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事例紹介 帝人株式会社 様

帝人株式会社 様 製造 人事・総務・経理

グループ統合を機に人事・総務業務を改革 業務のムダを排除し大幅な効率化を実現

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企業の土台を支える管理部門。その業務を改革することは、ビジネスの成長にも大きく関わってきます。繊維・素材事業を手がける帝人株式会社様では、人事・総務本部の業務改革を目指しフィールド・イノベーションを導入。フィールド・イノベータ(以下、FIer:エフアイヤー)と共に業務のムダ取りや改善に取り組み、約500時間の作業時間削減や円滑な情報共有の実現など、多くの成果を上げることに成功しています。

INDEX
  • 1 人事・総務本部の改革に挑む
  • 2 4グループを対象に活動を開始
  • 3 業務のムダ取りを推進
  • 4 KPTでグループ共通課題を解消
  • 5 お互いの業務状況を見える化
  • 6 本業への注力が可能に
  • 7 業務のあり方も見直す
  • 8 少数精鋭の業務環境を実現
  • 9 お客様概要
  • 10 Fler 今回のプロジェクトを通しての感想

人事・総務本部の改革に挑む

グループ統合に伴う業務量増加への対応が急務に

帝人株式会社 帝人グループ執行役員 人事・総務本部長 早川 泰宏氏の写真「Human Chemistry, Human Solutions」のブランドステートメントの下、高機能繊維・複合材料、電子材料・化成品、ヘルスケア、繊維製品、IT事業など、幅広い領域でビジネスを展開する帝人。現在は中期経営ビジョン「CHANGE for 2016」に基づき、ソリューション提供型事業への進化を目指しています。
その同社において今回実施されたのが、人事・総務本部における業務改革プロジェクトです。帝人グループ執行役員 人事・総務本部長の早川 泰宏氏は、プロジェクトの背景を「当社では2012年に組織再編を行い、従来のホールディングス制を改め帝人本社への統合・集約を図りました。帝人全体が一体となり、企業としての総合力をさらに高めていくことが目的です。しかし、これに伴い、人事・総務本部の業務範囲が拡大。限られた人員で、より効率よく業務をこなす必要に迫られたのです」と振り返ります。

帝人株式会社 人事・総務本部 人財開発・総務部長 藤本 治己氏の写真さらにこの時、単なる効率化よりもさらに一歩踏み込んだミッションが与えられました。業務量がこれまでより増加するにも関わらず、組織体制の最適化を図るために30%の人員削減を行うことが求められたのです。
同社 人事・総務本部 人財開発・総務部長 藤本 治己氏は「このミッションが決して容易でないことは明らかです。しかし元々人事・総務本部でも、ビジネスに貢献できる新たな施策をどんどん展開し、仕事の質も高めていきたいと思っていました。そのためには、どちらにせよ今抱えている業務を効率化・省力化しなくてはなりません。ちょうど当社では『One Teijin』コンセプトに基づく改善・改革活動を全社的に進めていましたので、人事・総務本部がその先駆けとなって、業務改革に取り組もうと考えました」と語ります。

4グループを対象に活動を開始

情報共有やコミュニケーションに課題を抱える現場部署

帝人株式会社 人財開発・総務部 人財開発グループ長代理 辻倉 正一氏の写真今回、改革に取り組んだのは、人事・総務部門に所属する「東京総務グループ」「採用グループ」「人財開発グループ」「健康管理室」の4グループです。各グループとも、それぞれの業務において様々な悩みを抱えていました。
たとえば、東京総務グループでは「社内のあらゆる部署から問い合わせが寄せられ、その対応に多くの時間と労力を費やしている」、採用/人財開発グループでは「外出や出張が多く、部門内でのコミュニケーションがなかなか円滑に行えない」、健康管理室では「過去から実施している様々な健康管理施策の整理が十分に行われていない」といった具合です。
同社 人財開発・総務部 人財開発グループ長代理 辻倉 正一氏は「総務・人事本部では、スタッフ全員が業務に対する強い使命感を持っています。しかし、それぞれが自らの責任を果たそうとするあまり、かえって仕事のノウハウや情報の共有が進まなくなる面もありました」と明かします。

