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事例紹介 新潟市様

新潟市様 公共・教育 営業・サービス

「日本一の窓口」を創る!中央区・東区の自立的な業務改革活動

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新潟市では、2007年の政令指定都市移行以来、様々な市民サービス向上への取り組みを行なっています。そして、市長の「日本一の窓口を創る」という決意を受け、中央区・東区の両区役所では、窓口業務改革を目指してフィールド・イノベーションを導入。フィールド・イノベータ(以下、FIer:エフアイヤー)と共に課題の洗い出しや業務の見直しに取り組み、サービス品質の大幅向上を実現。現在も継続的な改善に取り組んでいます。

INDEX
  • 1 「人」・「プロセス」・「ICT」が一体となった業務改善
  • 2 なぜ「日本一の窓口」か
  • 3 事実の見える化が職員の気づきを促す
  • 4 中央区役所におけるフィールド・イノベーション活動
  • 5 東区役所におけるフィールド・イノベーション活動
  • 6 さらなる市民サービス向上に向けて
  • 7 お客様概要
  • 8 FIer

「人」・「プロセス」・「ICT」が一体となった業務改善

「人」の意識をいかに高めるかが鍵

組織や業務の中に潜む問題を見つけ出し、それを一つずつクリアしていく改善活動は、さらなる成長を目指すうえで欠かせない取り組みと言えます。
継続的な改善・改革は、「人」・「プロセス」・「ICT」の3つの要素が揃ってはじめて実現します。その土台となるのは「人」。活動の主役である「人」の意識が変わって初めて、「プロセス」や「ICT」が十分に機能します。
新潟市では、もともと市民サービス向上を目指す「さわやか運動」を展開するなど、高い改善意識がありました。そして今回フィールド・イノベーションを導入することにより、さらなるサービス向上に取り組みました。

フィールド・イノベーションの目指すもの 「人」「プロセス」「ICT」が一体となった継続的改革を実現するのがフィールド・イノベーション。その土台となるのは「人」である。

なぜ「日本一の窓口」か

更なる市民サービス向上のため窓口サービスのレベルアップを目指す

2005年に近隣13市町村との大規模合併を、2007年には政令指定都市移行を行うなど、伸びゆく街として発展を続ける新潟市。市民サービス向上施策にも積極的に取り組んでおり、品質マネジメントの国際規格であるISO9001認証も取得しています。その同市が2011年より新たに着手したのが、市民とのコンタクトポイントである区役所の窓口業務の改善でした。

新潟市長 篠田 昭氏の写真

市長の篠田 昭氏は、その経緯を「新潟市ではこれまでも様々なサービス向上施策を展開し、一定の成果を上げてきました。しかし、まだまだ充分とは言えない部分も残っており、その一つが窓口サービスの改善でした。私も『市長への手紙』などを通じて様々なご意見・ご要望を頂きますが、窓口に関わる内容がしばしば見受けられます。窓口はいわば『市の顔』ですから、その対応にご不満を抱かれるようなことがあってはなりません。窓口の分かりやすさ、きめ細かさ、さわやかさを、今まで以上に追求していく必要があると感じました」と振り返ります。

今回のプロジェクトの対象となったのは、8つの行政区のうち中央区役所と東区役所の区民生活課です。中央区は新潟市の中心部にあり、中央区役所は新潟市役所の中にあります。また、東区役所は新庁舎への移転を間近に控えていたため、今後に向けたモデル区役所としての役割が期待されました。

「区役所の窓口は市民の皆様が頻繁に訪れますので、市民サービスの向上に貢献する場所と言えます。区長や職員に対しては、改善活動に取り組むからには『日本一の窓口』を目指して欲しいと伝えました」と篠田市長は語ります。

窓口業務の改善には、業務に携わる全ての人々の参画が重要です。たった一人でも対応が不十分であれば、市民にとってはその印象が全てになってしまうからです。こうした事態に陥らないためには、外からの押しつけではなく、職員自身が自発的に改善・改革に取り組む体質を身に付ける必要があります。そこで同市が目を付けたのが、富士通のフィールド・イノベーションでした。

