世田谷区様
総合窓口システム

集中入力センターとの連携で待ち時間短縮と
窓口業務の職員負荷を軽減
現場の声を反映しつつスピード導入

世田谷区役所 第一庁舎 外観

区民満足度向上の次なる施策として窓口運用全体の見直しに着手した世田谷区様は、スモールスタートが可能な富士通の総合窓口システムを採用。入力業務を集約する「集中入力センター」導入成功のカギは、柔軟な運用ルール策定とそれに対応可能な総合窓口システムにありました。

課題
効果
課題来庁者の待ち時間を短縮したい
効果窓口で来庁者の必要な手続きの申請をまとめて受付。総合窓口システムを活用して集中入力センターによる入力の集約化を行い、繁忙期などの窓口負荷の軽減を図ることで待ち時間を総合的に短縮
課題窓口業務の混乱を避けたい
効果スモールスタートが可能な独立型の総合窓口システムにより、利用窓口、集中入力センターの処理量、対象手続きを段階的に拡大することが可能
課題将来的に住民情報系基幹システムとデータ連携したい
効果既存の住民情報系基幹システムとのデータ連携が可能な総合窓口システムにより、事前申請やマイナンバーカードを活用した申請支援など、さらなる業務改革を推進可能

システム導入の背景

さらなる区民サービスレベルの向上へ

東京都世田谷区様は人口90万人以上を抱える大都市自治体です。また、三軒茶屋や下北沢、二子玉川、成城をはじめ全国的に有名な商業地や住宅街を擁し、それぞれ地域ごとに特性を持っていることから区内を5つの地域に分けて総合支所を設置。本庁・総合支所・出張所などが行政機能を分担・連携しています。 このように本庁へ行かなくても引越しや結婚、出生などの各手続きができる体制は以前から整えていましたが、さらなる区民サービスレベルの向上を図るために、世田谷区様は施設の環境整備も含めた窓口運用全体の見直しに着手しました。

待ち時間の総合的な短縮を目指す

誰にとっても便利で使いやすい窓口を目指して世田谷区様がキーワードとしたのは、「わかりやすく親切な窓口」「安心で快適な窓口」「効率的な窓口」です。そこで「総合窓口」の運用を決定し、待合スペースの改善、番号発券機システムの導入、フロアマネージャーの配備などとともに、窓口の入力業務の一部を支援する「集中入力センター」を新設することにしました。 集中入力センターのスケールメリットについて、世田谷区 住民記録・戸籍課 住民票集中管理・住居表示担当係長の北口学氏は次のように語ります。「3月から4月にかけての引越しシーズンは、どの窓口も転入届で混雑します。さらに、例えば大規模な中高層マンションが建ったり留学生の入寮が集中したりするような特定の時期は、一部の窓口だけが混雑します。こうした時に集中入力センターで入力業務を請け負うことで窓口での入力作業時間が短縮され、ひいては区民満足度を高めることにつながると考えました」。

東京都世田谷区 住民記録・戸籍課 住民票集中管理・住居表示担当係長 北口 学 氏の写真東京都世田谷区
住民記録・戸籍課
住民票集中管理・
住居表示
担当係長
北口 学 氏

新システム選定のポイント

連携を見据えつつも独立したスモールスタートが可能

選定にあたってはいくつかの要件がありました。世田谷区様が指定するクラウドプラットフォームで稼働するパッケージであること、約6カ月で導入できること、そして窓口業務の従来フローを維持するために「届出書のデータ化および伝送」や「作業進捗管理および状況共有化」の機能が必須でした。「我々が考え得る要件に最後まで手を挙げたのは富士通のみで、かつ他の大都市自治体での運用実績もすでにあったことから実現可能と考えました」(北口氏)。
また、窓口業務の混乱を回避するためにスモールスタートを方針としつつも、将来的には住民情報系基幹システムとのスムーズなデータ連携も必須でした。「この点でも基幹システムのベンダーである富士通と開発することが効率的であると考えました。またSEさんのデモ内容にも、期待感、信頼感を感じました」(北口氏)。

世田谷区様 運用イメージ世田谷区様 運用イメージ

窓口では来庁者から届出書を受け取りスキャンして電子化。入力依頼を受け取った集中入力センターは、届出書の電子データをもとに入力・確認処理を実行(処理の進捗は、窓口のパソコン画面から常時確認可能)。完了通知を受け取った窓口が内容を確認後、帳票を印刷して来庁者へ交付する。ただし入力処理は窓口でも実行可能であり、担当者が状況によって判断できる。

