Skip to main content
  1. ホーム >
  2. 株式会社東京証券取引所 様
Tokyo Stock Exchenge

Never Stop! 世界最高の信頼性を追求し、
株式売買システム「arrowhead」を刷新

株式会社東京証券取引所 様

システムの稼働後に小さなトラブルも出ないなんて初めての経験です。上流工程で徹底的にバグを取り除く意識を、当社と富士通で共有できたことが奏功しました。

IT開発部 トレーディングシステム担当 統括課長 細川 健一 様

Human Centric Innovation Human Centric Innovation

東京証券取引所は、処理スピードで世界トップクラスを誇っていた株式売買システム「arrowhead」を2015年9月に刷新し、注文処理スピードを旧システムから3倍に高速化。「アルゴリズム取引」の普及などで飛躍的に増加した売買注文をより高速に処理できるようにし、システム障害や誤発注が発生した際の影響を最小限に抑える仕組みも導入することで、市場の信頼性と安全性においても世界最高水準を達成。

PDF(Book2)をダウンロードする (4.23 MB)


目標性能の5倍を達成し、世界トップクラスのシステムに

株式会社東京証券取引所様(以下、東証)は、世界でも大きな市場の1つであり、上場銘柄数は国内株や外国株、ETF、REITを合わせて約3,800銘柄。日々の売買代金は3兆円を超えます。

これだけ大規模な取引を支えているのは、「arrowhead」と呼ぶ株式売買システムです。「Challenge“10”msec」を旗印に掲げ、1件の注文に10ミリ秒未満で応答する性能を目指して富士通と開発したarrowheadは、目標の5倍に相当する2ミリ秒の性能を達成して2010年1月に稼働、その後も性能改善を重ね、リニューアル直前には1ミリ秒を達成しました。注文処理スピードを競い合っていた世界の取引所の中でもトップクラスを誇る性能で、世界経済の一翼を担ってきました。

信頼性と安定性の一段の向上を目指し
稼働から3年でリニューアルを計画

arrowheadは注文処理のスピードだけでなく、安全性の面でも世界最高水準と言える実績を誇っていました。しかしながら、東証は2012年12月にarrowheadのリニューアルに乗り出しました。稼働からわずか3年で刷新に踏み切った理由を、IT開発部の細川健一統括課長は次のように説明します。「短時間での注文集中が従来と比べものにならないほど増え続けており、処理の安定化を追求し続けることが大切です。加えて、市場の信頼性と安全性を担保する必要性が、以前に増して求められるようになってきました。」

背景には、健全な取引を揺るがしかねない事象が、海外で頻発するようになっていたことがあります。例えば、2012年8月にニューヨーク証券取引所で、100を超える銘柄の株価が乱高下する異常事態が発生しました。原因は、売買を自動で行う「アルゴリズム取引」のために、大手証券会社が用いていたプログラムの不具合でした。短時間に大量の誤注文が相次いで取引所に送られたことで、市場は大混乱に陥りました。

この事件は、100分の1秒に満たない時間で大量に注文される市場と売買システムのリスクを浮き彫りにし、東証にとっても、他人事ではありませんでした。

システムの構成を全面的に見直しIAサーバで高信頼性と高速性を両立

東証は高速化を前提にしつつ、取引所の信頼性と安全性を最優先テーマに掲げ、ハードウェアからソフトウェア、処理ロジックにいたるまで全面的に見直しました。

ハードウェアは、最新の高性能プロセッサがいち早く搭載されるIA サーバを全面採用、約200台のFUJITSU Server PRIMERGYを導入しました。ソフトウェアについては、高信頼性を担保するためにインメモリデータ管理ソフトウェアFUJITSU Software Primesoft Serverが採用されました。「高性能のIAサーバと高い信頼性を実現するソフトウェアの組み合わせでシステムを構成することによって、スピードと高い信頼性を両立する」と考えてのことだと細川様は話します。注文処理のスピードを旧システムの3倍に当たる300マイクロ秒まで高速化したことに加え、異常を検知したサーバを積極的に停止し、システムから切り離すことで、正常なサーバで処理を確実に引き継げるようにしました。

さらに東証は、誤発注などを想定した新たな機能も実装。証券会社側のプログラムが暴走して誤発注した場合、証券会社からの設定に基づき当該プログラムからの注文を中止するとともに、発注済みの注文を自動的に取り消すことができる仕組みを設けたことで、市場への影響を最小限に食い止められるようにしました。

上流工程でのバグ出しを徹底 高品質を確保し、ノートラブルで稼働

新arrowheadは2015年9月より大きなトラブルもなく稼働しており、多い時には1日1億件以上、1分間で140万件にも達する注文を処理しています。ここまでの品質を当初から確保できた秘策はプロジェクトの進め方にあります。

プロジェクトの上流工程で徹底的にバグを出す方針を打ち出すとともに、「要件定義は東証」「設計は富士通」と責任を明確にしました。そしてプロジェクトに参画した東証のメンバー80人と富士通の技術者300人の一人ひとりが、上流工程でのバグ出しを着実に実践。その結果、下流工程で見つかるバグは前回の10分の1にまで減少し、十分なテストを経た後に新arrowheadを稼働させることができました。細川氏は「稼働後に全く問題が出なかった経験は初めてです」と語り、プロジェクトのメンバーの健闘をたたえています。

東証は今後、AI(人工知能)やビッグデータなどの新しいテクノロジーを取り入れ、高度なインテリジェンスを持たせる方向でarrowheadを成長させていく考えです。

お客様情報

所在地 東京都中央区日本橋兜町2-1
設立 1949年
従業員数 429人(2015年3月31日現在)
URL http://www.jpx.co.jp/Open a new window(日本取引所グループ)

[ Published in 2016 ]

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞などは掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。また、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。


金融の事例


ビジネスを成長させるためには?(ビジネスリーダーの方におすすめ)

デジタル革新を実現させるためには?(ITリーダーの方におすすめ)

5分でわかるデジタル革新

GTM-NPL52N