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事例紹介 会津若松市 様

会津若松市 様 公共 営業・サービス

市民窓口サービスを職員の意識から改革市民満足度向上の仕組みを自律改善で生み出す

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会津若松市 市民部 市民課様では、市民窓口サービスの向上を目指してフィールド・イノベーションを導入。フィールド・イノベータ(以下、FIer:エフアイヤー)と共に職員の意識改革に取り組み、窓口業務の効率化や接遇の向上など、数多くの改善に成功。さらに今回の経験を、自律的な改善・改革活動の継続強化に役立てています。

【 課題と効果 】
  • 停滞した自律改善活動をもう一度活性化したい
  • 市民窓口サービスの最前線である市民課職員の意識を変えたい

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  • 「目標を共有する、数字で測る、業務に組み込む」という活動継続の仕組みを確立
  • 小さな成功を積み重ねていくことで意欲的に改革に取り組む職場風土を醸成
  • 市民窓口サービス満足度を10%以上向上

壁に突き当たった自律改善活動を活性化したい

第三者の着眼力による職員意識の改革

名城・鶴ヶ城や東山温泉など数々の観光資源に恵まれた歴史と伝統の街、会津若松市。近年は、市民一人ひとりのライフスタイルに合わせて最適な行政情報を提供する地域情報ポータルサイト「会津若松+(プラス)」を開始するなど、先端ICTを行政サービスに活かしています。
また市民部 市民課では、より最適な市民窓口サービスの実現を目指し、市民課の職員全員で自律改善活動を2012年に開始。当時市民部の部長であった会津若松市 水道事業管理者 吉田 秀一氏は、活動の背景を「市民課には、年間10万人以上もの方々が訪れます。ここで提供されるサービスの質を向上することは、市役所と市民の皆様との信頼関係を深める上で非常に重要です。そこで、市民課職員の意識改革をさらに進め、市民課を市役所全体の改革をリードできる職場にしたいと考えたのです」と説明します。

水道事業管理者(前 市民部長) 吉田 秀一氏の写真

水道事業管理者
(前 市民部長)
吉田 秀一氏

同課の職員は、「接遇向上」「フロアマネージャ(以下、FM)の配置」などの分科会を設置して改善に着手。顧客向けサービス品質の高さで定評のある民間企業や金融機関での研修なども実施し、その成果は庁内でも高く評価され、優秀賞表彰を受けました。
しかしその後、活動は壁に突き当たります。市民課 課長 廣瀬 源氏は「改善活動をずっと継続していくのは容易でないことが分かってきました。日常業務と両立しながら、どう改善・改革をマネジメントしていくかもなかなか確信が持てない。その結果、2013年後半から、活動が停滞しはじめました」と振り返ります。

市民部 市民課 課長 廣瀬 源氏の写真市民部 市民課
課長
廣瀬 源氏

こうした状況を打破するために着目したのが、富士通のフィールド・イノベーションです。吉田氏はその経緯を「当市の健康増進課の活動成果発表を聞き、フィールド・イノベーションに強い関心を持ちました。最大のポイントは、活動の主役は職員自身だということ。まず自らの意識が変わらないと、改善・改革活動を定着させることはできませんから、これは非常に期待が持てると感じました」と説明します。また、廣瀬氏も「自分たちだけでの活動に限界を感じていたこともあり、客観的な第三者視点で改革に取り組めるのは大きな魅力でした」と語ります。

