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進化するレコメンデーション :デジタルマーケティング コラム

「レコメンデーション」とは、ユーザーの購買履歴や属性情報などに基づいて、適切な商品やサービスを推奨することです。「レコメンデーション」の仕組みやアルゴリズムの進化について、富士通総研 田中 秀樹が解説します。

データとアルゴリズムで進化しているレコメンデーション

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という、商品やサービスを推奨するレコメンデーションの仕組みは、ECサイトやニュースサイトだけでなく、一般の企業Webサイトでも使われるようになりました。このレコメンデーションの進化を紹介していきます。

思いがけない商品との出会いで衝動買いを誘うレコメンデーションとは

レコメンデーションとは、ユーザーの購買履歴や属性情報などに基づいて、適切な商品やサービスを推奨することです。セレンディピティと呼ばれる「偶然に幸運を引き寄せる能力」があります。レコメンデーションで、ユーザーのセレンディピティに働きかけるような、思いがけない商品やサービスとの出会いを与えることが出来れば、「こんな良い商品・サービスがあったんだ」と衝動買いを誘うことができるでしょう。

商品・サービスを推奨して購買に結び付ける仕組みとしては「売れ筋ランキング」などもありますが、これは全てのユーザーに同じ商品・サービスを推奨するのに対し、レコメンデーションの多くはユーザー毎に推奨する内容が異なるという違いがあります。それではレコメンデーションの仕組みを説明していきましょう。

レコメンデーションの代表例: ECサイトで使われる協調フィルタリング

レコメンデーションが有名になるきっかけとなったが、AmazonなどECサイトで使われている「協調フィルタリング」です。これは、ユーザーの購買情報を分析して、購買履歴が似ているユーザー同士を探しだします。そして、そのユーザー同士の購買商品を比較し、片方が購入していない商品をもう一方のユーザーに勧める、という仕組みです。

しかし、協調フィルタリングは、ユーザーの購買行動の類似性だけを分析しているので、推奨の情報源としてユーザーの属性や商品の特性といったデータは使っていません。このため、たとえば男性ユーザーが奥さんの誕生日プレゼントを購入すると、女性用の商品がしばらく推奨されてしまうことがあります。しかしながら、購入者が男性で、購入目的が誕生日プレゼントということが分かっていれば、クリスマスや奥さんの記念日の前だけに、女性向けプレゼント商品を推奨する方が効果的かもしれません。実際、属性情報やライフイベント情報も活用するように、レコメンデーションは進化しています。

レコメンデーションにおける活用データやアルゴリズムの進化

大手ECサイトでは、性別、年代などの「ユーザー属性情報」、ユーザーの購買履歴やアクセス履歴などの「ユーザー行動情報」、商品カテゴリやブランドなどの「商品属性情報」など、様々なデータを活用してレコメンデーションを行っています。さらに、ネット上のデータだけでなく、リアル(実店舗)でのデータも組み合わせ、より精度の高いレコメンデーションを行なっている企業もあるようです。

活用データだけでなく、推奨アルゴリズムの種類も増えています。たとえば、メールのスパムフィルターなどに使われている確率論の「ベイズ理論」がレコメンデーションに使われています。これは、過去のユーザーの購買履歴や商品情報など様々なデータを元にして、ユーザーが次に買いそうな商品・サービスを予測するものです。さらに、推奨された商品・サービスが実際に購入されたか否かをフィードバックして分析対象データとして取り込む機械学習の仕組みもあります。推奨をすればするほど学習を重ねて精度が上がることになります。

ある会社では、ベイズ理論に基づくレコメンデーションを3種類、協調フィルタリングを2種類組み合わせて「レコメンデーションエンジン」を構築しています。ユーザーの推奨に対する反応をみて、組み合わせや重み付けといった味付けを変更し、レコメンデーションを日々進化させているそうです。

図:レコメンデーションのフロー

売上におけるレコメンデーション効果は当初の7倍に

様々なデータ活用や推奨アルゴリズムの進化によりレコメンデーションの精度は向上しています。あるECサイトでは、売上全体に占めるレコメンデーションの売上比率は、2000年当時に比べて最近では約7倍に拡大したそうです。レコメンデーションの活用価値は、ECサイトだけでなく、ニュースサイトや一般の企業サイトにもあります。自社に最適な味付けのレコメンデーションエンジンを構築できれば、ユーザーの満足度向上やビジネス拡大に結びついて思いがけない成果が得られかもしれません。

(株式会社富士通総研 田中 秀樹)
株式会社富士通総研(FRI)

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