Skip to main content

Fujitsu

Japan

「MICJET MISALIO」を活用した自治体クラウドの導入により、5年間で約3割の経費削減を見込む。共同利用によりさらなるコスト削減効果に期待

橋本市様 MICJET MISALIO 住民情報ソリューション

橋本市様は、度重なる法制度改正へのシステム改修費の増加、システムの複雑化による運用負荷の増大、さらに災害時の行政の業務継続性といった課題を解決するべく自治体クラウドを導入。自治体クラウドは富士通のデータセンターから「MICJET MISALIO 住民情報ソリューション」をはじめとする業務システムをサービスとして利用するものです。ノンカスタマイズの徹底、アウトソーシングとの組み合わせ、共同利用など自治体クラウドの導入効果を高めるためのポイントについてお聞きしました。

[ 2015年3月2日掲載 ]

【導入事例概要】
業種 地方自治体
ソリューション 住民情報ソリューション
製品 MICJET MISALIO 住民情報ソリューション

橋本市様は、2008年3月に「時間(とき)ゆたかに流れ くらし潤う創造都市 橋本」を将来像とした橋本市長期総合計画(~2017年度)を策定しまちづくりを進めています。同計画のもと行財政改革を進めるとともに、ICTの活用にも積極的に取り組んでおり、和歌山県における行政の情報システム化を牽引しています。

今回の自治体クラウドを活用した基幹システム再構築事業は、J-LISの「2014年度自治体クラウド・モデル団体支援事業」でもあります。さらに、和歌山県地域情報化フォーラムを橋本市で開催するなど和歌山県と密に連携しながら、まちづくりのインフラの一つとしてオープンデータの活用に取り組んでいます。

【課題と効果】
1 度重なる法改正対応に要するシステム改修費などの経費を削減し新しい住民サービスの財源にあてたい

標準パッケージを導入しノンカスタマイズで利用することで初期導入コスト、運用コストを抑制。さらに帳票と公金収納のアウトソーシングにより経費削減を図り、削減したコストを住民サービスの拡充につなげていく
2 システムの複雑化により増大する運用負荷を軽減したい

データセンターと標準パッケージを活用することで運用負荷を大幅に軽減。情報推進室のスタッフがIT戦略を考える時間を創出し人材の最適化を促進
3 災害時にも罹災証明の発行など行政としての業務の継続性を実現したい

庁舎にハードウェアを置かず、堅牢な富士通のデータセンターを活用し標準パッケージをサービスとして利用する自治体クラウドの導入により、万が一、庁舎が被害を受けた場合にも事務機能不全を回避できる

システム導入の経緯

従来の住民情報システムにおける課題についてお聞かせください

企画部 情報推進室 室長 蛭本 義治 氏の写真

企画部 情報推進室 室長
蛭本 義治 氏

1971年からメインフレームを利用してきましたが、度重なる法改正への対応に要するコストが増え続けていました。また一部ダウンサイジングしているものもあり、マルチベンダーによる複雑な連携と、それにかかるコスト増にも頭を悩まされていました。

こうした課題に対し当初オンプレミスでの解決を検討していましたが、東日本大震災後、南海トラフ地震を想定したディザスタリカバリの観点からハードウェアを庁内に置くのではなくデータセンターを活用した自治体クラウドの導入検討を開始しました。

自治体クラウドの導入にはどのような目的がありましたか

災害対策の強化、経費削減、運用の効率化の大きく三つのポイントがありました。災害時も罹災証明の交付など住民サービスを継続可能とする仕組みの構築は急務でした。また厳しい財政状況の中で新たな住民サービスを実現していくために、ICTに要する経費を削減し、節減した経費を財源に住民サービスの拡充につなげていくことも必要です。

さらにCO2の削減や電力使用量の抑制による環境保護への貢献と一層の経費削減も求められています。システムの複雑化による運用負荷の軽減も「待ったなし」の状況でした。

新システム選定の理由

自治体クラウド導入においてどのようなポイントを重視されましたか

企画部 情報推進室 主任 三嶋 信史 氏の写真

企画部 情報推進室 主任
三嶋 信史 氏

クラウド化によるコスト削減効果を最大限に引き出すためにノンカスタマイズを重視しました。カスタマイズを行うことで法改正対応などの運用コストが従来と同じように増え続けてしまうためです。

