導入事例キーワード | |
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設計品: |
自動販売機
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ソリューション: |
PLMソリューション
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製品: |
VPS(仮想試作)
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設計検証、試作検証の最適化とともに製造プロセスをどう効率化するか。これはすべてのメーカーにとって至上の命題である。もっとも確実な対策は「しっかりした構想設計」の実現である。すなわち問題点を先送りしない、フロントローディング設計を行うこと。そのためには仮想試作や仮想試験などのデジタル・シミュレーションがどうしても必要になる。そこで、サンデン様では自動販売機分野で富士通のVPS(Virtual Product Simulator)を導入・活用した設計改革に挑戦。仮想設計・仮想検証による初期段階での的確な作り込みを推進し、リードタイム短縮やコスト削減、生産準備や組立工程の効率化など大きな効果をあげた。
自動販売機は最近ますます多様化しており各ボトリングメーカーでは市場ニーズを細かくセグメントしてさまざまな商品を開発している。容器の形状も缶、ボトルと色々あり、大きさや形も多彩になっている。そのために自動販売機自体も外観、メカニズム、機能それぞれに多様化し複雑になる傾向にあり、開発・設計も以前より手間やコストがかかり、設計の問題点も多く発生しやすい状況。問題点や不具合の早期発見、リードタイムの短縮、コストの削減などが急務であった。
開発・設計プロセスにおける後戻り工数は飛躍的に減少した。後工程に対する加工用CAMデータ支援やパーツリスト作成支援などにより、生産性も格段に向上。リードタイム短縮はもちろん、試作費・部品原価・金型費などの削減にもつながるといったコスト面でも効果。
赤城事業所のコンカレント・エンジニアリングへの取り組み
特に念頭に置いたのは、仮想設計、仮想試作、DR(デザインレビュー)による仮想検証などの機能です。開発・設計で求められるこれらの機能において、VPSはほぼ満点の性能を示していました。仮想設計における動的干渉検討、動作シミュレーション、操作性検討、メカトロ制御検討、ハーネス設計などの評価ポイントも高く、またDRによる仮想検証面での組立性評価、工具干渉、作業手順評価、組立時間評価、配線経路検証などの機能も万全で、動作アニメーションも容易に作成できました。また、生産設計や製造面から見たツール検証もきわめて重要です。この面でもVPSは高い評価ポイントを獲得しました。たとえば動作アニメーションを活用した組立性評価や作業手順評価の機能などは非常に優れています。しかもそれらがエンジニア自身で容易にデータ作成でき、シミュレーションできる点にほれ込みました。将来目標である、製品企画から量産までのすべてのプロセスにおけるコンカレントエンジニアリング実現のためにVPSを活用して成すべきことはまだまだあります。