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事例紹介 ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル協議会(ふじのくにねっと) 様

医療・教育 営業・サービス

地域の医療機関がICTでつながるチーム医療により高度で無駄のない医療サービスを提供

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地域の健康と暮らしを支える医療機関にとって、最適な医療サービスの提供は重要課題です。ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル協議会様では、地域医療連携ネットワーク「ふじのくにねっと」の利用拡大を目的に富士通のフィールド・イノベーションを導入。フィールド・イノベータ(以下、FIer)と共に、業務プロセスの可視化やサービスの普及促進に取り組み、救急救命体制の拡充や医療資源の有効活用など、多くの成果を上げています。

【 課題と効果 】
  • 地域医療連携ネットワーク「ふじのくにねっと」の利活用の促進
  • 緊急性の高い脳卒中患者に、的確な医療を提供できる体制を確立すること

→

現場分析に基づいたICT利活用によりデータ共有とコミュニケーションが活性化。病院、診療所、薬局が連携するきめ細やかなチーム医療が実現し、患者満足度が向上

医師不足への対応が課題に

「医療資源を最大限に活用して、より良い医療を」

静岡県立総合病院 院長 田中 一成氏の写真

静岡県立総合病院
院長
田中 一成氏

静岡県立総合病院 院長の田中 一成氏は「静岡県は医科大学の設立時期が遅かったこともあり、県民一人当たりの医師数は全国43位(注1)に留まっています。しかも県域が東西に広がっているため、各地域の中核医療機関は広域をカバーしなくてはなりません。医師や看護師などの医療資源には限りがあり、地域の医療サービスをどう充実させていくかは、非常に重要な課題でした」と振り返ります。

このため2011年4月より本格運用を開始したのが、富士通の地域医療ネットワークソリューション「Human Bridge」をベースに構築された地域医療連携ネットワーク「ふじのくにねっと」です。これは患者の診療情報を、ネットワークを介し地域の中核病院、かかりつけ医である診療所、薬局、病院間などで共有し、より迅速・的確な医療を実現していくというもので、地域医療の向上や医療資源の有効活用を目指しています。
(注1)厚生労働省2012年調査より

複数の医療機関と連携した活動を開始 地域の中核病院、診療所、薬局の三者が相互に連携することで、医療リソースの有効活用を図るのが「ふじのくにねっと」だ。
地域の中核病院、診療所、薬局の三者が相互に連携することで、医療リソースの有効活用を図るのが「ふじのくにねっと」だ。

普及促進体制を整える

「どう納得してもらうか」活用拡大に向けた課題を洗い出す

静岡県立総合病院 副院長 情報管理部長 腎臓内科部長 森 典子氏の写真

静岡県立総合病院
副院長
情報管理部長 腎臓内科部長
森 典子氏

「ふじのくにねっと」は、運用開始当初、思うように利用が進みませんでした。そこで導入されたのが、富士通のフィールド・イノベーションです。静岡県立総合病院 副院長 森 典子氏は、その理由を「患者様に適切な医療を提供するためには、診療情報の共有・活用をもっと推進すべきとの思いがありました。実際の医療現場で活用してもらうには、『ふじのくにねっと』の利便性や有用性を各医療機関にアピールし、きちんと納得してもらわなければなりません。それにはきちんと現場の状況を理解しながら進めるフィールド・イノベーションが良いと思ったんです」と説明します。
今回のフィールド・イノベーション活動は、3段階で行われました。まず第1段階では、「ふじのくにねっと」の利活用実態を可視化すると共に、普及促進に向けた課題を洗い出していきました。

FIerは、参加施設へのアンケート調査で医療現場での「ふじのくにねっと」の認知度、活用状況を明らかにしました。その結果、サービスに対する理解が不十分、使いたくても聞く術がない、具体的なメリットを実感できていないなどの事実が判明しました。また、普及促進活動の時間を確保するためには、事務処理工数を削減し負担軽減を図る必要があります。こうした事実を踏まえて、情報発信力の強化や利用メリットの体系化、業務効率化などに取り組んだ結果、次第に普及のための体制が整ってきました。
「現代の医療はチーム医療ですから、医療関係者全員に『使って良かった』と感じてもらえるようにすることが肝心です。データの抽出/分析手法に精通したFIerが、うまく情報を整理してくれたことで、目指す姿や方向性が明確になりました。なるほどこうして進めればいいのかと感心しましたね」と森氏は語ります。

