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「はやぶさ」プロジェクト

「はやぶさ」とは

『はやぶさ』は小惑星探査を目的に開発された探査機です。小惑星「イトカワ」に近づき、その表面から物質のサンプルを持ち帰ること(サンプルリターン)を目的としています。この人類初のミッションを担い、7年間・60億kmもの長旅を終えた小惑星探査機『はやぶさ』。その立て役者が、富士通の「軌道決定システム」であることはあまり知られていませんがそのストーリーをご紹介します。

「はやぶさ」プロジェクト

『はやぶさ』プロジェクトは、たとえるなら「富士山の麓(地球)と頂上(「イトカワ」)間で、蟻同士がキャッチボールをするようなもの」。つまり、途方もないスケールで、緻密で一貫した「軌道」のオペレーションが求められるプロジェクトである。
その「軌道」の決定を担ったのが富士通である。何の道しるべもない宇宙空間において『はやぶさ』の軌道を、統計処理によって導き出す役割だ。もし計算に間違いがあれば、その後の「軌道計画」も「軌道制御」も見当外れなものになってしまう。

富士通の大西はこの「軌道決定」チームのリーダーを務めていた。「日本の宇宙開発とともに歩んできた30年以上の歴史があり、『軌道決定』には経験がある富士通でも、初採用のイオンエンジンでは苦戦した。」と語る。世界最先端の技術のため、あらゆるデータを収集・分析し、あらゆる可能性を検討する地道な作業が続いた。打ち上げ前の想定しうる限りの作り込みに加え、打ち上げ後もシステムを改良し続け、その精度を限界まで高めていったという。

このプロジェクトにおける最後のミッションは、『はやぶさ』が「イトカワ」から持ち帰ったカプセルを、着地予定地点であるオーストラリアのウーメラ砂漠に届けるというものだった。99.99%の精度が要求される。決して失敗は許されない。
これまで以上に求められる精密誘導に備え、NASAに協力を仰ぎ、米国・欧州・豪州のアンテナを総動員。大西は、チームのメンバーとともに24時間体制で管制室に籠もった。何度も軌道修正を繰り返し、愚直に成功の確率を高めていく。
『はやぶさ』が地球から約190万km地点に迫ると、最終「軌道制御」が完了。その4日後、大西達が告げた最後の軌道決定値に基づき、カプセル回収班が動き出した。あとは、固唾を飲んで見守るのみだ。カウントダウンが始まる。「3・2・1・ゼロ!」のコールと同時に、カプセルは無事ウーメラ砂漠に飛び込んできた。約7年におよぶ『はやぶさ』の旅が終わりを迎え、大西をはじめ、企業の枠を超えた数多くのプロジェクトメンバー達の努力が実を結んだ瞬間であった。

―挑戦者にしか見えない明日がある。大西は、少年時代に宇宙に魅せられ、夢中になって望遠鏡を覗き込んだ。大学へ進み、本格的に宇宙の研究に取り組むようになると、それでは飽きたらず、「宇宙は見るだけではなく、開拓するもの」という考えに至り、その実現を夢見て富士通に入社した。『はやぶさ』はそんなビジョンに、一足跳びで迫ってくれた。次なる明日を見据え、大西のグローバル(世界規模)を越えた、ユニバーサル(宇宙規模)な挑戦は続く。

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