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事例紹介 東京慈恵会医科大学附属柏病院 様

医療・教育 営業・サービス

電子カルテ導入を機に看護業務プロセスを改革 患者中心の手厚いケアと業務負担軽減の両立に成功

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東京慈恵会医科大学附属柏病院様では、電子カルテ導入に際し、業務改革の必要性を強く感じ、フィールド・イノベーションを導入。電子カルテの導入前後の業務を可視化し、「看護業務配分の見直し」「業務連携」「記録時間の前倒し」の3点を改善施策として設定。これらの取り組みにより、業務負担を減らしつつ、より手厚い看護を実現しました。

【 課題と効果 】
  • 電子カルテを有効活用できる新たな業務プロセスの確立
  • 看護師の業務負担を軽減し、患者ケアにより注力できる環境を実現すること
→
  • ベッドサイドでのリアルタイム記録や医師、薬剤師などとの連携を強化
  • 1ヶ月の時間外業務を看護師一人あたり270分削減することに成功

患者ケアに貢献する電子カルテ活用を目指して

東京慈恵会医科大学附属柏病院 看護部長 柳澤 美津代氏

東京慈恵会医科大学附属
柏病院
看護部長
柳澤 美津代氏

「病気を診ずして病人を診よ」の精神に基づき、先進医療の提供と医療人材の育成を推進する東京慈恵会医科大学附属柏病院。地域包括ケアのモデル事業を実施するなど地域の拠点病院としての役割を担い、入院から退院後までの流れをトータルに管理する「ペイシェント・フロー・マネジメント」(PFM)に力を入れている。
同院において、今回実施されたのが看護師業務の改革だ。看護部長の柳澤 美津代氏は、「2015年の電子カルテ導入に際し、強く感じたのが業務改革の必要性です。せっかくシステムを入れるのに、紙ベースの業務を単に置き換えるだけでは意味がない。業務の標準化や診療情報の有効活用といったICTのメリットを活かすには、看護業務を組み立て直さなければと考えたのです」と背景を語る。

可視化結果が改革を進める原動力となる

従来の看護業務では、患者への直接ケアを最優先し、看護記録業務などの間接業務は後でまとめて行っており、時間外業務の要因になっていた。「こうした状況で電子カルテを導入しても、入力作業などの新たな手間が増えるだけ。その前にまず現状を可視化して、問題を洗い出さなければなりません。そんな時にフィールド・イノベーションを知り、ぜひやってみようと思いました」と柳澤氏は語る。

プロジェクトを担当したフィールド・イノベータ(以下、FIer)は、早速電子カルテの導入前後の業務を可視化。看護部 師長の和気 江利子氏は「まず9病棟2外来を対象に、看護師の業務量調査を実施。FIerに当院が推進するPFMの概念を理解してもらうために、院内の現場観察も行ってもらいました」と説明する。調査対象人数が多いことから、入力ツールや分析プログラムの改良など、短時間で効率的に集計を行うための工夫も行った。
その結果、電子カルテ導入前には、病棟看護師の時間外勤務の月平均が約8.3時間、調査期間における定時後の平均在院時間が約90分もあることが判明。また、先に触れた看護記録や看護師間の申し送りに加え、薬剤部門などへの依頼/確認作業などの業務連携にも多くの時間を費やしていることが見えてきた。

東京慈恵会医科大学附属柏病院 看護部 師長 和気 江利子氏

東京慈恵会医科大学附属
柏病院
看護部 師長
和気 江利子氏

東京慈恵会医科大学附属柏病院 看護部 師長 宮城 久仁子氏

東京慈恵会医科大学附属
柏病院
看護部 師長
宮城 久仁子氏

「ある程度予測はついていたものの、やはり定量的なデータで示されると納得感が違います。現場の看護師と改善に向けた議論を行う上でも、非常に有用な材料となりました」と和気氏。また、看護部 師長の宮城 久仁子氏も「直接看護の比率が間接作業の1.6倍と、他病院の平均より高いことが分かったことも良かったですね。患者様へのケアを大事にするという持ち味は活かせている。それを損なうことなく、どう仕事の仕方を変えていくかを考えるモチベーションにつながりました」と続ける。
さらに同院ではワークショップを開催し、「看護業務配分の見直し」「業務連携」「記録時間の前倒し」の3点を改善施策として設定。ここでは、夕方業務を30分/人、記録業務を20分/人削減という、具体的な数値目標を設定した。