プロジェクト実行体制 住民票や戸籍に関する手続きなど、区民と接する機会が多い区民生活課を中心に、窓口業務の改善に取り組むことになった。

事実の見える化が職員の気づきを促す

「5本の柱」を策定し2つの区が改善に向けた活動に着手

FIerはまず、両区の職員に対してインタビューを行い、課題意識を把握しました。次に、窓口業務の現場観察を行いました。職員の接遇態度や来庁者の動線、庁舎内設備の状況などを詳細にチェック。現場・現物・現実の状況を徹底的に明らかにすることで、事実を見える化しました。さらに、市民へのアンケートも行い、現状の業務や応対をどう感じているかを調べました。こうした調査の結果は、両区の職員に大きな驚きを持って受け止められました。

FIerが両区の窓口業務の現状を調査

新潟市 東区 区民生活課 課長 伊部 直史氏の写真東区役所 区民生活課 課長 伊部 直史氏は「FIerから提示された事実は、我々にとって非常にインパクトの強いものでした。これまでは当たり前のように感じていたこと、たとえば業務処理の進め方や庁舎内設備の配置などに、様々な問題が潜んでいたのです。『市民の方々の目線で物事を考える』という、プラスαの発想が必要だったと痛感しました」と振り返ります。

新潟市 中央区 区民生活課 課長 上村 洋氏の写真中央区役所 区民生活課 課長 上村 洋氏も「第三者の視点で現状分析を行ってもらったことで、自分たちだけでは見えなかった問題を知ることができました。たとえば、職員によって応対品質にバラツキがあり、時にはお客様がご不満を抱かれていたケースもありました。現場観察やアンケート調査の結果を通して、こうした点に気付けたことは非常に大きかったですね」と語ります。

中央区と東区では、こうして明らかになった問題点を踏まえて、日本一の窓口を目指すための集中検討会を合同で実施しました。まずは制約にとらわれず、それぞれが考える理想的な区役所の姿についての意見を出し合いました。

ここでFIerが心がけたのが、自由に発言できる環境作りです。若手職員でも自分の考えを積極的に述べられるようにすることで、議論の活性化を図っていったのです。時には突拍子もない案も飛び出しましたが、それが明るいムード作りにも役立ちました。また、ある程度議論が拡がったら、今度は具体的な方針として絞り込むための後押しも行いました。

このような議論を重ねていくうちに、メンバーの間には次第に共感や業務改善に対する共通意識が生まれてきました。業務改善に対する意見を出し合ううちに、それぞれが同じ課題や問題意識を抱えていたことが分かったからです。また、より良いサービスを目指すためには、区役所に来庁される市民の方々を「お客様」と心得るべきとの認識も拡がっていきました。
集中検討会では、こうした議論の結果を集約し、活動の大方針となる「5本の柱」を策定。これを基に、中央区役所、東区役所のそれぞれで具体的な取り組みを進めていきました。

新潟市のフィールド・イノベーション活動スローガンと大方針 集中検討会において策定された活動スローガンと大方針。「5本の柱」にまとめられた大方針に基づき、両区役所での具体的な取り組みが進められていった。

中央区役所におけるフィールド・イノベーション活動

窓口業務の改善に始まり自発的に区役所全体に拡がる

中央区役所と東区役所ではきっかけや抱えている課題に若干の相違がありました。中央区では、若手職員を中心に業務改善の必要性は感じていたものの、それを実行に移せる場が整っていませんでした。

新潟市 中央区 区民生活課 区民窓口チーム 主査 牧野 堅太郎氏の写真

中央区役所 区民生活課 区民窓口チーム 主査 牧野 堅太郎氏は「業務を変えていきたいという思いは、以前から職員一人ひとりの心の中にありました。しかし、従来は課全体として改善活動を支援する体制がなかったので、個人レベルの活動に留まっていたのです」と当時の状況を振り返ります。

また、オフィスや商業・文化施設が集中し、新潟市の商業・経済の中心地である中央区は、同時に市内で最も人口の多い区でもあります。約80万人の新潟市民のうち、実に全体の4分の1近い約18万人が中央区で暮らしています。このため、区民生活課にも100名を超える職員が在籍しており、大所帯であるが故の悩みも少なくなかったといいます。

「同じ区民生活課の中でも、それぞれの係によって専門の業務知識が要求されます。しかも、様々な係の職員が業務に関わっているため、全体の流れを把握するのも大変です。このため、他の係が多忙で手が足りない時でも、手伝ってあげることがなかなか難しい面があったのです」と上村氏は説明します。

フィールド・イノベーション活動による窓口改善は、コミュニケーションを図る良いきっかけともなりました。中央区役所ではFIerを交えてワークショップを開催。課員それぞれが感じている問題点を綿密に検討し、これらを92項目の課題に分類・集約していきました。さらに注目されるのは、プロジェクトへの「全員参加」を掲げると同時に、課題解決に取り組むチームのリーダーやメンバーを立候補で決めるようにしたことです。

