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Fujitsu

Japan

統合パッケージの導入で内部業務の標準化を実現。さらに電子決裁の導入で業務の効率化と大幅な紙縮減が可能に

磐田市様 IPKNOWLEDGE内部情報ソリューション

磐田市様は、「IPKNOWLEDGE 内部情報ソリューション」を導入。統合パッケージにより内部情報システムを構築し、業務の効率化を実現しています。主管部門を横断するシステムを実現するにあたっての工夫や配慮、導入メリットについて、情報システム部門をはじめ主管部門の皆さんにお話をお伺いしました。

[ 2015年6月12日掲載 ]

【導入事例概要】
業種 地方自治体
ソリューション 内部情報ソリューション
製品 IPKNOWLEDGE(グループウェア・庶務事務システム・人事給与システム・財務情報システム・文書管理システム・電子決裁システム・旅費管理システム)

磐田市様では、2006年にまちづくりをICTにより支援する「磐田市情報化計画」を策定。行政と地域の情報基盤の充実などを通して地域の活性化、行政サービスの高度化などを推進してきました。庁内においては、グループウェアをはじめ財務会計や人事給与、行政評価など内部業務システムの整備を進めてきましたが、業務の効率化や情報の共有などを目指し、マルチベンダーによって構成されていたシステムの統合を計画しました。各主管課を横断した検討プロジェクトを経て統合パッケージによる内部情報システム構築を選択。そして2013年2月に「IPKNOWLEDGE 内部情報ソリューション」の採用を決定し、グループウェア、職員認証基盤、電子決裁、庶務事務、人事給与、財務情報、文書管理の各システム・機能を順次導入されました。シングルサインオンによる認証、統一された画面や操作性による使い勝手の向上、電子決裁による事務のスピードアップなど、情報化時代の自治体にふさわしい業務基盤を構築しています。

【課題と効果】
1 財務会計システムが更新時期を控えていたほか、人事給与、行政評価、グループウェアの各システムがマルチベンダーのため、操作性やデータ共有などで問題があった

統合システムの導入により、使いたいシステムをセキュアな環境で手軽に利用可能。また、統一された画面や操作性により利便性が向上
2 業務の簡素化や効率向上と、導入時のコストダウンのために、カスタマイズを極力抑えたい

パッケージシステムの導入により、業務の標準化を実現し、導入コストも抑制
3 これまで未導入だった文書管理や庶務事務の業務をシステム化したい

統合システムの導入により、手作業で行っていた業務をシステム化し、業務の効率化を実現。あわせて、電子決裁の機能を導入したことにより、書類の保管スペースが約50分の1に縮減

新システム導入の経緯

これまでお使いのシステムを更改されたきっかけ、また以前のシステムが抱えていた課題などについてお聞かせください

磐田市 情報システム課 課長 近藤 政史 氏の写真

磐田市 情報システム課
課長 近藤 政史 氏

2005年の合併時に導入した財務会計システムが更新の時期を迎えていました。その他、人事給与、行政評価、グループウェアも稼働していましたが、いずれも個別最適のシステムでベンダーも異なっていました。そのため共通データであっても共有できず、例えば人事異動の際のデータ書き換えもそれぞれのシステムに設定や変更が必要になり、担当職員に負担がかかるなど不都合が生じていました。

また、合併を機に「磐田市情報化計画」を策定しましたが、その中で文書管理、庶務事務、決裁、職員認証基盤に関してシステム化が計画されていたのですが、その構築期限が迫っていました。文書管理では、情報公開などで書庫から該当文書を探し出すだけでも時間と労力がかかっていましたし、公文書管理制度への対応も必要です。

さらに従来システムはサーバが各主管課のフロアに分散しており、OSを含めたメンテナンスや老朽化への対応も課題となっていました。磐田市を含む東海エリアは大規模地震が想定されており、ICTシステムに関してもそのための備えや事業の継続性確保は必須でした。

新システム導入では、統合パッケージを前提とされていましたが、その理由をお聞かせください

磐田市 情報システム課 グループ長 伊藤 傑夫 氏の写真

磐田市 情報システム課
グループ長 伊藤 傑夫 氏

それまで各主管課で別々に利用していたデータの共有を考えていました。そのためにはひとつのベンダーによる統合システムの導入が必要だと判断しました。そうすることで、年度末異動時の負荷増大といった問題も解消されていくと考えました。

同時に、パッケージシステムを採用することで、業務の標準化を進めたいという意図もありました。パッケージには全国の標準的な業務が整理され、集約されています。それに我々の業務を合わせることで、業務の簡素化、効率化が促進されると考えたのです。また今後は、自治体クラウドやシステム共同利用などが視野に入ってきます。そうした場合でも標準化された業務であれば参画しやすいという点も理由のひとつです。