「以前から自分達で業務量調査を行っていたのですが、多い/少ないといった平面的な結果に留まっていました。しかしFIerの調査データは、業務の時間軸も含めた多層構造になっており、病院の複雑な業務を効果的に解き明かせる。これは大変魅力的でしたね」と柳澤氏は語る。

常識に捉われずに看護業務の見直しを

まず「看護業務配分の見直し」では、病棟のリーダーナースの役割を変更。リーダーは患者を受け持たないで、医師との情報共有やメンバーの看護師のマネジメント比率を高め、チームとしてより動きやすくした。また外来でも、診察室でブースナースが行っていたトリアージ業務(※)をリーダーに移管し、ブースナースは本業である「診療環境を整える業務」に注力するようにした。「各看護師の役割分担が明確になったことで、『いつまでに』『何をするのか』という時間管理の意識を強く持つようになりました」と宮城氏は語る。
また「業務連携」では、医師や他部門との情報連携を強化。検査や投薬などの作業を患者ごとに時間軸でまとめた「ワークシート」を用いて、一日の診療の流れを円滑に共有できるようにした。「電子カルテによって他部門でも多くの情報が把握できるようになったため、看護師でなくてもいい業務は各専門部門に移管しています」と和気氏。看護師のサポート役をする看護補助員とも、より密接な情報共有を行うよう改めた。

「記録時間等の前倒しを推進」 電子カルテ端末を活用し、時間外に行なっていた看護記録業務を時間内に実施。申し送りも時間内にウォーキング・カンファレンスの中で行うようにした。

「記録時間の見直し」については、電子カルテ端末を利用してベッドサイドケアや移動中の隙間時間などに看護記録を入力。元々同院では、ベッドサイドで患者とともに情報共有する「ウォーキング・カンファレンス」を実施していたが、ここで記録も同時に行うことで、業務の効率化と情報活用のリアルタイム化を図ったのだ。「患者情報を迅速に、かつ一元的に活用できるという電子カルテのメリットが最大限に発揮できるようになりました」と柳澤氏は強調する。

業務負担を減らしつつ、より手厚い看護へ

こうした取り組みがどのような成果に結びついたのかを電子カルテ導入前/導入後の可視化データで比較・検証したところ、病棟看護師の1ヶ月あたり平均時間外勤務は一人あたり約270分減少した一方で、直接看護業務の比率は大きくアップ。業務負担を減らしつつ、より手厚い看護を実現できたのだ。
プロジェクトに参加したメンバーも、今回の成果に大きな手応えを感じている。「日頃行なっている仕事はなぜこうなっているのか、そうした視点で業務のあり方をより深く考えるようになりました。ともすれば発散しそうになる議論を、うまくリードしてくれたFIerの支援にも大変感謝しています」と宮城氏。和気氏も「電子カルテ導入に向けた仕組みを作っていく中で、私たちの価値観も今までとはダイナミックに変わっていきました。仕事の中でこうした体験ができるのは、凄いことだと感じましたね」と続ける。
「私たちがPFMを進めていく上で、組織や業務プロセスに横串を通してトータルな改善を図るフィールド・イノベーションの手法はマッチしていました。今後も退院後の患者様のサポートを含め、地域とのつながりの拡大などに活かしていきたい」と柳澤氏は抱負を語った。

※ 病状の軽重や診療の優先順位判断などを行う

「時間外勤務の大幅削減に成功」 「看護業務の配分見直し」「業務連携」「記録時間の前倒し」の3施策を実施し、病棟看護師の1ヶ月あたりの平均時間外勤務を一人あたり約270分削減できた。

お客様概要プロフィール

東京慈恵会医科大学附属柏病院 様

開設:1987年4月
診療科:23科
病床数:664床
URL:http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/Open a new window

FIer

今回のプロジェクトを通して

左から、伊藤 淳、笛木 俊介、高倉 聡電子カルテを如何に有効活用するか、そのために必要なことは何でも取り組むという強い想いを受け、IT業務改革、生産性改善、物流管理の各プロジェクトの方も参加する横断プロジェクトを編成し、活動推進をご支援いたしました。
大規模な可視化調査の結果から、高い直接看護比率であることが認識され、これを維持しながらの効率化という方向性を得たことが活動のターニングポイントになったと思います。ベッドサイドケアに看護記録業務を取り込み、リアルタイムに情報を活かす等、施策が日々の業務へ浸透し平均時間外削減という見える形として表れたことは、大変嬉しく思います。今後も「PFMに基づく患者ケア」の向上に期待しております。

【導入事例(PDF版)】

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[2017年1月 公開]

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