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事例紹介 大建工業株式会社様

大建工業株式会社様

エコ事業の成長を支える事業改革を推進 現場のモチベーションUPが改善活動を加速

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大建工業株式会社様では、住宅用建材に加え、その部材となる産業資材事業を手がけています。エコに配慮した同社の製品は、環境意識の高まりを受けて順調に売上げを拡大しています。こうしたなか、受注、在庫・配送手配、工場への生産依頼など、幅広い業務を一手に担う産業資材業務課では、生産性向上を目的に、フィールド・イノベータ(以下、FIer:エフアイヤー)を導入。FIerによって見える化された事実をもとに、現状の業務プロセスの効率化や全社標準化の重要性に気づき、改善に向けて取り組んでいます。

INDEX
  • 1 お客様課題と最初のトライアル
  • 2 FIerが業務の実態を見える化
  • 3 ワークショップで解決策を模索
  • 4 絞り込まれた課題と改善の第一歩
  • 5 誰もが予想しなかった成果へ
  • 6 お客様概要
  • 7 FIer

お客様課題と最初のトライアル

自律改善活動では手詰まり状態に

執行役員 産業資材営業統轄部長 畑島 正志 氏 産業資材営業統轄部 産業資材業務課 課長 齊藤 友紀 氏

今日のような環境意識が浸透するはるか以前から、一貫して「エコに配慮したものづくり」を掲げてきた大建工業様。同社の産業資材部門では、MDF(中密度繊維板)をはじめとする再生資源や端材等の未利用資源を活かしたエコ素材を扱っています。これらの製品はあまり一般の目に触れる機会は少ないものの、床材やキッチン、ドアなどを構成する重要な部材としてハウスメーカーや住宅設備メーカー、オフィス家具メーカーなどに提供されています。

近年の環境意識の高まりを受けて、エコ素材の需要は飛躍的に増加しています。特に海外工場で製造しているMDFなどは、供給が追いつかないほどの勢いで伸びており、今後もさらなる売上げ増が見込まれています。こうした事業拡大に対応すべく、組織の生産性向上が急務となりました。同社ではその対策のひとつとして、受注業務や各種の手配業務などを専門に行う部隊を営業部門から独立させ、全国4つの拠点からなる産業資材業務課(以下、業務課)という新たな組織を作り改善を進めました。

ところが、当時の状況を「業務課の業務は人に依存する部分が多く、実際のプロセスが経営トップから見えにくい点がありました。また、売上げの集計作業などに時間が掛かっており、経営に必要な情報をタイムリーに収集できない点も課題でした」と本プロジェクトのオーナーを務めた産業資材営業統轄部長の畑島氏は振り返ります。
また、本プロジェクトでリーダーを務めた産業資材業務課 課長の齊藤氏も、「従来は拠点ごとに業務ルールや帳票の書式などが異なっており、業務課全体として統一されたプロセスになっていませんでした」と語ります。

こうした課題の解決を図るため、同社は、社内から改善策の提案を募る、システム面での対応を模索するなど、様々な取り組みを行いました。しかし、現場から寄せられた様々な案も、「売上げ拡大への対応」という目的に結びつくかが分かりません。また、相談を持ちかけられた情報システム部門でも、業務運用そのものに問題があるかもしれない中で、新たなシステム投資に踏み切るのは困難でした。目指すべきゴール自体は共有できていても、どのような取り組みを、どのようなプライオリティーで進めるべきなのか判断が付かなかったのです。

改善活動当初の各層・各部門の思い

このような状況を自社の力だけで打開するのは難しいと考えた同社では、別のプロジェクトでも高い成果をあげた富士通のフィールド・イノベーションを、今回の業務課の業務改善プロジェクトでも採用することとなりました。

