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導入事例 日本赤十字社 高松赤十字病院様

日本赤十字社 高松赤十字病院外観写真

医師事務作業補助者の導入にフィールド・イノベーションを活用して適正な配置と医師の事務負担の低減を実現


医師事務作業補助者(医療クラーク:以下、MC)は、医師の事務的な業務をサポートする職種として、2008年から診療報酬上の加算が認められるようになり、急性期医療を担う基幹病院などを中心に導入が進んでいます。高松赤十字病院でも、医師の業務負担軽減と患者サービスの向上を図るため、MC の導入を進めていました。導入にあたって、医師の業務分析や情報収集、適正配置のための分析などに富士通のフィールド・イノベーションを活用し、医師の業務改善を成功させました。

増え続ける事務作業が医師の業務を圧迫

  高松赤十字病院は高松市の中心街に位置し、地域の二次救急を支えている急性期病院です。病床数589床(一般病床581床)、1日平均外来数およそ1000人の総合病院ですが、医師数は110人前後と不足気味の上、二次救急でありながら救命救急センターに匹敵する高度医療への対応など現場の負担が大きくなっていました。

  それに加えて電子カルテシステムなどのICT化や、医療安全やコンプライアンスの関係から同意書作成など事務作業が増加し、医師の業務負担が増してきました。心臓血管外科医として緊急手術など日々の診療にあたる西村和修副院長は、医師の業務負担について次のように説明します。

  「もともと医師不足による業務負荷が大きい中で、診療にまつわる周辺の事務作業が煩雑さを増していました。しかも、それらは最終的に医師の承認が法的に規定されており、本来の診療行為以外のさまざまな事務的な業務が次々と医師に集中していく状況でした」

  このような背景から、同院では、医師の事務業務をサポートするMCの導入に踏み切りましたが、新しい職種ゆえ院内での業務範囲が不明確で、配置基準もあいまいだったため、検討は進められていたものの、配置が進まない状況が続いていたといいます。

西村 和修 副院長

西村 和修
副院長

MCの最適化にフィールド・イノベーション導入

  そのような状況の中で、同院では、迅速なMCの導入と適正配置、それによる医師の事務負担軽減を目的として、富士通のフィールド・イノベーション(以下、FI)活動を取り入れました。FIは、インタビューやPC作業の可視化などで事実を見える化し課題領域(フィールド)における改善をサポートする富士通の活動です。同院では、院内の「医療業務連携推進委員会」での検討でFIを取り入れることを決定し、2011年からフィールド・イノベータ(エフアイヤー:以下、FIer)を含めた活動がスタートしました。西村副院長は、FI活動を取り入れたきっかけについて、「率直に言えば、当初は院内でもFIには懐疑的でした。富士通といえば、電子カルテシステムなどICT企業であり、MCの導入計画支援のような事業とは関係ないと思われたからです。しかし、活動内容などの説明を聞いて、院内の議論だけでは行き詰まっている、MCの適正な導入のための“方法論”で期待できる部分があると判断し、共同で取り組むことにしました」と語っています。

笠木 寛治 院長

笠木 寛治
院長

  FIerがコミットしたMCの導入活動は、まず医師の業務実態と作業量を把握し、MCに期待できる業務範囲の検証、すでにMCを導入している他の病院の情報収集の二本立てで進行しました。導入のための院内の組織体制としては、西村副院長をリーダーとして、各科の医師の代表と関連事務部門スタッフとFIerで構成され具体的な導入検討業務を行うコア会議と、従来からの医療業務連携推進委員会(委員長:西村副院長)とが連携して、合同で進める形となりました。FIerが加わった導入活動について、笠木寛治院長は、「われわれも手探りでしたが、富士通のFIerとしてもMCの導入支援というのは初めての事例ということで、どちらが主ということではなく、真剣に向き合って協力して進めるという体制が良かったのではないでしょうか」とスタート時点での印象を述べています。

超過業務の“見える化”で、医師への説得力が大きく向上

  実際の導入活動では、各科の医師にインタビューやアンケートを行い、業務の実態や現状の課題や問題点、MCへの期待などを把握するところからスタートしました。医師へのアンケートは以前にも実施されていましたが、回答率が低く現場の状況をピックアップできていませんでした。そこで、MCの業務について51の業務と194の作業例に細分化した業務分類表を作成し、これに対してMCに任せたい業務と現状でその業務にかかっている月当たりの作業時間を記入するスタイルのアンケート用紙を作成しました。これによって、それまであいまいだったMCの業務区分が明確になり、医師が費やしている時間がイメージしやすくなったことで回答率が上がりました。

医療業務推進課では、診断書などの文書作成補助などを行う。

医療業務推進課では、診断書などの文書作成補助などを行う。

久保田 洋子 医療業務推進課長

久保田 洋子
医療業務推進課長

実際にアンケートにあたった久保田洋子医療業務推進課長は、「回答の書き方を理解してもらえない場合や、集計できないような回答が返ってくることもありました。そのときはもう1回フィードバックして聞いたり、回答自体をいただけないときは、MCは不要という意味だと判断して、先に進めたりもしました」と、実作業の苦労を語っています。