事実を定量的・視覚的に可視化する

データと映像により現場感覚と事実の違いを痛感

市民部 市民課 総務グループ 永島 健一郎氏の写真市民部 市民課
総務グループ
永島 健一郎氏

こうして2014年9月より、フィールド・イノベーション活動がスタートしました。推進役のFIerは、自律改善活動が停滞した理由を探るべく、職員へのインタビューや事実可視化を行ないました。
永島 健一郎氏は「インタビュー結果から、職員の活動に対する意識や目標がそれぞれ異なり、役割や立ち位置も明確でないことが分かりました。市民課全員が目指す姿を共有できていないと、達成感も得られませんし、目的意識も薄れがちになります。また、改善活動を本業の片手間と捉えている、やるべきことよりもできることが優先されているといった点も見えてきました」と振り返ります。
さまざまな手法を駆使した事実可視化でも、見ようとしてこなかった事実が次々と明らかになりました。まず市民の来庁傾向の分析では、10時30分と13時30分に大きなピークがあることが判明。また、窓口周辺のビデオ映像からは、「記載台で書類記入→窓口へ申請」という望ましい動線パターンは全体の6割弱しかなく、来庁者が行きたい部署が、庁舎のどこにあるか分かりにくいなどの事実が見えてきました。適切な誘導・案内をするためのFMも、実際にフロアに出ているのは一日あたり1.5~2時間程度に留まっており、FMがいないと全体の受付時間が長くなることも明らかになりました。

一日の来庁者数の動向「昼頃は忙しい」という意識は職員も持っていたが、実際に来庁者数を分析してみると2つの大きなピークがあることが判明した。

「昼頃は忙しい」という意識は職員も持っていたが、実際に来庁者数を分析してみると2つの大きなピークがあることが判明した。

来庁者の動線パターンを可視化現場観察(3日間)での可視化の結果を分析すると、「記載台→窓口」の望ましいパターンは6割弱しかないことが分かった。

現場観察(3日間)での可視化の結果を分析すると、「記載台→窓口」の望ましいパターンは6割弱しかないことが分かった。

さらに、申請・届出書の処理プロセスをある種の生産ラインと見立てて分析したところ、受渡トレイ上に滞留している時間が全体の10~30%あることや、認証工程がボトルネックであることが分かりました。加えて、事務スペース内に物が溢れていて職員が机の間を縫って移動していました。整理整頓を促進するために、フォトレトロ・スペクティブという技術を用い、日頃からムダと感じている部分を職員自身に写真で表現してもらいました。

職員によるムダの写真撮影 今回活用した技術の一つ「フォトレトロ・スペクティブ」。職場内のムダと感じる部分を職員自身がカメラで撮影して、気づきの共有を図った。

今回活用した技術の一つ「フォトレトロ・スペクティブ」。職場内のムダと感じる部分を職員自身がカメラで撮影して、気づきの共有を図った。

永島氏は「薄々気づいていたようなことも、実際にデータや写真として提示されると全く見え方が変わります。たとえば昼頃に窓口が混むことは分かっていましたが、正確な時間帯は掴んでいなかった。事実に基づいて改善・改革を進めることの大事さを改めて痛感しました」と語ります。

お客様の波に合わせた臨機応変な窓口機能の実現

お客様の波に合わせた人員配置を組み、スムーズな書類の流れと職員の動線を両立

可視化された事実を元に、「1.バランスの良い人員配置」「2.スムーズな窓口応対と内部処理」「3.動線の良いレイアウト」「4.FMの立居振舞いの進化と深化」「5.お客様を迷わせない案内表示」の5点を重点課題に設定し、市民窓口サービス満足度向上に向けた具体的な施策を展開していきました。

目標施策体系図 活動目標である「市民窓口サービス満足度向上」を実現するために、5つの重要課題を設定。それぞれのテーマごとに改善の具体的な施策へ展開していった。

活動目標である「市民窓口サービス満足度向上」を実現するために、5つの重要課題を設定。それぞれのテーマごとに改善の具体的な施策へ展開していった。

市民部 市民課 住基グループ 小池 知美氏の写真

市民部 市民課
住基グループ
小池 知美氏

「1. バランスの良い人員配置」については、シフト表の作成や窓口開設数の見直しを実施。従来は、市民課の住基担当者だけで回していたシフトを、課全体でのシフトにしてピーク時にもしっかり応対できるようにしました。また、お昼休みを二交代制とし、来庁者が集中する時間帯に職員が手薄にならないようにしました。
小池 知美氏は「以前は限られた人員でやりくりしていたため、急な休みなどの調整に苦労していましたが、課全体で担当することで、余裕を持ってお客様の波に合わせた人員配置が行えるようになりました。また、この取り組みで各グループ間のコミュニケーションが良くなったことも大きな成果と感じています」と語ります。