「もちろん最初は戸惑いもあるわけですが、一度自らのこととして改善に取り組み、そこで成果が見えてくると活動に弾みが付くんですね。すると本人もイキイキとしてきますし、雰囲気も盛り上がってきます。その結果、活動に参加する人が増えるなど、良い方向に回り出すのです。継続的な改善活動を続けていくためには、このように自主的な活動であることが重要と考えています」と上村氏はその理由を説明します。

プロジェクト初期には、小さな活動ですぐに効果が挙げられる「クイックウィン」に重点的に取り組み、早期に成功体験を得られるよう工夫しました。例えば誰かが自分を手伝ってくれた時には、感謝の意を示す「ハッピーカード」をボードに掲示し、やりがいやモチベーションを感じられるようにしました。
こうした取り組みの結果、区民生活課の雰囲気も大きく変わっていきました。全員参加による活動は一体感を生み、自分の業務と関連のある他の係の業務を自発的に学んでお互いに手伝い合うようになりました。また、お客様にとって最適なサービスとは何かを考えたうえで、接遇態度や庁舎内の案内設備なども見直すようにしました。

中央区の改善施策例 庁舎内の案内看板を分かりやすい表示方式に改めると同時に、来庁者がどの窓口に向かえば良いのかすぐに判断できるようにした。の写真

「自分が作った案内看板がお客様の役に立っているのを見た時などは非常に嬉しかったですね。時には、熱意が行き過ぎて無理な目標を掲げてしまうケースもありましたが、そうした際にはFIerが軌道修正してくれたので助かりました」と牧野氏はにこやかに語ります。

さらに注目されるのは、こうした活動が区民生活課の枠を越えて、中央区役所全体に拡がろうとしている点です。お客様視点でサービス改善を図ろうとすると、どうしても活動が他部門の管轄にまたがってしまうケースが出てきます。そこで牧野氏をはじめとする各課の若手職員が集まり、組織横断で新たなサービスに挑戦しようとしているのです。
「お客様サービスの向上はもちろんですが、若手職員が活躍できる場を創り出せたという意味でも、今回の活動の意義は大きい」と上村氏は手応えを語ります。

東区役所におけるフィールド・イノベーション活動

市民アンケートで高評価を獲得し改善活動を「区の文化」へ

今回もう1つの活動の舞台となった東区は、新潟空港と新潟西港を有し新潟市の空と海の玄関口としての機能を担っています。区の面積は新潟市内で2番目に小さい一方で、人口数は3番目に多いという特徴があります。いわば市内有数の人口密集地なわけですが、それにも関わらず地区事務所の施設だったのを区役所として使っていたため、旧区役所庁舎は非常に手狭であり、日々の業務に様々な支障を来していました。

「旧庁舎は建物が本館と分館に分かれており、各課の場所を把握するだけでも大変でした。また、お客様や職員の動線が考慮されていなかったり、待合い場所が狭くて繁忙期には大混雑するなど、かなり厳しい業務環境でした」と伊部氏は振り返ります。

新庁舎への移転を機にこうした問題の解決を図った東区役所ですが、フィールド・イノベーションの導入については、最初は二の足を踏む面もあったそうです。

新潟市 東区 区民生活課 課長補佐 杵鞭(きねむち) 義夫氏の写真東区役所 区民生活課 課長補佐 杵鞭(きねむち) 義夫氏は「区役所の移転だけでも相当な作業量であるうえに、その間も窓口業務は休まず動かしていかなくてはいけません。こうした状況でさらにフィールド・イノベーション活動もと言われても、果たして本当にその余裕があるのか正直不安でした」と打ち明けます。

こうした点を克服するきっかけとなったのが、先に触れた集中検討会やワークショップです。これまでの業務や庁舎内設備は、必ずしもお客様への心配りが十分ではないことがわかり、その事実を知ったことで、職員の意識も大きく変わっていったのです。

「お客様に対して最適なサービスをご提供することが区役所の役目ですから、新庁舎ではこれまでのご不満をすべて解消したいと考えました」と伊部氏は語ります。
手始めとして、伊部氏自ら毎朝窓口の前に立ち、お客様や職員への挨拶を行いました。また、接遇態度も全面的に見直し、「笑顔も交付できる窓口」の実現を目指しました。こうした行動は現場の職員に大きな影響を与え、様々な分野で自発的な改善活動が展開されるようになりました。