  そうしたアンケートの結果などは、FIerによって“見える化”され、資料がコア会議の場で提供されました。

詫間幸廣医療情報システム整備室長は、「病院の目標は、われわれは当然わかっていて、結論もある程度見えているつもりでした。しかし、例えば医師が事務作業にかけている時間にしても、実際にインタビューやアンケートによって、業務時間などについての具体的なデータを集め、数値を解析し、資料をつくって“見える化”すると、説得力が違ってくるのです。その数値によって、委員会のメンバー自身が納得した上で次のステップを決めたり、自信を持って医師の説得に当たれた点は、非常に良かったと思っています。MCの配置を決定するときも、根拠となる数値を示すことができたので、医師も不公平感を感じることなく受け入れてもらえました」と、客観的なデータによる“見える化”のメリットを強調されました。笠木院長は、「何回かプレゼンテーションを見せてもらいましたが、資料がインプレッシブでわかりやすく、素晴らしいと感じました」と、当時の感想を述べています。

詫間 幸廣 医療情報システム整備室長

詫間 幸廣
医療情報システム整備室長

難易度ごとに3段階で作業を線引き

  2012年4月の時点で50対1だったMCの配置体制は、9月の時点で30対1、12月には25対1、2013年7月には20対1と、導入は順調に進んでいきました。段階的にMCを増やすことで、導入による効果や業務改善の評価のフィードバックを受けて、次の導入計画につなげる形で進行しました。FIerが参入したプロジェクトの進行について、西村副院長は、「われわれの一番の目的はとにかくMCを早く導入して医師の業務負担を軽減することだったのですが、FIerはわれわれに中長期的な視点から、その都度の成果を決めるようにと提案されました。われわれは早くMCを入れたかったので、どうしても目の前の結果だけに目が向きがちでしたが、FIerが中長期的な展望に立って計画を立ててくれたことで、医師の業務負担の軽減という成果目標を明確にすることができました」と印象を語っています。

  アンケートの際にMCに任せられる業務の内容について、すぐに任せられる、少し教育が必要、当面は難しい、という3段階に分けてデータをとりました。「MCに任せたい事務作業は多岐にわたりますが、それを業務内容ごとにスキルやリスクで重み付けしたことは、MCを配置後の作業計画に大変役立ちました」と、西村副院長も、データがMCの作業の明確な線引きにつながったことを評価しています。また、採用したMCの教育の問題についても、市太さとみ医師事務支援係長は、「FIerには、計画の際に具体的なスケジュール表をつくってもらいましたので、私たちは目標を立てて行動することができました。その中で、MCの勉強会についても、病院全体での勉強会の開催など、スケジュール案とともに具体的に示してもらったのは、すごく助かりました」と、FIerの有用性を述べています。

市太 さとみ 医師事務支援係長

市太 さとみ
医師事務支援係長

目標だった医師の業務負担は大幅に減少

  30人のMCの導入に成功した現時点で、目標であった医師の業務負担の軽減は、達成されたのでしょうか。

外来では、患者の呼び込みやオーダ入力などをMCが行い、診療時間の短縮や患者サービスの向上に寄与

外来では、患者の呼び込みやオーダ入力などをMCが行い、診療時間の短縮や患者サービスの向上に寄与

  笠木院長は、「私は外来で、MCに検査などのオーダと患者さんの呼び込みをお願いしていますが、明らかに時間短縮につながっています。外来の時間は、従来は16時までかかっていたのが、先日は14時で終わりました。医師に余裕ができることはミスの減少につながり、ひいては患者さんとのコミュニケーションの向上になり、質の高い診療につながると思います」と、大きな成果が得られたことを実感されています。

  西村副院長は、「率直に言って、医師がやらなくてもいいではないかと思うような仕事は、医師はやりたくないのです。MCの導入によって、医師の業務の負担は明らかに減りました。しかしそれ以上に、やりたくない作業をしなければならないという“負担感”が減ったことは、大きな成果だと思っています。これは、アンケートにもはっきり表れています」と言います。そしてさらなるメリットとして、「業務負担が軽減されることで、医師には余裕が生まれます。その余裕は、例えば患者さんの話を十分に聞くことに使ったり、安全性の向上にもつながっていくと思います。また、外来の時間が短くなれば、その分、もっと重症度の高い病棟の患者さんに力を注ぐことができます。これは非常に大事なことだと考えています」とも述べています。

MC導入以外の課題にもFIの手法の応用を期待

  今後の展開については、さらに15対1まで増やすのか、超過勤務時間が長い若い医師のサポートのために病棟のMCを増やすのか、医局業務の支援をどのように進めるのかなど、これから見極めていく過程にあるようです。また、MCの教育や離職の防止などは、継続的な課題ととらえられています。

  今回、高松赤十字病院では、MCの導入を目的としてFI活動を利用されましたが、アンケートを基に状況を数値化して問題を見える化する技術は、ほかの問題解決にも参考になると評価されています。笠木院長は、「今回、FIを利用してよかったと思いましたし、アンケートを用いた手法を使って、これからも患者満足度調査と職員満足度調査は、さらに行っていきたいと考えています。職員の満足度が高いほど、病院が活気づきますから」と、スタッフのモチベーション向上に、今後も取り組んでいく姿勢を示されました。


MC導入活動で行ったアンケート結果:FIerによるデータの見える化で導入をサポートした。
MC導入活動で行ったアンケート結果:FIerによるデータの見える化で導入をサポートした。
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施設概要

日本赤十字社 高松赤十字病院

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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