かかりつけ医との連携を強化

「離れていても情報でつながる」患者満足度の向上へ

佐々木ハートクリニック 院長 佐々木 玲聡氏の写真

佐々木ハートクリニック
院長
佐々木 玲聡氏

活動の第2段階では、地域の診療所や調剤薬局といった、地域に根ざした医療関係機関との連携がテーマとなりました。「静岡県では、地域のかかりつけ医+総合病院医師の2人主治医体制を目指す『イーツー(医2)ネット医療連絡協議会』を運営しています。紹介状などに加えて、『ふじのくにねっと」のデータが情報共有に活かせるのではないかと考えたことが一つ。また、県立総合病院でも9割以上が院外処方となっていますので、薬剤師にも情報を提供して、より適切な服薬指導が行えるようにしたいと考えました」と森氏は説明します。
こうした動きは、地域の診療所からも歓迎の声をもって迎えられました。佐々木ハートクリニック 院長 佐々木 玲聡氏は「地域のホームドクターと総合病院の専門医が、同じ情報をベースに患者様の治療を行えるというのは、地域医療の向上に非常に大きな意義があります。そこで普及活動に参画することにしました」と語ります。

FIerは、各地の診療所に足を運び、端末の設置状況やデータの活用状況などをさらに深く探っていきました。また、佐々木ハートクリニックのように成果を上げている事例をモデルケースとして他診療所に紹介し、診療に役立ててもらうようにしました。その結果、診療時にデータが役立ったと感じる医師の数は従来の約2倍に増加しました。

診療所でのアンケートでは患者満足度が向上 地域の診療所におけるデータ活用を促進する活動を展開。参加した患者から活用メリットを実感する声が多く上がった。
地域の診療所におけるデータ活用を促進する活動を展開。参加した患者から活用メリットを実感する声が多く上がった。

「紹介状に書かれている内容は限られますので、より多くのデータを活用できるのは非常に便利ですね。また、他の診療所でも、病院に紹介した患者様の容態を確認したり、退院後の診療にデータを役立てたりと、さまざまな形で活用が進んでいます。中核病院でどういう検査や治療を受けたかが簡単に分かりますので、退院後の診療もスムーズに行えるようになりました。さらに、「ふじのくにねっと」参加診療所における患者満足度も大きく向上しています。今後は地域の薬剤師とも連携し、在宅医療分野での活用も進めていきたいですね」と佐々木氏は語ります。

調剤薬局での服薬指導を改善

「薬局は薬の見張り番」きめ細かな指導が可能に

ほりい薬局 薬剤師 堀井 美智子氏は「以前、病院薬剤師の方と交流を持つ機会があったのですが、検査値の読み方に大変詳しく感銘を受けました。『ふじのくにねっと』で患者様の情報にアクセスできる仕組みを有効に活用すると同時に、検査値を読む私たち自身のスキルもさらに高めていくことで、患者様により適切な指導が行えると感じました」と振り返ります。

ほりい薬局 薬剤師 堀井 美智子氏の写真

ほりい薬局
薬剤師
堀井 美智子氏

FIerは病診連携のケースと同じく、各地の調剤薬局を訪問して利用状況の調査やモデルケースの紹介などを実施。薬局におけるデータ活用をしっかりとサポートしていきました。その結果、検査結果や個々の患者の生活環境に応じてよりきめ細かい服薬指導が行えるようになりました。
「データに基づいた服薬指導を行うことで、患者様からの信頼も深まりましたね。現在では、『飲み残しのお薬がどれくらいある』『日頃の食生活はこんな感じ』と、積極的に話しかけてくださるようになりました。医薬品の服薬はもちろん、糖尿病の患者様には果物の摂取量を控えるよう伝えるなど、より身近な指導も行えるようになりました」と堀井氏は語ります。
その取り組みの成果は、定量的な数値としても現れています。患者が処方された医薬品を適正に服薬しているか調査したところ、「ふじのくにねっと」非参加患者が約50%に留まっていたのに対し、参加患者は約93%にも達していました。

