GTM-MML4VXJ
Skip to main content
  1. ホーム >
  2. サービス >
  3. 業種別ソリューション >
  4. ヘルスケアソリューション >
  5. 導入事例 > 日本赤十字社 浜松赤十字病院様

導入事例 日本赤十字社 浜松赤十字病院様

日本赤十字社 浜松赤十字病院外観写真

フィールド・イノベーションによる業務分析と可視化で、病棟業務の作業時間削減と医療安全の向上を実現


2007年、浜松市の中心地から浜北地区へと新築移転し、急性期を担う地域の基幹病院として新たなスタートを切った浜松赤十字病院。移転と同時に電子カルテ化を図り、病院を挙げた業務改善にも取り組んでいました。2011年から、同院では富士通のフィールド・イノベーションを利用した業務改善活動を取り入れ、病棟の看護業務の見直しや医療安全の向上など、いっそうの効果を上げています。

院内での業務分析をさらに推進させるためにフィールド・イノベーションを導入

  12市町村の合併により、2007年に政令指定都市となった浜松市。同じ年の11月、浜松赤十字病院は、浜松駅から2km圏内の中心地から、急性期を担う公的病院のなかった浜北地区へと移転しました。このとき、院内のICT化にも踏み切りHOPE EGMAIN-FXを導入して、業務の標準化、運用の見直しを行っています。また、2010年には、病院機能評価の認定を取得しています。病院機能評価ver.6.0は、勤務評定の実施が前提になっていることもあり、業務分析表と勤務評定表に基づいた人事の評価を行うべく、業務分析を進めてきました。

奥田 康一 院長

奥田  康一 院長

  「当院では以前からTQC(Total Quality Control)活動を推進し、1人1改善を目標に掲げて、各部署が改善事項を発表したり、半期に1回は表彰する機会を持ったりと、業務改善に積極的に取り組んできました。しかし業務分析の点では、やや不十分なところがあると感じていました」と、奥田康一院長はいいます。

中村 久男 事務部長

中村  久男 事務部長

  また中村久男事務部長も、「病院は多職種がチームで働く場ですから、それぞれがどのような業務にどのくらいの時間をかけているのかを分析することが重要です。そこでまず隗より始めよで、事務部門で各自が自分の業務の洗い出しと業務分析を行う取り組みを開始したところでした。この取り組みは勤務評定や個人の業務改善には有効でしたが、組織としての体系的な業務分析までは至らず、もっとシステム化して進めたいと考えていたときに、富士通からフィールド・イノベーション(Field Innovation:FI)の紹介がありました。当院の推進してきた業務改善の方向性とマッチすると考えて、富士通のFIを利用した院内の改善活動に取り組むことにしました」と、FI導入の動機を述べています。

フィールド・イノベーションによって病棟看護師の時間外業務の内容が明確に

  FIは、「人とプロセスとICTの継続的改善」をコンセプトに、業務を見える化し、課題の分析、解決策の提案をお客様とともに実行し、業務を改善していく富士通の活動です。そのノウハウを持ったフィールド・イノベータ(FIer)とともに、同院は、まず総スタッフ数の半数以上を占め、大きな改善効果の見込める看護部の業務改善に着手しました。

二橋 祥子 看護部長

二橋  祥子 看護部長

  看護部でも、従来から業務分析は行っていました。二橋祥子看護部長は、「業務量調査は毎年行っていたのですが、業務を項目分けしてもスタッフごとに認識が違っていたり、チェック単位を15分と長めに設定したため複数の項目が入り込んでしまったりと、自分たちだけではどうしても曖昧なところが出てしまいます。そうなると、集計・分析もうまくいきません」と、院内スタッフのみでの業務改善の難しさを説明します。

  FIerは、改善の対象部門に決まった5東病棟(外科系)の師長、係長と月1回の定例会を持ちながら、スタッフへのインタビュー、現場観察などを行い、業務量調査についても過去のデータを解析しつつ、事実の確認と課題の把握からスタートしました。それらの結果を分析したところ、日勤業務で最も多くの時間をとられているのが看護記録であり、その半分近くが時間外に残業として行われていることが明確になりました(図1参照)。これらの結果について二橋看護部長は、「インタビューやワークショップなど業務を行いながら時間を作ることは大変でしたが、実際に具体的な数値で業務が“見える化”されたことで、今まで気がつかなかったことや“他職種の代行業務が多い”と漠然と思い込んでいたことが実際には違ったりと、第三者が入って気づかされたことが大きな収穫です」と評価しています。

  FI活動では、これらの可視化された結果と、想定される課題の関係を整理して優先順位をつけて解決に向けた取り組みを進め、最優先課題として手書き注射ラベルの運用の見直しから着手しました。

5東病棟のカンファレンス風景
5東病棟のカンファレンス風景

締切後の注射オーダへの対応を改善することで、医療安全の向上にも寄与

  電子カルテ化されている同院では、注射のオーダが入力されれば、すぐに薬局へと指示が飛び、バーコード認証用のラベルが出力できるシステムになっています。しかし、薬局の締切時間後に医師が処方した場合には、病棟看護師が処方内容をラベルに手書きで転記していました。

  検査の結果や患者さんの病状の急変などで、薬局の締切後のオーダ変更は少なくありません。病棟看護師がラベルに転記する運用は、業務負担が増えるだけでなく、医療安全の点から決して好ましくありません。しかし、部署をまたがる運用の変更は容易ではなく、看護部だけではなかなか解決策が打ち出せませんでした。