帝人株式会社 人財開発・総務部 健康管理室 看護師 産業カウンセラー キャリアコンサルタント 道村 緑氏の写真また、同社 人財開発・総務部 健康管理室 道村 緑氏も「当グループは主に医療従事者で構成されていますので、企業におけるマネジメントの概念があまりスタッフに浸透していません。業務全体を俯瞰するような余裕もなかなか持てず、目の前の業務をこなすのに精一杯な状況でした」と振り返ります。
もちろん、人事・総務本部においても、こうした点を解消するための活動は行われていました。しかし、なかなか思うような成果が上げられない状況が続いていたといいます。藤本氏は「やはり社内だけの活動では、効果的な改善手法も分かりませんし活動を継続することも難しい。これを打破するには、外部の第三者の力を借りる必要があると考え、フィールド・イノベーションの導入に踏み切りました」と語ります。

業務のムダ取りを推進

ワークショップで400件弱のムダを抽出

フィールド・イノベーションの推進役であるFIerは、まず業務の現状を把握するためのインタビューをスタッフ全員に実施。また、「フィールド・イノベーション活動終了後も、社内で自律的に課題解決に取り組めるようにしたい」との要望が寄せられたことから、講師役となって様々な改善・改革手法を伝授していきました。
さらに、これと並行して、業務のムダをなくしていくための取り組みにも着手。プロジェクトのキックオフとして実施されたワークショップでは、4つのグループに所属するスタッフ27名に、日々の業務の中でムダと感じている点を挙げてもらいました。「ここで集まったムダの数は、全部で395件にも上ります。これだけのムダが明らかになったこと自体も有益でしたが、もう一つ大きかったのがコミュニケーション面での効果です。今まではグループの枠を超えて話し合う機会がなかったので、全員で率直に意見を交し合う場が持てたことは非常に良かった」と辻倉氏は語ります。

395件のムダを抽出 プロジェクト開始直後に開かれたワークショップでは、日頃の業務の中でムダと感じている点を全員で指摘。その結果、395件ものムダが明らかになった。

また、藤本氏も「プロジェクトオーナーである我々に対しては、改革の指針となるビジョンを提示するよう求められました。そこで考えたのが『従業員に喜ばれる人事・総務本部を目指す』ということです。単に社内制度の設計・運用をサポートするだけの組織なら、別に外部委託でも構わないということになりかねない。人事・総務本部の価値を向上するには、現場の課題を解決するための支援を能動的に提供し、従業員から信頼される組織にならなければなりません」と語ります。

KPTでグループ共通課題を解消

グループ共通業務のムダ取りで作業時間を153時間削減

同社ではワークショップで表出した課題を元に、業務のムダ取りを行うための具体的な取り組みも進めていきました。ここで用いられたのが、「KPT」と呼ばれるPDCA法です。これは「Keep」「Problem」「Try」の頭文字を取った手法であり、課題の明確化(P)と改善活動(T)、改善状態の維持(K)の3段階のステップを踏むことで、様々な業務課題の解消を図ります。各グループの職場にはホワイトボードを利用したKPTボードが設置され、毎日の朝会の5分間を利用して課題点の共有や解決に向けた議論を行いました。
「ここでポイントとなったのが、毎週1回FIerが各グループの進捗状況を確認しに来てくれたことです。第三者のチェックが入ると、活動をおろそかにできません。また、各グループ同士でもお互いのボードの状況が目に入りますから、自ずとグループの活動にも力が入ります」と藤本氏は語ります。

KPTボード 業務のムダ取りにはKPTボードを活用。Problem、Try、Keepの3つのステップを踏むことで、効率的な業務環境を作り上げていった。

そうして得られたムダ取りの成果として、まずメール業務の効率化が挙げられます。メールの作成や送受信などに多くの時間が費やされていることは、4グループに共通した課題でした。
「たとえば人財開発グループの場合、担当者の予定に合わせてアシスタントがリマインドメールを送信するようにしていました。しかし、KPTによるムダ取りで、これは本当に必要なのかという疑問が提起されました」と辻倉氏は説明します。その他にも、社内メールの文面はもっと簡素で良いのではないか、CCの送り先は最小限にすべきではないか、概略が分かるような件名を付けるべきではないかなど、様々な提案が行われました。これらを反映して新しい部内ルール作成した結果、1ヶ月あたり約9時間の作業時間削減に成功しました。
また、メール以外にも、ファイルサーバの整理や会議室予約、文具の手配方法など、4グループに共通する様々な業務を見直した結果、全部で80件のムダ取りと合計153時間もの作業時間が削減できたのです。

