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事例紹介 夕張市 様

公共 人事・総務・経理

地域再生へ向け、「攻め」に転じる夕張市 行政事務の安定継承と新たなまちづくり施策を推進

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夕張市様では、職員が半減しても行政を継続できる仕組みづくりのために、フィールド・イノベーションを導入。フィールド・イノベータ(以下、FIer:エフアイヤー)と共に、作業だけではなく、法的根拠や背景を踏まえた業務継承の仕組みを確立。また新たな都市拠点構想の議論にもフィールド・イノベーションの手法を活かしています。

【 課題と効果 】
  • 職員の異動に伴う引継ぎ作業の円滑化
  • 新都市拠点構想の具体化に向けた合意形成 
→
  • 業務に関わる法的根拠や背景も踏まえた上で業務継承を行うことが可能に
  • FI活動で培った手法を活かして地域再生に求められる要素を徹底的に追求し、新都市拠点の事業計画に反映

健全化と地域再生との両立に向け舵を切る

夕張市長 鈴木 直道氏の写真

夕張市長
鈴木 直道氏

「標準財政規模の約8倍の財政赤字を抱え、財政再建団体入りを表明してから丸10年。夕張市では財政健全化に取り組み、これまでに約95億円を償還しました。一方で緊縮財政を進めたことで、人口流出や職員の減少が大きな課題に。このままでは地域社会の継続が難しいため、財政健全化一辺倒から、地域再生との両立に向け舵を切りたいと考えています」と、同市市長の鈴木 直道氏は語る。

これまで財政健全化に取り組んできたが、ただ借金を返すだけでは、街の活力は下がる一方。そこで同市では、市の存続を図る「コンパクトシティ構想」を掲げている。理事の鈴木 亮一氏は「『コンパクトシティ構想』は、市の中心地域に都市機能を集約し、将来も持続可能なまちづくりを推進するものです」と説明する。

夕張市 理事 鈴木 亮一氏の写真

夕張市
理事
鈴木 亮一氏

職員の退職・異動でも行政を継続できる仕組み作り

こうした中、大きな課題となっていたのが、職員の退職や異動に伴う業務引継ぎだ。総務課の寺江 和俊氏は「財政破綻後に多くのベテラン職員が一斉退職したことで、職員の数は一気に半分以下に減少。業務の引継ぎにも多大な支障が生じました。他自治体からの応援職員も1~2年で帰任してしまうため、担当職員が変わっても行政を円滑に継続できる仕組みが必要でした」と明かす。
従来は各部門の担当職員ごとに引継ぎ作業や引継書の作成を行っており、その方法も個人に依存していた。「この状況を変えるには、客観的な視点が必要。そこで、富士通のフィールド・イノベーションを活用したいと考えました」と寺江氏は続ける。

夕張市 総務課 課長 寺江 和俊氏の写真

夕張市
総務課 課長
寺江 和俊氏

夕張市 総務課 総務係 係長 阿部 充雅氏の写真

夕張市
総務課 総務係 係長
阿部 充雅氏

今回のプロジェクトを担当したフィールド・イノベータ(以下、FIer)は、まず職員へのアンケートや引継書の現物/引継ぎ現場を調査。その結果、9割近い職員が引継ぎで困った経験があり、引継書の記載事項も作成者ごとに異なることが判明した。また、その内容も行政特有の文章量が多い書式で、肝心な業務内容や重要な引継ぎ事項が分かりにくいことも明らかになった。
FIerはこれらの事実を基にワークショップを実施し、具体的な解決策を活動メンバーと討議。その結果、「業務手順は業務フローで表すことにより視覚的に簡潔で分かりやすくなり、月間や年間の作業スケジュールは線表で表すことで、いつ、何を行わなければならないかが見えるようになりました」と総務課の阿部 充雅氏は話す。「この取り組みを通して業務プロセスも分かりやすく整理され、普段の業務マニュアルとしても使える引継書ができました」と寺江氏は力強く言う。

また、「引継書は引継ぎ時に作成するもの」という思い込みも排し、普段から内容を整備する仕組みに変更することで、引継ぎ時の作業を大幅に軽減。まちづくり企画室の鈴木 茂徳氏は、その狙いを「業務を遂行する上で必要な基本事項があらかじめ記述されていれば、普段から追加・変更も適宜柔軟に行えますし、担当職員が不在の際に代わりを務めることも容易になります」と説明する。また、寺江氏も「行政事務は全て法令や条例に基づいているため、どの法令/条例に基づく作業なのかも分かるようにしました。これにより、単なる作業説明書ではなく、後進の育成にも役立つ引継書が実現できました」と語る。

刷新された引継書の構成と作成上の創意工夫

引継書の書式や業務手順の書き方を全庁で統一。また、各業務の根拠となる法令等を併記することで、業務の位置づけや理由を理解し、各人が状況に応じて工夫、更新していけるようにした。