パッケージは、コスト面でも有利だと考えました。以前のシステムは個別最適化のためにカスタマイズが多くなり、構築コストがかさんでいました。新システムでは文書管理や電子決裁など従来にない機能を実現するものです。その点も考慮し、コストパフォーマンスが高いパッケージを選択しました。

新システム検討時を振り返って

新システムの導入に向けての検討プロセスをお聞かせください

磐田市 情報システム課 山際 秋雄 氏の写真

磐田市 情報システム課
山際 秋雄 氏

新システム検討のプロジェクトを開始したのは、2010年です。総務、職員、政策企画、財政、出納室、情報システム課の職員が集まり、現状の問題点を話し合う研究会形式で4~5回開催しました。その中で、統合システムが適しているとの合意形成がされてゆきました。

そして2011年度に統合内部事務システム導入研究会を組織し、関係する業務主管課の係長9名により導入に向けての課題や解決策の研究、検討を行いました。浜松市など統合システムを導入している近隣自治体への視察のほか、ベンダーによるデモンストレーションを通してシステムの詳細な情報も収集しました。

磐田市 情報システム課 平野 晴彦 氏の写真

磐田市 情報システム課
平野 晴彦 氏

また業務の標準化、つまりカスタマイズを極力行わずパッケージに業務を合わせる点については、各主管課と綿密に打ち合わせをしました。新システムでも存続させたい磐田市固有の業務、つまりパッケージのカスタマイズが必要な業務を各主管課でリストアップ。個々の業務のカスタマイズ費用を算出し、その費用対効果をもとに各主管課にカスタマイズを続けるかどうかを検討してもらいました。これによりカスタマイズの意義やコストが再認識でき、業務標準化に対する各主管課の理解や納得が進んだと思っています。

こうした活動を約2年かけて行い、全庁的に今回のシステム導入の狙いや方針の理解と浸透を図りました。

IPKNOWLEDGE内部情報ソリューションを選定した理由についてお聞かせください

磐田市 秘書政策課 主幹 浅野 光秋 氏の写真

磐田市 秘書政策課
主幹 浅野 光秋 氏

最終的に、富士通を含む3社の提案が残りました。それらを提案内容、デモンストレーション、価格、プレゼンテーションの4項目による総合評価方式で判定しました。

全庁で利用するシステムのため、採用決定の判断にはなるべく多くの職員に参加してもらいました。特にデモンストレーションには、主管課の部課長クラスをはじめ実際にシステムを利用する職員を合わせた約70名に操作を体感してもらいました。その結果、メニューの分かりやすさ、画面の見やすさ、使いやすさなどの評価でIPKNOWLEDGEが最高点を取りました。富士通の基幹システムを利用した際、手厚いサポートを受けた経験から富士通に対して安心感や信頼感を抱いている職員もおり、こうした印象も、富士通の良い評価につながったと考えられます。

システム導入にあたっての工夫

新しいシステムの導入がスムーズに運んだ理由や工夫された点についてお聞かせください

磐田市 会計課 増田 倫典 氏の写真

磐田市 会計課
増田 倫典 氏

システムごとに段階的な導入を進めました。まず初めに、2013年10月にグループウェアを導入。続いて、2014年1月に導入した人事給与と庶務事務では、IPKNOWLEDGE 内部情報ソリューションのインターフェースや基本操作の習熟のほか、年休や時間外勤務届といった庶務事務の申請を通じて、電子決裁の手順を習得してもらいました。シングルサインオンの職員認証基盤もこの時に導入しています。

その後、2014年4月に財務情報システムを導入し、最終段階として2015年4月から文書管理システムを導入するというのが全体スケジュールです。文書管理は、今までの紙ベースの作業から大きく変わることもあり、業務フローの最適化や関連する主管課との連携や調整といった多岐にわたる作業が必要だったこともあり、最後の導入としました。現在、操作に関する職員研修やテスト運用期間に受けた質問事項などをもとにマニュアル整備を進めているところです。

職員への操作研修はどのように行いましたか

磐田市では、日ごろから職員のICTリテラシー向上のための研修を行っています。その一環として今回の新システム導入にあたり、オリジナルのマニュアルを作成し、各主管課の職員自身が講師となっての研修も行っています。これらにより、全職員が新システムを容易に使えるような環境整備が進められました。


グループウェア応用研修のテキスト

職員による研修会の写真
職員による研修会

また、庶務事務システムは利用者の範囲が広く、各種申請などで利用頻度も高いため、問い合わせが多い項目に関してはQ&Aを作成したり、よく使う機能は操作画面をキャプチャーしてマニュアルを作成するなど、きめ細かな対応を行いました。

一方、PCへのアプリケーション・インストールに手間取る場面もございましたが、富士通からのきめ細かなサポートを受けることができ、導入はスムーズに進みました。

新システムの導入効果

統合パッケージの運用開始後、どのようなメリットが得られたかをお聞かせください

新システムのユーザーは約1,600人、一般行政職をはじめ教職員、消防、病院など多くの職員が利用していますが、ほぼ思い描いていた通りのシステムが構築できたと思っています。

