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小売店舗のデジタル化:デジタル技術でビジネスを革新する

AIやビッグデータといったデジタル技術はオンライン上のビジネスで活用されるだけでなく、リアルでも活用されてビジネスを革新しています。身近な小売店舗を取り上げて、デジタル技術によるビジネス革新の姿を見ていきましょう。

小売業はデジタル革新の可能性3位

シスコシステムズとIMD(International Institute for Management Development、スイスにあるビジネススクール)の調査によると、デジタル化で影響がありそうな業種は、1番目がテクノロジー業、2番目以降は、メディア・娯楽業、小売業、金融業、通信業という順番でした。小売業は、デジタル化が進むテクノロジー業や、ストリーミングの定額制によってビジネス革新が起きている音楽などのメディア・娯楽業に続き、3番目にビジネスが革新すると予測されています。

デジタル技術は以前から、効率化や自動化、情報活用のために使われてきました。例えば、キャッシュレジスター(レジ)は、古くは機械式でしたが、それがデジタル化され、今ではPOSレジが広く導入されています。POSレジのバーコードスキャナーで打ち込み時間が短縮されると同時に、把握した販売情報を使って最適な品揃えが行えるように業務が変わりました。このレジにも新たなデジタル技術を適用してビジネスを革新しようとしています。

一括で読み取るセルフレジやレジ無し店舗が登場

ファミリーマートは消費者自身が精算する「セルフレジ」を本格導入すると発表しました。待ち時間を気にする消費者が多い駅構内の店舗を中心に、2017年度までに1,500店に導入する予定です。このセルフレジは、スーパーマーケットなどでも導入されているのは消費者が商品を1つ1つバーコードで読み取る方式ですが、大手コンビニエンスストア5チェーンは、ICタグを活用してカゴに入った商品を一括で読み取る方式のセルフレジを2025年までに導入する計画です。このようなレジの待ち時間を減らすアプローチに対して、レジに並ぶこと自体を省いてビジネスを革新するアプローチもあります。

Amazonはシアトルでレジ無しコンビニエンスストア「Amazon Go」の実験を始めました。利用者は、スマートフォンを店舗入り口のゲートにかざし、購入する商品を棚から手に取って、ゲートを通って店舗から出る(Just Walk Out)だけで決済が終わります。利用者にとっては、時間を気にしながらレジに並んだり、財布から現金やカードを出す必要がない、スムーズなショッピング体験が提供されることになります。

Amazon Goの店内にはカメラやマイク、各種センサが設置されています。複数のセンサを組み合わせて精度を上げるセンサ・フュージョンや人工知能(AI)といった、自動運転と同様のデジタル技術で店舗内の行動がトラッキングされます。この仕組みを使って、どの商品を手に取ったのか、また、買うのをやめて棚に戻したかを把握し、持ち帰った商品だけを決済しています。

ロボットやVRなども適用され始めた

デジタル技術の活用はレジだけではありません。ロボットやVRなど様々なデジタル技術が他の業務にも適用され始めています。

富士通は、2017年3月に開催された展示会「リテールテックJAPAN2017」に、店舗の品出し業務を支援する自律型店舗ロボットソリューション「MATEY(メイティ)」を出展しました。MATEYは店舗内を巡回して商品の陳列状態を読み取り、POSデータや各種データと組み合わせて分析することで、商品の欠品や古いセール価格のPOPが残っていることを店員に知らせたり、最適な陳列レイアウトや品出しのタイミングを提案したりします。

図:デジタルマーケティングとマーケティングオートメーションの取り組み状況
出所:富士通

現在スーパーマーケットで実証実験を行っており、1~2年以内の実用化を目指しています。当初は、閉店中の夜間などに使う形を想定していますが、将来は営業時間中に店員と一緒に協働するようなるかもしれません。また、富士通はAIを活用してコーディネートをアドバイスする「ミラー型デジタルサイネージ」も参考出展しました。プロのスタイリストのコーディネートパターンを学習したAIの問いかけに答えるだけで、自分に相応しいコーディネートが鏡に映し出されるようになっています。

Polo Ralph Laurenは試着室の鏡にデジタル技術を適用しました。タッチパネル式の鏡が設置された「インタラクティブ試着室」では、消費者が持ち込んだ商品が検知され、サイズやカラーなどの商品情報が表示されるようになっています。試着した商品と違うサイズを試したいときは、タッチパネルで指定すると店員が試着室まで持ってきてくれます。通常の試着室では、外に店員を待たせているのが気になったり、店員がいないと自分で取りに行く手間があったりしましたが、そんな心配や手間が不要な今までにない快適な買い物体験ができます。さらに、顧客が好みそうな商品のレコメンデーション機能があり、コーディネートを鏡に映すこともできます。試着した服の情報をスマホに送ることができるので、その場で購入を決めずに、後でネットから購入することも可能です。

THE NORTH FACEでは、VR(Virtual Reality:仮想現実)技術を使って、ロッククライミングやハイキングといったアウトドアスポーツを疑似体験できるようにしています。店舗内で同ブランドのウエアーを試着し、VRヘッドセットとヘッドホンを装着するだけで、アウトドアスポーツのスリルがリアルに体感できるようになっています。店員が言葉だけで説明するのではなく、リアルな体感と同時に説明することで、実際にチャレンジしようというニーズと同社製品の利用イメージを喚起させるでしょう。

デジタル技術でビジネスを革新する

小売店舗へのデジタル技術の適用は、従来からある省力化・自動化や、情報活用に加えて、これまでにない体験を提供することでカスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させるといった狙いも加わっています。単に商品を陳列するだけでなく、最適な体験を提供することで、店舗の価値を強化しようとビジネスを革新しているのです。

デジタル技術を活用したビジネス変革は、小売店舗以外でも始まっています。顧客への提供価値を向上させるために、デジタル技術を使えば何ができるかを是非考えてトライアルしてください。

(参考資料)

(株式会社富士通総研 田中 秀樹)
株式会社富士通総研(FRI)

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