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製薬業界における
データインテグリティ(Data Integrity:DI)とは?

米国FDAや欧州EMAをはじめとした規制当局は、データインテグリティ(Data Integrity:DI)に焦点をおいた監視を強化し、そのためのガイダンスを 続々と発表しています。データ管理の厳格化が求められるなか、日本の製薬業界においても、データインテグリティへの対応は急務です。

データインテグリティ(Data Integrity)とは?

データインテグリティとは、情報処理などの分野で使われる用語で、データ(ソースデータ:原資料)がすべて揃っていて、欠損や不整合がないことを保証することを意味します。
製薬業界におけるデータインテグリティでは、FDAやEMAが提示する『ALCOA原則』および『CCEA』に則ったデータであることが求められています。

【データインテグリティとは】

  • データが完全で一貫性があり、正確であること。ALCOA原則に則ったデータであること(FDA : 米国医薬品食品局)注1
  • 全てのデータが、ライフサイクルを通じて完全で一貫性があり正確であること(MHRA : 英国医薬品・医療製品規制庁)注2

【ALCOA原則】

  • Attributable(帰属性):
    データの所有者・帰属・責任が明確であること
  • Legible(判読性):
    データが判読でき、理解できること
  • Contemporaneous(同時性):
    データの生成と記録が同時であること
  • Original(原本性):
    データが原本であること・複製や転記ではないこと
  • Accurate(正確性):
    データが正確であること
    EMAではさらに【CCEA原則】が求められる。
  • Complete(完全性):
    データが完全であること
  • Consistent(一貫性):
    データが一貫して矛盾がないこと
  • Enduring(耐久性):
    データが永続的であること
  • Available when needed(必要時の有用性):
    データが必要なときに利用可能であること

(注1)出典:「Data Integrity and Compliance With CGMP Guidance for Industry」2016.4 FDA
PDF https://www.fda.gov/downloads/drugs/guidances/ucm495891.pdf新規ウィンドウが開きます
(注2)出典:『MHRA GxP Data Integrity Definitions and Guidance for Industry』MHRA 2016.7
PDF https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/538871/MHRA_GxP_data_integrity_consultation.pdf新規ウィンドウが開きます

データインテグリティ(Data Integrity)への対応のポイント

データインテグリティは、データの生成から廃棄に至るまでの、データのライフサイクルの全過程で担保されるべきものです。すなわち、所属部門や業務の種別に関係なく、全社的に取り組みむべき課題となります。

データのライフサイクル

データインテグリティを担保するためには、データのライフサイクル全般を、全社的・部門横断的に、かつ、ガバナンスや品質にも配慮した管理をする必要があります。

データのライフサイクル

【データのガバナンス】

  • データに関連する情報を業務横断的に管理
  • 実データとともにメタデータ(誰が・いつ・どのように・データを生み出したのか、権限設定や業務SOPの組織プロセス情報)の管理

【データの品質】

  • データインテグリティ確保のためのリスクアセスメント、コントロール、定期的監視

製薬業界における
データインテグリティ(Data Integrity)への取り組み

なぜ、製薬業界でデータインテグリティが求められているのか?

医薬品の安全性の追及は、製薬業界において必須事項です。一方で、医薬品申請の電子化に伴いデータインテグリティ担保に関する指摘が多発しています。例えば、欧米の場合、当局が発信する査察指摘事項(Warning Letter)の60%がデータ管理不備を指摘するものとなっています。
国際標準化が進む製薬業界において、グローバル化・電子化に対応するためには、データインテグリティへの取り組みは急務です。

【医薬品の安全性追及】

  • ヒトへの投与時の安全性、個別化医療の進展、偽薬問題、ジェネリックの品質問題

【医薬品ライフサイクルに関する電子化の発展】

  • 国際標準化の発展を背景にプロセス全体への電子化対応が進展

【エビデンス重視の査察対応強化】

  • 上記の流れを踏まえて規制当局が査察を強化

医薬品ライフサイクルにおける電子データの流れ

製薬業界におけるデータインテグリティでは、創薬研究段階から、非臨床、臨床、申請、製造販売後、PV(Pharmacovigilance: 医薬品安全性情報管理)を含めた「医薬品のライフサイクル」で生成されたすべてのデータが対象となります。
それには、Rawデータや原資料だけでなく、メタデータ(誰が・いつ・どのように・データを生み出したのか、権限設定や業務SOPの組織プロセス情報)や関連文書、関連データなど、医薬品使用の根拠となるすべてのエビデンスデータが含まれます。

医薬品ライフサイクルにおける電子データの流れ

富士通のデータインテグリティ(Data Integrity)ソリューション

富士通は、30年以上、製薬業界の皆さまのためのサービスを提供し続けてまいりました。創薬から申請・販売まで、製薬業界のプロセスを熟知しているコンサルタントがサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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