服薬指導で正しく服薬する患者が増加 調剤薬局の薬剤師が検査値に基づいた服薬指導を行うことで、正しく服薬する患者の割合が大幅に増加した。
調剤薬局の薬剤師が検査値に基づいた服薬指導を行うことで、正しく服薬する患者の割合が大幅に増加した。

さらにフィールド・イノベーション活動が薬剤師会でも評価され、病院と連携し、薬剤師向けの講習会を開催。病院医師が、検査データの読み方と処方意図などの説明を定期的に行い、薬剤師のスキルアップにつなげています。佐々木氏は「かかりつけ薬局ではすべての医療機関の処方情報が把握できますので、『薬の見張り番』として、大きな効果があると感じています」と続けます。

薬剤師向け説明会を開催 薬剤師向けの説明会を実施。中核病院の専門医が講師となり、適正な服薬指導に必要な医療知識を薬剤師に伝えていった。
薬剤師向けの説明会を実施。中核病院の専門医が講師となり、適正な服薬指導に必要な医療知識を薬剤師に伝えていった。

病病連携で脳卒中対応を強化

「患者を運ぶ前に診断画像を」受け入れ準備に大きな成果

第3段階の取り組みとなる病病連携では、救急患者への一次処置を行う「地元病院」、専門的な治療を施す「専門病院」、入院終了後の回復処置を担当する「リハビリ病院」の連携を推進。高度救急医療を効率的に提供できる体制を目指しました。対象疾病には、万一の発症時に一刻も早い対応が求められる脳卒中を選定。
「しっかりとした救急救命体制を確立するためには、お互いに機能を補完しあわなくてはならないので、患者様の情報を共有することは非常に重要なポイントでした」と田中氏は説明します。
この取り組みを進めるにあたり、FIerはまず脳卒中連携における業務プロセスの洗い出しと整理を実施。それぞれの病院内の業務の流れや、病院間での搬送・受入れプロセスなどを可視化していきました。そしてこの結果を元に、病院間の業務連携が特に必要となる「救急」「転院」の2点を活動領域として設定。「ふじのくにねっと」の利用促進活動を展開していきました。

ふじのくにねっとを活用した脳卒中連携のプロセスを整理 FIerは脳卒中連携における業務の流れを整理。「救急」と「転院」に着目し、効果的な連携を行うための体制作りを支援した。
FIerは脳卒中連携における業務の流れを整理。「救急」と「転院」に着目し、効果的な連携を行うための体制作りを支援した。

中東遠総合医療センター 副院長 兼 脳神経外科統括診療部長 兼 脳血管内治療センター長 市橋 鋭一氏の写真

中東遠総合医療センター
副院長 兼 脳神経外科統括診療部長
兼 脳血管内治療センター長
市橋 鋭一氏

活動により、大きな成果を上げた掛川市の中東遠総合医療センター 副院長 市橋 鋭一氏は「地域の中小病院でも、CTやMRIなどの画像を診断し、迅速・適切な処置を施せる専門医が不足していることが従来の大きな課題でした。そこで今回は、最初に患者様を受け入れた病院からふじのくにねっとで画像や検査データを転送してもらい、当院の専門医と共有することで対応の迅速化を図っています。現在では画像を見ながら電話で、処置に必要な投薬(t-PA)のコンサルテーションを行ったり、患者様が当院に搬送されてくる前に手術準備を整えておくことが可能になっています。脳卒中は迅速な処置が求められる一方で、対応できる専門医の数は限られています。『ふじのくにねっと』を活用し、遠隔地の医療機関にアドバイスや指示ができるようになったことは大変大きな成果です」と、今後の更なる活用意欲を見せます。