「たとえば新庁舎への移転後には、当課の課員からお隣の健康福祉課の業務を勉強したいとの申し出がありました。お子様がいる家庭が転入された際には、転入手続と同時に福祉関係の手続きも行いますので、その業務を知っておいた方がよりスムーズに対応できるとの考えからです。お客様の利便性のため、課を越えた活動も行うようになったことは、フィールド・イノベーションに取り組んだ大きな成果と言えますね」と杵鞭氏は語ります。

両区で行われたワークショップ 活動中に両区で実施されたワークショップの様子。現状の問題点を洗い出して壁に貼り出したり、意見を出し合ったりすることで、課題解決の糸口を探っていった。の写真

また、業務の勉強会だけでなく、小さなお子様向けのキッズコーナーの設置にあたっては、健康福祉課と協力して両課のカウンター前に広いスペースを確保しました。新庁舎への移転にあたってはFIerと共に新しい庁舎でスムーズに窓口業務を行なう為の準備をしました。その一環として行われたオープンリハーサルには中央区と西区の職員も参加。課を越えた連携だけでなく、区を越えた連携も拡がりつつあります。

東区のキッズコーナー キッズコーナーは区民生活課と健康福祉課が協力し、広いスペースの確保やクリーンな環境を維持している。の写真

こうした東区役所の取り組みは、市民からも好感を持って迎え入れられました。新潟市では区役所の窓口業務を評価する市民アンケートを定期的に実施していますが、フィールド・イノベーション活動後のアンケートで、初めて東区が1位となったのです。
「この結果は非常に嬉しかったですね。現場の提案をすぐに取り上げる体質を築いたことが、職員のモチベーション向上につながり多くの改善が実現できました。この体質改善を実現したメンバーの協力には感謝しています。区役所では定期的な異動がありますから、今後区民生活課でフィールド・イノベーションを経験した人材が他部門へ移れば、区全体にその効果を拡げられるのでは。区民生活課としても、改善活動を『区の文化』ひいては市役所全体の文化として定着させられるよう、今後も全力で取り組んでいきたい」と伊部氏は力強く語ります。

さらなる市民サービス向上に向けて

行政機関や民間企業の枠を越えすべての窓口の中で「日本一」を目指す

中央区役所、東区役所における一連のフィールド・イノベーション活動は、篠田市長からも高く評価されています。

「自発的な活動によって窓口業務を改善できたことは、現場の職員にとっても大きな自信につながったのではないでしょうか。実は、これには私も驚いたのですが、若手職員からは『日本一の窓口を行政機関の枠内だけで考えるのでは不十分。今後は銀行などの民間企業と比較してもトップクラスの窓口を目指すべき』との声も挙がっています。この盛り上がりをバネにして、今後も積極的に改善活動を進めていきたいですね」と篠田市長は語ります。

人の意識を変えることで、継続的に改革に取り組む体質が着実に根付き始めた新潟市。しかし、解決すべき課題はまだまだ少なくありません。市民への新サービス提供や課を越えた連携をさらに進めていくためには、プロセスや業務を支えるICTの見直しも必要になってきます。今後はこうした分野でもフィールド・イノベーション活動で得られた成果を役立てていく予定です。

お客様概要

新潟市様

人口:約81万人(2012年7月現在)
沿革:2005年に近隣13市町村と合併。2007年に政令指定都市となり8つの行政区を設置。
URL:http://www.city.niigata.lg.jp/Open a new window

FIer

新潟市様を担当しての感想

写真左から、渡部信雄、樽見寧、保元直、齋藤秀範の写真フィールド・イノベーション活動においては、実際に活動に取り組む人の意識と行動が重要な要素となります。そこで今回のプロジェクトでは、議論の活性化を図るために誰でも自由に発言できる雰囲気作りを心がけました。また、様々なアイデアを具体的な施策に落とし込むためのフレームワークもご提供し、両区役所における課題解決に役立てて頂きました。改善の成果を見て、市民サービスの向上に取り組む職員の皆様をお手伝いすることができて良かったと思っています。また、その成果がアンケート結果で実感できたのも嬉しかったですね。改善・改革の取り組みは今後も続いていきますので、これからもいろいろなお手伝いができればと思います。

【導入事例(PDF版)】

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[2012年10月 公開]

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