「地域のにぎわいに必要なものとは」

持続可能なまちづくりには、地域の魅力を高める「攻め」の施策も必要だ。そこで取り掛かったのが、新たな都市拠点の整備だ。
「当市では2012年に策定した『まちづくりマスタープラン』において、市内に新たな都市拠点を整備する案を掲げています。しかし、庁内の様々な部門が関わるため、構想を具体化できないまま時間が経ってしまいました。都市拠点を議論する専門部会が立ちあがったのを機に、引継ぎ業務改善で学んだフィールド・イノベーションの手法を活かし、この状況を打開しようと考えたのです」と鈴木 茂徳氏は説明する。

夕張市 まちづくり企画室 主幹 鈴木 茂徳氏の写真

夕張市
まちづくり企画室 主幹
鈴木 茂徳氏

専門部会ではFIerから学んだ手法を活かし、ワークショップ形式で立場や意見の異なる各部門の職員の意見を引き出しながら円滑に合意形成を進めた。鈴木 茂徳氏は、「議論の方向性がブレないようにするには、我々が何を目指すのかを全員で共有することが必要。そこで、まずキャッチフレーズを定めました」と説明する。
こうして策定されたキャッチフレーズは「笑顔とにぎわいがこだまする街」。このキャッチフレーズの実現に向けて、必要な要素とは一体何か――。専門部会では、都市拠点に主要な建物や施設をただ集積するのではなく、都市拠点として必要な「機能」や「こだわり」を洗い出して、それらを分類し、適切に配置するという、あるべき姿を徹底的に議論。その結果、行政機能や医療、子育てなどの機能を兼ね備えた新都市拠点の計画が完成した。その後、立ち上げた拠点複合施設検討チームでは、2019年度の施設開設に向け、PTA、各関係団体や高校生などの市民も参加してさらに計画の具体化を進めている。

こだわりと機能を施設配置へ展開

キャッチフレーズを基に、都市拠点に必要な「機能」と「こだわり」を抽出。交通を中心とした配置イメージまで専門部会メンバーで合意した。

「財政破綻から10年、暮らしや文化に関わるような施設は統廃合ばかりでした。しかし、子育てや地域交流の機能を備えた新拠点が完成すれば、街のにぎわいを取り戻すことにもつながるはず。今後の地域再生を象徴する空間にしていきたいですね」と鈴木 亮一氏はにこやかに語る。

実践で得た知見を活かし「新しい夕張」を目指す

夕張市では、FIerから学んだ合意形成をしつつ改善を進める手法を高く評価している。「最初に目指すべき目標を設定し、そのためにどうするかというステップを踏むのが新鮮でした。それまでは、色々と心配して出来ない理由を考えがちでしたが、目標を設定することで、どうすれば実現できるかを考えるようになりました。また、アイデア出しやその整理方法なども大いに参考になりました」と鈴木 茂徳氏は語る。
緊縮財政や高齢化といった問題は、全国の多くの地方自治体にも共通する。財政破綻を乗り越え、地域再生を目指す夕張市の取り組みは注目に値する。
「新しい夕張を創るための考え方や手法を職員自身が身に付けたことは、今回の活動の大きな成果。今後も全庁一丸となって、夕張の再生に取り組んでいきたい」と鈴木市長は抱負を語った。

動画による事例紹介

北海道夕張市様 人口減少社会における行政業務の効率化と地方創生 【動画】


お客様概要プロフィール

夕張市 様

面積:763.07km2
人口:8,924人(2016年7月末現在)
世帯数:5,164世帯(2016年7月末現在)
URL:http://www.city.yubari.lg.jp/Open a new window
夕張市は、北海道のほぼ中央、空知地方の南部に位置し、かつては炭鉱の町として栄えた。財政破綻から10年、財政健全化一辺倒から、地域再生との両立に向けて舵をきろうとしている。また、2016年、国内で初となる炭層メタンの試掘を開始した。

FIer

今回のプロジェクトを通して

FIer(左から)藤原 弘一郎、前田 稔、大谷 文彦の写真夕張市様における、今回のフィールド・イノベーション活動では、引継ぎ業務の改善から始まり、市の抱える根幹の課題である「地方創生:持続可能なまちづくり検討」にまで携わり、微力ながら貢献できたと感じています。
夕張市様でFI活動を主導されたメンバーは、現在も、市の未来を担うコンパクトシティ構想の先駆けとなる、新拠点の実現に向けて精力的に活動されていると聞いております。拠点施設が完成した暁には、ぜひ、再度訪問させていただきたいと思います。それを、今から楽しみにしております。

【導入事例(PDF版)】

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[2016年9月 公開]

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