は大きい。松木氏は「図書館が伝統的な図書業務の概念に縛られることなく、自ら改革に踏み出した。このことは、大学全体にも大きな影響を及ぼすものと考えています。今後は他部門にも取り組みを拡大し、改革の大きなうねりを生み出していきたい」と抱負を述べた。

FIer

活動当初は発言も少なく、おとなしい印象を感じていましたが活動が進むにつれ徐々に変化が見え始めてきました。
施策検討ワークショップあたりからは、キャンパスや係の垣根を超え、ベテランや若手を問わず活発な意見交換が行われ多くの施策が出されました。
各施策においても良好なコミュニケーションにより確実に実施に結びつけ、目標を上回る成果が出ていることなど大変嬉しく思います。
今後も更なる「利用者サービスの向上」を目指し、専修大学様の図書館改革を継続していってほしいと考えます。

左から、飛沢 淳、藤野 知行、杉田 吉隆

専修大学 様

所在地 東京都千代田区神田神保町3-8(神田キャンパス)
神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1(生田キャンパス)
創立 1880年9月
学部 7学部(2018年12月現在)
ホームページ https://www.senshu-u.ac.jp/
大学概要 7学部を有する総合大学。21世紀ビジョン「社会知性の開発」の下、神田キャンパスの再整備や新学部/新学科の設置を進めている。

[2019年3月掲載]

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