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iCAD MX 導入事例


数カ月の試作品納期を数日に短縮しポンプ効率大幅アップを実現
- 解析機能の活用で限界設計に挑戦しさらなる最適化へ

株式会社川本製作所

株式会社川本製作所 様


創業100 年を迎えようとするポンプメーカーの川本製作所は、蓄積してきた2次元図面資産をベースに、より効率的でスピーディーな製品開発を目指し3次元CAD、iCAD MXを導入。2次元3次元統合設計環境移行の第1ステージで試作品納期の短縮とポンプ効率大幅アップを実現した同社は、限界設計への挑戦によるいっそうの最適化という第2ステージを迎えている。

[ 2016年7月制作 ]

【導入事例概要】
業種: 製造業
設計品: ビル用自動給水ポンプ、家庭用給水ポンプ、消火用ポンプ、
水中ポンプ、渦巻きタービンポンプなど
製品: FUJITSU Manufacturing Industry Solution iCAD MX

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手押 しポンプから始まり超高層建造物用給水ポンプで業界をリード

1919年、鋳鉄製手押しポンプの製造で創業した川本製作所は、以来1世紀にわたり各種ポンプの製造を手がけ、公共設備・産業設備・ビル設備・消防・一般家庭用ポンプのリーディングカンパニーである。製品ラインナップは520機種、6,800形式を超え、年間25万台以上のポンプを生産、国内および海外に出荷する。
近年では、家庭用・小規模・大規模住宅だけでなく超高層建造物へのポンプの納入事例が増加し技術力の高さを示している。

「岡崎工場 技術部 部長 中村 敏也 氏」写真

「岡崎工場 技術部 設計一課 課長 豊田 耕司 氏」写真

「岡崎工場 技術部 設計一課 柳川 英明 氏」写真

「岡崎工場 技術部 設計二課 後藤 透 氏」写真

「岡崎工場 技術部 技術管理課 原田 章人 氏」写真

岡崎工場
技術部
部長
中村 敏也 氏
岡崎工場
技術部
設計一課 課長
豊田 耕司 氏
岡崎工場
技術部
設計一課
柳川 英明 氏
岡崎工場
技術部
設計二課
後藤 透 氏
岡崎工場
技術部
技術管理課
原田 章人 氏

家庭用ポンプ NR形カワエース®
家庭用ポンプ
NR形カワエース®

インバータ自動給水ユニット ポンパー® KFE形
インバータ自動給水ユニット
ポンパー® KFE形

インバータ自動給水ユニット 高揚程 KVF2形 ポンパー® KVF
インバータ自動給水ユニット
高揚程
KVF2形 ポンパー® KVF

ハイエンド3次元CADを導入するも定着しなかった理由

同社は様々なフィールドで省エネ性、低騒音、小型軽量化を図った製品開発でシェアを拡大しているが、その過程で浮上したのが2次元3次元設計環境の統合という課題だった。蓄積された数十万枚分の2次元設計データを活用した3次元設計で素早く新技術を開発することが求められていた。同社岡崎工場技術部部長の中村敏也氏はこう語る。「まず試作のスピードを上げようと、ハイエンド3次元CADを導入したのですが、ほとんどの設計者は使おうとしませんでした」。以前運用していた2次元CADとの互換性がなかったために、3次元CAD 上で再度2次元図面を描き、3次元モデル化しなければならない作業負荷から敬遠されたのだ。一方、試作スピードを早めようとすると、金型メーカーなど協力会社から3次元データの要求が高まってきた。同技術部設計二課の後藤透氏は、「長い間、試作依頼には2次元データを渡していましたが、しばしば納期の限界に突き当たっていました。3次元CADを導入する協力会社から、3次元データでもらえれば、もっと納期を早められるとの声が聞かれるようになり、3次元CADの選定、導入が急務になった」と語る。

2次元図面データと操作性の100%互換を評価

同社は2005年、新たに導入する3次元CAD選定のため、各課からメンバーを募り検討プロジェクトを立ち上げた。重視したポイントは、蓄積してきた2次元設計データとの互換性と、操作性や機能概念において親和性をもっているかだった。そして検討の結果、迷うことなくiCAD MXを採用した。その理由について同技術部技術管理課の原田章人氏はこう語る。「以前の2次元CADとのデータ互換性は100パーセントでした。操作性もほぼ100パーセント互換性があるうえ、Windows感覚で操作できます。また、アイコンが設計者目線で配置されているのでキー操作が少なくて済み、以前の2次元CADより操作性も良く、取組みやすい。100年間蓄積してきた設計資産の活用がいよいよ進む時がきたと確信しました」。また中村氏は次のように評価している。「ミッドレンジ3次元CADとして大変バランスがとれて当社に適合していると思いました」。

3次元CAD操作は1~2日でマスターできた

【3Dモデル】KFE形

【3Dモデル】KFE形

検討プロジェクトチームは、iCAD MX 導入の計画を立案し2次元3次元統合設計環境への段階的移行を図った。2007年当初、8ライセンス導入し、その後、以前の2次元CADを次々とiCAD MXに置き換え40ライセンスまで増やした。同技術部設計一課課長の豊田耕司氏は導入当時を振り返り、こう語る。「初めて2次元CADを操作する新人の操作教育は、以前運用していたポピュラーな2次元CADと互換性があるので外部講師に委託でき効率的でした。また3次元CAD操作の習得は1~2日で基本操作をマスターできました。その後のステップアップは2、3人が1組となって新規部品の組立図を作成するOJT方式で進めました」。初めて3次元設計に取り組む設計者からは、2次元図面にx軸を1本追加する感覚で3次元図面を起こすことができ簡単だ、といった声が上がったという。「2次元設計データから簡単に3次元図面を起こす様子を見た設計者たちが次々に、iCAD MXに踏み切るというように急速に普及しました」(豊田氏)。

