佐賀市様
福祉総合窓口システム、MCWEL 障がい者福祉システム

福祉総合窓口システムで福祉サービスを
「世帯単位・提案型」化。
障がい者システムの一新で問い合わせ対応品質を向上し職員間の情報を共有

佐賀市役所 庁舎外観

佐賀市様は、「世帯単位・提案型」の福祉サービス実現のためには、相談者の多くが自身の困りごとにとどまらず、家族を含めた複合的な問題を抱えている点に着目。世帯構成員の福祉サービス利用状況や各課の相談履歴を共有できる『福祉総合窓口システム』を採用。富士通パートナー企業との徹底した作り込み作業により、他自治体の総合窓口システムのベースとしても通用するシステムを実現しました。同時に、『MCWEL 障がい者 V2』の導入により相談対応の品質向上と、住記・税システムとの連携による業務効率化を実現。市民サービスと業務効率の同時レベルアップという成果を手にしています。

課題
効果
課題これまでの「個人単位・受付型」福祉サービスを「世帯単位・提案型」にしたい
効果世帯構成員の福祉サービス利用状況を一覧しながら利用可能なサービスの候補、各課の相談履歴を共有できる『福祉総合窓口システム』を導入し、「世帯単位・提案型」を実現
課題障がい福祉業務窓口の相談対応の品質をより向上させたい
効果MCWEL 障がい者 V2の受給サービス一覧機能、メモ機能により、職員間の情報共有が可能となり、問い合わせ対応がより迅速、確実になった
課題障がい福祉業務の効率化を図りたい
効果住記・税システムとの連携により、住所変更手続きのお知らせ、受給要件の確認作業が容易に。また、データ抽出機能の活用により検索・抽出作業が効率化した

システム導入の経緯

『福祉総合窓口システム』を導入された経緯についてお聞かせください

福祉総務課  当市は2014年からトップダウンで「世帯を単位とした最適な福祉サービスの提案」に取り組んでいます。近年、少子高齢化に伴う社会環境の変化により、福祉ニーズは複雑・多様化し、市民にとって分かりづらいものになっています。また職員にとっても業務内容をすべて把握するには極めて幅広い知識と経験が求められるものとなっています。そのため、サービス提供や困りごとに対する各種相談はそれぞれの担当部署で個別に対応していました。しかしこれでは、世帯全体を捉えた本質的な課題の解決は難しいのです。
そこで当市は、保健福祉の事案が個人にとどまらず、その家族を含めた複合的な問題が多いことを鑑み、世帯を単位とし部署横断的なサービスを提案・提供できる福祉総合窓口システムの構築に踏み切ったのです。

システム導入と同時に、本庁舎1階の窓口も改装しましたね。どのようなお考えに基づいたのでしょうか

福祉総務課   当市庁舎は築後45年を数え、耐震化工事の必要があったため、改装を機に、本庁舎1階窓口をリニューアルしました。この窓口のコンセプトは、「分かりやすく・つながる・やさしい」窓口であり、市民をなるべく動かさず、複合的なお困りごとを抱える市民の方に、職員が移動してワンストップで対応するというものです。市民の方がいろいろな課の窓口に足を運ぶのではなく、最初に相談があったところに、関連する部署の職員が移動して対応するものです。これにより、解決の糸口を探すために関係課の職員が集まり、情報共有することで、早期の課題解決が図れると考えました。
また、関連した手続きの窓口を「子ども」「届出・証明・保険年金」「福祉」と大きく3つにゾーニングするとともに、市民の方の複合的な相談もワンストップで対応することで、移動距離も短くなり、さらなる市民の利便性を高めます。

佐賀市役所 保健福祉部 福祉総務課 参事兼副課長兼室長 森 留美子 氏の写真佐賀市役所 保健福祉部
福祉総務課 参事兼副課長兼室長
森 留美子 氏
佐賀市役所 保健福祉部 福祉総務課 窓口機能向上推進室 西村 幸大 氏の写真佐賀市役所 保健福祉部
福祉総務課
窓口機能向上推進室
西村 幸大 氏
佐賀市役所 保健福祉部 障がい福祉課 生活支援一係 主事 伊佐 真太 氏の写真佐賀市役所 保健福祉部
障がい福祉課
生活支援一係
主事  伊佐 真太 氏
佐賀市役所 保健福祉部 障がい福祉課 障がい総務係 原 大貴 氏の写真佐賀市役所 保健福祉部
障がい福祉課
障がい総務係
原 大貴 氏