お互いの業務状況を見える化

コミュニケーションボードで進捗状況を的確に管理

帝人株式会社 人財開発・総務部 採用グループ長 上沼 敏博氏の写

各グループ個別の改善活動では、KPTボード以外の手法も活用されています。たとえば採用グループでは、独自で発案した「コミュニケーションボード」を利用して業務の進捗管理や情報共有の効率化を図っています。
同社 人財開発・総務部 採用グループ長 上沼 敏博氏は「採用グループは、外出や出張が頻繁にあります。しかも以前は、担当者-アシスタント間の連絡が口頭で行われることが多く、他のスタッフが予定を掴めない、不在時に電話が入っても適切な応対が行えないなどの問題がありました」と説明します。

そこで、新たに設置されたコミュニケーションボードでは、ボード全体を「To Do」「Doing」「Done」の3つのエリアに分割。各担当者が月初めにその月の予定をTo Doエリアに貼り付け、仕事が進捗する度にDoing/Doneエリアへと動かしていく手法を採用しました。上沼氏は「このボードを見れば、今誰がどの仕事を行っているのか、どれくらい進んでいるかが一目瞭然。他の人の状況が分からないという問題は解消できますし、もし進んでいない仕事があれば、我々管理職としても迅速にフォローが行えます」と語ります。
また、これと同時に、採用活動で利用するパンフレット等の整理や、グループ内での連絡体制強化も実施。その結果、業務に関わる情報を全員で共有できるようになり、アシスタントが担当者の外出直前にあわてて資料を用意するといったこともなくなりました。

コミュニケーションボード 新たに導入されたコミュニケーションボード。To Do/Doing/Doneの3エリアに付箋を貼り付けることで、各担当者の業務の進捗状況が一目で分かるようになった。

本業への注力が可能に

グループ全員が一体となって業務を遂行

情報共有/コミュニケーションの円滑化は、人財開発グループでも同じように課題でした。辻倉氏は「当グループでは社内向けの教育研修を実施していますが、その数が非常に多く内容も多岐にわたることから、誰がどういう動きをしているのかがなかなか掴めませんでした。また、仕事の段取りも複雑なので、異動時に業務の引継ぎを行うのも大変でした」と振り返ります。
そこで、同グループでも、コミュニケーションボードを活用してグループ内業務の見える化を実施。その結果、お互いの状況が的確に把握できるようになり、チームとして業務を進めることが可能になりました。辻倉氏は「研修では様々な資料を用意しますが、以前はこうしたものの作成や事前準備などに担当者が追われることも多かった。しかし、現在は各担当者の先々の予定が見えていますので、アシスタントが先回りして資料を用意しておいてくれます」と語ります。
こうした環境が整ったことで、担当者も本来の業務だけに力を注ぐことができるようになりました。辻倉氏と上沼氏は、「社内のいろいろな部署に足を運ぶことで、現場のニーズを反映した施策が打てるようになった」(辻倉氏)、「優秀な人財を採用するための活動に、より多くの時間を充てられるようになった」(上沼氏)と、フィールド・イノベーションの効果を高く評価します。
また、社内からの問い合わせ対応に多くの時間を取られていた東京総務グループでも、イントラネット上のFAQページの整備やマニュアルの拡充、業務の標準化など、様々な改善施策を展開。以前は一人1日あたり約3.7時間を要していた問い合わせ対応時間を半減させるなど、大きな成果を上げることに成功しています。

