黒石市様・六戸町様
MICJET MISALIO クラウド/住民情報ソリューションクラウドサービス

自治体クラウド共同利用で運用コストを削減
現行システム機能・操作性も踏襲

青森県中央部に位置する黒石市様(人口約3.5万人)と、同県上北郡東南部の太平洋側に位置する六戸町様(人口約1.1万人)は地図上の直線距離で60キロメートルほど離れています。両市町村は、富士通ユーザ会である青森県自治体クラウド利用研究会での、研究、情報交換を通して、2013年、自治体クラウド共同利用の検討を開始。2015年度から共同利用の協定締結作業にとりかかり、2016年6月同協定を締結。2017年1月4日稼働に至りました。

課題
効果
課題度重なる法改正に伴うシステム運用コスト増を縮減したい
効果全国センター型自治体クラウドサービスを共同利用することで運用コストの大幅削減(黒石市30%、六戸町20%)を実現
課題自治体クラウドサービス利用に必須の自治体間の仕様調整作業を極小化、現行システムの機能、操作性を担保し、導入および運用にかかる負荷を最小限化したい
効果同一システム(MISALIO)を運用する自治体との共同利用により、仕様調整作業はほとんど発生せず、システムの機能、操作性の同一性も保たれた

システム導入の経緯

MISALIOクラウドサービス利用以前は、どのような課題がありましたか

黒石市様
制度改正に伴うシステム改修にはどうしてもコストがかかり、その削減が求められていました。どの自治体においても共通の課題でしょうが、ここ数年、税と社会保障の一体化、マイナンバー制度、強靭化への対応から新たなシステムが加わっています。黙っていてもシステムが増え、それに連れてコストも右肩上がりに上昇していく状況です。その中で、MISALIOクラウドサービスの共同利用に踏み切ることでコストを抑えられると判断したのです。3割程度の圧縮を見込みました。

六戸町様
やはり、コストの圧縮が課題でした。実際に導入の方向で検討を進める中で、システム更新を5年と見て、まず2割のコストダウンを目指そうとの数値目標を立てました。さらにMISALIOクラウドサービスの詳細な説明で、サーバルームをより効率的に運用できること、またBCPの面からも万全の環境を利用できることが分かりました。小規模自治体の六戸町は、予算的に本格的な電源設備や免震設備を備えたサーバルームなどは望めないので、これは大きなメリットでした。

黒石市 企画財政部広報情報システム課 課長 太田 淳也 氏の写真黒石市 企画財政部広報
情報システム課 課長
太田 淳也 氏
黒石市 企画財政部広報情報システム課 主幹 大平 清紀 氏の写真黒石市 企画財政部広報
情報システム課 主幹
大平 清紀 氏
六戸町 企画財政課 主査 青木 進吾 氏の写真六戸町 企画財政課 主査
青木 進吾 氏

MISALIOクラウドサービスを採用した理由

一般に、自治体クラウドの利用では調整作業が大変と言われていますが、ご心配はありませんでしたか

六戸町様
県内自治体のクラウド推進協議会の研究などを通して、「自治体間で仕様調整などのすり合わせ作業が発生し、時間もかかる」ということは耳にしていました。

黒石市様
当市も、自治体クラウドの共同利用は、システムの運用状況を洗い出したり、仕様を調整するなどの作業が膨大になるとの認識を持っていました。「たぶん、市町村合併時の作業負荷レベルになるだろう」と考えていました。

そのハードルを越えられる、と見通せたのですね

六戸町様
同じく共同利用をする黒石市様が、当町と同じMISALIOを使用していることから「事前にすり合わせがなされている状態に近い」という説明にはなるほどと思いました。また、クラウドサービスの利用開始後、MISALIOをそのまま継承できる点でも安心できました。そもそもMISALIOは、「使い勝手の良いシステムだ」と評価されていましたから、「従来どおりの使い方でOK。コストも圧縮でき、BCPもさらに高まる」という説明に、所管課も納得していました。

黒石市様
富士通の営業、SEの頑張りによってハードルが下がったと思います。運用面の洗い出し作業はもちろん、他自治体のクラウド共同利用の事例などの情報も提供していただきました。こうしたサポートが、当市と六戸町様の橋渡しの基盤になったのではないでしょうか。

黒石市様、六戸町様が実際に顔を合わせての打ち合わせは、どのようなものでしたか

六戸町様
「協定締結に関する打ち合わせ」で直接お会いしたのは3回でした。導入を決める以前の、「すり合わせ作業が大変で時間もかかる」との予備知識と比べますと、作業の負担感はほとんど感じませんでした。

黒石市様
3回の打ち合わせの内容は、担当者同士による仕様書の作成と確認などでした。移動については、六戸町と黒石市とは少し距離がありますので、ちょうど中間地点の富士通青森を打ち合わせ場所として利用させていただき、スピーディーに運びました。

自治体クラウドサービスに対する上層部の理解はいかがでしたか

黒石市様
とりわけ近年においては、災害など予測しなければならないリスクの範囲や程度が広がりました。そうした背景からでしょう、大手ベンダーの堅牢なデータセンターを利用する自治体クラウドサービスであれば、積極的に共同利用を進めるべきだとの機運が高まってきているように思います。個人情報のセキュリティについても同様です。

六戸町様
行政トップが最先端のICT導入に積極的であることが後押ししました。ICTの中でも自治体クラウドサービスの共同利用は、費用・災害などのリスクの面から議会の理解を得やすいプロジェクトであると言えそうです。