市民部 市民課 住基グループ 関根 圭子氏の写真市民部 市民課
住基グループ
関根 圭子氏

さらに、申請・届出処理の効率化については、「2. スムーズな窓口応対と内部処理」が威力を発揮。以前は受付順に処理していたため、認証に時間が掛かるものがあると、その後の書類がすべて滞っていました。そこで時間の掛かる書類や、書類が5件以上溜まった時には、その場で副担当に廻すよう運用を変更。加えて、お客様を順序良く窓口にご案内する受付ルールも策定しました。
関根 圭子氏は「書類の滞留時間を約6割も削減できました。今回の取り組みを通して、共通の目的に向かって力を合わせることの大事さを強く感じましたね。そこで成果が生まれると、嬉しさも皆で共有できます」と語ります。

市民部 市民課 住基グループ 五十嵐 由美子氏の写真

市民部 市民課
住基グループ
五十嵐 由美子氏

「3. 動線の良いレイアウト」では、庁内のスペース不足解消という難題に挑戦。絶対的な広さは変えられませんから、徹底的にムダを排除しました。保管期限切れの文書や不要な机、書架などを廃棄。さらに、職員の固定机の一部を廃棄し、共有机に置き換えるといった大胆な施策にも踏み切りました。これにより、お客様スペースは従来の1.9倍に拡大。一方、狭くなった事務スペースは、レイアウトに工夫をこらし、職員の動線は以前よりもスムーズになりました。
五十嵐 由美子氏は「ムダではないかと感じつつ、そのままになっていた状況を変えられたのはとても良かった。お互いが撮影した写真で職場内のムダを共有できたことも大きかったですね。現在も日々の小さな気づきを貼り出す『ムダ取りボード』を設置して、環境の維持改善に努めています」と語ります。

お客様視点での誘導と案内掲示を実現

小さな気づきの共有と蓄積が本物のお客様視点の接遇へ

「4. FMの立居振舞いの進化と深化」の焦点は、FMがきちんとフロアで対応できる体制づくりでした。伊藤 文徳氏は「問題は、FMを本業の片手間と捉えていたことです。FM業務は第一優先と認識を改めると共に、シフト表の作成や立居振舞いのマニュアル化も実施。さらに業務後の振り返りと改善の蓄積を繰り返して、活動の継続とスパイラルアップを図りました」と語ります。

市民部 市民課 住基グループ 伊藤 文徳氏の写真

市民部 市民課
住基グループ
伊藤 文徳氏

ここで活用しているのが、Keep、Problem、Tryの頭文字を取った「KPTボード」です。良かったことや問題点、改善すべき点の共有を図るこのボードを休憩室に設置し、FM業務終了後の一息ついた時に、ちょっとした気づきを気軽に書き込んだり、他の職員の考えや行動などをゆっくり眺められるように工夫しています。 「今回の活動は、問題をまず職員全員で共有し、その原因を探ることからのスタートでした。FIerが、なぜ問題が起きるのかを徹底的に追求するのも、『なぜなぜ』の先にこそ問題の本質が隠されているからで、これを明らかにしないと、真の解決にはつながらないということを学びましたね。現在もFM業務の振り返りや教育にビデオ映像を用いるなど、FIerから会得した手法を積極的に活用しています」と伊藤氏は語ります。

