四国電力株式会社様

配電部門の新規事業開発に挑戦
電柱×ビーコン利用によるシステムおよびお遍路サポートアプリ「遍路のあかり」を開発

四国電力株式会社送配電カンパニー配電部では、管内に約84万本ある電柱を活用した新たな情報配信サービスを企画。サービスの実証試験に必要なアプリを開発・リリースするなど、富士通とともに新規事業創出に挑戦しています。

四国電力様
イメージキャラクター
あかりちゃん

導入事例概要

業種電力・配電部門
ソリューション電柱を活用した情報配信サービスの開発(お遍路サポートアプリ「遍路のあかり」)
課題
効果
課題面的に広がる配電設備を活用した情報配信サービスを実現したい
効果電柱をハブに、情報配信サービスを共同で企画・開発
課題実証試験開始に向け、スマートフォンアプリを開発・提供したい
効果プログラミングからリリースまで全工程にわたって的確・迅速に対応し、アプリ開発
課題実証試験のデータを有効に活用し、より実効性の高い事業開発に結びつけたい
効果技術面では富士通、マーケティング面では富士通総研の総合力で事業を支援

導入の背景

送配電部門の分離で加速した、新規事業開発の取り組み

「電力システム改革」の一環として2016年に始まった小売全面自由化、2020年には送配電部門の法的分離を迎えるなど、電力会社を取り巻く環境は大きく変化しています。「我々四電グループは、人々の生活に関わるさまざまなサービスを高い品質で提供し続けることにより、快適・安全・安心な暮らしと地域の発展に貢献するというグループミッションを掲げて、『暮らしを支えるマルチユーティリティー企業グループ』の実現を目指して事業運営を進めています。こうした中、新規事業の創出にも力を入れており、我々、送配電カンパニーでは、『次なる成長エンジンの創出』に向け、新たな事業展開による新しい収益源を確保するとともに企業価値もさらに高めていきたいと考えています」(山口氏)。

四国電力株式会社
送配電カンパニー 配電部 副部長
兼 配電システムグループリーダー
山口 隆浩 氏

管内84万本の電柱の新たな価値を生みだすため

四国全域に面的に広がる配電設備を活用して、地域の皆様にどのようなサービス展開が可能か。同社は、まず管内に84万本ある電柱に着目、さらに、世界遺産への登録に向け気運が高まる四国八十八ヶ所霊場とその巡礼者をターゲットにしました。「四国の企業として、この動きをバックアップする施策ができないかという強い思いもありました」(山口氏)。
これらを結びつけ、新たな事業を実現するための技術やアイデアが求められたのです。

プロジェクトのプロセス

「電柱から情報配信を」ビーコンを活用したシステムを二人三脚で

電柱を活用した情報配信サービスを実現するために、どのような技術が必要で、どのようなシステムを構築すればよいのか。この課題に応えたのが、富士通によるビーコンを活用したシステム提案でした。本事業開発は、四国電力送配電カンパニー配電部が事業の企画や検討を行い、富士通が技術的な側面から支援する形で進められました。

【システム概要図】
※2018年現在

電柱とビーコンを活用した情報配信サービスの概要

本サービスは、四国八十八ヶ所霊場および遍路道沿いの四国電力が保有する電柱約500ヶ所に設置したビーコンの信号を、お遍路サポートアプリ「遍路のあかり」(以下、「巡礼者用アプリ」という)が受信することにより、巡礼者にさまざまな情報を配信するサービスです。
巡礼者用アプリは、巡礼者を目的地まで道案内する機能をはじめ、巡礼者がビーコン付近を通過すると霊場の歴史や見どころ、周辺の飲食店・宿泊施設など店舗の最新情報を自動で取得することが可能です。

スマートフォンアプリ
トップ画面

プログラミングからリリースまで、アプリ開発

「我々にとって初めてのアプリ開発なので、戸惑うことが多かったのですが、都度、富士通にはレスポンス良く対応してもらいました。各霊場や店舗からいただいた、『タイムリーに情報を更新できる仕組みがほしい』という要望等、我々がやりたいことを的確に機能に落とし込み、アプリの開発を進めてもらいました」(田中氏)。

四国電力株式会社
送配電カンパニー
配電部 配電システムグループ
(四国遍路サポートサービス担当)
田中 泰志 氏

実証試験の状況と課題

プログラミングからリリースまで、アプリ開発

2018年5月30日に、お遍路サポートアプリ「遍路のあかり」をリリースし、7月初旬までに5,000件ダウンロードを記録、店舗契約件数は475件と順調にその数字を伸ばしています。「アプリへ広告掲載をしていただく店舗さまに対しての営業活動では、アプリが完成するまでは、内容の説明に苦労しましたが、今は実際にアプリをお見せしながら説明ができるのですぐにご理解いただけ、さらにクーポンなどによる情報提供機能等についてご好評を得ています。今後も営業活動を続けて、掲載店舗をさらに増やしていきたいです」(福家氏)。

四国電力株式会社
送配電カンパニー
配電部 配電システムグループ
(四国遍路サポートサービス担当)
福家 順平 氏

「霊場のご住職からは、お遍路さんからの問い合わせに的確・迅速に情報提供できるアプリはありがたいというお言葉もいただいています」(田中氏)。
「アプリに関しては、操作性の向上やコンテンツの充実を目指したいです。お遍路さんには海外の方も多くいらっしゃるので、多言語対応も必要と考えています」(藤田氏)。

四国電力株式会社
送配電カンパニー
配電部 配電システムグループ
(四国遍路サポートサービス担当)
藤田 歩 氏

多方面からの支援を得て、より価値ある事業の創造へ

「2018年5月30日よりお遍路アプリを世の中に配信することができましたが、ここからが実証試験の始まりです。ユーザーの属性、行動履歴などのデータ収集のほか、ビーコン設置場所の妥当性検討などを実施し、本サービスの効率的な運用につなげていきます。さらに、実証試験で得られた経験をもとに、次のアイデアや事業方針へとつなげていくために、引き続き技術的な面は富士通から、マーケティング面は富士通総研から支援を受け、事業開発のスピードと精度を高め、地域の皆様にとって、より価値のある事業を実現したいと考えています」(山口氏)。
富士通は、四国電力送配電カンパニー配電部の新規事業開発の挑戦を、これまで培ってきた総合力と先進技術でこれからも強力に支援していきます。

前列:四国電力株式会社 山口 隆浩 氏(右)、伊藤 陽一 氏(左)
後列:四国電力株式会社 藤田 歩 氏(中央右)、福家 順平 氏(中央)、田中 泰志 氏(中央左)
富士通株式会社 平田聡一郎(最右)、工藤晴男(最左)

担当営業メッセージ

富士通株式会社
社会システム営業本部 エネルギー第二営業統括部
四国エネルギー・社会ネットワーク営業部
工藤 晴男

このたびは、当社提案を採用いただき誠にありがとうございます。配電部様の電柱を活用した新規事業策定と四国遍路という2大テーマを元に、アプリサービスが実現できました。これも、配電部様が新規事業専門のチームを作られ、すべて前向きに取り組んでいただいたからだと思います。今後も、新しい取り組みに貢献できるよう協力させていただけると幸いです。

四国電力株式会社様

本店所在地〒760-8573 香川県高松市丸の内2番5号
取締役社長佐伯 勇人
設立1951(昭和26)年
従業員数連結:4,594名
ホームページhttps://www.yonden.co.jp/

[2018年8月28日掲載]

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