新システムの導入にあたってカスタマイズを抑えるための仕組みをつくり、その徹底を図りました。各主管課への文書での通達はもとより、各部署の部長、課長を集めて説明会を開催し、「自治体クラウドの導入は自分たちの仕事のあり方を見直す機会となる。ローカルルールでパッケージをカスタマイズして使うのではなく、法に則ったパッケージを上手く利用し業務を標準化するという考え方に変えていくことが大切」と、導入検討時期より理解を求めていきました。

こうした取り組みにより導入時、根幹に関わるカスタマイズを行わなかっただけでなく、機能要件の中でカスタマイズはわずか0.017%に抑えることができました。

MICJET MISALIO 住民情報ソリューションを採用した理由について、お聞かせください

技術的評価、機能評価、提案書評価を行い、ノンカスタマイズでパッケージに業務を合わせていくために、ユーザーインターフェースを含めて現場のニーズに対応できるパッケージであることが採用の基本となりました。また、富士通は橋本市固有の課題に対しての理解力も高く、パッケージの機能を上手く活用し課題を解決する提案力に優れていました。

ホストコンピュータの時代からのSEサポート力や、2012年の住基法改正時に導入したMISALIO住民記録システムの安定稼働など、橋本市における富士通の実績と、実績に基づく信頼感も採用のポイントとなりました。

加えて、今回は自治体クラウドの導入となるため、従来のようにモノの調達ではなく、サービスの調達という観点から検討を重ねました。コストや機能だけでなく運用性、信頼性、サポート力など総合評価に重きを置き、MISALIOを選択しました。

新システムの構成と構築プロセス

自治体クラウドのシステム構成についてお聞かせください

橋本市が導入した自治体クラウドは、INTERCOMMUNITY21統合型クラウド基盤をベースに、MISALIOに加え、帳票アウトソーシングに対応したプリントサービス基盤オプションなどを導入しています。

富士通のデータセンターから通信回線を通じてサービスを利用し、回線の冗長化も図っています。仮想デスクトップ、仮想ネットワークなど高度な技術を活用しセキュリティを担保しながらクラウドサービスを利用していくもので、人口6万人規模の自治体クラウドのモデルとなるのではないかと考えています。また複数の地方公共団体が共同利用することで、システムを運用管理するコストや作業負荷の削減が可能です。

構築プロセスにおいて工夫された点はありますか

富士通のSEが各主管課向けにデモ機を使って新システムの説明やヒアリングを実施し、そこで得た現場の声に応えるべく富士通に提案をしてもらいました。例えば、帳票関係はこれまでホストコンピュータで運用していたため細部まで現場の要望を反映できていましたが、パッケージの標準に合わせることによりできなくなる部分もでてきます。そのとき「できない」というのではなく、「この機能を使ってこう変えていくことで市民の皆様に迷惑をかけることなく、コストがかかるカスタマイズをしなくても対応することができる」といった提案が富士通からありました。

データ移行に関しては、富士通資産の移行はもちろんのこと、マルチベンダー化していた複雑なデータについても、多くの移行実績経験を持つ富士通のサポートにより支障なく作業が行えました。また、軽自動車税と年金のデータ移行において、中間標準レイアウト仕様の活用にも取組み、大きな問題もなくデータ移行ができたことは、今後のデータ移行の標準化に向けた大きな成果でした。

導入効果

2014年10月の本稼働から数か月ですが、どのような効果を期待されていますか

クラウド化による基幹システムの運用コストや法改正に伴うシステム改修費の削減と、帳票の全面的なアウトソーシングや公金収納のアウトソーシングによる業務負荷の軽減により、5年間で約3割の経費の削減を見込んでいます。

またクラウド化により削減した経費でコンビニ交付など新しい住民サービスの実現にコストを充当できるようになりました。今回のシステム導入に合わせて、和歌山県内初となるコンビニ交付を実施する予定です。大阪府内で働く多くの橋本市民にとって勤務先近くのコンビニエンスストアで証明書の交付が受けられることは大きなメリットがあります。

