田辺三菱製薬株式会社 様

情報システム部
リソースマネジメントグループ
平松 茂基 グループマネジャー

それまで全国の支店が分担していた実消化業務を本社に集中させ一括して行うために、2000年より富士通関西システムズと共同で実消化システムの開発を進めてきました。もともと当社は、実消化業務は製薬会社としての責務と考え、その精度にこだわりを持っていました。そのためにシステム開発にも工夫を重ね日々進化させてきたつもりです。また、ご存じのようにこの業務には専門のスキルやノウハウが必要ですが、当社でもベテランの専任チームを編成し業務を遂行してきました。
しかし、実消化データの正確性を高める上でエラーデータの対応や各種マスタのメンテナンスが大きな負担となるとともに、専門性を伴う業務でありながら、ノウハウの継承や人材の育成が年々難しくなってくるというジレンマに陥りました。10年後もこれまで通りの精度で実消化業務が継続して行われているかどうか危機感を抱いていたところに、富士通関西システムズから実消化業務のBPO化のご提案をいただいたわけです。
実消化業務の外部委託については以前も検討したことがありましたが、業務の専門性が高いという理由で断念しました。しかし今回は、これまで10年以上にわたってシステムを保守運用し、業務にも精通している富士通関西システムズなら、業務委託とシステム運用をトータルに遂行できると判断しお任せすることにしました。

営業本部
営業業務部
営業システムグループ
長江 裕司 グループマネジャー

業務を移行するにあたっては、富士通関西システムズ社内に開設された実消化サービスセンターに当社の専任スタッフが出向き、SEさんにOJT訓練を行う形で業務を引き継ぎました。当社のシステムに長年携わっていたこともあって理解が早く、約1ヶ月半でスムーズに引き継ぐことができました。
現在委託している業務範囲は、①業界共通VAN等から取り込んだ販売データのクリーニングおよびデータの入力 ②医療機関や薬局、特約店、製品など各種マスタのメンテナンス等の業務です。委託後もこれまでと同じ精度で業務が遂行されており満足しています。以前は月末や期末の繁忙期の人員確保に悩んでいましたが、今ではその心配もなくなりました。今後は委託する業務範囲を拡大していくつもりです。
実消化業務は製薬会社各社とも同じような業務を行っておられるはずです。実消化業務は必須の業務でありますが、他社と競争するところではないと考えています。例えば医療機関や薬局などの最新情報は、各社とも共通のマスタを使うこともできるのではないかと思います。今後は、業界として業務の標準化を進め、高品質で安価な実消化業務サービスが享受できるようになればいいと願っています。その意味でも富士通関西システムズには、当社をきっかけにしてどんどん展開していってほしいですね。