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Fujitsu

Japan

PLEMIA M3 ECODUCE 導入事例


村田機械株式会社 様

JGPSSIの最新調査データフォーマットVer.4に対応
REACH規則の成形品届出期限もクリア

一般オフィスや消費者向けにデジタル複合機やファクシミリの開発・製造・販売をしている村田機械 情報機器事業部は、EUが定めるRoHS 指令に対応するための製品環境情報システムを2005 年4月から運用している。2008 年後半になって、REACH 規則に定められた成形品についての届出期限をクリアし、グリーン調達調査共通化協議会(JGPSSI)がガイドラインとして定める最新の調査データフォーマットであるVer.4を使用するねらいから、村田機械は製品環境情報システムの機能拡張に着手。ベースとなるシステムを富士通の環境情報管理システム「ECODUCE」にリプレースすることにした。新システムは2010 年6月に本稼働を開始。旧システムは並行稼働を続けながら段階的に縮小させ、最終的に新システムへ統合していく方針となった。

高岸 秀樹 様 高岸 秀樹 様
情報機器事業部
技術本部
技術管理グループ

吉岡 富美夫 様 吉岡 富美夫 様
京都購買部
係長

里 真奈美 様 里 真奈美 様
京都購買部


 京都市伏見区に本社を置く村田機械は、1935年7月に繊維機械のメーカーとして設立された。その後もビジネスの領域は順次拡大を続けていき、現在ではL&A、工作機械、繊維機械、情報機器の4事業部を持つ大手機械メーカーへと成長。L&A事業部ではロジスティクスとファクトリーオートメーション、情報機器事業部ではデジタル複合機やファクシミリを扱っている。
村田機械 情報機器事業部が、RoHS指令への対応のため、同社にとって最初の製品環境情報システムを稼働させたのは、2005年4月*1。RoHS指令は6種類の特定有害物質が含まれる電気電子機器の販売規制をEU加盟国に求めるEUの指令だ。
この時に構築されたのは、製品の設計・開発用に使われていた部品表(BOM)と部材の有害物質情報を蓄積・管理するグリーン調達データベース、および、その両者の間でBOMからグリーン調達データベースへ製品構成情報などの受け渡し等を担うデータベースの三者を連携させる仕組みの製品環境情報管理システムだ。対象は、情報機器事業部で扱うデジタル複合機やFaxなどの製品で、「あるベンダーのパッケージを導入し、その当時かなりの工数をかけてカスタマイズしました」と情報機器事業部 技術本部 技術管理グループの高岸秀樹氏は振り返る。


成形品の届出とVer.4使用を機にシステムの大幅機能拡張を目指す

デジタル複合機

ファクス、コピー、プリンター、スキャナー、インターネットFax、PC-Fax など、多彩な機能を1 台に搭載可能な村田機械のデジタル複合機

 それからほぼ3年が経過した2008 年後半、村田機械は情報機器事業部を中心に、製品環境情報管理システムの大幅な機能拡張に向けた検討作業を開始することにした。
理由の一つは、REACH規則に定められた成形品(アーティクル)に含まれる特定物質の届出期限が2011 年6月1日に迫っていたこと*2。REACH規則は製品などに含まれる化学物質についての情報を欧州化学物質庁に登録することや、成型品に含まれる特定物質の使用量などの条件に応じて、情報伝達や届出といった手続きを要求する欧州の規則だ。欧州向け製品に対する情報伝達の準備や届出要否の判断を期限内に確実に行うためには、約1年前までに確認実施可能な体制が構築されていることが望まれた。
もう一つの理由は、グリーン調査共通化協議会(JGPSSI)のガイドライン(JIG)に対応した最新のデータフォーマットを使用したかったこと。このデータフォーマットは部品や材料に含まれる化学物質についての情報を企業間で交換するためのもの。情報機器事業部が過去に構築したシステムはVer.2に対応していたが、当時すでにVer.3が多く流通しており、2009年にはVer.4が登場する見通しであった。また、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)が提唱するAIS(Article Information Sheet)というグリーン調達調査フォーマットについても、今後はその活用を視野に入れる必要があった。そのため、成形品の情報伝達や届出への対応と併せて切り替えようと考えたのである。


