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導入事例 医療法人財団明徳会 総合新川橋病院様

医療法人財団明徳会 総合新川橋病院外観写真

ICT化に備え病棟の運用ルールづくりを先行して進め、業務の効率化によって看護の質を向上


神奈川県川崎市の総合新川橋病院は、208床の総合病院として川崎駅周辺の医療激戦地域で眼科を中心に18 診療科で医療を提供しています。同院では、2015年に「HOPE EGMAIN-LX(オーダリング適用)」を導入、看護支援システムの運用をスタートしました。看護部では、看護業務の電子化を見据えて以前から準備を進めており、標準看護計画や看護記録、重症度、医療・看護必要度の記録なども含めて看護支援システムに反映したシステム化を実現しました。看護支援部分の先行ICT化に取り組んだ経緯と実際の運用について、システム化に看護部担当者として関わってきた平松智子副看護部長と、現場でのシステム活用に取り組む下郡美香看護師長にインタビューしました。

個別ケアを提供するため教育体制や就業環境を整備

Q:貴院の概要を教えてください。

下郡美香看護師長と平松智子副看護部長

下郡美香看護師長と平松智子副看護部長

平松氏:当院は、1930(昭和5)年開院、戦後すぐ再開し、診療科を徐々に増やして地域の総合病院として成長してきました。現在は18の診療科、208病床を備え、地域医療に貢献できるよう努めています。当院のある川崎駅周辺は2km圏内に中規模以上の病院が林立していますが、その中において眼科を中心に主要な診療科をそろえており、院内連携により総合的に全身の管理を行う医療を地域の方々へ提供できることが当院の特色だと思います。

Q:看護部の理念や特徴をお聞かせください。

平松氏:看護部では、ナイチンゲールの考え方をベースに、患者さんと接する時間を多く取り、個々の患者さんに適した個別性のあるケアの提供を目標にしています。病棟看護の特徴として、診療科ごとに病棟は決まっていますが、空床があれば他科の患者さんも受け入れる体制をとっています。これにより、看護師は他科との交流を通してさまざまな領域について学び、ジェネラリストとしてもスペシャリストとしても成長できるという特色があります。もちろん看護師にも診療の専門性が求められていますので、ジェネラリストであることは簡単ではありませんが、看護基準や標準看護計画を広く適用することでカバーしています。
  当院は平均在院日数が8日と短く、8割ほどの患者さんがクリティカルパス(パス)の適応となるため、紋切り型のケアにならないよう、“看護を認識しながら看護を提供する”ことに留意し、患者さんに寄り添ったケアを心掛けています。

下郡氏:それを実践するためにも、教育には力を入れています。段階的にきちんと成長していけるように、院内研修は教育プログラムを更新しながら行い、院外研修の知見は院内にフィードバックするようにしています。また、管理者研修も年に3回ほど実施し、目標管理で看護師の育成を図っています。
  より良いケアが提供できるよう、働きやすい環境づくりにも力を入れているため、卒後からずっと当院で働いている看護師も少なくありません。産休・育休や時短勤務、看護・介護休暇など事情に応じた制度が整っていて、スタッフはお互い様という気持ちで理解し合える雰囲気があるため、出産後の看護師も約9割が復帰して活躍してくれています。

ICT化を見据えてルールを整備しスムーズに移行

Q:貴院のICT化の経緯と現状をお聞かせください。

平松氏:当院は、2008年にHOPE EGMAIN-NXのオーダリングシステムを導入し、2015年8月末にHOPE EGMAIN-LXに更新しました。この時に病院の方針として看護支援システムが導入されました。
  当院は、現在でも外来患者の約4割が眼科受診者です。眼科は、シェーマを多用し、眼底検査や視力検査など他科と比べて科内検査が多く、取り込むデータが多岐にわたります。PACSや検査システム、他科部門システムはHOPE EGMAIN-LXと連携していますが、眼科領域のシステム化は難しく更新前と同様に紙カルテでの運用を継続し、HOPE EGMAIN-LXはオーダリングシステムとして使用しています。