プロジェクト実行体制

Flerが業務の実態を見える化

4拠点の業務を徹底分析しそれぞれの違いが明らかに

今回のプロジェクトにおける最大の課題は、業務課が担当する業務の複雑さにありました。「商談は基本的に個別対応であり、個々の案件によってプロセスや条件が異なります。しかも、物流会社に対する配送や梱包方法の指示、在庫数が減ってきた際の工場への生産依頼、トラックへの積み合わせの工夫なども、すべて業務課の担当になります」と本プロジェクトでサブリーダーを務めた浦川氏は説明します。業務課は単なる受発注の窓口ではなく、ビジネスの根幹を支えるエキスパート集団としての役割を果たしているのです。

多様なノウハウが求められる業務課の仕事

今回のプロジェクトを担当した3名のFIerは、この複雑なプロセスを解きほぐすべく、徹底した現場観察による業務内容の詳細な分析を行っていきました。その結果、誰も説明できなかった業務の全体像に加え、業務の問題点や拠点ごとの違いが浮かび上がってきました。
その一例として、「電話取り次ぎの見える化」が挙げられます。多くの拠点で、自分宛の電話を受ける時間よりも営業など宛の電話を取り次いでいる時間の方が長く、業務課本来の業務がしばしば中断されていたことが分かりました。
また、FIerは、システムで収集した複数のデータを掛け合わせた複合的な分析も実施しました。これにより、従来は特定日に集中すると考えられていたデータ入力がそれ以外の時期でも頻繁に発生していること、在庫移転業務の負担が重い拠点があることなどが分かりました。

分析結果サンプル:システムデータ分析

分析結果サンプル:倉庫移転のパターン

FIerによって提供された様々なデータは、大建工業様に多くの気づきをもたらすこととなりました。現場の業務課スタッフからは、次のようなコメントが寄せられています。

産業資材業務課(東京) 一柳 氏

「以前より、業務内容の複雑さや月内の処理量のバラツキを何とかしたいという思いがあったので、今回このプロジェクトを行うことは私たちにとってとても意味のある大改革になると感じました。はじめに行った各自の業務作業のデータ化は時間・紙の無駄の多さに改めて気づかされ衝撃を受けました」(一柳氏)。

産業資材業務課(名古屋) 梶田 氏

「自分たちの拠点の忙しさはもちろん分かっていますが、今までは他の拠点がどうなのかを知る術がありませんでした。しかし、全拠点の仕事内容を同じ基準で比較できるようになったことで、拠点ごとの仕事の進め方の違いや、改善すべき点などが客観的に見えるようになりました」(梶田氏)。

産業資材業務課(大阪) 山根 氏

「現場観察によって大きく変わったのは、今までの常識を疑うようになったことですね。たとえば従来なら、『伝票の集中する月末は残業が当たり前』という感覚でした。しかし、果たして本当にそうなのか、やり方を変えることで残業しないで済ませる方法もあるのではと考えるようになったのです」(山根氏)

そのほか、産業資材営業統轄部スタッフに対するアンケート調査も全事業所で実施。その結果を元に「Mission(使命感)」「Passion(自発性)」「Relation(連帯感)」からなるMPR分析を行ったところ、Rが強い拠点、Pが強い拠点など、拠点ごとに大きな意識の違いがあることが分かりました。プロジェクトのリーダー/サブリーダーは、分析結果について次のように話します。

産業資材営業統轄部 産業資材業務課 浦川 茂雄 氏

「MPR分析には地域ごとの特性が見事に表現されているので、結果を見て思わず唸ってしまいましたね。やはり社内の力だけでは、ここまで深く掘り下げた分析は難しい。業務の現状や仕事への意識を、第三者の視点で客観的に評価してもらえたことは非常に良かったと思います」(サブリーダー/浦川氏)。

ワークショップで解決策を模索

自主的な活動が一体感と改善意識を生む

FIerによる分析や見える化の結果を受け、実際に課題を改善するための場として設けられたのが「明るく・楽しく・元気良く」をモットーに全部で13回開かれたワークショップです。現在抱えている問題についての共通認識を持ち、全員で解決に向けた道筋を探るのがこの取り組みの目的です。
この活動で特に注目されるのが、リーダー/サブリーダー自身が主導的な役割を果たした点です。初期のファシリテーションこそFIerが行いましたが、その後はリーダー/サブリーダーが中心となって議論を進めました。FIerはその間、ワークショップを円滑に進めるためのデータ提供を行うなど、黒子となってリーダー/サブリーダーを支える役割に徹しています。