システムの採用理由

富士通の『福祉総合窓口システム』を採用した理由についてお聞かせいただけますか

福祉総務課   職員の気づきのツールとして活用できる点を高く評価しました。「世帯単位・提案型の福祉サービスの提供」では、相談に来られた市民に、困りごとに対する最適な福祉のサービスが何であるかが一目で分かる画面表示になっているかどうかが重要なのです。例えば、「経済的に困っている」という相談を受けた場合、受付した職員は関係しそうなサービスを探すために、他課の資料を参照したり、電話をします。
また、相談者の世帯がひとり親家庭であれば、受給できるサービスがあるかもしれません。とはいえ、対応した職員にとって他部署のサービスの受給要件は、担当したことがなければ詳しくは分かりません。そのため結果的に、他部署に案内しなおす場合があります。
また経済的な自立を促すサービスがあることが分かれば、生活保護に陥る前に、未然に防ぐことができます。
富士通の『福祉総合窓口システム』の優れた点は、最初に台帳画面が表示され、世帯構成員が現在受給しているサービス利用状況及び、受給可能なサービスの候補がアイコン表示されます。職員はこの画面を参照すれば、相談者の本質的な困りごとを解決するために必要なサービスに気づくというわけです。
その他に、各課の相談記録をこのシステムに残すことで、次回この方が別の窓口に相談した場合であっても、相談履歴を見ればこれまでの相談内容が、把握できます。
このように仕組みとしても簡単で、当市に合わせた様々な活用ができることが分かりました。そのため、当市のコンセプトに合致した富士通のシステムを採用したのです。

導入に際して

導入時のサポートにはご満足いただけましたでしょうか

福祉総務課   「世帯単位・提案型」のツールには、福祉業務のあらゆるサービスが横断的に網羅され、その中から候補となるサービスがシステム上に表示される必要があります。
そのためには各課から、データ化されている情報は出してもらい、システムに入れる必要があります。具体的には当課の職員4人が各課にヒアリングを行い、各課業務情報を搭載してもらうよう説明するプロセスが大変でした。そうして引き出した情報をシステムに入れ、どうアウトプットするか、富士通とのすり合わせ作業にも時間をかけました。当市が目指す福祉の窓口のあるべき姿にシステムを近づけるため、作り込む作業に多くの労力と時間を要しました。
しかしその甲斐あって、他の自治体においてもベースになるのではと思われるシステムになりました。稼働開始後、メディアに取り上げられたこともあり多くの自治体が視察に訪れています。

MCWEL 障がい者 V2導入の経緯

『福祉総合窓口システム』導入を契機に、『MCWEL 障がい者 V2』を採用、導入いただきました。どのような導入効果が得られていますか

障がい福祉課   画面のインターフェースが優れています。以前のシステムは、ポータル画面に更生医療、育成医療、精神医療などほとんどの要素が集約されていました。
MCWELでは画面上でこれらが分かりやすく整理され、そこから業務の流れに沿って遷移していく方式なので、使い勝手が格段に向上しました。とりわけ受給者からの問い合わせ対応時、使いやすいと実感しました。名前を入力すると受給中のサービスが一覧表示されます。それを見ながら「○○の件でしょうか?」などと話を導きやすく、例えば精神障がい者の方の場合など、手を差し伸べるような対応が可能になりました。

さらに、問い合わせ対応時に心強いのは、メモ機能です。以前のシステムでは、対応時に留意するべき事項に気づいても、それを永続的に他の職員と共有することはできませんでした。
しかしMCWELのメモ機能を使えば、様々な注意事項、気づいたことなどを自由に書き込めます。したがって誰が問い合わせに対応しても、事情を踏まえた適切な対応ができるのです。
またDV被害に遭われている方についてアラート表示される機能も分かりやすく、誤って情報を漏洩する可能性が払拭されました。通知文を出す場合も宛名が空欄で出力されますので、障がい福祉業務の経験が浅い職員でも、確実な対応ができるシステムといえます。