試作過程で思う存分トライアンドエラーに挑戦

2次元3次元統合設計環境への移行後、設計工程の手数は増えたが、設計開発工程全体は短縮した。中村氏は、「容易に利用可能となった3次元プリンターで、ポンプ心臓部のインペラなど主要部品の試作が数カ月から数日に短縮したことや、協力会社に依頼する試作品の仕様情報の精度向上が大きな要因です」と語る。
従来の2次元データでの発注では形状の読み取り方で微妙なズレが発生することがあり、しばしば手戻りがあったという。しかし3次元データでは形状が間違いなく数値で表現されるので、読み取りのズレが払拭され、手戻りがなくなったのだ。また協力会社にとっては試作過程のトライアンドエラーがやりやすくなったようだ。「例えば、ある部品Aを従来の構造に組み込むとします。その場合、隣接する部品Bの形状は自由に変えても良いが、部品C、Dの形状変更は絶対この範囲に収めてほしいといった条件を、正確に伝えられるからです。iCAD MX導入後は、ノートPCで断面図を見せ、こうした要望を正確に伝えられるので、一発でほぼ要求通りの試作品ができ上がるようになりました」(後藤氏)。

干渉チェックと解析機能で省エネ機能とポンプ効率を同時に向上

【流体解析】ポンプ内部の可視化による最適化

【流体解析】ポンプ内部の可視化による最適化


【構造解析】ポンプ部フランジの薄肉化検討

【構造解析】ポンプ部フランジの薄肉化検討

干渉チェック機能の活用による効果も大きい。同技術部設計一課の柳川英明氏はこう語る。「給水ポンプ(家庭用)などユニット製品では、外側のカバーなどにデザイン性を求められます。従来は、透明のカバーを試作して内部装置との干渉をチェックしていました。しかしiCAD MXでは干渉チェックがボタン一つでできるため、こうした手間から解放されました」。また、解析機能の活用は目に見える成果につながっている。流体解析機能によりポンプ内部の複雑な水流を可視化し、抵抗となる渦の発生を突き止め、水流を最適化する新機軸の構造を設計することでポンプ効率を大幅に向上させているのだ。こうしたポンプ効率の向上とインバーター技術、ユニットとしての運転効率の改善により、同社は省エネ効果で競合他社を大きくリードする製品を市場投入している。
さらに導入効果はエンドユーザーへのPR効果にも及ぶ。「当社製品の優位性を説明する際、改良された装置の断面図や分解組立図を展開してお見せすることで一目瞭然、ご理解いただけるのです。設置いただいたビル管理会社様には、より効率的な保守点検のための情報としてご覧いただいています」(豊田氏)。

運用ルールの最適化で見えてきたコストダウン手法

2016 年2月現在、同社ではiCAD MXを40ライセンスで運用している。今後、同社のポンプに対する省エネ性能の要求はますます高まるものと予想されるが、設計者全員がiCAD MXを運用し3次元設計が主流になれば製品品質の一層の向上を見込める。「同型の製品を継続生産する場合、金型を新調するため微妙な性能変化がつきものでしたが、3次元設計データによる金型新調が主流になれば、こうしたわずかな性能のブレもなくすことができるからです」(中村氏)。
また、運用ルールのさらなる最適化によるコストダウン効果も期待されている。例えば強度の解析をどこまで徹底して行うかは各設計者の判断に委ねられていたが、その標準化が本格化し始めた。「iCAD MXでは手計算時代よりはるかに高度な解析が容易にでき、解析過程やその結果も設計者間で共有できるようになりました。そのため、『全員がこのレベルまで解析しよう』という意識が広がったのです」(中村氏)。
その結果、限界設計を考慮に入れた製品開発が行われるようになり、次世代型給水ユニットとして開発した新製品では小型軽量化が進んだ。さらに同社が進めようとするのは3次元設計による最適化である。「ポンプは圧力を高める装置なので、設計では常に受圧面積を考慮に入れる必要がありますが、iCAD MXではボタン一つで体積や面積を算出できるのでより精密な設計が容易です。これにより、過剰設計部分をつぶしながら最適化を追求する設計も可能になってきました」(後藤氏)。
iCAD MXは同社製品の設計業務の効率化にとどまらず、さらなる性能向上とコストダウン追求のツールとなりつつある。

【株式会社川本製作所様 会社概要】
所在地 〒460-8650
愛知県名古屋市中区大須四丁目11番39号
代表取締役社長 髙津 悟
創業 大正8年5月17日
設立 昭和24年12月1日
資本金 3億3, 000万円
従業員数 781名
事業内容 汎用ポンプ製造並びに販売
建築設備用(給水・排水・空調・防災他)、農漁業用(灌漑・温室・養殖池循環)
家庭用・消雪用・深井戸用・セットメーカー用

株式会社川本製作所

ホームページ 株式会社川本製作所様 ホームページOpen a new window

【導入事例(PDF版)】

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