業務改善会議の様子

ワークショップで実施された具体的な内容としては、各拠点の業務内容についての情報交換、課題カードによる課題抽出と分類、現場スタッフによる意見交換、課題の整理・優先順位づけ、施策の検討が挙げられます。
各拠点の取り組みを写真に撮ってお互いに紹介したり、カードセッションを通じて意見を出し合ったりしている内に、メンバーの間には次第に強い一体感と協調意識が生まれてきました。自分が所属する拠点内のみに留まらず、業務課全体としてどうあるべきかという考えを持つようになったのです。
こうした変化をもたらすことができたのも、全員参加によるワークショップが活発な議論の場になったからです。誰かに仕方なくやらされているという意識では、前向きな意見も活動も生まれてきません。しかし、FIerによって分かりやすくなったデータにより課題解決の方向性が見出され、また、意見を出し合う活動を繰り返すことで、自発的な改善意識が芽生えはじめたのです。
プロジェクトリーダーの齊藤氏は「ワークショップという全員で話し合える場を作ってもらったことは、プロジェクトを円滑に進める上で非常に良かったと感じています。お互いに感じていることを率直に話し合うことで、新しい意見やアイデアがたくさん生まれました。また、業務課だけでなく営業にも話を聞くことで、全員参加の意識も持てるようになりました。最初こそ慣れない部分もありましたが、FIerがうまくリードしてくれたこともあり、次第に議論が盛り上がっていきました。一度助走がつき始めてからは、どんどん勢いが増していったという印象です」と語ります。

絞り込まれた課題と改善の第一歩

現場のモチベーションが改革の原動力になった

ワークショップによって抽出された課題の数は、全部で301件にも上ります。これらを「ICT」「人」「プロセス」の3つの観点で整理し直してみると、プロセスに関わるものが全体の約2/3を占めていることが分かりました。つまり、プロセス改革なくして業務全体の改革はあり得ないということです。
そこで業務課スタッフは時間をかけずにすぐに成果がでるもの(クイックウィン)から取り組みました。

抽出した課題

たとえば、先に触れた電話取り次ぎについては、業務課スタッフと営業スタッフの電話番号を分け、営業の電話は営業が受けるようにしました。月末に集中していた伝票処理も、月内の手の空いた時期に前倒しするなどして、できるだけ分散化を図るようにしました。さらに、拠点間の在庫移転についても、書類の書式や承認プロセスの簡素化を図ることで、手間を掛けずに在庫をやりとりできるようにしました。その結果、業務効率化を阻んでいた様々な課題が、一つ、またひとつと徐々に職場から消えていきました。
こうした小さな成功の積み重ねは、業務課スタッフの意識を少しずつ変えていきました。「今までのやり方にとらわれる必要はない」「アイデアを出し合えばもっと良くなる」という意識が、「自分たちで業務を変えていける」という強いモチベーションへとつながっていったのです。そしてこのことが、事前には予想もし得なかった大きな成果へと結びつきました。

業務課スタッフは、今回の取り組みを通じての感想を次のように語ります。
「改善活動の後、普段なら忙しい締めの時期に、ふと、あまり残業をしていないことに気付きました。こんなに効果が出るのなら、じゃあ、次は何を変えていこうかという意識を持つようになりました」(梶田氏)。
「会社や営業部門が業務部門の仕事に注目し、改善の結果などを高く評価してくれたのは嬉しかったですね。きちんと自分たちを見ていてもらえるのだという意識は、仕事へのやりがいにもつながります」(山根氏)。
「まず、この活動を意識することを強く心がけています。結果、営業部門や拠点同士の横のつながりとも密接にコミュニケーションがとれるようになり、より一体感が強まったと感じています。」(一柳氏)。