使いやすさと富士通SEサポートを評価してECODUCEを採用

デジタル複合機

ファクス、コピー、プリンター、スキャナー、インターネットFax、PC-Fax など、多彩な機能を1 台に搭載可能な村田機械のデジタル複合機

 最終候補となったのは2製品。機能、使いやすさ、価格、サポート体制などを総合的に評価し、富士通のECODUCEを採用することを2009年4月に決めた。
「機能面では両製品にそれほど大きな違いはありませんでした。しかし、ECODUCEは画面操作などが使いやすく、サプライヤーとのやり取りを担当する現場として強く推しました」と語るのは、京都購買部 係長の吉岡富美夫氏。同じく京都購買部の里 真奈美氏は、「週に1 回は調査依頼をサプライヤーに送っていますので、毎回の作業に手間がかからないシステムを望んでいました。ECODUCEは、画面表示や操作はシンプルですがたくさんの情報を簡単に扱うことができ、使いやすい製品という印象を受けました」と言う。
また、充実したサポート体制も採用を決める際の大きなポイントとなった。「『単にパッケージを販売・導入するだけでなく、使えるようになるところまできちんとサポートします』とのお申し出があり、すっかり心を惹かれてしまいました」、と高岸氏は話す。
ECODUCEの導入・設定と関連システムとのインタフェース開発に要した期間は、約3カ月。その後は習熟テスト用のシステムを構築し、京都購買部を中心に各拠点の発注部門の担当者が使い勝手の検証とトレーニングを続けていった。これと並行して、情報機器事業部でも業務のプロセスやワークフローの一部を新しい製品環境情報管理システムに合わせて変更した。
新システムの本稼働が始まったのは2010年6月。サプライヤーに対する事前説明会を中国、京都および大分で開催し、長期間の習熟テストを行っていたこともあって、業務は初日からスムーズに始まった。「法制度への対応を目的としたシステムですから、最も重要なことは期日までに企業に課せられた義務を果たすこと。そのための仕組みを作り上げられたことが最大の成果だと考えています」と高岸氏。
当面の運用方式は、JGPSSIの調査データフォーマットVer.2に対応した旧システムと最新のVer.4対応の新システムを並行稼働させるスタイル。Ver.2で問い合わせを依頼したものは旧システムに登録、Ver.4で行ったものは新システムに登録するという運用方法だ。必要に応じて、JAMPのAISを用いた調査の実施も検討している。今後、旧システムは並行稼働を続けながら段階的に縮小させ、最終的にECODUCEの新システムへ統合していく方針。
「REACH規則やRoHS指令への対応は、各社が個別に行うよりも、業界が共同して標準化したほうが効率的なはず。そうした思いから、富士通主催のECODUCEや化学物質規制法の勉強会にも毎回参加し、他社様の取り組みについても勉強しています」と高岸氏。環境保護に向けた富士通の取り組みに、ものづくりに携わる日本のメーカーは大きな期待を寄せている。


*1 RoHS 指令:欧州連合による電気電子機器に含まれる特定有害物質(6 物質群)の使用制限に関する指令。2006 年7 月施行。
*2 REACH 規則:欧州連合による化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則。2007 年6 月施行。


村田機械 情報機器事業部の製品環境情報管理の仕組み
村田機械 情報機器事業部の製品環境情報管理の仕組み。ECODUCE で調査票を作成し、サプライヤーからの回答をデータベースに登録する

【会社概要】

村田機械株式会社

  • 本社:京都府京都市伏見区竹田向代町136
  • 創業:1935年7月
  • 取締役社長:村田 大介
  • 資本金:9億円
  • 従業員:2,400名
  • 従業員数(グループ):5,400名
  • 事業内容:
    産業用機械のメーカーとして、ロジスティクスとファクトリーオートメーション用の機器、工作機械、繊維機械を開発・製造・販売。一般のオフィスや消費者向けには、デジタル複合機やファクシミリも提供している。
  • URL:http://www.muratec.jp/Open a new window