運用面では、クラウド化により情報推進室の運用が大幅に軽減され、人員を2名削減しても安定した管理運営を実現しています。安定運用を支える富士通のサポート力も高く評価しています。また運用負荷が軽減されたことで、情報推進室のスタッフは情報政策を考えることに、より集中できるようになりました。

業務フローを最適化・標準化することで橋本市スタンダードから脱却し、住民向け窓口サービスの質の向上、均質化の促進が図れるという点も大きな効果です。例えば、マイナンバー導入に伴い、特定個人情報保護評価など新たな業務フローを作成しなければならないのですが、法律や制度に則ったパッケージをノンカスタマイズで導入することにより業務フローもそのまま利用することができます。マイナンバーへの対応に要するコストや労力の抑制、業務の最適化・標準化を促進し住民サービスの質とスピードの向上が図れます。

自治体クラウド導入の成功のポイントについてお聞かせください

自治体クラウドを導入したからといってコスト削減や業務の効率化、住民サービスの向上が実現できるわけではありません。総合的な観点から業務改善やアウトソーシングといったサービスと組み合わせることが大切です。また導入時だけでなく導入後も各主管課からのカスタマイズの要望に対し、副市長(CIO)、情報推進室、理事が会議を開き、カスタマイズの妥当性を協議していますが、ICTガバナンスをきかせる仕組みをつくり実行していくことも重要です。

今後の展開と富士通への期待

2014年6月、奈良県の大和郡山市との間で自治体クラウドの共同利用に関する協定を結ばれました。都道府県を超えた共同利用は全国でも珍しいですね

大和郡山市とは2015年度に共同利用を開始する予定です。2009年より災害相互応援協定を結んでいることも今回の共同化のきっかけの一つでした。今後、大和郡山市との災害時の相互支援の具体化を図っていきたいと考えています。

例えば現在、富士通のデータセンターとの間でディザスタリカバリとして橋本市側で縮退情報のバックアップを行っていますが、加えて大和郡山市との間で相互バックアップを行うことにより行政の業務継続性を一層強化することができます。また和歌山県内をはじめ京阪神の他の自治体に対して共同利用の拡大も図っていきたいと思います。

協定書の調印式の様子(平木・橋本市長(右)と上田・大和郡山市長)の写真
協定書の調印式の様子(平木・橋本市長(右)と上田・大和郡山市長)

富士通への期待についてお聞かせください

自治体システムに長年関ってきた富士通の行き届いた対応もあり、開発時点のプロジェクト管理から開発、導入まで非常に安心してプロジェクトを進めることができました。今後も、富士通のノウハウと総合力を活かし政府の動向、国際的なトレンド、他の自治体や民間企業の動きなどの情報提供と、それに基づいた提案に期待しています。

左から蛭本氏、三嶋氏、美濃氏、小林氏の写真
左から蛭本氏、三嶋氏、美濃氏、小林氏

【橋本市様 概要】
所在地 和歌山県橋本市東家1丁目1番1号
代表者 橋本市長 平木 哲朗
人口 65,687人(2014年12月26日現在)
職員数
(普通会計)
521名(2014年4月1日現在)
ホームページ http://www.chw.jp/
橋本市のご紹介

パイル織物(開発センター)橋本市は、和歌山県の最北端に位置し、東は奈良県、北は大阪府に接し、「和歌山の東と北の玄関」としての役割を持っています。また、高野街道と大和街道の交差する交通の要衝として古くから栄え、霊峰高野山参詣者の宿場町として発展してきました。
近年は、特産物のブランド化・販路開拓など観光事業の推進、都市基盤の整備促進、企業誘致促進による雇用の拡大、医療・福祉や教育の充実など「住んでよかった」「住みたくなる」が実感できる「元気なまち橋本市」の実現に向け全力で取り組んでいます。

ヘラ竿また寝装用品、インテリア用品など幅広く使われているパイル織物や、百年の伝統を受け継ぐヘラブナ釣り専用のヘラ竿はいずれも日本一の生産高を誇っています。

自治体ソリューションご導入に関するお問い合わせ・ご相談

Webでのお問い合わせ

入力フォーム

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

0120-835-554 お客様総合センター

受付時間 9時~17時30分
(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。