誰もが予想しなかった成果へ

目標達成に充分な手応え 今後も自主的な改善を継続

8か月にわたる改善活動の成果は、「売上げ拡大への対応」という当初の課題を解決するに十分なものとなりました。事業の成長によって業務量が59%も増加しているにも関わらず、残業も含めた実働時間は逆に23%も減らすことができたのです。もちろん業務課スタッフの人数は変わりません。
その裏側に、FIerによる業務の見える化や、クイックウィンをはじめとする地道な活動の積み重ねにより、芽生え根付いていった改善・改革への現場の強いモチベーションがありました。こうして、自主的に業務を変えていこうとする革新体質が組織全体に根付いたからこそ、これほどの効果があげられたのです。そしてこのことは、まさにこのプロジェクトが目指したゴールでもありました。

8か月で処理量は59%アップ、実働時間は23%ダウン

今回のプロジェクトの成功は、今後に向けた経営戦略においても大きな意味を持っています。プロジェクトオーナーの畑島氏は、「当社では現在、【ずっと、暮らす。地球と暮らす。『くらし価値』創造企業DAIKEN】をビジョンとする新中期経営計画を進めています。産業資材営業統轄部では、100期目の節目となる2015年度までに、現状の業務課の人員を増やすことなく売上げ50%アップを目標としていますが、FIerと共に改善活動を進めたことで、この中期経営計画での目標を達成する手応えが得られました。これは会社にとって非常に大きな意義のあることです。また、社長をはじめとするマネジメント層にも現場で活躍するスタッフ一人ひとりの顔が見え、経営と現場の距離が近くなったことも嬉しいことでした」と満足げに語ります。

もっとも、業務改善に向けた活動がこれで終わったわけではありません。優先的に実施したプロセス改革に続き、これからは情報システム環境の改善にも力を入れていく予定です。その一環として現在進めているのが、富士通のパッケージを利用したデータ入力システムの構築です。

「こうしたシステムが効果を発揮できるのも、事前にプロセス改革を進めていたからこそ。これからも、自分たちの力で継続的な改善に取り組んでいくことが重要だと考えています。そこで、フィールド・イノベーションを実施した企業同士が改善・改革を研究する富士通のFIコミュニティなどにも積極的に参加し、知見を深めるようにしています。今後は物流業務など他の業務にも今回の成果を展開し、改善・改革の取り組みをさらに広めていきたいですね」とプロジェクトリーダーの齊藤氏は抱負を語ります。

地球環境保全に対するニーズは、今後も一段と高まることが予想されます。大建工業様の産業資材事業がさらなる飛躍をしていくために、ビジネスの成長を、フィールド・イノベーションがしっかりと下支えしていきます。

お客様概要

大建工業株式会社様 概要

設立:1945年9月26日
資本金:131億5,003万9,080円(平成23年3月末現在)
従業員数:3,189名(連結:平成23年3月末現在)
URL:http://www.daiken.jp/Open a new window

FIer

大建工業株式会社様を担当しての感想

写真左から、宮本博世、梶原章弘、江川博之

今回のプロジェクトで嬉しかったのは、お客様から「FIerは社内の誰よりも産業資材業務課の業務を理解している」と言って頂けたことと、我々の関与が減り、お客様主体の活動に移行してからも、継続して成果が拡大していることです。今後も「人を主役にした改革」を支えるべく、全力を尽くしていきたいと思います。

営業

住建産業営業部 マネージャー 玉手伸司

今回の産業資材関連業務を見える化する活動に参画し、様々な効果を達成できたことは、営業、FIerにとっても大きな喜びでした。もっとも、改善に向けた取り組みは、まだまだ続いていきます。我々としても、今後もお客様のビジネスを支えるパートナーとして、引き続き貢献していきたいと思います。

【導入事例(PDF版)】

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[2012年1月 公開]

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