Q:看護支援システムの導入はどのように進められましたか。

平松氏:看護支援システムの導入決定から実稼働まで約4か月という短い準備期間でしたので、システムの構築やスタッフへの周知などさまざまな作業を同時に進めました。病院の方針としてシステム導入が決まったこともあり、急なICT化には驚きましたが、実は以前から将来の看護部門のICT化を見据え、それを前提として看護記録などのルールを作り込んでいたため、業務はスムーズに移行できたと思います。

下郡氏:システム導入のためのWGは設けず、各部署の現場を把握している師長を中心に運用を検討しました。看護記録については、まず記録委員会の委員がレクチャーを受け、現場に伝えていきました。記録のルールはシステム導入前とほぼ変わっていないので、委員会で操作マニュアルを作成して手順書として紙ベースで共有して対応したため、混乱はありませんでした。

Q:導入で苦労した点はありますか。

平松氏:実は導入が決まった時点では看護支援システム自体をあまりわかっておらず、“看護記録に使う”という漠然としたイメージで作業を進めていました。看護勤務管理システムとの連携やワークシート管理など、さまざまな機能が使えることを理解してからは、実際の運用を考えながら同時進行で作業を進めたため大変でしたが、おかげで以前と比べて業務を大幅に簡略化できました。

従来の運用をシステムに反映し業務の効率化を実現

Q:看護支援システムの運用のメリットをお聞かせください。

平松氏:もともと看護部では、独自に標準看護計画を作成していました。システム導入に当たっては、この看護計画をパスと連動するようにマスタとして加工し、パスに対して看護計画を展開していく運用を構築しました。また、看護記録はフォーカスチャーティングを採用しています。システムの「SOAP&フォーカス」はDARが標準なのですが、選択項目を増やしてもらうことで、以前の紙媒体での記録と同じ運用が可能になりました。

下郡氏:経過表においては疾患ごとの観察項目がセットされているため、ベースを選択し、個別性を追加するというシンプルなものになりました。SOAP&フォーカスでは、標準看護計画がセットになっているため計画立案が容易になりました。手書き作業も大幅に削減されたため、その分、個別性を詳しく記録する余裕ができています。

平松氏:フォーカスチャーティングには、記録業務の簡略化や実践証明のための連動記録という方法があります。システムでは計画を見ながら記録できるので、看護計画のケアプランにナンバリングし、ルールで定めた看護必要度の番号を登録しておくことで、ケアプラン実施の記録は、実施したケアプランのナンバーと看護必要度の番号を入力するだけで終了します。これによって、確実な証明と記録時間の短縮化が可能になりました。

HOPE EGMAIN-LXでは患者さんごとの看護記録を詳しく表示できます。
HOPE EGMAIN-LXでは患者さんごとの看護記録を詳しく表示できます。

必要な機能を見極めて実装しベッドサイドケアを充実

Q:看護支援システム導入に当たってのアドバイスをお願いします。

下郡氏:紙媒体がシステムへと変わったら、どのように運用するかというルールづくりを事前にしておくといいと思います。当院では、将来のICT化に向けて準備していたことが、混乱を生じずに切り替えられたポイントだと考えています。

平松氏:部内だけでなく、他部門との連携も含め、自院の業務フローを理解することが重要だと思います。その上で、システムをどのように使っていくかを考え、必要な機能を見極めることが必要です。看護師はシステム上でかかわるすべての職種と普段から仕事をしており、最初のオーダリングシステム立ち上げ時にも、私ともう一人の看護師ですべてのWGに入り、各部門と話し合いながらルールをつくっていきました。長年かかわってきたことで、現場からの相談に対して、「この機能が活用できそうだね」といったアイデアをすぐに提案できるようになり、現場からも要望や意見を出しやすいのではないかと感じています。

Q:今後の展望をお聞かせください。

平松氏:現在は紙ベースで運用している部分をシステムに載せて、アウトプットできるようにし、より看護の質を上げていきたいと思います。記録や入力など事務的な業務を簡素化できたことで、ベッドサイドケアの時間を拡大できるようになりました。システムをうまく使いつつ、個別性のある看護を展開するという最終的な目標の実現に向けて、これからも努力していきます。



施設概要

医療法人財団明徳会 総合新川橋病院

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