業務効率の向上についてはいかがでしょうか

障がい福祉課   住記システムと連携したことで、処理するべき事案があるか、分かりやすくなりました。
例えば住所を変更したけれどもその後必要な手続をしていない受給者では、その旨を知らせるアイコンが表示されます。「変更が必要です。手続きをお願いします」とお伝えできるようになりました。
また生活保護システムと連携したことで、自立支援受給者の申請があった場合、生活保護受給の所得判定が容易になりました。以前は生活保護担当に1件、1件確認していたのですが、障がい者システム側から確認可能になったので、業務処理がスピードアップしました。
また、データ抽出が容易になったことも業務効率化をもたらしています。例えば障がい者手帳の管理では、毎年1回、県に対して所持者が何人いるかを報告する必要があります。
以前のシステムでは所持者の抽出は、条件や表示項目の設定が煩雑で、工程表を見ながらの作業になりました。
また検索時、システムに負荷がかかって業務の操作が一時ストップすることもありました。しかしMCWELは操作が簡単で処理も速く、各課の担当者が必要な時に必要なデータを抽出できるようになりました。

富士通への期待

今後の展開を踏まえ、富士通にどのような期待をお持ちでしょうか。お聞かせください

障がい福祉課   障がい福祉制度では法改正がたびたびありますが、迅速に対応していただいています。例えば帳票類の文言を変えたり、窓開き封筒の位置をわずかにずらしたりといった細部に至る調整にも対応していただいています。引き続き、柔軟できめの細かいサポートを期待しています。

福祉総務課   当面の課題は、マイナンバーの活用、紙文書の電子化によるペーパーレス化などです。当市に合ったソリューションを提案していただきたいと考えています。また今後、AIの利用がいよいよ加速していくことが予想されます。国の動向など最新情報をいち早く提供いただけるものと期待しています。

前列左から)森 留美子 氏、西村 幸大 氏 / 後列左から)於保 僚 氏、伊佐 真太 氏、原 大貴 氏 の写真前列左から)森 留美子 氏、西村 幸大 氏
後列左から)於保 僚 氏、伊佐 真太 氏、原 大貴 氏

佐賀市様 概要

所在地佐賀市栄町1番1号
代表者佐賀市長 秀島 敏行
人口233,837人(99,186世帯)(2018年2月末現在)
職員数1,781人(2016年4月1日現在)
ホームページhttps://www.city.saga.lg.jp/
佐賀市のご紹介

佐賀市は県の南東部に位置し、平成17年に佐賀市、諸富町、大和町、富士町および三瀬村が合併して誕生し、さらに平成19年には川間町、東手賀町および久保田町と合併し、北は福岡市、南を有明海に面した南北に長い市となりました。市の北部地域には脊振(せふり)山系の山ろく部の山林や清流が広がり、温泉地が随所にあります。中心部の市街エリアには幕末から明治期にかけ、日本の近代化に大きな影響を与えた大隈重信をはじめとする偉人の足跡が随所に残っています。そして南部地域では佐賀平野を縦横に走るクリーク(農業用水路)と田園風景を見ることができます。

市街エリアの中心、中央大通りでは、夏は「佐賀城下栄の国まつり」、冬は「佐賀・ライトファンタジー」が開催されます。また、毎年10月下旬から11月上旬の5日間に開催される「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」には、世界各国から100機を超えるバルーンが参加します。色とりどりのバルーンが一斉に離陸する様子はまさに圧巻で、多くの観光客で賑わいます。その観光客に好評な物産が、全国ブランド牛の中でもトップクラスとされる佐賀牛、蒲焼あるいは刺し身で味わうムツゴロウ、舌平目の一種であるクチゾコなどをはじめとする有明海料理です。

色とりどりのバルーン

佐賀牛

有明海

[2018年6月8日掲載]

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