市民部 市民課 戸籍グループ 佐藤 綾氏の写真市民部 市民課
戸籍グループ
佐藤 綾氏

「5. お客様を迷わせない案内表示」では、他部署と連携して改善を図りました。同市の本庁舎は1937年建設の歴史ある建造物で、内部の構造が少々複雑です。可視化による分析でも、市民課の窓口に来る人の3割が目的の部署の場所を尋ねていました。
そこで、総務課や人事課と協力し、新たな案内表示板の設置や案内方法の改善に着手。この結果、市民課窓口で行き先を尋ねる方は大幅に減少しました。佐藤 綾氏は「他課と共同での改善活動は初めてですが、いろいろなアドバイスや指摘が大変参考になりました。また、目線の低いご高齢の方や車椅子の方には、案内表示だけでなくお声がけも大切と気付けたことも良かったですね。改善後はお客様から感謝の声を頂く機会も増えました」と振り返ります。

KPTボードと来庁者向けの案内板 小さな気づきを改善に活かすために活用されている「KPTボード」と、来庁者が分かりやすいように改善された案内表示板。

小さな気づきを改善に活かすために活用されている「KPTボード」と、来庁者が分かりやすいように改善された案内表示板。

小さな成果の積み重ねが「やればできる」という自信に

目標成果までの道筋共有がお互いの協力関係を助長

一連の施策は、活動目標の市民窓口サービス満足度向上にもしっかりと結びついています。「来庁者に毎月アンケートをお願いしており、活動開始当初約72%だった市民サービス満足度は80%以上に向上。目標の85%達成が視野に入ってきました」と永島氏は語ります。
改善・改革に対する取り組み姿勢も、以前とは大きく変わりました。廣瀬氏は「通常の職階制とはまた違った形でチームを組み、お互いに協力し合いながら改善できたことは、職員にとっても貴重な経験になりました。また、FIerの支援やさまざまな手法も非常に役に立ちました。例えば、FIerが提示してくれた『施策・成果状態図』で、どのような道筋で目標を目指すのかが明確になりました。『やればできる』という自信を深められたことは、今後の業務にも大いに活かせると確信しています」と語ります。

施策・成果状態図 一例 フィールド・イノベーションによって、市民窓口サービス満足度が高まっただけでなく、職員のモチベーションや満足度も向上した。

フィールド・イノベーションによって、市民窓口サービス満足度が高まっただけでなく、職員のモチベーションや満足度も向上した。

さらに会津若松市では、今回の成果を全庁へと広げていく構想も描いています。吉田氏は今後の展望を「市役所では数年おきに人事異動がありますので、まずは市民課での改善・改革を継続することが肝心です。一人ひとりが市民課の課員であることに誇りを持てば、それが自信や勇気となり、新たな職場風土を築くことにもつながっていくはず。今回の活動に携わった職員には、ぜひ将来の異動先でもこの経験を活かしてもらいたいと考えています。健康増進課、市民課と続いたフィールド・イノベーションですが、市役所内には60以上の課が存在します。これらが一つひとつ変わっていけば、市民の皆様にも、より市役所の変革を実感して頂けることでしょう」と語りました。

お客様プロフィール

会津若松市 様

人口:121,593名(2015年12月1日現在)
URL:http://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/Open a new window
福島県西部、会津盆地の東南に位置する地方自治体。猪苗代湖や磐梯山などの自然に囲まれ、数多くの観光資源も有する。ICTや環境技術を地域活性化に活かす「スマートシティ会津若松」も推進中。

FIer

今回のプロジェクトを通して

左から、石川 真之、渡邊 俊孝、大川 直勝

「お客様(市民)に満足頂ける窓口サービスにしたい」こんな思いを市民課の皆様はお持ちでしたが一歩を踏み出せずにいたように感じました。ならば、きっかけと仕掛けが整えば動き出せると思いました。
そこで、全員に思いを吐き出していただき、目指す方向を決め、問題を共有することから始めました。それを受け、お客様や職員の動きを可視化し、手続のボトルネックの存在等をお伝えしました。全員で施策を決めてからは着実に実行され、特に「改善活動は業務の一部」とした意識改革が成果を得る大きな要因になりました。
改善は今も継続されており、自分達で作られたFMの正しい振る舞いを伝えるビデオマニュアルを見せていただきました。高い改善意識あってのもので驚きとともにうれしく感じました。

【導入事例(PDF版)】

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[2016年3月 公開]

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