  今回のFIによる業務分析によって、臨時注射オーダの件数や発行時間帯を詳細に検討し、薬局の締め切り時間を1時間延長すること、全病棟にラベルプリンタを7台配置して、病棟でのバーコードラベルの出力を可能にして注射ラベルの手書きを廃止しました。これによって、臨時注射オーダの件数が41%から32%に減少するとともに、夜勤看護師の転記作業時間が病棟全体で100時間以上も削減されました。

  二橋看護部長は、「ラベルの手書き業務がなくなり、全体の業務量は軽減されましたし、何より最優先すべきリスク回避が実現されたのは、大きな成果だったと思います」と、この業務改善を評価しています。

事実の見える化は、先入観なく実態をとらえることに役立つ

  看護部の時間外業務の削減は、以前からの課題の1つでした。入退院の受付業務の負担が病棟の残業時間を増やしていることは病院でも把握しており、2010年に入院センターを設置しました。今回のFIによっても、入退院業務の残業時間での対応が多いことが明らかにされました。これについて二橋看護部長は、「入院センターの立ち上げによって、ある程度、時間外業務は削減されましたが、当院の入院患者の70%は緊急入院で、入院センターで扱っているのは予約の入院だけです。緊急入院の取り扱いも入院センターに移行しなければ、病棟看護師の十分な業務軽減にはつながりません。FIでは、業務内容や人員配置などの必要性が明らかにされたのと同時に、入院センターの再評価にもつながりました。やはり先入観のある院内のスタッフだけでなく、第三者のFIerに入ってもらったことが良かったのだと思います」と、最大の目的であった時間外業務軽減へのFIの効果を実感されています。

  奥田院長は、FIの総評として「それまで漠然と抱いていた印象と、見える化、数値化、グラフ化された実際の課題とでは、ずいぶん違っていました。看護師さんの負担、仕事のつらさを数字で表してもらおうという思惑もあったので、これらの事実が明確にされたのは良かったと思っています。看護師さんの業務負担を軽減させられれば、その分看護の質も向上し、患者さんのための医療の実践にもつながります」と述べています。


フィールド・イノベーション
■ 富士通のフィールド・イノベーション

フィールド・イノベーション(FI)とは、「人」「プロセス」「ICT」が一体となって初めて成立するビジネスにおいて、見える化することによって、人の意識を変え、改善のさまざまな知恵を引き出し、継続的な改善を行う、2007年からスタートした富士通の取り組みです。
さまざまな課題領域(=フィールド)で、インタビューやPC作業可視化など最新の技術を活用して、事実を“見える化”し、それに基づいたワークショップやファシリテーションによって意識改革と合意を形成し、現場が一体となった業務改革を進めます。
富士通の各業務領域で経験を積んだプロフェッショナル集団(フィールド・イノベータ)が、FIの実践的知識、豊富な業務経験と高い専門性、マネジメント経験を生かしてお客様とともにFIを推進します。
フィールド・イノベーションとは

「人」と「プロセス」と「ICT」の関係を見える化することで
本質的な課題を見極め,現場の人たちの知恵を結集して
お客様とともにICTの利用価値を高めていくこと

フィールド・イノベーションによる業務改善を、今後は院内全体へと拡大

  導入から1年足らずで、目に見える成果を上げたFIによる業務改善。その対象となった看護部では、現在、看護記録についての見直しを図っているところです。情報共有のため、いまはすべての記録をプログレスノートに記載していますが、医師からは「読むのに時間がかかりすぎる」との声が出ており、どこにどのような形で書くのが最も有効なのか、看護部では今、FIerとともに検討を続けています。また、看護診断の効果的な活用も、併せて模索していく計画です。

  中村事務部長は、「事務は病院のすべての分野を支える立場ですから、事務に関連する部分だけを見るのではなく、連携しながらマルチタスクで取り組んでほしいと思っています。これまで実施してこなかった事務職の宿日直も始める予定ですが、これも業務改善、FIの考え方が背景にあります」と語っています。さらに病院全体での今後の業務改善については、「今回の看護部での取り組みは、他部署でも同じことが言えると思います。次のステップではこれを、全職種、病院全体の取り組みとして広げていこうと考えています。業務改善はボトムアップ型であるべきで、個々のスタッフの意識が重要です。その意味で、明確に数字で結果が出た今回の看護部のFIは、非常に良いきっかけになると考えています」と、病院全体へのFIの広がりに期待を寄せています。

  最後に奥田院長は、「FI活動による業務改善は、大きな成果を出しましたが、まだ道半ばです。今後は病院全体、さらには地域連携において、地域全体のお互いの発展に寄与できるよう、改善を続けていきたいと思います」と、結んでくれました。


図1 浜松赤十字病院における5東病棟(外科)の業務量調査結果
浜松赤十字病院における5東病棟(外科)の業務量調査結果
[図を拡大する]Open a new window

施設概要

日本赤十字社 浜松赤十字病院

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

ヘルスケアソリューションに関するお問い合わせ

icon-telephone 電話でのお問い合わせ(総合窓口)

0120-933-200 富士通コンタクトライン

受付時間 9時~17時30分 (土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

icon-form Webでのお問い合わせはこちら