脳卒中処置における遠隔診断モデル 地元病院から中核病院に対して速やかに画像データや検査値を転送。手術を要する患者の迅速な受け入れが可能になった。
地元病院から中核病院に対して速やかに画像データや検査値を転送。手術を要する患者の迅速な受け入れが可能になった。

転院日数の短縮にも貢献

全員で議論し病院間をまたがる業務を改善

さらに、森氏は専門病院からリハビリ病院への転院プロセスについて振り返った。「従来は病院間で定期的に情報交換を行うような仕組みがなく、転院に必要な患者情報をいかに共有するかが課題でした。当病院でも地域連携室が相手病院と、基本的に紙文書ベースでやりとりしているので、どうしても時間や手間が掛かっていました」。
こうした状況を改善すべく、FIerは各病院の関係者を一堂に集めたワークショップを開催。転院プロセスに関する課題の共有と改善に向けた議論を進め、最新治療経過情報の提供や、それに基づくベッド調整などの具体的な施策を取りまとめました。
「今まではなかなか直接顔を合わせて議論する機会がなかったので、ワークショップを通して病院間のコミュニケーションを活性化できたことは大変良かった。転院日数を短縮して病床利用率を高めることは、厳しさを増す病院経営の改善にも役立ちます」と森氏は語ります。

病院関係者を集めたワークショップ 転院プロセスの課題共有から、具体的な施策決定まで議論が交わされた。
転院プロセスの課題共有から、具体的な施策決定まで議論が交わされた。

複数の医療機関にまたがるプロセスを可視化し、ICTと人をつなげた今回のフィールド・イノベーション活動。さらに現在では、この活動を一歩進めた「脳卒中連携シート」による病院間連携も始まっています。このシートでは、脳卒中の発症から転退院までの経緯と回復状況を「ふじのくにねっと」で管理。これまでの治療経過が容易に把握できるため、「回復期医療を担当する医師にとって非常に有用なツールとなる」(森氏)ことが期待されています。
院長の田中氏は「『ふじのくにねっと』は病診薬連携のほか、訪問介護や過疎地医療など様々な場面で活用されています。今後も積極的に普及促進に取り組み、更なる連携の強化や、高度で無駄のない医療の実現を目指します」と展望を話します。
そして森氏は、今回のフィールド・イノベーション活動を振り返って次のように語りました。
「医師の皆様はなかなか時間が取れないので、FIerが中核病院や診療所の現場を見てきてくれたのは、大変助かりました。地理的に離れた医療機関同士が連携を図っていくのは難しい面もありますので、FIerがお互いの思いを伝えながら、人と人を結び付ける役割を果たしてくれたことには大変感謝しています」。

お客様プロフィール

ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル協議会(ふじのくにねっと) 様

事務局:静岡市葵区北安東4-27-1
運用開始:2011年4月
参加機関:32病院203診療所(2016年1月現在)
URL:http://www.fujinokuni-net.jp/Open a new window
静岡県における地域医療連携ネットワーク「ふじのくにねっと」の運営母体。中核病院、地域の診療所、調剤薬局が相互に情報を共有し、それぞれの機能を活かした医療サービスを提供することで、地域医療の向上や医療資源の有効活用を推進している。

FIer

今回のプロジェクトを通して

写真左から、成冨 稔彦、菅原 広美、内山 敬太、栗原 弘幸全国で地域医療連携ネットワークの導入が進む中、地域への普及や利活用に苦労している地域も多いと聞きます。
今回のフィールド・イノベーション活動では、地域の複数の医療機関の方々と連携し、現場での利用実態を可視化するとともに、メリットや効果を共有し、地域医療連携ネットワークを有効利用する運用モデルの構築をお手伝いしました。また、病院間の方々によるワークショップを実施し、患者さんの転院を効率的に行うための改善検討を進めました。ICTを導入しただけでは、利活用が進まなかったことが、プロセスを可視化し、人とICTをつなぐ役割をフィールド・イノベータが担ったことで、利活用の促進につながりました。さらに、お客様のお客様である患者様の命を救う脳卒中モデルの構築を支援し、社会貢献に寄与できたことを大変嬉しく思っています。

【導入事例(PDF版)】

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[2016年4月 公開]

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