導入時のサポート体制

データ移行作業過程を含め本稼働に至るまで、ご安心いただけましたか

六戸町様
安心していました。万一何かあった場合、庁内に置くミニMISALIO(注1)に即座に切り替えて運用を継続できる状態にありました。またスケジュールについても、8月にキックオフして12月にテスト作業を行い1月4日の本稼働という早さで、作業負荷は軽く助かりました。データ移行作業は予定どおりに進み、12月に入った時点でデータセンターとつながり、サーバの内容を見られる状態になっていました。

注1)ダウンリカバリ用サーバ

黒石市様
仮に、ベンダーが富士通以外であったら一抹の不安があったかもしれません。何しろ初めてのことですから、フタを開けてみたら想定を超えた事象があって、新たにすり合わせが必要になるということも考えられたわけです。しかし今回、「どのようなことがあっても、あらゆる分野の専門チームが直ちに駆けつけて対応します」と説明をいただき、まったく不安はありませんでした。もちろん予定どおり、1月4日には本稼働となりました。

導入効果

MISALIOクラウドサービスを利用するようになって、どのようなメリットを感じていますか

黒石市様
運用面では、「今までとまったく変化なし」という点が最大の安心でありメリットなのですが、大きく変わった点もあります。クラウドのサーバが富士通のデータセンターにあるので、万一何かあった場合、一報と同時にサーバをチェックしていただき、迅速に「今、こういう状態です」といった報告をいただけるのです。従来ですと連絡後、市庁舎まで駆けつけるのに1~2時間はかかり、それからチェックが始まったわけですから、対応が格段に早くなるのです。また自庁運用では、例えば電源管理のスケジュールを間違えたりするとシステムがダウンするというリスクがあるため、常に神経を使っていましたが、そうした心配も払拭されました。

六戸町様
修正資源を当てる処理が発生した場合など、出力テストを金曜夜、あるいは土曜日に行うことになるので時間外勤務で対応していましたが、その必要がなくなりました。

黒石市様
全国センター型クラウドサービスの場合、電子会議で直接システムの開発者とフェイス・トゥ・フェイスでコンタクトできますから、遠慮なく質問や要望を投げかけられるところが良いですね。

六戸町様
うちも導入段階から電子会議を利用する機会がありました。何かあったら駆けつけてもらえるという体制は確かに心強いです。しかし、画面で顔を見ながら「進捗状況としては現在何パーセントです」と説明を受けられる今の体制も、慣れてしまえば問題ないと思います。

富士通への期待

黒石市様
MISALIOクラウドサービスがカバーする業務範囲は、MISALIO住民情報およびMCWEL介護保険と後期高齢者でしたが、法改正やマイナンバー制度対応に伴うシステム増設、運用コスト増に歯止めを掛けるという点で確かな効果がありました。さらなるコスト削減のために、今後、カバーされる業務範囲が次々と広がっていくことを期待しています。

六戸町様
当町のように人口1万人規模の自治体ですと、積極的にはコンビニ収納や交付など住民サービス向上対策にまで予算を使えません。例えば今、単体で動いている滞納管理システムや子育て関連の業務などが今後InterCommunity21 基盤にのってクラウドサービス化していけばさらなる運用コストの節約ができるはずです。その上で当町に見合った住民サービスのシステムを提案していただければと願っています。

黒石市様
今回利用を開始した全国センター型クラウドサービスでは、地域データ型クラウドサービスにおいてそれぞれの保守拠点で分散管理されていた情報が1箇所に集約されているそうですね。そのためシステムは、利用自治体が増えるに連れどんどん標準化が進み、より使いやすいシステムへと進化していくと聞いています。いわばまわりまわって来るメリットですね。これからの自治体クラウドに期待したいのは、直接的な運用コストの削減効果ももちろんですが、普及に伴う進化です。富士通の自治体クラウドであれば、ますますの進化が期待できると思います。

前列左より 六戸町 企画財政課 主査 青木進吾 氏、黒石市 企画財政部広報情報システム課主幹 大平 清紀 氏、課長 太田 淳也 氏 後列左より 富士通 井上 司、山田 房子の写真前列左より 六戸町 企画財政課 主査 青木進吾 氏、
黒石市 企画財政部広報情報システム課主幹 大平 清紀 氏、課長 太田 淳也 氏
後列左より 富士通 井上 司、山田 房子

黒石市様 概要

所在地〒036-0396 青森県黒石市大字市ノ町11番地1号
代表者市長 髙樋 憲
人口34,234人(2017年5月末現在)
世帯数13,657世帯(2017年5月末現在)
ホームページhttp://www.city.kuroishi.aomori.jp/
黒石市のご紹介

黒石市は青森県のほぼ中央に位置し、三方に津軽平野、東に八甲田連峰が連なる豊かな自然と豊富な温泉に恵まれた古くからの城下町です。

古く「七夕祭」と呼ばれていた黒石ねぷた祭り(7月30日~8月5日)は、人形ねぷたと扇ねぷたが共存する独特の形態で、50台以上のねぷたが出陣し、町は熱気で包まれます。

黒石ねぷた祭りの写真

中野もみじの写真

六戸町様 概要

所在地〒039-2392 青森県上北郡六戸町大字犬落瀬字前谷地60
代表者町長 吉田 豊
人口10,959人(2017年5月現在)
世帯数4,314世帯(2017年5月現在)
ホームページhttp://www.town.rokunohe.aomori.jp/
六戸町のご紹介

青森県上北郡の東南部に位置する六戸町は、北東北にありながら雪が比較的少なく年間を通じて穏やかな気候に恵まれ、町の南部を流れる奥入瀬川は十和田湖を源流とする清流で、流域には豊かな水田が広がりを見せています。

六戸町の歴史は1957年の町制施行に始まり、2017年(平成29年)には同60週年を迎えました。

野菜畑の写真

にんにく畑の写真

[2017年9月6日掲載]

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