業務のあり方も見直す

業務の目的を再確認し、改善・効率化につなげる

一方、社員の健康維持を担う健康管理室では、これまでの業務のあり方を抜本的に見直しました。道村氏は「その一環として実施したのが、ストレス診断業務の再検討です。健全なメンタルヘルスの維持は、当社においても重要な課題。しかし、これまでのストレス診断の方法は果たして適正だったのか、そもそも実施する意味はあったのかを、もう一度原点に立ち返って見つめ直すことにしたのです」と説明します。
社内だけでは判断できない部分もあるため、同社では同業他社も含めた大手企業15社に対してアンケートを依頼し、他の会社の考えや実施状況を調べていきました。
「その結果分かったのは、やはり他社でもストレス診断を実施しており、その効果も実感しているということ。これでストレス診断を行うことの意義は確認できましたので、次に業務の非効率さを改めるステップに移行しました」と道村氏は続けます。
以前は業務に使用するデータが整理されておらず、様々な会議用の報告資料を作成するにも多くの工数と時間が掛かっていました。そこでFIerと共に、業務プロセスの棚卸しや改善活動を推進。道村氏は「今では必要なデータがすぐに引き出せますし、どのような資料が、どの会議で、どのように活用されているのかも明確です。これにより、経営層が求める情報を、迅速に提出できるようになりました」と語ります。
こうした取り組みが、社員の心身の健康維持に大きく寄与していることは間違いありません。さらに、もう一つ見逃せないのが、グループ内での結束が深まったことです。道村氏は「当グループは医療職の専門集団なので、今までは他の人の担当業務がなかなか分からない面もありました。しかし、全員で業務改善について話し合う機会が持てたことで、メンバー間での相互理解を深めることができました」と語ります。

少数精鋭の業務環境を実現

トータル500時間の削減と業務負荷軽減を達成

約半年間にわたるフィールド・イノベーション活動を通して、同社では多くの成果を上げることに成功しました。まず時間的な面では、グループ共通課題153時間+各グループ個別課題328時間と、合計約500時間もの作業時間削減を実現。藤本氏は「改善活動による効果はまさに明白。人員が減り仕事量は以前よりも増えているにも関わらず、スタッフの残業時間は減っています。また、全社的な改善活動の先陣を切って自ら改革に取り組み、実際にその成果を示せたことにも非常に大きい」と力強く語ります。

ムダの削減による作業の効率化 活動が進むに連れて、各グループが個別に実施した改善の成果も積み上がっていった。その結果、4グループ合計で328時間の作業時間の削減を実現している。

残業時間の比較 現在では統合前よりも少ない人員で多くの業務量をこなしている。しかしムダ取りと業務改善に取り組んだことで、残業時間はむしろ以前よりも減少している。

FIerの指導で身に付けた様々な改善手法も、自律的な改善活動を継続させていく上での大きな力となっています。「人事・総務本部内はもちろん、今回の活動を経験したスタッフが他部門に異動すれば、そこでも改善・改革の推進役を担うことができます。今後もこの効果をさらに社内に拡げていきたい」と藤本氏は語ります。
ちなみに同社では、改善・改革を定着させるためのユニークな取り組みも実施しています。その一つが「FI-Thank You賞」と呼ばれる報奨制度。活動で成果を上げたスタッフを食事会に招待することで、やりがいやモチベーションの向上につなげています。また、フィールド・イノベーション活動終了後には、活動の経緯と成果を記録したビデオを作成し、折々に見返して初心を忘れないように努めています。

FI-Thank You賞 改善活動へのモチベーションを高めるために実施された「FI-Thank You賞」。優れた功績のあったメンバーには、表彰や食事会への招待が行われた。

お客様概要

帝人株式会社 様

創立:1918年6月17日
資本金:708億1600万円
従業員数:15,716名(2014年3月末現在:連結)
URL:http://www.teijin.co.jp/Open a new window

FIer

今回のプロジェクトを通しての感想

左から、上村 紳一郎、武内 由佳里、柴田 章メンバーから「グループの人の状況がわかれば協力できる」、「一番の問題は問合せ対応では」などの言葉が出始めたとき、自らで動き出したと感じました。上司の方も常に一緒に考え、モチベーションを与えていただきました。我々FIerはお互いの悩みに気づき、皆で解決することに慣れ、継続できるようにFI手法を用いてサポートしてきました。職場のコミュニケーションボードで活動状況が見える化されているので、その変化を見ることが楽しみでした。
今後は、帝人グループ様内の変化の芽がいろいろなところに広がっていくと確信しています。

【導入事例(PDF版)】

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[2015年1月 公開]

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