集中入力センター の写真集中入力センター

新システムの導入にあたり

窓口職員による協議会でルールづくり

従来の運用に「集中入力センター」という新たな運用が共通して加わるため、各窓口職員との連絡調整は不可欠でした。そこで世田谷区様は、経験豊富な各窓口のリーダー的存在で構成される「窓口支援システム運用検討部会」を設置。部会で出た要件を北口氏のチームが取りまとめて開発へ反映し、その結果を部会へフィードバックするサイクルを繰り返しました。
窓口運用全体の見直しが同時並行する多忙な中で、機能の一つひとつを確認しながらのルールづくりは大変なことですが、「短い開発期間での“後戻り”は致命的です。中途半端な議論でつくったシステムは現場も使いたくないですから」と北口氏。「総合窓口システム(区名称:窓口支援システム)や集中入力センターは、あくまで窓口の道具。他の自治体の運用事例も参考にさせていただきながら、我々の運用に合った形にブラッシュアップしていきました」。

柔軟な運用と情報共有で現場に配慮

パソコン操作があまり得意ではない職員も想定しながら、誰もが使えるシステムづくりを最優先に開発を進めました。また、すべての届出書を集中入力センターで処理するのではなく、処理依頼の判断は窓口の都合やタイミングに任せるというルールにしました。
「まずは集中入力センターの活用で事務処理が軽減されることを、少しずつ体感してもらうことにしました」(北口氏)。
具体的には、窓口のパソコン画面から集中入力センターの負荷状況や受付ごとの進捗を確認できるようにしました。例えば、集中入力センターが混んでいれば窓口で入力したり、来庁者に入力処理の状況を伝えたりできるため、「お待たせしているのに自分は何もできない」という窓口の精神的負担の軽減にもつなげました。窓口運用を大幅に変えることなく、集中入力センターの運用を行うことで、窓口職員の負荷軽減を図るとともに、窓口職員の集中入力センターへの信頼を得ていくようにしました。

導入効果と今後の展望

繁忙期の窓口業務の迅速化・効率化に効果

2017年10月1日から集中入力センターの運用をスタート。翌春の繁忙期を迎える頃には集中入力センターの活用も浸透し、窓口での待ち時間の短縮や窓口職員の負荷軽減など、集中入力センターのスケールメリットが活かされています。
また、入力内容を複数人が各端末の画面で同時に確認できるようになり、紙を使っていた以前の運用よりも入力ミスの減少や確認時間の短縮に一定の効果が見られました。加えて、繁忙期には遠隔の執務室に応援体制を敷くことができました。「人員体制の変更にもシステム上柔軟に対応できる点は、今後の体制検討のうえで重要」と、総合窓口システムの柔軟性も北口氏は評価しています。

さらなる区民サービスの向上に向けて

総合窓口システム導入の副次的効果として、入力内容・件数・受付時刻・所要時間などのログデータが詳細に取得できるようになりました。北口氏は「今まで感覚的に理解していた繁閑を視覚化できるようになりました。これをシステム側で統計的手法によって分析できれば、より効率的な事務運用に利活用できるのでは」と、総合窓口システムの今後の機能強化に期待しています。 スモールスタートによって一定の評価を得られたことから、システム対象や機能の拡充はもちろんのこと、いよいよ住民情報系基幹システムとのデータ連携も現実的なものとなってきました。「今後はインターネットによる事前申請や、マイナンバーカードを活用した申請支援、AIを活用したOCRによる届出書の自動読み取り、受付時の届出書代行作成など、さらなる可能性を見据え、区民満足度向上と事務処理の効率化に取り組んでいきたいと考えています」(北口氏)。

富士通はこれからも、自治体の皆様が目指す住民サービス向上に最適なソリューションを提供してまいります。

住民記録・戸籍課住民票集中管理・住居表示の皆様 前列左より 課長 住谷 純子 氏、担当係長 北口 学 氏、後列左より 主任 丸田 一美 氏、主任 水谷 真理子 氏 の写真住民記録・戸籍課 住民票集中管理・住居表示の皆様
前列左より 課長 住谷 純子 氏、担当係長 北口 学 氏
後列左より 主任 丸田 一美 氏、主任 水谷 真理子 氏

世田谷区様 概要

所在地東京都世田谷区世田谷4-21-27
代表者世田谷区長 保坂 展人
人口907,124人(2018年8月1日現在)
世帯数479,023世帯(2018年8月1日現在)
ホームページhttps://www.city.setagaya.lg.jp/

[2018年10月2日掲載]

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