グループウェアに導入した職員認証基盤により、シングルサインオンのログインでセキュアな環境のもと、使いたい機能が手軽に利用できるようになりました。画面のレイアウトや操作が統一され、複数のシステムをまたがって利用する場合も分かりやすく使えます。統合パッケージならではの使い勝手の良いシステムを全庁的に実現することができました。

磐田市 総務課 福本 敬一郎 氏の写真

磐田市 総務課
福本 敬一郎 氏

財務会計の電子決裁による効率化も見逃せません。今までの紙文書を持って庁内の各担当を回り承認を得るといった工数がほぼゼロとなったほか、紙資源の縮減効果も大きくあります。これまで会計課が管理する支出伝票を並べると、1年間で20mにも及んでいましたが、半年で約20cmになりました。年間で考えると40cm、およそ50分の1という圧倒的な紙資源の削減効果が期待できます。紙文書の倉庫として利用していたスペースの有効活用など、庁内の環境面でも変わってくることでしょう。今後、文書管理システムが稼働することで、管理や保管、情報公開などの面でさらなる効率化も見込まれます。

また、サーバは1台に集約でき、しかも耐震ラックに収納。発電設備を新設したこともあり、災害などによる停電時の事業継続性を確保できました。

業務の標準化についてのメリットをお聞かせください

磐田市 財政課 谷野 敦哉 氏の写真

磐田市 財政課
谷野 敦哉 氏

行政評価では業務がシンプルに整理されたほか、「必要な入力はこれだけでいい」といった気づきもありました。以前は磐田市独自の項目で作成していたため、項目が多く作業が集中する時期には残業して対応する職員もおりましたが、それも減る傾向となっています。

業務標準化は、磐田市のこれまでの業務を見つめ直し、業務に関する法令や条例を再確認する良い機会となりました。各職員の業務やその遂行に対する認識やモラルの向上につながると期待しています。

その他、庶務事務システムの導入により、例えば年末調整ではこれまで2日かけて行っていた作業が、約半日に短縮されました。これにより、その他の業務に多くの時間が割けるようになっています。

今後のシステム活用についてのお考えをお聞かせください

磐田市 職員課 鈴木 さとみ 氏の写真

磐田市 職員課
鈴木 さとみ 氏

今後は、システム導入の効果をさらに高めていきたいと考えています。そのためには、豊富に用意されている新システムの機能を、全職員に使い倒してほしい。主管課や部・課長単位でシステム活用のための操作研修を行ったり、中級や上級コースの操作研修を用意して、職員のさらなる知識習得やスキル向上を追求していきます。

また、内部業務が効率化されたことで職員配置の最適化も進められるはずです。内部業務から住民サービスへ、担当する職員を増やすことで住民の皆様の満足度向上にもこの新システムは貢献できると考えています。

後列左から 磐田市 谷野氏、福本氏、鈴木氏、増田氏、平野氏 / 前列左から 同 山際氏、近藤氏、浅野氏、伊藤氏
後列左から 磐田市 谷野氏、福本氏、鈴木氏、増田氏、平野氏
前列左から 同 山際氏、近藤氏、浅野氏、伊藤氏

【磐田市様 概要】
所在地 静岡県磐田市国府台3-1
代表者 磐田市長 渡部 修
人口 170,651人(64,165世帯)(2015年2月末現在)
職員数 2,023名(2014年4月1日現在)
一般行政職:690名、教育:221名、消防:200名、公営企業等:912名
ホームページ http://www.city.iwata.shizuoka.jp/Open a new window
磐田市のご紹介
特産品のメロン
特産品のいわた茶
特産品 エビイモ

静岡県西部を流れる天竜川の東岸に位置する磐田市。2005年4月1日に旧磐田市と福田町、竜洋町、豊田町、豊岡村と合併し、人口17万人規模の自治体となりました。2015年には合併10周年を迎え、市民から歌詞を募集し、市歌「ふるさといわた」を制定。さらに、磐田市初の認定こども園「福田こども園」やJR磐田駅前の整備といった記念事業のほか、「いわた大祭り 遠州大名行列・舞車」をはじめとする文化・スポーツイベント協賛など、10周年を記念する取り組みが様々に行われています。
市内には、500以上もの古墳が現存しているほか、古くからの遺跡や文化財が多いのも特徴。学問の大神として信仰を集める矢奈比売神社(見付天神)は、伝説の霊犬「悉平(しっぺい)太郎」ゆかりの神社としても親しまれ、2011年にはこの霊犬をモチーフにした「しっぺい」が磐田市のイメージキャラクターに選ばれ人気を集めています。近年は繊維が地場産業となったほか、金属、自動車、楽器などの工業都市としても発展。さらに温室メロンや茶、白ネギ、海老芋などの特産地としても知られ、工業と農業がバランス良く発展したエリアといえます。

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