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Fujitsu

Japan

VPS 導入事例

三菱日立製鉄機械株式会社 様


3次元活用で設計者の負担を軽減、顧客満足度も向上へ
1週間を要したお客様へのプレゼン準備作業も不要に


導入事例キーワード
設計品: 機械プラント
ソリューション:
PLMソリューション
製品:
VPS

三菱日立製鉄機械株式会社様は、三菱重工業様と日立製作所様の両社の製鉄機械部門が統合して生まれたプラントメーカーです。2002年に新会社として発足したのを契機に、エンジニアリング手法を見直し、3次元データを活用した業務改革を開始しました。

3次元CADでは限界があった膨大部品点数の大規模アセンブリ

次世代半自動連続圧延設備 次世代半自動連続圧延設備

最初に導入したのはあるベンダーの3次元CADでした。設計者自身が使いこなすことにより、設計者の技術力を向上させ、同時に外注費の削減を狙ったものでした。その結果、ほぼ期待通りの成果を収めましたが、半面、「この3次元CADの限界も見え始め、設計者のデータ活用の幅を広げるためには、別の手立てが必要だと感じました」と広島事業所圧延機設計部本体グループ主席技師の佐古彰様は語られています。

三菱日立製鉄機械様が製造するプラントは、すべてオーダーメイドです。部品点数は膨大で、しかも過酷な条件下の使用にも耐えられよう設計する必要があります。そこで3次元データ上での大規模アセンブリが行える環境が好ましいですが、メモリ量の限界から、導入した3次元CADでは不可能でした。

そんな時、富士通のVPSを知ったのです。「最初に見た時は、本当に驚きました。大きなアセンブリが軽々と扱えるのです。しかも、モデルの回転や部分的なズームアップなど、夢のようなことができる。これだ!と思いましたね」(佐古様)。三菱日立製鉄機械様は2004年6月にVPSを導入されました。実際に使用されて「使用実感は3次元CADの1/10分以下の軽さでした」とのご感想をいただいています。

お客様へのプレゼン準備は設計データをVPSに取り込むだけ

佐古 彰 氏 佐古 彰 様
三菱日立製鉄機械株式会社
広島事業所 圧延機設計部
本体グループ主席技師

VPS導入の効果はそればかりではありません。三菱日立製鉄機械様ではお客様に対するプレゼンテーションの際、設計者が自作の資料を携えて、営業部員に同行します。三菱日立製鉄機械様が納入するすべての設備が一品生産であり、お客様ごとに仕様が異なるため、設計者による技術説明が不可欠です。専門部署に依頼してアニメーションを制作することもありましたが、時間と経費の制約から、従来、大部分の資料は設計者の手作りに委ねられていたということです。

それは設計者にとって大きな負担でした。「訪問日の1週間くらい前から準備にとりかかり、図面に色を塗るなど、それなりに工夫を凝らしましたが、アニメのような見栄えにはなりませんでした」と佐古様は語られました。

しかしVPS導入後は、その資料作りの作業がほとんど不要になりました。設計データをVPSに取り込むだけで、技術説明に必要な資料がすべて整います。しかも、VPSのアニメ機能を使えば、専門スタッフに依頼したものと同等レベルのアニメが出来上がります。パソコンにそれらのデータを落とし込み、そのままお客様に持参することも可能です。「データをアニメに再生するのにも、さほど時間がかからないため、お客様の前でやってみせることができるのです。以前のように手間をかけて準備をしたわけでもないのに、お客様からは感謝されるケースが増えました」(佐古様)

設計者をマルチプレーヤー化、少数精鋭主義に不可欠なツール

VPS画像例(熱間圧延設備) VPS画像例(熱間圧延設備)

特に佐古様が強調するのは、トータル的に見て、VPSが設計者の負担軽減に大きく貢献していることです。「ときどき『VPSを導入したことで新しい仕事が増え、設計者の負担が増したのでは』と勘違いされる人がいますが、新たに別のデータを作るならともかく、自分の作ったデータをシミュレーションしやすく変換するだけなので、負担にはならないのです。むしろ、手戻りが少なくなる分だけ、設計者の負担は軽減されているのです」

専門部署に依頼していたアニメ作りの場合はどうだったのでしょう。実際には設計者の思い通りのものになるまで、担当者との間で、何回もすり合わせが必要となり、相当な時間や労力を費やしました。しかし、VPSを使えば、最初から自分の意図通りのアニメが作成でき、修正に手間取ることもなくなりました。

「これから先は、過去にも増して優秀な技術者を確保することが難しくなることが予想されます。こうした時代に生き残っていくためには、設計者のマルチプレーヤー化が必要なのです」と佐古様は語られています。

三菱日立製鉄機械様では、設計者が設計だけに専念できる環境を作ろうとは考えていません。3次元CADもFEM(有限要素法による解析)ツールも、すべて設計者が使いこなしています。ましてや、使うことで設計者の負担軽減に役立つVPSは、いまやマルチプレーヤー化を促進する上での不可欠なツールになりつつあります。

三菱日立製鉄機械様の3次元データ活用戦略の主体は、あくまでも設計部門です。しかし、VPSのポテンシャルを考えたとき、ほかの部門で使わない手はありません。そこで今後は、分解・組立手順などの仕様書をアニメーションファイルで社内に開放していく予定です。また、将来的にはモデルデータを全社に公開し、営業部門単独での客先向けのプレゼン(標準プレゼン)や製造部の組立指示書、建設部の据付性検討、品質保証室の過去トラブル検証など、順次、全社的な活用へと広げていく計画です。

【会社概要】

三菱日立製鉄機械株式会社

  • 本社:東京都港区芝5-34-6 新田町ビル
  • 設立:2000年(平成12年)10月
  • 資本金:35億円
  • 従業員:370人(2007年1月現在)
  • 事業内容:市場のグローバル化と世界的な競争社会が到来するなかで、三菱重工業様と日立製作所様の製鉄機械設計・製造部門が統合して誕生。広島事業所に事業部門を構え、熱延・冷延・プロセスなど機械プラントの製造・販売を行っている。累計納入実績は約2000プラントに及ぶ。
  • URL:http://www.m-hmm.co.jp/japan/Open a new window